15 Minutes Made Volume14
Mrs.fictions
王子小劇場(東京都)
2016/08/10 (水) ~ 2016/08/16 (火)公演終了
満足度★★★★★
満足です!!!!
こちらに感想掲載しております。
http://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/36451829.html
虚構の劇団 第12回公演「天使は瞳を閉じて」
虚構の劇団
座・高円寺1(東京都)
2016/08/05 (金) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★
色々な・・・。
観劇ブログにて
まとめました
http://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/36445287.html
保健体育B【終演しました!ご来場ありがとうございました!】
20歳の国
駅前劇場(東京都)
2016/04/27 (水) ~ 2016/05/01 (日)公演終了
満足度★★★
保健体育B
何だか、観ながら、色んなモノが自分の中で分泌された105分。
絡まり、追う、焦がれて、諦めて、考えて、想って、求めて、
色んな「キモチ」が舞台の上で露わになっていた。
捉え方が
人によって勿論異なるのは、当たり前で。
「すき」という気持ちが素直に溢れていると捉える人もいる。
「すき」だから、なんでも感情の赴くまま行動するのが
「若さ」というのは、考え方が短絡的ではないかととらえる人もいる。
私は観ながら
「すき」の具現化のある意味ファンタジーな要素が
盛りだくさんだったなと思う。
生々しいファンタジー。
描かれる女性の中に、自分が共感出来る人が少なく
むしろ、自分は、女性よりも、男性の心の置き方が近い役柄の人が多いようだった。
ただ、
「こころ」よりも、「からだ」が繋がる「あんしん」を得るという感覚は
分らなくもない。
勿論、「こころ」があっての「すき」という感情が基本アイテムになってはいるのだが。
高校生たち以外の
大人がある意味
一番、ピュアな恋愛をしてるなと感じた。
形態は様々で順当か?と聞かれると、「はい」とは
言いにくいのだが、何となく、そう感じた。
尾倉ケントさんの「馬場」役が良かった。ある意味、正論。傍から見たら、ちゃらちゃらしてると思われると思うがかなり、個人的には「筋」が通ってる気がした。
ロクな死にかた
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2016/04/07 (木) ~ 2016/04/18 (月)公演終了
満足度★★★★★
パズルは・・。
家に帰ってご飯作って、洗濯して、
子供の学校のプリントみて、家族の明日の予定確認して・・・・。
当たり前の毎日が一つパズルが消えると変わるのだろうか?
恋人たちが当たり前に過ごしていた時間の中である時、パズルが消えたら・・・。そこには、空いたままの空間になるのだろうか?
色んなケースで時が止まる。
芝居の中でも「生」の時間の概念と「死」の時間の概念の話があった。
あり得る事だけど、きっと、「自分はない」ってみんな思ってると思う。
でも、パズルが
無くなって
亡くなって
もう、それは「事実」なんだけどどうしたら、正解なんだろうか。
「死」を受け止めるのって当事者=死んだ人の周りの人はどうするのが、
正解であるのか、観終って考える。
自分的にはまだ、大切な人を亡くすって体験が無く
もし、これから起こる事は肉親の事だったり、旦那さんだったり、友達だったり、自分の子どもだったり・・・・。
年齢的にもう、自分の子ども以外だった場合悲しさよりも、「覚悟」かなって思った。
自分の子どもだった場合は「消去」を希望するだろう。
芝居の中で、「忘れること」が出てきたけど「わすれること」は悪くないと思う。弱い人にとっては。
私は、弱いから「事実」から楽になりたいのならぽっかり空いたパズルを認めたくないからきっと、全部消して、逃げる選択をすると思う。
だから、きっと、「チサト」は
もしかしたら、めちゃくちゃホントはメンタル強く持ってああいってるのかな。
周りは忘れていくのに、生きてるって・・。
印象に残ったシーンがいくつかある。
村瀬(石井双葉さん)の毬井との話を二人(武田と白井)に話していた時の最後の台詞。
この一言が、かなり、破壊力があった・・。
ずしっと、想いの強さがあった。
もしかすると、男性より女性の方が共感するかも。
私は、ここで、涙が出てしまった。
芝居の中で重なり合う瞬間にドキッとした。
毬井とチサト一平と看病される女
この時の一平(糸山和則さん)が、切ない・・・。
比較的、全体的に飄々とストーリーテラー的に進めていた彼だったのだが、変化があった。あの表情の変化・・・。
ぎゅっとなってしまった・・。
劇中
毬井の以前言っていた言葉を
武田が同じように言う。
重なる。
繋がる。
今で言うリンクするみたいな感じだろうが・・・。
貴方はもういない。
でも、デジタル遺産の「ブログ」で
もう一人の「毬井」が呼吸をしている。
もう一人の「毬井」が言葉を紡いでいる。
死んでいるけど
生きている??????
