QGB02033の観てきた!クチコミ一覧

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富士幻談

富士幻談

声を出すと気持ちいいの会

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/06/16 (土) ~ 2012/06/19 (火)公演終了

満足度★★★★★

秀逸! らしい演出に満足
終わって、席を立つときには涙が滲み、感動で手が多少震えていた程です。
期待通りの壮大なスケールと予想を許さない劇的なストーリー展開は、まさに圧巻というほかはない。

6人の役者がそれぞれの個性を発揮して、この超現実的な脚本をあくまでもリアルに演じている。

「富嶽百景」をネタにこんなスペクタクルに展開・表現できるのはこの劇団以外にないかもしれない。

ネタバレBOX

導入部分でのふすまの影絵は非常に効果的で、富士の冠雪をイメージした白布の効果も非常にシンプルでイメージ効果が大きい。
富士の噴火からのクライマックスから終焉までの演出は本当に素晴らしいものがあった。

ただ、中盤のエピソードが重く、長く、やや複雑なため疲れる部分もあり、中盤でのエピソード展開にもう少し笑って楽しめる軽い内容、たとえば現代人の富士山への意識の変化など共感できる内容も入れて移調効果も入れてくれたらさらに良かった。

草野氏の短髪は個人的には大変いいと思う。もともと、以前から草野氏の完成形はスキンヘッドだろうと思っていたのでニンマリしてしまった。

読み手の出し方も「らしい」演出であったが石綿氏の存在感がありすぎて、シーンごとのコントラスト効果が薄まってしまった印象があるので、被り物をするなど工夫がほしい。

また、細かいことだが着物(特に女性)の着付け方が着慣れないせいか、襟元が立ちすぎるなど素人目に不自然に見えた。

次回以降も期待したい。
A MIDSUMMMER NIGHT'S DREAM

A MIDSUMMMER NIGHT'S DREAM

声を出すと気持ちいいの会

小劇場 楽園(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待されている団体だ(弁明)
今回の公演が私にとっては期待外れな内容だったのだが、それはあくまでも今までの「声キモ」の実績ゆえのものであり、客観的に評価すれば十分及第点をとっていると思う。

しかし、才能とパワーと若さとセンスのある団体であり期待されている。それは、その後の厳しいレビューが沢山あることがそれを証明している。

今回、会場で販売されていた『黒猫』(再演)と台本を買いました。で、当然家で台本読んで、DVDをみました。いや、実に素晴らしい演出にひたすら脱帽、何度見ても面白い。カッコいい。音楽も踊りも、実に見事に舞台を数段ランク上のものに昇華している。

これだけのモノを作れる団体だからこそ、厳しい評価をされるということだろう。生活もしなけりゃいけないだろうから厳しいかもしれないけど、たくさんの期待しているファンを度肝を抜き唸らせる様な舞台を待ってます。

未ダ和解ナリ

未ダ和解ナリ

W×A Produce

駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)

2012/03/21 (水) ~ 2012/03/22 (木)公演終了

満足度★★

DVDもらいました
DVDもらったお約束なので感想を書きます。
オムニバスとも二本立てとも違うしいて言えば、シリーズもののように合体されていく二つの物語といった感じ。着想はよいのではないだろうか。ただ、いまひとつつなげ方に面白みが感じられないのが残念。

とにかく舞台装置は、なんでこんなもの作ったのか理解できないくらいの動く舞台装置(ステージが動く!人が入ってんのかな)。この装置に演出のパワーが奪われた感じで今一歩内容に深みがなく、コメディさも中途半端か。

まぁ、異なる二つの劇団のお芝居を一つの舞台で融合させてしまおうという試みは大変買える点である。

中高年を笑わせるには無理があるが、大学のキャンパスでやるという点では十分に受けたのではないだろうか。ただ、個人的には、もっとノリノリのダブルデックが見たかった。

A MIDSUMMMER NIGHT'S DREAM

A MIDSUMMMER NIGHT'S DREAM

声を出すと気持ちいいの会

小劇場 楽園(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度

正直いって、期待はずれ。
この劇団の評価で低い評価をつけることはなかったが、可能性があるだけにあえて正直に感じたことで評価させていただきます。

役者さんはとてもよかったです。特に草野氏はまた一回り大きくなった気がします。

本当は観劇後に直接言ったほうがいいとは思うのですが、公演直後の満足しきったスタッフや役者さんをまえにしてはさすがにいいにくかったのでここに書きます。

「百年時計」以来、欠かさず観劇してきた理由は「意外性」につきる。
演出のうまさや、ストーリーの完成度、役者のレベルなどもそこそこのレベルを持っている劇団ではあるが、注目すべきは山本タカのいつも驚かされる発想力と展開力であるが、今回はシェークスピアと70年代のアメリカと、昨年の震災を絡めるという荒業に出たが、よくかけているものの残念ながら「感動」の薄い作品となってしまっている。

