満足度★★★
初演の緊張感が伝わる
初演のための緊張からか、セリフが単なる早口言葉になってしまっていてよく伝わらないというのが、多くの役者に最後の場面まで見られました。原作の戯曲に忠実に作ったということなので、それはそれで仕方ないのかもしれませんが、あえて現代的な超訳のセリフにしてもよかったのではないかと思いました。
舞台美術はシンプルですが、もう一つ物足りなさを感じます。天幕のラストの照明はよかったが、劇中では効果的に使われていないように感じた。
原作に忠実であることが原作の面白さを忠実に再現するとはかぎらないと思う。原作に忠実にして伝えきるにはもっと深く濃く精密な演出が必要だと思う。
音楽を舞台上の楽器で演奏するのはなかなか良い雰囲気であったし、生ならではの演者とのアンサンブルが成功していたと思う。
嵐や羊の群れを人間で演じ、シームレスに人間になったりする演出はとてもよかった。
細かいことをいうと、時がたったことを感じさせるメイクなど工夫がほしかった。また、コミカルなシーンでのもう一歩の突込み、しつこさ、粘り、工夫があれば爆笑できたし、芝居全体が引き立つはず。
ラストシーンは感動的に演出できていたと思う。
来年は、原作に忠実にやるならもっと厳密に演出してほしい。個人的には、原作を学生の感性で新たな物語に作り替えるくらいのシェイクスピア理解を求めたい。
座席位置が編集できないので、ここに書きます。
1階10列21番
2011/11/28 15:24
そしてとても参考になるご意見をありがとうございます。
台詞が早口になってしまうのは私どものなかでも課題であります。ご指摘ありがとうございます。
そして翻訳に関しましても参考にさせていただきます。
アンサンブル隊や羊等人を使った演出を評価いただき大変ありがとうございます。
本当にご来場ありがとうございました。