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極めて美しいお世辞

極めて美しいお世辞

箱庭円舞曲

OFF OFFシアター(東京都)

2009/09/11 (金) ~ 2009/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

奥行き・立体感も増して
美容院のスタッフルームで美容院スタッフ&関係者(客も含む)が織り成すドラマ、いつもながらの(内部を知らない者からすれば)実際にそんな会話がなされているのでは?と、盗み聞き・覗き見しているような感覚にとらわれるほどのリアリティ(それぞれ話し方に特徴があるのもまたリアル)に加えて、今回は何人かの特異な(笑)あるいはデフォルメされたキャラも配して奥行きと言おうか立体感と言おうか、そういったものも増した感じ。
また、欠点のない人間はいないと言おうか優れたところもダメなところも併せ持つキャラたち(アバウトに見える「総代表」が美容師たちの長所と短所をキチンと把握していたりとか、腕のいい美容師が客扱いは苦手で自分の価値観を押し付けるタイプだったりとか)によるドラマで、特定の「主人公」という存在がなくストーリーの中心となる人物が複数いるのも共感するところ。
いや、それだと微妙に違うな。
秀でた主人公が結局全部解決しちゃったりすると、スカッとするかもしれない一方でどうも置いて行かれたというか、かなわないなぁというか、ウソ臭いというか(←こうなるとヒガミだね(爆))、なところ、そうならないのがまたリアル、みたいな?

白雪姫と七人のム・フ・フ・・・

白雪姫と七人のム・フ・フ・・・

SPPTテエイパーズハウス

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2008/09/25 (木) ~ 2008/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

凄いお客さんの入りでした!!
公演時間は、2時間5分で休憩なしでした。

いや~、凄いお客さんの入りです。
演者の皆さんとか、キャパが広がって随分心配なさっていたようですが、一杯の客席でした。

面白いですよ。
素敵なダンス一杯、ギャグ一杯、子役も可愛いし。
その子役を絡めて、ホロリとさせる演出もあるし。

昨年、池袋演劇祭のグランプリをとった作品だそうです。
一見の価値は有ると思いますよ。

劇場のレビューや、もう少し辛辣な?レビューはコチラをご覧下さい。
http://ameblo.jp/potes-impressions/

遠吠えが聞こえるか。

遠吠えが聞こえるか。

キテレツゥ

RAFT(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

独創的な色をつなぐものが欲しい
多少の荒さはあっても
ひとつずつのシーンには
それぞれに個性的なテイストがあって
観ていて飽きることはありませんでした。

でも、
ひとつのシーンやラインに
他のシーンと絡んで広がっていく力が
もっとあればとも感じて。
面白かったり観る者に沁み入っていくテイストを感じるがゆえに、
さらに絡まり合った広がりが欲しくなりました。

ネタバレBOX

個々のシーンには独特のシュールな感じや
何とも言えない鋭さをもったペーソスが含まれていて
上演時間の長さも感じなかったし
観ていて飽きることはありませんでした。

役者のお芝居にも
十分な安定感とウィットがあって。
なにかを凌駕するような力量を
それぞれから感じて。

だから惜しいなとおもうのです。
微妙なストーリーラインにちょっとフラスト。
ドミノがもっとしっかり倒れていくような、
なにかがあれば
もっともっとたくさんのものが舞台から溢れだしそうな
感じがして・・・。

シーンをつなぐ糸がもっと太ければ
その乗数倍で
伝わってくるものがありそうな舞台。

初日だったということもあるのかもしれませんが
何かが舞台には満ちているだけに、
もっと繋ぐためのけれんがあればとも
思いました。
パンクック

パンクック

9-States

OFF OFFシアター(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/09/29 (火)公演終了

満足度★★★★

秋の日に、夏のほのぼの海の家
事件とか起きたりするのだが、なんとなくほのぼの。

失礼な話、こりゃ凄いと思わず唸る演技があるわけでもなく、物語も現代を切り込むようなテーマが鋭く現れてくるわけでもないのだが、105分ぐらいの上演時間はまったく長く感じることもなく、気がつけば舞台に集中していた。
声を立てて笑えるところはなかったが、その雰囲気がとてもいい。