面白さという点では、シェークスピアの原作どおりやったほうがよっぽど面白かったと思う。この物語の面白さはなんといっても、媚薬によって本来ありえない関係が起こっていくことにあるが、現代の男女関係に適用しても日常的で「ありえる」だけに面白みにかけ、喜劇要素が失われている。

ところで、笑わせたいのか考えさせたいのかといった方向性もまったく中途半端に感じられる。性描写も説明文からどんな演出をしてくるのかと期待していたが、これがなんとも中途半端。らしく見せるだけなのか、本当らしさを見せてドキドキさせるのか、リアルにやるのかコミカルにやるのかまったくもって歯がゆかった。

震災を後半に絡めてくるが、演出としての震災の臨場感が描ききれていない。リアリティがもうひとつ感じられない。振り付けだけはセックスの体位も取り入れてとても意欲的でかっこよかった。

で、「事件は会議室でも起きている」はどこで表現されていたか不明。
ストーリー展開もなかなか筋がわからず、中だるみもあって疲れる。見終わって、あれなんだったんだろうという感じ。

媚薬効果をどのように使ってくるかという点についてはもっとも期待していた部分だったが、媚薬効果はまったく意外性のないものだった。
震災を絡めるなら、媚薬効果で菅首相と保安員の奥さんがなかよくなっちゃって情報が隠蔽されちゃうとかいくらでも考えられたんじゃないだろうか。

今まで劇団としては一番高い入場料でしたが、いままでの人気で今回は入っていそうでしたが、劇団本来の魅力がどこにあるのかを常に考え、貫いていくことが必要ではないでしょうか。枠にとらわれない今までどおりの自由で超越的な演劇を期待したい。

1年かけても2年かけてもいいです。「こえきも」の本領を見せてくれる公演を待ってます。

ネタバレBOX

劇場がかなり狭く、正面と横からの座席に分かれてしまうため、演出も左右わけ隔てなく行おうとするため、演技のフォーカスが甘くなってしまっている。
この劇団の演出の特徴はフォーカスにあると思っているが、それが散漫になってしまい、その点でもいつもの迫力を失っているように感じた。
入って、右側が正面にあたる。
日本の問題 Ver.311<公演終了しました。ありがとうございました!>

日本の問題 Ver.311<公演終了しました。ありがとうございました!>

日本の問題

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/03/06 (火) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★

本当に日本の問題を考えたのか
昨年の3.11の震災は一度の災害としては津波に加えて原発事故という甚大なダブルパンチで世界の歴史に類を見ない様な物であることはよくわかるが、これを『日本の問題』というテーマにしてしまう問題のすり替えがこの日本で起こっている。
今まで募金をしたことのない人や、組織力も人脈もない人間や組織までこぞって東北に乗り込んで『支援』という自己満足に浸っているのではないかと思わされるとがある。
今の日本の問題は、震災を隠れ蓑にして今まで日常的に存在している身の回りの問題を棚上げする格好のネタとなっている様に感じられる。
日本の問題は意識すれば見える問題も見ないふりをする民族性にあるのではないか。本当に日本の問題とは自分の問題であるはずなのに。
私たちは本当に日本の問題を考えているのだろうかと、今回の観劇でしみじみ思った。

ネタバレBOX

演目前に東大生を名乗る人が出てきて、『演劇には意味がない』と演説を行っていたが、こうしたことは最後のトークセッションでやって欲しい。どうしても言いたいことがあれば、ここは演劇を見にきているのだから演劇で表現して欲しい。演劇に携わっている人とは思えない観客に対する思いやりのない行為です。以後、絶対やめて欲しい。
学生版日本の問題

学生版日本の問題

日本の問題

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/12/21 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

