最新の観てきた!クチコミ一覧

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LOVE 2009 Obirin ver.

LOVE 2009 Obirin ver.

東京デスロック

PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)

2009/06/13 (土) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

いろんな愛があるわけです。
終演後、後ろの席の大学生らしき女の子が「すごい、すごい」を連発していて、いや、なにがすごいと感じたのか、もう少し言葉で説明して欲しいなあ、すっごく知りたいよ、と思ったものの、一方では、まったくおなじ感覚ではないかもしれないけど、自分にはそれを言語化することは多少なりとも可能な気もするのだけど、でも、それを語る必要は実際はあまりないかもなあ、なんてことも思う。

えっ、これじゃあ感想としては不親切すぎる? まあ、そうだろうね。だけど、つまりは、眼のある者は観るがいいし、耳のある者は聴けばいい。足のある者は集え! というだけの話なんだよね、きっと。

チキュウノミカタ

チキュウノミカタ

劇団†勇壮淑女

ウッディシアター中目黒(東京都)

2009/06/09 (火) ~ 2009/06/15 (月)公演終了

満足度★★★

なかなか面白かったぁ~
面白い話だったけど・・・
各役者の演技のバランスが取れていないような気が・・・
一体感が無いと言うか・・・
まっ、うちがそう感じただけかもしれませんがね!
楽しく見させていただきました。

ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-

ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-

流山児★事務所

座・高円寺1(東京都)

2009/05/29 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★

わたしのような
追われる立場の人間にとっては
受付や客席誘導の警官隊が
恐怖でした。

熱海殺人事件

熱海殺人事件

一徳会/鎌ヶ谷アルトギルド

atelier SENTIO(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

殺人を解剖する
ここでの評判につられてノコノコと。前日まではその存在さえ知らなかった劇団を、口コミに頼って見に行くのもたまにはいい。
千葉県がベースで、視覚面で飛躍した演出をする・・・といえば三条会が思い浮かぶが、この劇団も同系列といっていい。

ネタバレBOX

脚本はつかこうへいの有名な作品。装置や衣裳は話の内容から相当かけはなれている。こういう飛躍が苦手な人には向かない芝居だし、こういう飛躍が好きな人からすれば、どれくらい驚かせてくれるかが面白いかどうかの別れ目になる。
「熱海殺人事件」はたしか4人芝居だったと記憶しているが、ここでは5人。場所は取調室だったはずだがここではちょっと様子がちがう。中央の机には水が張ってあり、ときどき溢れて下に落ちる。魚かなにかを解体する作業台のようにも見える。男たちは白いビニールの防水を羽織っている。上手にサンドバッグが吊るしてあるのも意味不明。
女性二人は婦人警官と被害者。婦警は途中で被害者にもなる。二人とも裾の短い薄水色の薄手のワンピース。水に濡れると変に色っぽかったりもする。
ストーリーは原作通り。脚本はさまざまなバージョンがあるなかでいちばん古いものを使用した、とチラシで演出家が解説している。

感想としてはおおむね面白かった。役者の演技も悪くなかったが、ただ若手刑事の役だけはちょっと演技が深刻すぎた。声のボリュームもアンサンブルが壊れるくらいときどき飛びぬけて大きい。まあ、不満があるとすればそれくらい。
みまもり刑事Z フラッシュ!

みまもり刑事Z フラッシュ!

おにぎりスキッパーズ

ザ・ポケット(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

良かったです。
刑事モノ自体好きなんで、
アクション多めのお芝居かな?
とか想像してましたが、
いい意味で裏切られました。

みまもり官
逮捕権は持たない。
日常ありとあらゆる物に擬態し
市民を見守る

柱、壁、ドア、自販機など
擬態するんだけど、
複数で一斉に擬態すると
これが不思議な雰囲気になるのよね。

さらにそれに気付かないで
行動する人もいるもんだから、
余計に面白くてねw
マジックミラーに擬態した、
ヒラメダ役の小林さんグッジョブだった。
鏡に映る警部役の斉藤さんの動きを
小林さんは真似して、
離れてはミラーに戻り
おいしすぎるでしょww

