同盟通信
劇団青年座
新宿シアタートップス(東京都)
2023/10/13 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了
実演鑑賞
上演時間は、約2時間10分(途中休憩無)。
事実と真実との違い、記者の心得などにも言及しながら、
報道とは何か報道には何ができるのかを問いかけている力作。
六英花 朽葉
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/09 (水)公演終了
明けない夜明け
演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2023/07/14 (金) ~ 2023/07/20 (木)公演終了
実演鑑賞
上演時間は、約2時間5分(途中休憩無)。
タイトルは、ポジティブにとらえるかネガティブにとらえるかで
解釈が分かれる、
The night is long that never finds the day.
を想起させる。
昨年上演された『白が染まる』を観劇していなくても当日パンフの
説明部分に目を通しておけば十分わかるし、もちろん観劇していれば
よりよくわかる作品になっている。ただ、当日パンフの人物相関図が
極めて小さく、明るいところで目を通しておこうかと思ったが、拡大
された人物相関図が別刷りでちゃんと入っており、観客への心配りに感謝。
ヒトミ役は、前作では確か高野志穂さんで、今作では宮田早苗さん。
ゴウ役は、引き続き奥田努さん。
現在、東京芸術劇場では、プレイハウスでNODA・MAPが『兎、波を走る』、
イーストでserial numberが『スローターハウス』、ウエストで演劇企画集団Jr.5が
今作『明けない夜明け』と、各々が各々のアプローチで非常に重いテーマ題材を
扱った作品を上演中。
ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)
劇団チョコレートケーキ
シアタートラム(東京都)
2023/06/29 (木) ~ 2023/07/16 (日)公演終了
実演鑑賞
劇団が脚本演出等で参加した舞台版『アルキメデスの大戦』は
東宝演劇だが、その東宝の映画撮影所は世田谷区成城にあり、
円谷プロもかつて世田谷区砧にあって、また、今回の上演会場も
世田谷区ということで、奇しくも?同じ世田谷区つながりになっているが、
特撮絡みの作品は、畑澤聖悟さんが劇団民藝に書き下ろした
『光の国から僕らのために―金城哲夫伝―』以来久々。
現在隣の世田谷パブリックシアターで上演中の『音楽劇 ある馬の物語』
と扱っているテーマに重なるところが少なからずあるが、作者の
着眼点と切り口は独自でさすがなもの。また、『ドキュメンタリー』
の時にも感じたが、演出者は小道具のさりげない使い方が上手く、
受話器の取り方置き方一つでその時その時の人物の内面を繊細に
観客に伝えるなど、上手と下手での電話機の使い方も効果的で好印象。
ただ、題材が子供向け特撮番組ゆえムリスジなところがあるのも
1990年頃の話の設定というのも十分わかるが、それでも、特撮ものを
扱っているのに、怪獣が出ない、出せないや特撮ヒーローと怪獣との
格闘シーンがない流れでというのは、公共放送ならともかく民放での
放映を前提とすると無理のかかった劇構成の上、観ている方としても
もどかしさあり。
特撮をもう少しという向きには、参考文献の他に、手っ取り早く
映像ドラマでというなら、年代などやや古いが、
TBS『ウルトラマンをつくった男たち 星の林に月の舟』(実相寺昭雄 原作 佐々木守 作)
NHK『私が愛したウルトラセブン』(市川森一 作)
などもある。
『私が愛したウルトラセブン』では、初回最終回などいくつかの回の
シーンが一部ではあるが劇中で再現映像化されているだけでなく、
上原正三さんの未映像化台本の「300年間の復讐」も一部だが映像化
されていて、ドラマの流れの中で重要な役割を担っていた記憶あり。
たいていの差別偏見に見受けられるが、差別を受ける側に差別を受ける
何かがあるわけではなく、差別する側が時代時代で都合のよい理由を
恣意的意図的に捏造して差別が行われる。昨年2022年は水平社宣言
100年の年と共に住井すゑ生誕120年の年でもあり、また、確か毎年8月頃は
「人権 同和問題啓発強調月間」ということで、各地の自治体で
人権同和問題(部落差別)の正しい理解を促進するための啓発活動が
いろいろ行われていたはず。