総括すると
『日本の問題』というお題を掲げて公演を打っているにもかかわらず、
現実的な問題を取り上げたのは6団体中2団体。あとの団体はいずれも精神的な問題を取り上げていて、やっぱり若い人は現実に失望していて精神世界にその生き場所を探しているんだなぁと感じました。
現実とガチンコで戦う劇団も逃げ延びて自分の世界を追求する劇団もどちらも演劇としてあって欲しいと思います。
その意味では良かったと思います。是非沢山の大人と子供に見て欲しい。

学生版日本の問題

学生版日本の問題

日本の問題

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/12/21 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★

B級グルメの楽しさ
Bチームだけに、B級グルメというわけでもないが、レストランでは味わえないマニアックでちょっと危険だったり、ファンタジックだったり、シチュエーションホラー的だったりいやぁ、学生団体結構見ているつもりだけれど、まだまだ面白い劇団てあるんだてあるんだなぁと思った。
今回は鉄パイプの足場席で見ましたが、これもまたオツです。

ネタバレBOX

Aチームから見ないで、Bチームから見た方が良かったかも。
火を燃すのはいいけどあの狭い空間でもしすぎじゃないかと心配した『思い出横丁』。斬新というか、なんというかへその緒を南京錠のロープでつながれた3体の女子が延々この世に見れんを馳せる。6団体中一番の大道具。残念ながら物珍しさしか印象が残りませんでした。
『荒チョモ』現実から段階的にファンタジックに持っていく展開は面白かった。ただ、孤独死のメッセージは読み取れず。おまけに、クリスマスプレゼントの封筒も入ってませんでした。
『けった』は、本格的で正直ホッとしたところもあります。
外国人労働者の問題を取り上げ、学生版日本の問題をちゃんと取り入れた貴重な2つ目の団体。生活苦に悩む外国人労働者が強盗に入った喫茶店で亡き女店主の願いが叶う『美味しいコーヒーを飲む時は、ナイフを置くんじゃないかと』これはいいね。もう少し、掘り下げられれば良かったと思う。2日間楽しめました。
学生版日本の問題

学生版日本の問題

日本の問題

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/12/21 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

『声きも』期待を超越‼
先ず、劇場についてですが想像を絶する狭さ。渋谷だしアルファベットでオシャレな名前だし、複数団体の企画だしと思ってこじゃれたステージをイメージしていたら、地下室の倉庫のような所で客席しかないように思える空間。ご自由にといわれてもどこが正面なのかさえわからずただ呆然としてしまいました。ああ、入れ物がこれだったら出し物も制約されるなぁと思いつつも気を取り直して観劇にはいる。
『ミーム』は、学生演劇祭のときの演出と同じ感じで哲学的な演劇。これはこれでありだと思う。『四次元』は、初めてみるが演出が『劇想からまわりえっちゃん』風で面白い。まぁ、まぁ、かなと思って期待の『声きも』この団体、期待を超越してはるか彼方の次元に私を連れていってくれた。何という劇団だ。素晴らしすぎる。

ネタバレBOX

『声きも』の演目はなんとこの公演の制作ドキュメントという形をとり、主人公のふるさとの稲刈りのシーンから始まる。このシーンが実にシンプルで照明と音楽もまっちしていて、また『声きも』得意のシンクロ演技が二人だけで演じられているが十分に表現できている。あまりのリアルさに、命を感じ思わず涙が出てきてしまった。このまま、今日は真面目な展開で掘り下げるのかと思いきや。。。実話とは言え心憎いストーリー展開で見ているものを自然の風景の感動から人間の愚かさずるさの暗黒に一気に突き落とす。観客席に役者がいるというドキュメントタッチの展開はスリリングでさえある。
そして、最後の米を食うシーン。「コメを食う」農業を単純な営みに見事に集約し、後藤氏がみごとに演じて見せる。ここも泣けた。
とにかく、脱帽である。短い時間も狭い空間もこの劇団には何の障害にもならないらしい。
『日本の問題』というテーマ企画に相応しいだけでなく、演劇というものが如何にメッセージを伝えられるかという実証実験に立ち合わせてくれ、演劇本来の役割を思い知らせてくれた秀逸な作品。
吐水密室

吐水密室

劇団綺畸

駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)

2011/12/15 (木) ~ 2011/12/18 (日)公演終了

満足度

正直いうとよくわかりませんでした
舞台はよくこんな大掛かりな舞台を作ったものだといつも感心させられます。
いくつかのストーリーがパラレルに展開されますが、そのいずれも絡んでいないのでどこが面白いのかわけがわかりません。
役者はおおむね演技のできはよかったと思います。落ち着いて演技していますし、余裕が感じられます。