ネタバレBOX

いろいろなことを抱えながら海の家にやってくるバイトたち。彼らには、「人生の休憩」が必要なようなのだ。それは、都会から帰って来たオーナーの息子(リーダー)も同じ。それぞれの抱えていることがそんなに深刻ではないところもいいのかもしれない。それはとても普通なことに思える。

海の家は、オーナーというお母さんがいて、きちんと叱ってくれるリーダーというお兄さんもいる。そして、互いのことを、ずけずけ言い合える友もいる。そんな中での「人生の休憩」が悪いはずはない。
そこは、ごちゃごちゃしていても、言わば「癒し」の場所でもあるわけで、居心地がとてもよさそう。他人にかかわったり、口出ししてくれるような、こんなコミュニティは、今やもうどこにもない。

しかし、一夏のアルバイトだったり、そもそも海の家というのが期間限定だったりするわけで、モラトリアムというか、休憩時間がいつまでも続くわけではないのがいいのだ。休憩時間にはきちんと終わりがある。
その期間だけは、少し休んで、自分のことを考えてみようという時間であったわけで、夏が終わればそれぞれにまた自分の人生を歩み始めるわけだ。

事件があっても謎解き的な要素はまったくなく、あっさり終わる。えっ? そうなの? という感じ。だけど面白い。
口クラッカーや警官の張り付けなど、行き過ぎているところや、TVの「奇妙な〜」の音楽を使ったシーンなど、それは・・・と思うシーンもあったのだが、それでもなんとなく許せてしまう雰囲気があった。

翌年の夏らしきラストのほのぼの感が、この舞台のすべてを表していたと思う。

本筋とは関係ないが、オーナーの胸はなんか変だなあと思っていたら、ラスト近くでその真相が明らかになる。劇中でいろいろいじらないところに好感。

これからもっと面白くなっていきそうな予感がする劇団だと思う。星は3.62ぐらいなのだが、その予感の分0.38を加えて4つにしてみた。
『ガンバレ!』

『ガンバレ!』

吉日企画

池袋小劇場(東京都)

2009/09/21 (月) ~ 2009/09/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

最高でした!
これは面白い!

女性だけで構成されていてなおかつコメディと来ている。

笑いっぱなしの1時間45分でした。

会社の一部署を舞台にしたお芝居でしたが共感出来ることばかり。

相談しにきた社員を元気つける「応援課」

相談しに来た人たちがみんなマイムと言うのも想像力をかきたてますね。

演じている女優陣はみんな汗だらだらで女捨ててましたね~

でもあれは女を捨てないと出来ないお芝居ですね。

みなさん個性的で「そこまでやるのか!?」と尊敬しました。

本当に元気がもらえるそんなお芝居でした!

応援課のみなさん元気をありがとう!

自分も元気と勇気をもらいました。

吉日企画いいですねぇ。

もう一度観てみたい作品でした。

ネタバレBOX

松下部長(みやきかのん)

この部署から転属かは不明?
弱々しさの中にずうずうしさも兼ね備えてる・・・
女優さん自身からもそんな匂いがプンプン(笑)

本田課長(横澤摩美)

営業2課からの転属。
このお話を引っ張るキーパーソン。
とてもはまり役でした!
オーディションでも掘り出しものか?