そんな毬井の存在も
一平の言葉で揺らぐ・・・。
観終ってすぐって、その芝居がどうなのかと考えて言葉にすると
「好き」か「嫌い」で分れる
そのうち「もやもやするけど、好き」か、「もやもやするから嫌い」かになって、
最後はやっぱり、頭で考えるよりこころが「すき」って感じたのは、
もう一度観たくなるっていうパターン。
今公演、「生活」というか、「毎日」といった、
日常からの、「死」や、「想い」、「繋がり」といったものが
役者たちが羽を広げて、演じられていたように感じた。
だから、決して、自分とかけ離れた話ではないと感じる。
だからこそ、「ロクな死にかた」を、観た人がそれぞれ、思う所の広がりを見せたのではないかと思う。
今作の「毬井」役の石本政晶さん。不思議だったな。
この人は、仮面をかぶるのが上手い方だと思った。
特に今作は、アルカイック・スマイルというか、「毬井」のそんな微笑みが印象的。
広田さんは、姉妹の描き方で
上手い対比をみせてくれる。
今作も、水野チサト(榊 菜津美さん)と、水野ハルカ(一川 幸恵さん)の対比。
*余談ですが、この姉妹のお母さん役が広田さんだったのですが、とても、愛くるしく、かなりの飛び道具的な出演で楽しかった*
あと、やはり、群舞が素敵。
今日観てて重なり合う部分が照らされて
うっすら、見えるものは、何だろうって考える。
台詞ではないけど言葉なのかな?
アマヤドリの群舞は空洞で観ると、より、画のように美しい。
「アマヤドリ」を初見の人は
このホンを、比較的、すっと受け入れられるような気がした
巣穴で祈る遭難者
一色洋平×小沢道成
Geki地下Liberty(東京都)
2016/03/26 (土) ~ 2016/04/04 (月)公演終了
満足度★★★★
黒バージョン
人間は愚かだ。
何度も、争いを繰り返した歴史を学習できない。
幾度と、ハコを開け続ければ良いのかな。
私は「ミライ」には希望を持ちたい。
みんな、そう、思ってるはずだと思う。
ここはある未来の話。
コミカルな台詞回しも、面白い。
二人の俳優の力も観ていてとても、伝わってくる。
今回「黒」ver。一色洋平さんが、良かった。
いい意味で「一色節」が無く、物凄く「役」として、観ていて良かった
公演中なのであまり、詳細は触れないでおくが、
個人的にもう少し違う終わり方の選択もあるのかなと感じた。
トドケラレタモノ。なんとなく、そう感じた。
須貝さんのホンには、様々なチップがあってそのチップを何枚も、
得た時に、「ふふふ」と一人微笑んでしまう不思議なホン。
噂の劇場への階段は、タイムトンネルのよう。徐々に、時を進める。
進んでいるのか?むしろ、戻っているのか?
「白」verも楽しみ。
色んな事を思いつく事はみんな出来る。でも、具現化する事はみんなではない。それをきちんとしているお二人だと感じた。
もしも、シ〜とある日の反射〜
空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画
吉祥寺シアター(東京都)
2016/03/06 (日) ~ 2016/03/20 (日)公演終了
満足度★★★
消失 忘却 輪廻
消滅
忘却
輪廻
このワードが時間軸の不思議な進み方でだんだんだんだんと繋がり、
涙が自然とこぼれていた。
もしも、「if」は無いけれど、
でも、「もしも、シ」問いかけてしまう。
「if」が廻りながら
「フルサト」は時間軸の中を行き来する。
「タカラ」がひどいのかな。
「ハジメ」がおかしいのかな。
「if」もし、もし、もしも、あの時、こうだったら「ミライ」は変っていたのかな?問いかけても答えは無い.