ネタバレBOX

自殺と殺人と精神病の話がパラレルに展開されますが、自殺の理由もわからず、殺人の動機も不明、精神病の戯曲上の存在理由もわかりません。トリックもありきたりだし、戯曲の方向性が盛り込みすぎで定まらず、見ていて疲れる。
しみじみ日本・乃木大将

しみじみ日本・乃木大将

東京農業大学 農友会演劇研究部

農大劇研アトリエ(東京都)

2011/12/15 (木) ~ 2011/12/18 (日)公演終了

満足度★★★

若さ爆発
いつも通り真正面から若さでぶつかって行くような舞台はある意味清々しくもあり、羨ましくもある。
古い言い回しのセリフが多く役者も大変だったと思うが、もう少し意味の通る発声を心掛ければなお良かったと思う。
舞台美術は丁寧に作られていて狭い空間にもかかわらず多彩な演出が試みられていた。力技の一本という感じで、これはこれで良いのではないかと思うが、欲を言えば息継ぎをするような場面でも力が入っていたので見る方も体力がいる。その辺り観客目線も考えられたらさらに良いだろう。

冬物語

冬物語

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)

2011/11/18 (金) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★

3日間で完成度が上がった
初回と千秋楽とを観劇。初回きになったセリフの言い回しは舞台に慣れてきたのか、かなり改善されていた。役者一人一人がこの3日間で大きく成長したかのように演技をモノにしていたと思う。特に羊飼いの親子の演技は別人のように安定感が出てきて、笑いもしっかりとれていた。
役者の出来が安定していたためか初回に感じた前半の演出の退屈さは感じられなかった。むしろ、全体的にとても良いバランスでストーリーが展開され、無理のない演出だったことが感じられた。
細かい点については初回感じた点に変わらないが、とにかく周りの観客も最後はみんなが身を乗り出して、多くの人が涙しているように感じられた通り、喜劇的でありながらなぜか泣かされるという不思議な力がこの物語にはあることを感じさせてくれたのは今回の公演が成功していた証しだと思う。
千秋楽に役者スタッフ関係者すべての努力が実ったと感じさせる出来栄えで、来年の公演もまた楽しみになった。心から敬意を表したい。
これだけの内容のものを無料で観覧させてもらえるなんてすばらしすぎるが、さらに次元の高いシェイクスピアを目指してほしいと思う。
ただ、初日の受付の大混乱があって、最終日は受付を多少工夫していたが、今度は受付時間が大幅に遅れて食事をゆっくりする暇がなかった。チケットの受け渡しが開演1時間前でないとできないというのは混乱のもとだと思うので、観覧日以前に受け渡しも可能にしてもらえるとありがたいと思う。

冬物語

冬物語

明治大学シェイクスピアプロジェクト

アカデミーホール(明治大学駿河台キャンパス)(東京都)

2011/11/18 (金) ~ 2011/11/20 (日)公演終了

満足度★★★

初演の緊張感が伝わる
初演のための緊張からか、セリフが単なる早口言葉になってしまっていてよく伝わらないというのが、多くの役者に最後の場面まで見られました。原作の戯曲に忠実に作ったということなので、それはそれで仕方ないのかもしれませんが、あえて現代的な超訳のセリフにしてもよかったのではないかと思いました。
舞台美術はシンプルですが、もう一つ物足りなさを感じます。天幕のラストの照明はよかったが、劇中では効果的に使われていないように感じた。
原作に忠実であることが原作の面白さを忠実に再現するとはかぎらないと思う。原作に忠実にして伝えきるにはもっと深く濃く精密な演出が必要だと思う。
音楽を舞台上の楽器で演奏するのはなかなか良い雰囲気であったし、生ならではの演者とのアンサンブルが成功していたと思う。
嵐や羊の群れを人間で演じ、シームレスに人間になったりする演出はとてもよかった。
細かいことをいうと、時がたったことを感じさせるメイクなど工夫がほしかった。また、コミカルなシーンでのもう一歩の突込み、しつこさ、粘り、工夫があれば爆笑できたし、芝居全体が引き立つはず。
ラストシーンは感動的に演出できていたと思う。
来年は、原作に忠実にやるならもっと厳密に演出してほしい。個人的には、原作を学生の感性で新たな物語に作り替えるくらいのシェイクスピア理解を求めたい。
座席位置が編集できないので、ここに書きます。
1階10列21番