冷凍庫の扉が度々開くんだけど、
その扉が開くたびに
ド派手な演出で個性あふれる
キャラクターが登場。
中でも
アントワーヌ女史役こと宮咲さんは
目に付きすぎましたw
それにあのパフォーマンスは言うことなしですね。

ゲストで怪人ゾナーこと
森久保祥太郎氏登場。
もちろんあの曲はかかりましたw
俺の隣りはゾナヲタだったんだろうな、
急にコピフリし始めて
完璧すぎて笑わせてもらったわwww

舞台の中でもキーを握る
高山慶子役の
みくろん

みまもり官が沢山いる中で、
笑いをこらえるのがつらいのに
恐怖心、不安感やらの
気持ちを保っていたのはさすがだわ。

主役の巡査部長役の内藤さん
観てて安心できるくらい安定してる。
何度か観てますが、
あの人が噛んだり、
ミスったと思わせる部分は
今まで一度も見たことがない。
出番だって結構多いのに。

みまもりシリーズは初めて観たけど、
過去の2作品も観たくなりましたね。
どんな違いがあったのかとか気になります。

シャットダウン

シャットダウン

ファルスシアター

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

笑えました
最近、仕事の関係で疲れがピークでしたが、このお芝居を観て元気になりました!
理屈ぬきで笑えたのが良かったです。
さらに欲を言うと、役者さんの弾んだようなノリがもっと前面に出れば、
笑劇として申し分ない出来になると思います。

みまもり刑事Z フラッシュ!

みまもり刑事Z フラッシュ!

おにぎりスキッパーズ

ザ・ポケット(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

初見でしたが
見終わった後の感想は「変な演劇」。
面白いけど、どこかノレないところがありました。
でも、何かに擬態して見守る刑事という発想は面白いし、役者さんも上手いしお話もまとまってると思いました。
スタッフさんの対応も良かったです。

熱海殺人事件

熱海殺人事件

一徳会/鎌ヶ谷アルトギルド

atelier SENTIO(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

「水」にこだわった演技
劇団初見。セットに水を使ったのはとてもすごかったね。G.A.Gの舞台のおそろしさを感じました。

シャットダウン

シャットダウン

ファルスシアター

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

どたばたコメディー
好きか嫌いか?と問われたら喜劇としては、まあいいんじゃね?ってな感じ。

以下はネタばれBOXにて。

ネタバレBOX

コメディとしてはベタの部類。アンドロイドと人間の設定のみが異色ではあるものの、全体的には笑える箇所とヒク箇所が交差する!(苦笑!)

要は昔なつかしのベタもベタ。TVのコメディに登場するような舞台。
人間のアカリのフタマタとアカリのアンドロイドのアヤネもフタマタかけちゃってる設定が可笑しい。犬じゃないのに、ご主人様に似てる!(^0^)

ハグされるとすぐに惚れちゃうアンドロイド、ちょっと壊れかけのアンドロイドなど、奇抜だが何かが物足りない。
きっとそれは言葉で笑わせてないからだ。体をはって笑わせる事に終始したコメディだったような気がする。

それでも、それなりに楽しめた舞台。

「リサイクルショップ『KOBITO』」

「リサイクルショップ『KOBITO』」

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/16 (火)公演終了

0と1の間の音
を、誰も聞いたことのない音を、懸命に作りだそうとしていた印象。
それにくわえ、合体とか視点のこととか、マザーコンピューターの演出シーンがいろんなことを象徴していたんじゃないかなあ。
と、勝手な消化の仕方をしてみたら、もう一回観たくなってしまった。やっぱり、作・演出の岩井秀人もすごいわ。

熱海殺人事件

熱海殺人事件

一徳会/鎌ヶ谷アルトギルド

atelier SENTIO(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

エロデカハナ子と2人の狂気デカ!(^0^)
毎回の不思議な動きと演出には目を見張る。特に部長刑事を演技した前島謙一の動きと表情がいい。更には刑事2人に必要性を求められて、ハナ子刑事の中途半端な脱ぎっぷりぷり、っつーか、脱がされっぷりぷりが実にエロい!(^0^)見せちゃってる度合いがいい。