単なるセンチメンタルではない。
「ハジメ」がそこまでして、「フルサト」を忘れないために
する事が時には滑稽で、時には、狂気を感じさせる事もある。
「ハジメ」を笑うのは
ダレ?それは、私かもしれない。世間かもしれない。日本人かもしれない。
「忘れないように・・・」
でも、
忘れていく。
「もしも、し・・・。僕の声は聞こえてますか?」
聞えていた声が徐々に小さくなり、聞こえなくなっていく・・。
でも、悪意がある訳ではない。
徐々に、人々は忘れていく。
歴然と物語が語られない。
でも、言葉であって言葉ではない物で伝わるものが
感じ取れたホンだったような気がする。
私は好きな空気だった。
バカから醒めたバカ
INUTOKUSHI
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2016/03/05 (土) ~ 2016/03/11 (金)公演終了
満足度★★★★
すき
犬と串「バカから醒めたバカ」@武蔵野芸術劇場
面白かった!!!
でも、痛かった。
私は、観るだけの人間だから、作る人の痛みは分からない。
でも、随所、随所に、心がずきんとしちゃうシーンがあった。
でも、面白い.
考えないで、感じるのが犬と串の楽しみ方なんて勝手に思う。
SFと今回銘打ってのコメディー。
子供の頃「ミライ」はピカピカに光っていた。
それから、大人へなっていった現在。
そこには、永遠にその頃の
忘れられないシーン60が無限にループして
前に進めない男が居た。
諦めてしまえば、楽になる。
でも、心の最後の部屋では、永遠にあのシーン。
今回板倉さんの役柄に、モラルさんの姿が見え隠れした。
「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演
Théâtre des Annales
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/03/02 (水) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
生。
テアトル・ド・アナール「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)凱旋東京公演@SPACE雑遊
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン古河耕史さん
ヘルマン・スタイナー榊原毅さん
カミル・フリードリッヒ・ガリウス大原研二さん
ベルナルド・クント小沢道成さん
ミヒャエル・グルーム/デイヴィッド・ピンセント本折智史さん
生きていた。
昨年も、観劇している舞台ではあったが、今日、時間を経て、観たら、より、
5人が目の前で「自分の言葉を話し、息をし、熱をもって、生きていた」と感じた。
劇中の5人が、生き生きと、より、生身感を感じさせていた。
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン役の古河耕史さん。
眼が、違っていた。
何故だろう。確かに昨年観た時も、素晴らしかったが
今回雑游で観た眼の力が数段あがっていたように感じられた。
ある種、「狂気」。凡人には、一瞬、身を引いてしまう
そのオーラが増長されていた。
ヘルマン・スタイナー役の榊原毅さん。
隊長の劇中での空気を変えてくれる役柄に幾度ともなく
救われた。
カミル・フリードリッヒ・ガリウス役の大原研二さん。
昨年、観た時もとても、切なく、辛い、観ていて、誰かが
救ってくれないだろうかと祈っていた。
だから、最後のカミルの死が訪れると、観ている自分も自然と神に祈りを捧げてしまっていた。
ベルナルド・クント役の小沢道成さん。
昨年観た時は「光り」だと思った。
「希望」があの戦場において、とても、明確に描かれていたから。
ミヒャエル・グルーム/デイヴィッド・ピンセント役の本折智史さん。
二役の今作は、本当に力量が無いと演じる事が難しいと思った。
「静」と「動」の演技。
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインにとっての、「光り」だったデイヴィッド・ピンセントの時の柔らかな包み込むような演技は、素敵だった。
「演劇」らしい「演劇」だと、今一度観劇して、感じた。
「演劇」は「作り物」なのか?