ネタバレBOX

御柱のような、布を下げた柱がとても面白い演出で、興味深かった。
お母さんの十八番

お母さんの十八番

アジア舞台芸術祭制作オフィス

水天宮ピット・中スタジオ1(東京都)

2011/11/05 (土) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度

期待していたが…
アジア舞台芸術祭という海外公演あるものだから無料でもそれなりに期待できるのではないかと雨にもかかわらず車で出かけたが、まず案内された舞台の寂しさに唖然、客席に唖然、何か間違っちゃんたんじゃないかという不安が全身をよぎる。
演劇の内容も学生演劇の方がまだ工夫されているのではないかと思われる程度の戯曲、演出。演技は多少見るところはあるものの役者同士の演技が有機的に機能していないので一人芝居のオムニバスを見せられているような淡白さ。
回想シーンでは演技のスピードが意図的に遅くされているが効果的とは言えず、見ていて疲れ苦痛。ただ、舞台の窓や小道具は施設備え付けのもののようで、あるものを有効に使う姿勢は買える。
それにしてもこの主催団体のやる気がサッパリ感じられないイベント。
海外公演やるために予算がなくなったのだろうかと思うような淋しさを感じた。
このどこが芸術祭なんだろうか疑問である。

幽闇より目醒めしは冤枉の君

幽闇より目醒めしは冤枉の君

立教大学演劇研究会

立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)

2011/10/29 (土) ~ 2011/11/05 (土)公演終了

満足度★★

舞台としての体裁は立派
この団体は、歴史物も得意としているようなのだが、今回のストーリーはちょっと無理筋だったと思う。一つ一つのシーンはとてもよくできていて、舞台や音楽、殺人回りも大変よくできていて、効果音もよくあっていただけに、論理性が破綻している戯曲のできは実にもったいない。
宝塚や少女マンガのようにシーンの感情表現だけで見せる舞台の傾向が強く盛り上がりに欠ける。
意図して感動シーンのオムニバスとしてコラージュのように作るのであればもっと徹底して破綻させるべきで、中途半端な理屈のせりふは不要に思う。
背伸びをせず、前回の「下荒井兄弟」のように身の丈にあった演劇をまず物にしてほしい。
女の子にはウケそうなつくりなので、女性にはお勧めとしておきたい。

月いちリーディング/11年10月

月いちリーディング/11年10月

日本劇作家協会

座・高円寺稽古場(B3F)(東京都)

2011/10/29 (土) ~ 2011/10/29 (土)公演終了

満足度★★

毎月楽しみな時間
自分から進んでまな板の鯉になろうという、活きのいい作家の作品に素人でも意見が言えるという画期的な機会。
今回は作家として立派に力を持った作家の作品で、批評しがいがあった。
主人公の立場が裁判所とアパートとで逆転するようなコントラストを利用した演出ができたらよかったかも。

満足度は戯曲に対する評価です。

ブロークンレッスン

ブロークンレッスン

実験劇場企画公演

明治大学和泉キャンパス・第一校舎005教室(東京都)

2011/10/27 (木) ~ 2011/10/29 (土)公演終了

満足度

雑な演技が残念
全体として何を伝えたいのかさっぱりわからないものの、一つ一つのシーンはもう少し丁寧に所作や表情、間と言った細かい部分をブラッシュアップすれば観劇に耐えるかも。勢いだけの演技や力を抜いただけの演技は伝えたいことが伝わらない。
例えば最初の女の子からジュースをもらうシーンでは手の動きにためらいを表現するなど工夫が欲しい。

ありとは見えて逢はぬ帚木

ありとは見えて逢はぬ帚木

夢幻舞台

中野スタジオあくとれ(東京都)