観に行く方は入り口側前列が絶好の角度で観られる!素敵な90分をお過ごしあれ!(^0^)
一押しの舞台!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

舞台にはビリヤード台に水を張った状態に被害者アイ子と容疑者大山の絡みのエロい場面から始まる。(をを~!嬉しくて吐血!)
一徳会の舞台に水ありき。のイメージが強いが水のせせらぎ、チョロチョロと流れる音、時にはザーザーだったり・・。この音が絶妙に今回の熱海と融合しその情景までも伝わってくる。更にこの小屋特有の常に水が流れる音が聞こえるのも効している。

そんな水も滴る舞台なもんだから、部長刑事、熊田刑事は透明なカッパを装着し、下は競泳用水着なんか着ちゃってる。この時点で動きやセリフにコメディ感が溢れ出ていて、異色の舞台に魅了される。好みだ。

殺人犯はこうでなくてはいけない!みたいな理想論を掲げ、殺人に至った経緯までをも、ねつ造していく部長刑事。犯人は違う、と言いながらも段々、その言葉に気負されていく演出もお見事!死んだはずのアイ子が傍でボクシングをやったり、うろうろしたり、たまに言葉を発しながら状況を見守るような霊になってるのも楽しい。(^0^)
一徳会の舞台って、こんな風に遊びがあるシーンが絶妙なんだよね。

ナンセンスなセリフと小気味良いセリフでハナ子を脱がせる再現シーンのデカ2人の表情は見もの(苦笑!)
もはやデカではなく、只の男に成り下がってる。鼻が膨らんで目がむき出し!(^0^)
ここで素晴らしいのは、ハナ子デカの柔肌だ。水に濡れながら、ライトアップされた白い太ももの付け根の奥のぱんちーまでも見せてくれちゃってる!(もっと・・。。”)
更にはミニスカートが水に濡れちゃってるもんだから・・・、体の線までもバッチシで思わずガッツポーズ!(よっし!濡れた女体が美しいのなんのって)
ジッパーを降ろした背中のラインや胸のライン、これだけで美しいハリのある裸体を想像できちゃうほどの張り付き具合がこれまた絶妙!(もっと・・もっと!!!@@)
いあいあ、美しい人魚姫のようでした。小助川サンクス!(^0^)

何が秀逸って、デカ達のゆがみやズレをシリアスに表現しながらも質の高い大真面目なコメディ感を押し出す極端さ。これに尽きる。
終盤、水の中から取り出した通話の出来ない電話で部長刑事が上司に報告する場面を観て、物語りはやっぱり狂気だった。と気づくのだ。

実に素晴らしい!全ての要素がふんだんに織り込まれた舞台。
演出家の石井幸一、その才能は突出している。普通ではない!(^0^)

裁かれません

裁かれません

カリフォルニアバカンス

アイピット目白(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

すごい
衣装が可愛くて、前回に比べてものすごく大きな規模にかんじました。
客席と舞台が完全に別世界で、地獄の不気味な感じがありましたね。

ストーリーも純粋に楽しめました。
ファンタジーと言っていたのでどんなのだろうと楽しみにしていましたが、
なるほどこれは、地獄ファンタジー。
笑った後は、良いシーンに 
なり、泣いてしまいそうでした。