そうではないと、強く、思えた。
台詞という言葉が、演技という動きが、あの薄暗い空間を確かに、切り取っていた。
面白い。
昨年、他の方に感想は?と聞かれ「演劇だ!」と答えたのが思い出される。
演劇だからこそ、あの空間が、あの匂いが、あの音が、あの暗闇が、あの光が、生まれるのだなと。便利な世の中の今。
あえて、足を運ぶ意味があると改めて感じだ舞台だった。
そして、雑感。
ふと、今回は受付順の入場だった理由はあの場所だからなのかと考えた。
前回はチケットに整理番号があった。
新宿の往来がある街中のSPACE雑游だから、あえて、意図的にしたのか。
行列が出来ていたら、「なんだ?」って知らない人も興味湧く。
ミセスフィクションズのまんがまつり
Mrs.fictions
王子小劇場(東京都)
2016/02/17 (水) ~ 2016/02/22 (月)公演終了
満足度★★★★
面白さのかたち
漫画を今回芝居に・・。
5本の短編が、個人的には内容の濃度順に配置されていたように感じた。
勿論、衣装や小道具、大道具などの転換などの都合もあるかもしれないが、観ながら、徐々にページをめくっていきながら、ハマっていった感じ。
個人的には「橋」、「恋の草鞋編み」の空気感が好きだった。
「リンゴの国のお姫様・森田早紀(源氏名姫)」は、マユミ(髙畑 游さん)が
かなり、好きな役だった。カムヰヤッセンの工藤さんの女王さまも
かなり、素敵だった。
そして、「恋の草鞋編み」での先生役岡野康弘さん。よかった・・。
漫画の二次元と、演劇の三次元。
何が難しいのか?
何が違うのか?
間のタイミングというか、きっと、コマの移動のタイミングがきっと、観客が思うスピードと芝居のスピードが合致すると気持ちよいモノになるのではないかと感じた。
あとは、耳に入る「オト」これも、大きい。
今回、物販コーナーでミセスフィクションズさんの以前は無かった(確か公演時の特典DVDだったのも)新しいDVDがあって、購入出来たのが嬉しかった。
値千金のキャバレー
ホチキス
座・高円寺1(東京都)
2016/01/23 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
ホチキス!!
色んな、色んなエッセンスが盛り込まれたホチキスのお芝居。
米山代表の書くホンは 全力で、遊んで、そこに演者が、全力で応えて、
尚且つ、きっと、今まで出てなかった新しい魅力を引き出す
魔法をかけるんだな~って私は思う。
客演さん方のはっちゃけぶりが楽しいし、
ホチキスの皆さんの毎回の爆走・爆笑に観ながら、わくわく、どきどきする。
米山さんが描く「親子」って、素直に愛情を伝える事が下手くそだけど
めちゃ、愛がつまってる親子像だと思う。
これは、米山代表が意図しているかわからないが
「禁止」というか「出来ない」とされた事柄に対して
人は少なからずストレスや、その状況を 理論では
「しょうがない」と諦めているけど
本能では押さえる事が出来ないのが 生きていく中で幾度も、
幾度も、ぶつかるモノなのではないかと思う。
だから、好きな事とか、 まっすぐに出来る状況って大切だなって。
リアルなとこで、
「神」が奪った「歌」は
「権力」が奪った「自由」と
なぞる事も出来るんだなって。
そんな事、ぼんやり考えてしまった。
これは、私の勝手な解釈ではあるが・・。
「OMG/風桶」
梅棒
吉祥寺シアター(東京都)
2016/01/16 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
風桶
あれだけの大所帯(18名)が、きちんと、それぞれの配役が「浮き出ている」
しかも、それが、それぞれの演者の「プラス」の部分が物凄く出ている気がした。
だから、観ていると、その「役」が生きているし、楽しいし、切ないし、
ドキドキもしての95分。
見どころが多いのはそういった今人さんのホンの「役」の生かし方が濃いから、
色んな人を目で追いたくなる。
梅棒の公演は基本的に台詞が少なく、J-POPの歌詞を重ねたりできて、
情景を観劇側に伝える他に無いパフォーマンスを展開している。
偶然にも今日のアフタートークで客席からの質問に対して答えていた今人さんの言葉が、梅棒のスタイルに関して自分の中での再認識できた返答だった。
「台詞」がとても、重要な事が十分理解している今人さんだからこそなのかなと。
中林舞さん、七味まゆ味さんが今回出演されていてそれも、楽しみのひとつだった。
中林さんの持つ技術(バレエ)を上手く、演出に生かしつつ、そして、あの表情の幅広さ。
七味さんも同じく、演技者としてのパワーが素敵だった。
お二人とも、お綺麗なのにと、「やっちゃう?」と邪推な事も思いながら、楽しく拝見した。
遠藤誠さんが、今回良いひとでした。(役柄)
この方は、前回の公演で初めて拝見させて頂いた方ですが、色気がある方だなと。
多分、他の人がやってもカッコよさが出ないけど、
遠藤さんがすると格好良いというマジックがある。不思議な人だ。
ダンスに関しては素人の私なので、技術的な凄さは分からないのだが
エンディング近くの、皆で踊る姿には、感動する。
観客の盛り上がった気持ちが、一気に
そのダンスで、一緒に解き放たれて、爽快な気持ちにさせて貰える。
赤ずきんちゃん
トリコ・Aプロデュース
OFF OFFシアター(東京都)
2015/02/18 (水) ~ 2015/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
トリコ・Aプロデュース『赤ずきんちゃん』
トリコ・Aプロデュース『赤ずきんちゃん』@下北沢OFFOFFシアター2月20日マチネ観劇
観ながら、感じたのがまっすぐな想いは歪んでいて 歪んでる事が悪なのか?と考えた時に 一概には言えなくて。
当事者同士のとらえ方、感じ方でいく様にも 変わるのかなと感じた。
劇中の兄、弟への母親からの愛は 平等だったのだろうか?