Spring Grieving
PLAY/GROUND Creation
サンモールスタジオ(東京都)
2023/05/19 (金) ~ 2023/05/31 (水)公演終了
実演鑑賞
上演時間は、
side-A 約1時間50分、
side-B 約1時間35分。
2作品観る場合、どちらからでもよいが、関連性はあるので、
時系列的には、B→Aが自然。また、それぞれ完結しているので、
単独で観ることもできる。
家族を真正面から扱った作品で、全体的にはやや抑えめで
静かなタッチだが、だからこそ、本音がぶつかり合うとき
その激しさが際立つ。
作品の底流にある家族の喪失と再生というテーマが総合タイトルに
表されており、また、下手から上手に向かって伸びる桜も印象的。
ブレイキング・ザ・コード
ゴーチ・ブラザーズ
シアタートラム(東京都)
2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
最近では、暗号解読がらみの作品は、パラドックス定数の
『Nf3Nf6』以来。今回の作品は、昨年、リバイバル上演された
『M.バタフライ』とモチーフ的に相通じるものがある。また、
舞台作品ではないが、サイエンスがらみでは、タイトルが似ている
『コード・ブレーカー 生命科学革命と人類の未来』は、
ウォルター・アイザックソンによる、ゲノム編集技術クリスパー・キャス9の
開発に携わった科学者ジェニファー・ダウドナが主人公のノンフィクション。
辞書を引くと、"code"にはいろいろな意味があり、単に『暗号解読』
とはできないため、原題"BREAKING THE CODE"をそのまま邦題
『ブレイキング・ザ・コード』にしているのかもしれない。
アラン・チューリングはコード・ブレーカーとして描かれるわけだが、
"THE CODE"にメタファーとしてのコード破りの意味合いが
どれくらいの数込められているのかなども含め、観劇中でも観劇後でも
劇中に隠されたコード探しにトライしてみるのも一興。例えば、
"code"を"genetic code"ととれば、劇中に出てくるモミの実のかさの
螺旋の並びの数のパターンがフィボナッチ数になっている話も含め
生物の形態形成の話題や最後の場面にリンクするといった具合になる。
また、天井からつり下げられ規則的に並んだ直管蛍光灯(LED灯)は、
作動音も伴って適宜オン・オフすることで、第1世代(真空管式)
コンピューターの作動を連想させるだけでなく、電気信号が
脳内神経回路に流れることで生み出されるイメージが
寄木細工模様似のパネル等のセットを含む舞台上に次々と
投影されそれを観る者が目の当たりにしているという幻覚をも
抱かせる心憎い仕掛けとみることもできる(もちろん、
脳=コンピューターというたとえが必ずしもあっている
というわけではないが)。
ポーランドでマリアン・レイェフスキらが解読機ボンバを駆使して
軍の暗号解読機関ではじめてエニグマ暗号の解読に成功したものの、
そのアップグレードに伴い予算と人手が不足をきたしてきたため、
連合国と協同で事に当たることになり、それまでに蓄積したエニグマの
解読技術などのデータがイギリスのGCCSに提供され、これをもとに
アラン・チューリングらのグループは、エニグマ・コードの解析を
行った経緯がある。
また、この作品で触れられていたか記憶が曖昧だが、
GCCSでは、他に、ローレンツ暗号を解読するための
電子式解読機『コロッサス』の開発なども行われていた
(エニグマ暗号では、機械式解読機『ボンベ』)。
情報機関絡み(これ見よがしに紙の空袋を二度も靴で踏みつぶす
ジョン・スミスはMI5か)なのもスパイ小説の本家のイギリスの
知識人階級好みな気がする。ただ、ドイツ軍が誇るエニグマ・コードを
いかにして解読したのか、スリリングで面白くなるはずの肝心な部分が
ほとんど拍子抜けの扱いで、これを知りたくて観に来た方は肩透かしを
食らう(これも、観客の予想期待を裏切るという意味では、コード破りの1つか)。
もっと知りたければ、例えば、ベネディクト・カンバーバッチ主演の映画
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
などを観てくれということなのかもしれない。
ところで、聴き違いなら大変申し訳ないが、確か、第一幕の
チューリングとノックスとの会話の場面での、チューリングのことば
「…物理学者が原子の分裂を発見したのと同じです。…」
での「原子」は「原子核」では?