いつもと違うかりばかですが、私はすきでした。

ユニゾニア-鏡の国のコロス-

ユニゾニア-鏡の国のコロス-

双数姉妹

笹塚ファクトリー(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

斬新さが支える物語
双数姉妹は大好きな劇団のひとつなのですが
同時に毎回驚嘆を与えてくれる劇団でもあって・・・。

今回の表現も
「鏡の国」のタイトルに偽りなく
しかも斬新。

目を奪われて、物語に取り込まれて・・・

さらには舞台からやってくる
透明感と安定感のあるトーンに
魅了されました。

ネタバレBOX

観客に鏡をみせる演技に目を奪われました。

冒頭、鏡を隠していた(?)カーテンが引かれた時、ほんとうに息をのみました。嘘でも誇張でもなく鏡が認識できた。2チーム(?)のシンクロ、本当にすごい。
舞台に対して斜めに切った鏡ライン、衣装や小道具にも細かい工夫があるにせよ、役者たちの鏡に見せようという意思に観客がのみこまれていく感じ。

しかもこの表現が単に見世物というか「珍しいもの」にならず、物語にしなやかに取り込まれていくところが双数姉妹の底力。鏡への驚嘆に負けないだけの登場人物たちの閉塞が、強く、あざとさもなく、そこにあるがごとくに観客に伝わってくる。

さらには、鏡の存在を観客に植え付けているから、鏡の向こうの物語展開にもストレスがなく、わかりやすい。こちら側で重ねられるルーティンにも存在感と質感を与えてくれるのです。

鏡の向こう側に違和感を感じていた女性が、最後にゲートすら通らずに鏡の線をさらっと越える姿を見たときぞくっときました。「解き放たれる」ことがウィットをもってこんなにさりげなく表現されるなんて・・・。しかも10年の鎖からの解放に、さりげなくリアリティが感じられて。

まあ、しいて言えば、下手の部屋の入口をはけるとき、役者の最後の動きが鏡の法則と異なっていたのが少し気になったくらい。(上手に座っていたからみえてしまった)。会場的にしょうがないのでしょうけれど・・。

こういう表現が力まずにできる劇壇の力量に改めて驚嘆しました。
主宰の小池氏も折り込みパンフに書かれていましたが、2年前に入団してきた役者たちが、シーンを支えるだけではなく深さを作るだけの力をつけてきたことも大きいのだと思います。前回の公演と比べても舞台が醸し出すクリアな感じに一層の磨きがかかったりと、まだまだ成長を続けていく予感もあるし。


次回の公演が今から楽しみになりました。




Family Trap ~コーンフレーク食べます?~

Family Trap ~コーンフレーク食べます?~

遊々団★ヴェール

SPACE107(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しい気分で劇場を後にする幸せ。
楽しい気分で劇場を後にする幸せ。これに尽きる。遊々団ブランシャ☆ベールの公演は旗揚げ「フラクタル」から欠かさず観ています。今回は役者さん、照明さん、音響さんと持ち味が充分に出ていました。特に舞台美術は詳細まで作り込み見事。この芝居でベールの一体感が見えた。明平鉄平の本は、軽妙な笑いが随所にあり今回が初めてとは思えない力作。冒頭から引きつけるシーンなど演出も凝っていた。久しぶりに帰りの電車で、分厚い折込みを一つ一つ観る余裕までさせてくれた、この芝居に感謝します。同じキャストで、もう一度、観たいと思いました。

花のゆりかご、星の雨

花のゆりかご、星の雨

時間堂

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/06/02 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

満足でした。
演出力において。ここまで繊細な演出を見せられては脱帽。
脚本力において。広がりが浅い。
役者力において。一人とてもよい女優がいた。

以下ネタばれボックスへ

ネタバレBOX

演出。チームワーク、まとまりが良かった。演出家の力だと思う。なぜ扇子なのかと思ったが慣れてくると面白いし素敵な発想だと思えてくる。
SEについての工夫も好き。布の使い方も良い。
繊細であり大胆な演出家さん。すごい才能。


反面、脚本に広がりがない。設定は面白いのだが脳髄を刺激するような台詞がこない。浅瀬で書いてる印象。もっと奥の奥に踏み込んでほしい。

役者力。全員上手でした。特に妊婦の方。すごい才能とお見受けしました。

総じて満足でした。

また行きます。
京劇「覇王別姫~漢楚の戦い~」

京劇「覇王別姫~漢楚の戦い~」

楽戯舎

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/06/04 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★

