劇トクッ!

村角太洋 |ボブ・マーサム誕生秘話と恩人たちとの邂逅〈中編〉

ホテルを辞し、本格的に演劇の海へと漕ぎ出したTHE ROB CARLTON。CoRich舞台芸術!チャンネルでのインタビュー動画を元にした連載第2回。今回は、俳優「ボブ・マーサム」誕生のルーツや、三谷幸喜作品からの衝撃、そして劇団を軌道に乗せたターニングポイントを紐解く。

画家「ボブ・ロス」が生んだ謎の俳優ボブ・マーサム

俳優として舞台に立つ際の異名「ボブ・マーサム」。このルーツは、高校時代の「日本史の小テスト」にある。「マーサム」は父親が本名の村角(ムラスミ)をもじって考案した造語。そして「ボブ」は、当時NHKで放送されていた画家ボブ・ロス氏(『ボブの絵画教室』)のアフロヘアの印象から拝借したものだ。

この名前をテストの氏名欄に書き続けた村角氏に対し、当時の教師が「村角の芸名のようなものだから」と粋な公認を与えたことで正式に定着した。知的な笑いの中にどこか捉えどころのない遊び心を忍ばせる独自の作風は、この学生時代の無邪気な悪戯心から始まっている。

三谷幸喜『オケピ!』の衝撃と、運命の共演者・川下大洋

劇作家としての視座を形作ったのは、高校の司書教諭から勧められた三谷幸喜作品のビデオだった。2003年、大阪・フェスティバルホールで上演されたミュージカル『オケピ!』(再演)を新聞先行予約で手配。満席の客席が総立ちになるスタンディングオベーションを目撃し、言葉の力とエンターテインメントの底力を確信した。

また、彼の名「太洋」は、父親の同級生であった俳優・川下大洋氏に由来する。川下氏は、村角氏が多大な影響を受けた「Piper」の創設メンバーでもある。のちに第10回公演『CREATIVE DIRECTOR』(2015年)で川下氏を客演に迎えたことは、自らのルーツである「太洋」の名の由来と、憧れの「Piper」のDNAが一つに繋がる、演劇史的にもメモリアルな出来事となった。

アトリエ劇研からHEP HALLへ

弟の村角ダイチ氏ら仲間5名で結成された劇団の初公演、英語表記の『THE THREE』は、京都の「アトリエ劇研」で幕を開けた。当初は身内ノリのコメディだったが、ヨーロッパ企画主催のイベント参加を機に京都演劇界での繋がりが急拡大。「元・立誠小学校」での公演を経て、関西小劇場のランドマークである大阪・HEP HALLへと進出。洗練された「大人のコメディ」としての地位を揺るぎないものにしていった。

最終回は、村角太洋の「1本釣り」の作劇術、最新作への挑戦、そして海を越える喜劇への野望を訊く。

動画出典: CoRich舞台芸術!チャンネル『【劇トクッ!】村角太洋、登場!②』

URL: https://www.youtube.com/watch?v=fQVMHp7geco

村角太洋さん インタビュー連載(全3回)

【前編】村角太洋 | 劇団「むらずみ」旗揚げ、不条理への挑戦と「笑い」へのこだわり

【中編】村角太洋 | ボブ・マーサム誕生秘話と恩人たちとの邂逅

【後編】村角太洋 | 演劇の未来、そこで創作を続けるすべての人へ贈るメッセージ

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