ちなみに、いささか心もとないが、わたくしの記憶が確かならば、
『ブレイキング・ザ・コード』はセゾン劇場との提携で
劇団四季創立35周年記念公演の一環として地方公演も含め行われ、
再演もあったか。今回は新訳だが、翻訳は吉田美枝さん、
演出は浅利慶太さん、アラン・チューリング役は日下武史 さん、
パット(パトリシア)・グリーン役は五十嵐まゆみ(岡まゆみ)さん
だったような。翻訳、演出、主演は、上記の『M.バタフライ』
と同じ方々。
聖なる炎
俳優座劇場
俳優座劇場(東京都)
2023/02/26 (日) ~ 2023/03/04 (土)公演終了
実演鑑賞
上演時間は、約2時間35分(途中休憩含)。
適材適所のキャスティングの妙があり、
理性や論理だけでは割り切れない人間の本質の部分を
鋭く突くと同時にサスペンス劇というか推理劇的な要素も
織り交ぜ観る者の興味をぐっと惹き付ける
巧みな物語展開が冴える会話劇。
桜姫東文章
木ノ下歌舞伎
あうるすぽっと(東京都)
2023/02/02 (木) ~ 2023/02/12 (日)公演終了
実演鑑賞
上演時間は約3時間15分(15分休憩含)。
半ば廃墟の和洋折衷の公衆浴場を芝居小屋に見立て、そこに集った
芝居好きだが演技はずぶの素人?の今風の若者たちが歌舞伎の真似事をしている。
浴槽と洗い場のある浴室辺りを(「黒御簾」や「床」に当たる所も含め)舞台、
脱衣所辺りを待機中の役者が後見や観客役を兼ね見物休憩する袖兼客席、
その間付近を引幕で仕切ってできた大まかな劇場空間で起こっている
芝居も含めた出来事を悉く隅から隅まで、実際のお客さんが客席から
観察しているという二重構造meta構造の仕掛けが施されているとみるのが
素朴な観方か(従って、幽霊が出るのもあり、待機中の大向こう?の
観客役の役者から舞台上で奮闘中の役者へ、例えば、べにヤ、いなげヤ、
ダルメシアン、セカチューもといセケチュー、ニコイチ、待ってました、
久しぶりなどと掛け声がかかるのもあり)。
古典歌舞伎へのリスペクトも込め話の内容がよく分かるように
創意工夫されている演出。ただ、これまでの木ノ下歌舞伎でよくみられた、
つかこうへい芝居張りの多少のムリスジも押し通すあの勢い、熱量、
テンポのよさ、躍動感や高揚感に溢れた作品からはかけ離れるが、
その分、各場面に応じてreal実観客との適度な距離感の調節が行われていて
(ただ、終盤になるにつれこの制御が利かなくなりつつあるが、意図的か)
どちらかというとフラットでコンパクトな作りになっている。
これまでをdynamic動的とするなら、今回は全体としてはむしろ
static静的に近い作品という印象あり(もちろん、いわゆる本来の歌舞伎に
比べればはるかに動的。静かな脱力系の『熱海』や『蒲田』を観ている
感覚に近い。ただ、深淵に沈み、また浮かばぬままの撃沈組が奏でる
健やかなBGMが終始耳に入ってきていたことも否定しないが)。
注意深く観てきた方は、そういえば弟の松若丸はどうなった?