異文化。
初めて京劇なるものを観た。

ちょっとイメージが違った。
もう少し飛んだり跳ねたり…というか、中国拳法的な動きを予想してたんだけど、そんなこともなく。
わりと動きは地味な歌舞伎?
衣装は派手でした。

様式美を楽しむものなんだろうなぁ、きっと。

シャットダウン

シャットダウン

ファルスシアター

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

いろいろ言っても、結局笑った私が負け(笑)
内容的に深くなりそうだったり、設定からいろんなことが引き出せそうな雰囲気もあるのだが、それには深入りしない。
ただ、笑わせることのみに集中するだけ。

あんまり笑えないコメディもある中、笑えるだけでも儲けモノなのかもしれない。

ネタバレBOX

人間1人につき1体ずつ、アンドロイドが配給されることになった近未来の話。

人間とアンドロイドの関係は? というスタートのようだったので、「これは、人間に限りなく近いアンドロイドの悲哀とか、人間とは何ぞやとか、生命への考察なんかが、笑いの中で、最終的に落としどころになるのでは」なんて思っていたのだが実はそんなことはまったく関係なかった。

人間とパートナーのアンドロイドが定期検診に訪れている病院の待合室が舞台であり、二股かけている人間やアンドロイド女や、惚れやすいアンドロイド、恋人がいない男女の勘違いなど、恋愛関係のドタバタコメディが繰り広げられるのだ。

つまり、深淵で深刻な場面は一切訪れず、とにかく笑いに徹するのみの舞台。
恋愛コメディに、アンドロイドという要素が加わることで、もう少し複雑っぽくなっただけ。アンドロイドは人間に恋してはいけないとか。
アンドロイドはそのためのお膳立てであった。

ちなみに、アンドロイドは人間が作ったものであり、どんなに進化しても、人間は常にその先にいるので、その差は埋まらない、というのが、この舞台での世界観ということらしい。ちょっと拍子抜けしてしまった。

三兄弟を1人が演じたり、コメディでの定番の、顔合わせてはいけない者同士を合わせないようにしたり、勘違いが交錯したりと、実にわかりやすく笑いがまぶしてある。

ただ、映画の主題歌や曲を使った笑いがいつくかあり、中でもターミネーター4は何度も台詞にも音楽も使われているのだが、それらへの寄りかかり方はいかがなものだろうか。個人的には好きではない笑いだ。

ラストは、1人を全員で突っ込むという、昭和のコント臭の強いオチまである。
えっ? これで終わっちゃうの? というエンディング。

突っ込みどころはいろいろあるものの、結果的には、不覚にも笑ってしまった。
大笑いはなかったものの、いい感じに全編笑ってしまった私の完敗である(いや、勝ち負けなんてないんだけれど・笑)。体調が万全だったからとか、観客の空気感が良かったとか(笑)。
でもって、話はよく出来ていて結構面白いのは確か。

しかし、アンドロイドが人間1人につき1体ずつ配給される法律が成立したから、という説明だけで、なぜそんなことになったのかはまったく触れず、そういう設定はないがしろのままでいいのかな? とも思った。
普通はその設定を利用して笑いのネタにするんじゃないのだろうか。
熱海殺人事件

熱海殺人事件

一徳会/鎌ヶ谷アルトギルド

atelier SENTIO(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

なぜかやたらに美しいラスト
つかこうへいの代名詞である、岸田賞受賞作「熱海殺人事件」を、完全に別なものにしているが、そのエッセンスは確実に感じられる。

おそらくは海のメタファーかつ犯人の記憶の場である、水が流れ込む四角いテーブルがある中央での、
パフォーマンス(あるいはダンス)的要素を取り入れた、テクストの順序を変えた冒頭には、新しい解釈を感じる。
演出の都合上、水がそこかしこに飛び散るために刑事役の俳優は競泳用水着を着用しており、
それによって刑事とは思えない俳優の姿は、もはやギャグとしか言いようがないが
テクストの改編はなされていないため、原作が持つ毒々しさも感じられる。
そして犯人と婦人警官による、ねつ造された記憶の再現シーンと
ラストの部長刑事の長セりフは、それまで見たきたものを一掃するくらいの(不必要なほどの)美しさを持つ。
ドラマのない現代でドラマを捏造することのまがまがしさと美しさ。
それはやはり、なぜかやたらに美しい。