2011/10/21 (金) ~ 2011/10/23 (日)公演終了

満足度★★★

夢幻ここ一年の作品中一番の脚本構想
ここ一年間ほとんどの夢幻舞台を見てきたが、構想としては一番の出来ではないか。もう公演は終わっているのでネタばれ込みで書きますが、「帚木の女」で著名になったという画家の未亡人が「帚木の女」を探すという筋書き。
プロットはおそらく「雨夜の品定め」の女性版であり、ダヴィンチコードのような謎解きドラマの味付けがされているという憎い演出。
画家は実在の人物か私は知らないが、「帚木の女」と疑われる複数の女性とほとんど同時に恋愛に落ちていたという光源氏の部分をかぶせている(と思われる)。いわゆるおしゃれな現代版源氏物語でありその発想力には脱帽する。
そこに、デリバリー・キッスというとんでもない発想の商売を非常にうまく組み込んで、これが「雨夜の品定め」にのっとって5年前の亡き夫からのキッスの贈り物という設定がまた憎いが、これが最後のどんでん返しに一役買っている。
ただ、説明に難があり、わかりにくいのであまりディティールにこだわらずに流れを重視したほうがわかりやすいと思う。
また、個人的には「真壁エピソード」は不必要に思える。
最後15分ですべてのなぞが解き明かされる。
カミカミ演技が伝染するなど、ご愛嬌はあったが非常に今後が楽しみな作品となった。
なお、舞台美術や衣装・小道具は観劇料500円から考えれば十分な内容。演劇は観客の存在と想像力があってなりたつことから考えれば必要にして十分だったと思う。
演技は力が常に入りすぎていて、もう少し安心して見られるように肩の力を抜くことも必要かも。

青空電気

青空電気

劇団てあとろ50’

早稲田大学学生会館(東京都)

2011/10/13 (木) ~ 2011/10/16 (日)公演終了

満足度

早稲田タイプの演劇
学生演劇を毎月10本以上は観ているが、不思議と同じ大学の演劇はタイプというか質というかにおいというか何か同じ傾向を感じる。
早稲田はどの演劇を見てもよく言えば人間くさい、悪く言えば品がない。よく言えばリアリティがあり、悪く言えば素の言動であり演技とはいえない。といえると思うが、この劇団もこの早稲田カラーの劇団。演技というより学生の宴会芸ののりで内輪受けはするが、客観的には観るに耐えない。
ストーリィも幼稚で何がやりたいのかほとんどわからずラストまで流れてしまう。役者は役を演じてはいるが表現し切れていいないし状況ごとの変化に対応できていない。
節電のストーリィへの組み込み方も中途半端、反社会的なのか順法なのかも不鮮明。
とにかく観終わって感じるのは、小学生のけちな理由の喧嘩を見たような殺伐とした不愉快感が漂う。

HEAVEN VOICE

HEAVEN VOICE

劇団パーティーピーポー

駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)

2011/10/14 (金) ~ 2011/10/17 (月)公演終了

満足度★★★★

演劇としては学芸発表会レベルか・・・
まぁ、がんばっていることはよく伝わってきました。
演技は学生レベルとしては中くらいか。
笑いの場面がふんだんにあるのだが、つまらなすぎ。内輪受けレベル。
肝心のストーリィは全体を流れるテーマがなく場面場面で話が分断されてしまっている印象が強く流れが見えないのでクライマックスへの盛り上がりに欠ける。楽日ということで役は感極まっていたのか涙を流す場面が多かったが、観客へはいまいち伝わらない。具体的には最後のジャンヌダルクが民衆を鼓舞するシーンでは涙するより、淡々とせりふをいうほうがよいと思う。
舞台美術は美しかったが、アーチの円形が若干ゆがんでいたのがちょとしたことだが重々しさを半減していた。
衣装はよく手作りしたのかなと思う感じだったが、すべての女性が役にかかわらず美人できれいな衣装というのは演劇としての演出を放棄しているが、演劇としてみないのであれば美女学生のエンターテインメントとしてはありかも。
いずれにしても、シリアスにしたいのかコミカルにしたいのか、悲劇にしたいのか喜劇にしたいのかよくわからないのが残念。
ただ、エンターテインメントとして適当に楽しむには十分かと。
演劇としてはお勧めしませんが、かわいい女の子の舞台をみたい人にはOKだと思います。

Re:サイクリング

Re:サイクリング

明治学院大学演劇研究部

ART THEATER かもめ座(東京都)

2011/10/07 (金) ~ 2011/10/09 (日)公演終了

満足度

暴力的な演技に抵抗を感じる
暴力的シーンがしつこすぎて気持ち悪くなる。演劇というより、お化け屋敷のような脅迫的な演出は好きではない。
嫌いだと思わせたという点では成功なのかもしれないが、ひどく下品なものを見た感じがする。
ただ、役者は迫真の演技というよりほとんど本気に近いんじゃないかと思う迫力があった。その点は、評価できる。
最後のほうになってやっとシーンの変化の意味がわかってきたが、90分のうち75分は眠い演劇。
やりたいことはわかるが、もう少し、何とかならなかったものか・・・

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