吉田家は?などと思うかもしれない。しかし、少なくとも公家の姫である
桜姫がジェンダーの縛りをこえ、これからの自分の運命は
自分で切り拓くといった自立意識、自我に目覚めたとするならば
(いかにも近現代的観点だが)、今回の幕切れ結末はそんなことは
どうでもいいことと物語っている気もする。
また、細かいことで記憶が不鮮明なため間違っていたら申し訳ないが、
引幕の色柄が薄鈍色というかくすんだ白色から淡い青色へ開演時と終演時で
変わっていたような。町内の寄合の出席を渋る権助の出席への決め手が、
八百善の仕出し→なだ万の弁当
に変更されていたのには気づいたが。
カタブイ、1972
名取事務所
小劇場B1(東京都)
2022/12/15 (木) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
千一夜
ONEOR8
新宿シアタートップス(東京都)
2022/11/26 (土) ~ 2022/12/04 (日)公演終了
ソハ、福ノ倚ルトコロ
演劇集団円
吉祥寺シアター(東京都)
2022/10/07 (金) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
『滝沢家の内乱』や『神遊(こころがよい)―馬琴と崋山―』などに続く、
『南総里見八犬伝』をめぐる、不屈の人、曲亭馬琴(滝沢興邦)と
その周りの人々を描いた評伝時代劇の力作(小説では、山田風太郎の
『八犬伝』等あり)。
世の中の情勢がどうであろうと、作品を世に出すということが
どれほど手間暇のかかることか、当時の読本の制作過程と
不要不急のものといわれる昨今の演劇作品の制作過程とが
自然と重なってみえてくる。
作品というのは、一人の力だけで世に出せるものではなく、
幾人もの人たちの手による協働作業の賜物である。
劇本体に、『八犬伝』の原文での劇中劇(読本の強靭な2.5次元舞台)を
織り交ぜながら話が展開してゆく(このあたりの構成は、山田風太郎の
『八犬伝』のそれに近い)が、そのタイミングと構成バランスは絶妙で、
グリフラの『かっぽれ!』シリーズ作品でみせたあの鮮やかな転換を
彷彿とさせる。『八犬伝』を完結させてもなお尽きることのない創作
意欲溢れる戯作者魂、気概をみせる馬琴のラストシーンも前向きで心憎い。
ちなみに、題名は、『八犬伝』第四輯巻之一第三十一回の
「いにしへの人いはずや、禍福は糾縄の如し、人間万事往くとして、…」
からきているとおもわれるが、おおもとは、
「禍は福の倚る所、福は禍の伏す所なり」。
ガラスの動物園
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了
実演鑑賞
シネマスコープ感のある舞台で、母親のアマンダに
相当焦点を当てているのが特徴的。
戯曲の字面にとらわれず、人物の内面を反映させた
俳優のフィジカルな動きと照明が生み出す光と影の使い方の秀逸さ
が印象的な舞台作品。
ただ、座席が千鳥配置になっておらず傾斜のほとんどない
前方中央寄りの席の方は、舞台床がやや低く舞台端での
座り芝居が多いため、字幕も含め観づらいシーンが
結構あるかもしれない。
M.バタフライ【福岡公演中止】
梅田芸術劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/06/24 (金) ~ 2022/07/10 (日)公演終了
実演鑑賞
上演時間は約3時間25分(20分休憩含)。
男が生み出した女を愛してしまった男の、現実と幻想をめぐる
頭の中での回想の物語。
また、タイアップでもないだろうが、7月8日~16日に、
新国立劇場オペラパレスで、劇場主催公演
高校生のためのオペラ鑑賞教室 2022『蝶々夫人』が上演予定。
パンドラの鐘【4月25日~5月4日の東京公演中止】
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2021/04/14 (水) ~ 2021/05/04 (火)公演終了
実演鑑賞
上演時間は、約1時間50分(途中休憩無)。
あまり奇をてらわず、真正面から戯曲に向き合う
姿勢に徹した演出が印象的な舞台作品。
各々の役者が、戦争直前の日本と古代とをまたいで
ほぼ対応する役を交互に演じ分けながら話を進行させる
趣向は、二つの時代の単なる直線的な往来とは違い、
時間的渦のようなものを生み出し、観る者をスパイラルに
その中へ引き込み呑みこんでゆく作用あり。観ていて
おもしろいが、演じる側は負荷がかかり相当大変。
初演時野田版でヒイバア役の野田さんも語り手として、
声のみだが出演。
花樟の女
Pカンパニー
座・高円寺1(東京都)
2021/03/03 (水) ~ 2021/03/07 (日)公演終了
上演時間は2時間30分(10分休憩含)。
当日パンフに入っている『花樟の女』関連
台湾の歴史解説の資料は、前もって目を通しておくと
台湾の歴史をあまり知らない者にも観劇中の助けに
なるよう、よくまとめられている。ただ、細かいことだが、
資料は事件等が西暦で表記され、舞台では各場の時代が
元号(年号)で映されるので、その対応付けが少し面倒かも。
鶏
TinT!