意識しない中に、どこか捻じれたものが あったのではないだろうか。
女の自分は 物凄くひやっとする感覚が潜んでいた芝居だったな。
ウミネコ楽団 のCD,デモCDも無事に購入。
暫くずっときいてしまいそうなかんじ。
舞台の素敵な所は
やはり、照明、音(音響)、風の動き、など
五感をフルに使って感じる事が出来ることなのだと、改めて思う。
今回のホンの面白さ、演者の方々の力量(ほとんどの方が初見の俳優さん)
そして、台詞が関西弁(細かいカテゴリー分けはあると思うが大きな意味で)台詞を関西弁で言う「おと」の強さ・面白さ・いわゆる標準語と呼ばれる音では伝えにくい台詞の面白さが興味深い。
中盤、小沢道成さんの眼に光るものがあった気がしたのは見間違い?
謎が謎のまま、深く沈んでしまうのも、いいのかもしれない。ラスト近くの右近健一さんの狂気の表情が、とても印象深い。
夏目漱石とねこ
DULL-COLORED POP
座・高円寺1(東京都)
2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★
寂しさが、走馬灯のようにめぐる芝居
DULL-COLORED POP『夏目漱石とねこ』2014年2月13日マチネ観劇@座・高円寺
寂しさが、走馬灯のようにめぐる芝居だった。最後の東谷さんが吸う煙草の煙は、人の死の最後の姿なのかなと。身体は、焼かれ、煙となり、立ち昇る。寂しく、でも、誰もがある意味同じなのかと。
ココロの中が、すんと、なんというか、苦しさとは違う、切ないような空気で一杯になった、芝居。色んな時間軸の中の「夏目漱石」を俯瞰で見るような。それでいて、自分の中にもあるような。
好き嫌いは、ある芝居だとも感じた。それは、当たり前だと思う。谷 賢一さんのこういった芝居はある意味新鮮というか、何故だろう、言い方があってるかどうかわからないが正統派の芝居だと感じた。
百花さんの幼少期のきんのすけ。
涙がでてしまう。
バックボーンが見え始める。
彼「夏目漱石」の大人になってからの
言動の意味が少し、見え始める。
この芝居を観た後に「夏目漱石」という人の
歴史、史実など読むと
面白いと感じた。
箱 ―Boxes― since1998
ストアハウスカンパニー
上野ストアハウス(東京都)
2015/01/21 (水) ~ 2015/01/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
フィジカルシアター
1月24日マチネ観劇ストアハウスカンパニー「箱 -Boxes-since1998」@上野ストアハウス
すでに公演は終わってますが、ストアハウスコレクションと銘打って
2017年までアジアの団体と日本の団体が公演する企画です。
詳細はこちらの公式サイト参照
http://www.storehouse.ne.jp/ueno/collection2015.html
この公演は何度も再演されているフィジカルシアター(無言劇)です。
今回初見だったのだが、圧倒された。
箱を使い、男女が歩く、走る、くぐる、飛ぶ、逃げる、道を作り、壊し、また、作る。
箱は動く、積まれる、壊される。
作品を作られた方の説明は「夢の中の風景からの脱出」だそうだ。
観ながら私が感じたのは「人生」。
「生」と「死」そして「生まれ変わり」だった。
動く足音、着地の音、そして、頬に感じるのは俳優の動きによる、風の流れ。光り輝くのは、肌を伝う汗。芝居が進むにつれての、眼の変化、頬の筋肉の変化、視線の変化、繋ぎ合う手の動きをみていると
そんな気がした。
藪原検校(やぶはらけんぎょう)
こまつ座
世田谷パブリックシアター(東京都)
2015/02/23 (月) ~ 2015/03/20 (金)公演終了
満足度★★★★
血
終演後、心臓が痛くなった。鼓動が早くなってしまった。
「血」が、悪いのか?「血」の繋がりなのか?