ネタバレBOX

予算的な問題もあるだろうが、競泳用水着を着させる必要性があったのか疑問に思う。
着ることで刑事的な印象を薄れさせ、原作から離れた地平に行くことは可能だが、ともすればギャグに捉えられる。
この水着の件もそうだが、全体的にパフォーマンス色の打ち出しが中途半端に思える。
テクストをほとんど変えずに、原作とは異なってパフォーマンス的にするのは難しい。
どちらかに寄る必要がある気がする。

また死んだ山口アイ子に普通のセリフを言わせる必要性もあったか疑問。
別段死者の声の響きを持つセリフを言わせていたわけではないし、男女の別なく言わせていたので、単に演出の「面白そうだから」という興味ではないかと思ってしまう。
それと関連して舞台右奥にサンドバックも、象徴的なアイコンとしては捉えづらい。
ボクシングをするのも山口アイ子と木村部長刑事で統一性がないし、2人が共有する文脈が分からない。
やはりこれも興味によるものではないかと思わせる。
---MESs---メス---

---MESs---メス---

Dance Company BABY-Q

リトルモア地下(東京都)

2009/06/12 (金) ~ 2009/06/14 (日)公演終了


もっともっと観たくなりました、当日券で行ってよかった!!
ああ、あれこれ考えてしまうのです.
しかし濃密で、笑えるし、いかがわしい空間でした

---MESs---メス---

---MESs---メス---

Dance Company BABY-Q

リトルモア地下(東京都)

2009/06/12 (金) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

この人を見よ
去年10月のシアタートラムでのソロ公演から半年ぶりに見た。東野祥子のソロダンス。あのときは怪我で公演が中断してしまったが、私は初日に出かけたので見ることができた。幸い怪我は回復して、その後まもなく踊り始めたが、今回もらったチラシをみると、英語で My head is a mess と書いてあるので、頭のほうはまだ問題を抱えているのかもしれない。
シアタートラムよりもはるかに小さな空間で、それでも従来通りのしなやかさをとりもどした彼女の体を間近に眺める約1時間。照明と音響が加わって、いつもながらの空間演出力を感じさせる。独特の体、独特の作品世界。

ネタバレBOX

前半はフルフェイスのヘルメットをかぶり、顔を見せない。照明はストロボを多用。衣装はシルバーっぽい袖なしのワンピース。カジワラトシオの音楽は以前にも聞いた通りのノイズ系。そういえばあのときも前半は全頭マスクをつけていた。いわば東野流の焦らしのテクニック。

前半はまた、これもカジワラが担当したのだろう不思議な照明を使っていた。夏の夜空に開く花火のような、といえばいいか。ちょっとミラーボール的な色彩だ。それをときどき照射する。一方、隅に立て掛けてあった全身大の姿見を東野が抱え、その照明を鏡に反射させて客席に送ったりもした。

後半はカジワラがステージの端に出没して、あれこれ装置をいじっていたし、映画「リング」に出てくる貞子のような黒髪のかつらで顔を隠し、ステージの下手奥に座ってたぶん即興だと思うが機械を操作して音を出していた。

上手の手前壁際に裸電球が床近くまで垂れていて、それを体で包むようにして暗転して終演。

たとえば地下の駐車場で車の急ブレーキ音が響き、突然ともった車のヘッドライトに照らされて、壁際に追い詰められた美女が浮かび上がる。サンペンス映画に出てきそうなワンシーンだが、東野の体は照明とあいまってそんな雰囲気をやすやすと作り出す。経歴にクラシックバレエが含まれていないのが意外に思えるくらい、しなやかさと強靭さを兼ね備えた体は、日本のコンテンポラリーダンス界でも傑出している。

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