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2020/12/09 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜
劇団印象-indian elephant-
駅前劇場(東京都)
2020/12/09 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
少ないが歌もあり、人間を明るい面から描こうとする
作者の温かい眼差しと人物愛に溢れた評伝劇。
ただ、ケストナーは焚書や発禁処分にあっても
なぜあそこまで亡命を拒み国内に留まり続けたのか
といったことなどを含め、社会の矛盾や混沌の中で
生きる人間の内面、その奥深くに沈んでいるものの
描写やあぶりだしが弱い印象もあり。
ミセス・クライン Mrs KLEIN
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2020/12/04 (金) ~ 2020/12/20 (日)公演終了
精神分析がらみの海外戯曲の作品は、
DULL-COLORED POP プロデュースの
『Freud's Last Session』(公演名
『最後の精神分析-フロイトvsルイス-』)以来久々。
夢とはレム睡眠中に脳が活動するためにおこる
一種の幻覚に過ぎず、夢の内容、ストーリーの
分析自体には神経科学的、生理学的にあまり意味はない
といってしまうと身も蓋もないけれども、それでも、
岡目八目ではないが、腕利きでも、自分で自分自身や
その家族を対象として冷徹に客観的に徹底して
分析し尽くすことの、なんとハードルの高い
やっかいなことか。
一流は、報酬も一流。
ちなみに、細かいことで聴き間違いなら大変申し訳ないが、
ハンガリーの首都は、
ブタペストorブダペスト?
その男、ピッグテイル
あうるすぽっと
あうるすぽっと(東京都)
2020/11/22 (日) ~ 2020/11/29 (日)公演終了
実演鑑賞
上演時間は約2時間(休憩無)。
パブリックシアターが主催ということで、
細かいところでいろいろあるかもしれないが、
劇団☆新感線のいのうえ歌舞伎、2.5次元系の時代物、
劇団そとばこまちのエンターテインメント時代劇
シリーズといったあたりの作風に近いところもあり、
意外と抵抗感少なく観劇できる作品。
プロジェクションマッピングや高さのある多面的な
廻り舞台セットを駆使した疾走感、躍動感溢れる演出が
特徴的。ただ、補助情報として舞台最奥のスクリーンに
たびたび映し出される字幕の流れが、位置的に
この中央の舞台セットに遮られて、特に前方席からは、
非常に観づらいというかかなり見えなくなっているのは
マイナス。
また、高さのある多面的な廻り舞台を駆使した
演出手法は、つい先日まで明治座で上演されていた
『恋、燃ゆる。』のそれと相通ずるものがある。
平家落人末裔のウツギが大久保利通に語る、
先祖から伝承されている言葉
「こんまことん刀は護身刀。
こんまことん刀持てるは武士(もののふ)なれど、
武士は心魂で戦うがすべて。
強き武士なるは民を殺めず、
強き武士なるは民を慈しむべし。」
が心に残る。
『その男、ピッグテイル』という公演名は、
時代背景からみて池波正太郎の小説『その男』をかなり
意識しているような気も。ちなみに、『その男』は
最近では、2009年に芸劇で鈴木聡 脚本 ラサール石井 演出、
上川隆也主演で舞台化上演されている。
真夏の夜の夢
東京芸術劇場
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2020/10/15 (木) ~ 2020/11/01 (日)公演終了
定時開演。上演時間は約1時間55分(休憩無)。
野田作品の持ち味である、小気味よい台詞のやり取り、
疾走感、躍動感といったものはやや抑制気味にして、
スケール感を操り舞台空間全体を活用する演出が特徴的。
ただ、(白塗りも含め)演出者の好みなのか座り芝居が
多用されており、石畳模様の座席配置とはいえ、
特に傾斜のほとんどない前方席の方は観づらいシーンが
多少あるかもしれない。
知られざる森や妖精たちの衣装がビニール系素材?で
作られているのもユニーク(SPAC版では確か新聞紙で
作られていた)。
今井さん扮する悪魔メフィストの存在感が際立つ。
発することなく飲み込んだコトバにこそ、その人間の
本心が隠れている。