舞台上での、舞台美術の「赤」が物凄く目に焼き付く。嫌なくらい、纏わりつく。
「悪」はどこから生まれるのか?
千葉伸彦さんのギター演奏。心情を表す様な、ギターの沢山の音色、
ボディーを叩く音。
二代目藪原検校・杉の市を演じられた野村萬斎さん。
初めて実際の舞台を観させて頂いた。
やはり、本来の狂言師としての才能を持ってる強み。
しかし、そこだけではないどこか、生きた時代を俯瞰で見ているような、
行っている事は勿論非道な事ではあるのだけど、
なにかか違うような印象を受けた。
「俺がして、何が悪い?」と杉の市の心の深い所が苦しくもあり、
理解してあげたいとも感じた
こまつ座の公演は初めて?だったかもしれないのですが
プロの舞台だなと。
普段の客層とも大分違う感じもあった。
悪い冗談
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
三部作
今回三部作「悪と自由」とうたわれた三作品目。
観た中で今作が一番、自分的にはスイッチが入った。
例えるなら 前1作目「ぬれぎぬ」は、観ながら小説を読むような、遠そうで近いかもしれない未来。
前2作目目「非常の階段」。
ふたつの流れが混じり合う所に ナイトは位置していたのかなと。 一つの流れは、穏やかな家族の流れ。 一つの流れは激しく冷たい家族(個人)の流れ。
今作は、一番、劇中のシーンに自分の感情を すり合わせるというか
きもちの中にぐっと手を伸ばして掴まれたような シーンが
沢山、あった。そこに自分が居たかもしれないという苦しい投影今回、
観ている最中の涙。
芝居が終わり、客電がついてから オーバーラップしたように
また、涙が溢れてきた。
悲しみなのか 恐怖なのか 諦めなのか 訳が分からないけど 無性に涙が出てきた。
今回物凄く、観ていて気持ちが動き、辛かった。
しかし、群舞に救われた気がする。
何だろう、力強く打ち付ける大地の音、 跳ねる身体 風を巻き起こす、うねる、駆け抜ける 「生」のようなイメージを、
活力のようなイメージを 「いろいろ、有るけど良い方向を見つけて、そっちにいかなくては!」、
「動かなくては!!」と今回の群舞には勝手にそう感じ取り、救われた気持ちがする。
服従の実験というシーン。怖い。怖い。と観てると苦しくなってきました。
何が怖いのか。「理性」が「やめろ」と思ってるのに、「命令」「浮遊する責任」などで理不尽な実験を服従してしまう・・。
怖い。ほんとに怖いと思いました。日本も「責任」のあやふやさでいつの間にか、戦争していたりする可能性もあるのかと。
あと、空襲の場面。
焼夷弾の投下の中逃げる
自分がそこに居たかもしれないという苦しい投影をしてしまうのです。
自分の子がもし、そんな状況になってしまったら。
飛躍過ぎかもしれないけど私にはどうしても観ながらそんな感情に包まれてしまう。
劇中の3月の花火大会桜の季節。
かつての空襲の記憶fireworks(花火)
それは、かつての焼夷弾( fire bomb)の事なんだろうかと。
沢山の沢山の悲しみを鎮めるためなのか。
川の流れにかつての面影はないが、血塗られた、遺体が折り重なっていた
川は未だにその想いを漂わせているのか。
ぽこフェス年末総納め
ぽこぽこクラブ
こった創作空間(東京都)
2015/12/01 (火) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ぽこぽこ
VOL.0の時のオムニバス形式を思い出させる三作。
三者のホン。
それぞれの特徴が出るのは、勿論、「みせる」事の色々を考えてきているような空気を勝手に感じた。
「やる」から「みせる」に徐々に変化してきているのを感じた。
渡辺芳博さん作「お囃子」
渡辺さんのホンは怖い。笑って観ていた風景が、いきなり、闇色に塗られてしまう。 しかも、それが、じわじわじわって・・。
心臓に悪い。でも、あの刺激が好きかと。
囃し立てる対象物は何なのか。
以前、観たホンも、何故だか「街」が浮かんできた。
日常から、もう一つの意味を持った非日常へ。
縮図が見える。嫌な縮図が。
商店街の話から、地域へ、全国へ、世界へ。逃げられるのか?
昔は、お国の為と言って、逃げられなかった。
これからはどうだ?
いつの間にか、囃し立てられ、神輿に座らさせたら?逃げられるのか?
片道だけの燃料で、飛んで行った人達が居た。
ふと、そんな人たちとオーバーラップしたのは、考えすぎだろうか。
三上陽永さん 作「神様お願い」
以前ラジオリーディングドラマのホンが今回畑の異なる方の出演で実現。
三上君の優しいホン。
でも、今回、「歌」のパワーって今更ながら凄いなって再認識。
客演のお二人の公園のシーン。
冬の寒い夜、月明かりが木々の影を落とし、
やっと、二人が素直に気持ちを通わせられたシーン。
とても、良かった。
今回シンガーの広島綾子さんが出演。
前回公演で「Desperado」の和訳を提供された方だった。
初めての芝居でご苦労されたとブログや、Twitterなどでおっしゃっていたが
素直になれない役柄の「音子」を熱演されていた。
https://youtu.be/nix5wy3AXcI
杉浦一輝 さん作「キリマンジャロ」
元々、杉浦君のホンは好き。
今回は5年前のホンを書き換えたとのこと。
大人の寓話。
誰かが前に出たら 後ろに下がる人が生まれる構図も、一つの世界。
観ながら、ここに着地するか!と。
やっぱり、メビウスの輪ではないけど表と裏は、そんな風になってるのだと考えてみた。
高橋玄太さんが良き演技だった。
そういえば、坂本健さんはなんとも、不思議な俳優さん。
自然体が本当に自然体に見えるけれど
でも、なんか、ふわふわっと浮かんで「虚」を上手く演じる俳優さんなんだな~と。
世界と戦う準備はできてるか?
ぽこぽこクラブ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2015/03/25 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
好きです
本公演2回目。
杉浦一輝さんの今回のホン。
観ながら「等身大」というか、まっすぐにぶつけて来たなっていうのが、率直な感想。
だから、前半の其々3グループのエピソードが必要となるのかとも思った。
主軸である物語(兄弟の物語)に最初から関係がある訳でなく、
本来は個々のフィールドの人々。それが、少しづつリンクする。
ただ、「個々のフィールド」のエピソードがより、今回の主題を伝えるのに必要ではなかったのではないかと感じた。
だから、舞台上の「人」の状況は、観ている「わたし」の状況にも、簡単になりうるのではないかな。
でも、戦うのは何も武器を持つことだけではない。
若い、年寄り、男、女、大人、子供・・。
それぞれのフィールドに戦う必要があって、自ら決意して戦う準備をする。
だから、後半の渡辺芳博さんがとある場面での表情や、ライティングに怖さを感じた
プラスの決意は怖くない。マイナスの決意は怖い。
それを感じたのかもしれない。
冒頭での渡辺さんの台詞。
二回目はまた違った響きを感じた。
「俺たちは準備ができてるんだ」と宣言しているかのようにも感じた。
植え続けたものは、本当は何なんだろう?
悔しさ、恨み、涙、絶望、諦め。
何なんだろうって。
2回目は渡辺芳博さんの視線の先に何がみえているんだろうって考えながら、観た。あの、苦しいような、氷のような、「生」を感じさせない視線。
それとは対照的な高橋さんの光が膨張するような視線。 光りと影が本身から離れて、止まっていた時間が動き出したのかも しれないと感じた。
個人的には
繋がり上、必要だったと聞いたダンスは少しどうなのかなと感じた。
今回からメンバーになった坂本さん、彼のあるシーンで泣きそうになった。
高橋さんも、芝居に骨がある良い俳優さん。
女優陣の中では塩澤葉子さんが上手い方だった。
今回は、脚本、演出の二人をバックアップする大人な人達が素晴らしいなと。
少しお話しした渡辺さんにしても、照明の坂本さんにしても、ある種の愛だなと。責任が有る分、辛いけど、楽しい。
音楽がオレノグラフティさん。
ポイントでカッコ良過ぎる音楽。
照明も、ほんとにぞくっとする陰影の使い方をしている。
光りの強弱の使い方も同じ場所を射しているのだか光りの強弱の使い方も同じ場所を射しているのだが、
気持ちの揺れのようなものがその強弱で伝わる様な照明。
凄い。
あと、ふと劇中の三上陽永君の役柄に関係する物(AV)に関しての考え方がマグリットの「恋人たち」を想像させた。
見せない事での表現。全てが同じ表現ではないけど何故だかそんなことがよぎった。
再生ミセスフィクションズ
Mrs.fictions
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2015/03/27 (金) ~ 2015/03/30 (月)公演終了
満足度★★★★★
堪能
初見のMrs.fictions
今回は犬と串の藤尾姦太郎さんの出演や、岡野康弘さんを「ナマ」で一回
観たいという感情からの観劇。
短編4本の構成
面白かった。
しかし、ほろっというか、きゅんというか、何とも不思議な感じ。
15分という短い物語。
若い人より、少し人生疲れちゃったかなーって思ってる人に観て貰いたいなんて思う。振り替えると、デフォルメしてるなかに、自分が居たりする気がした。
あんな短い尺のなかに、過ぎていった時間がぎゅっと詰まっていた。
『ねじ式(未来編)』
どうしてだか、わからないが
じんわりきた。
本来の「ロボット」=「機械」=「道具」
といった観念が通らない未来の様子。
むしろ、未来の方がアナログな感情が必要だったりするのかもしれない
犬と串の藤尾姦太郎さんの『東京につれてって』。
ホームレスの藤尾さんにずっと、ずっと、恋心を持ち続けた小桜ちゃん(橘花梨さん)
もう、あんな一途な想い、無理かもしれないが観ていて、
恥ずかしながらきゅんとなった。
最後に残ったバニラの香りの封筒。
二人に素敵な時間が始まるとよいなと思った。
『お父さんは若年性健忘症』も、ホントだったら、あんな奥様のように出来ないかもしれないが、夫婦の積み重ねた「愛」、「愛」以上の繋がりを、ふと感じた。さりげなく寄り添う空気良かった
『まだ僕を寝かさない』ラストが秀逸!
野口オリジナルさんがもう一度煙草を吸おうとベランダへ行こうとしたあたりから、もう、ぞくぞくした。岡野さんが素晴らしい。
とても、千堂あきほの人とは思えなかった
どの作品もぎゅっとつまった作品たちで
とても、良かった。
ベター・ハーフ
ニッポン放送/サードステージ
本多劇場(東京都)
2015/04/03 (金) ~ 2015/04/20 (月)公演終了
満足度★★★★
沁みた
唄が、台詞がみ、沁た。
時が、進む。 人は、変わる。
でも、パズルは、はまるようにしか、はまらない。
時が進む。 それが、回り道だったとしても、いつか、パズルは、ぴたりと、はまる。 はまるピースに出逢える事。
台詞に今の自分を重ねてみた。
ああ、こんな風に愛を欲張っている自分が見え隠れる。
芝居を観ながら笑いながら、ふと、気がつくと、
隣でもう一人の自分が涙を流していた。
アイは、形を変えて、でも、ホントウは変わってなくて。
いつの頃からだろう
愛なんて、口にしなくなったのは。
でも、やはり、愛をココロに掲げる事は
生きる糧のひとつになる気がする。
色んな愛。
でも、その愛は果たして純粋なものだろうかと。
「与えたから、私を愛して。私を優遇して。私を!私を!」
観ていて、自分が責められている気持ちにもなった。
でも、何故だろう。
きっと、高校生の頃にこのホンを観てもこんな気持ちにはならなかったとおもう。鴻上さんのホンに、何故だろう、このホンには物凄く微笑みの空気が溢れていた。でも、色んな想いを抱えての「微笑み」だと思う。
今回、中村 中さんがとても素敵だった。
初めて、唄も聴かせて頂いたのだが本当に素敵だった。
勿論4者4様の輝きがあった。でも、個人的に中村さんの瞳にどきどきした。