長谷係長(坂本みか)

人事課からの転属
コミカルな軽快さが出ていて一風変った雰囲気を持った役。
主宰さんでしたね。
この作品にめぐり合わせてくれてありがとう!
あなたが一番表情豊かでしたね(笑)

大塚主任(鈴木アリサ)

総務課からの転属。
太った風貌がまたいいキャラをかもしだしていました。
声がちょっと小さいのが残念でしたが・・・
何故か鬼コーチのところだけ力入れていたように見えた(笑)

津村伸子(邑姫タケル)

営業1課から転属。
元エリートだけにプライド高いのにバカをやっちゃうしぐさがかわいい(笑)
あの女忍者にはやられました。
「殿」

水野圭(川本綾美)

企画開発部から転属する。
捻くれ者で嫌味ばかりを言って一言多い役でしたね(笑)
見た目の風貌からもしっくり来てて奇麗な人はみんなこうなのかなぁ~と思ってしまうくらいでしたけど面白いキャラでしたね。

森永マリア(山本順子)

広報部からの転属。
これぞまさにバカ!の象徴をする役でしたね。
かしこいところがまったくなく、いつもパタパタしててそれでいて憎めないタイプの女の子って感じでしたね。
かわいかったですよ。

石橋照美

新入社員。
右も左も分からず振り回される役でしたね。
ところどころ何を言っているかが分からなかったのが残念でしたね。
元気があって嫌いではないですよ。


こんな8名で構成されている庶務5課「応援歌」

第21回池袋演劇祭参加作品でしたが約5作品を拝見させてもらいましたが一番面白い好印象の作品でした!























て

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

初演よりシャープ。絶賛。
初演でもいたく感動しましたが、今回はさらに良かったです。野田秀樹さんも満足だったみたい。後半は残席あるようです。どうぞお見逃しなく。岩井秀人の最高傑作の1つであることは間違いないです。
対面客席で全席自由。いつもの芸術劇場の客席側が正面ではあると思います。私はあえて逆側から拝見しましたが素晴らしかったです。なんとか都合をつけてもう1回行くつもり。
今日は平田オリザさんのトークで満席のようですが、当日券は出るみたい。平田さんが終演後のトークに出るのって実はすごく珍しいです。

ウェストサイド物語

ウェストサイド物語

劇団四季

キャナルシティ劇場(福岡県)

2009/09/21 (月) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★

ダンス10ルックス3
予感どおりにダンスは最高だった。
四季のダンスは基本がしっかりしているし、
オリジナル脚本にかなり近いものが
観られると思う。

ネタバレBOX

歌班もかなりいけていたが。。。。

問題は演技。いつも。。。というかちょっちゅう観てるのに
うっ・・・ と思う。動物とか絵本の中とか19世紀以前とかだったら
ありかなと思うカツゼツも現代劇に近いWSSではちょっと違和感あり。


遠吠えが聞こえるか。

遠吠えが聞こえるか。

キテレツゥ

RAFT(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

悪趣
露悪的なネタ…というか、人によってはお前なに考えてんだよ、なネタが多く、悪趣味を通り越して引いてしまう人も居るのではないか…好きになれるか嫌いになるかが、
楽しめるか、耐えられるかのワカレメなんだろうな…と。
で、自分は嫌いではないけど好きって程にはのめり込めないのでした。
ただ、何かギラッとした感じが綺麗だったなぁと思いました。

ネタバレBOX

主人公と友人の歌手、幼なじみの警官の3人の雰囲気に、昔の大人計画を思い出しました。
あとは上演時間がもう少し短ければ…
ミシェル・ノワレ/カンパニー・ミシェル・ノワレ「Chambre blanche」

ミシェル・ノワレ/カンパニー・ミシェル・ノワレ「Chambre blanche」

ダンストリエンナーレトーキョー

スパイラルホール(東京都)

2009/09/24 (木) ~ 2009/09/25 (金)公演終了

満足度★★★★

5人の魔女
ダンス・トリエンナーレの第3弾は、ベルギーのミシェル・ノワレの振付作品。素晴らしかったヤスミン・ゴデール作品のあとだけに、それほど期待せずに見に行ったのだが、これが予想外に面白かった。
ベルギーのコンテンポラリーダンスのカンパニーといえばローザスが有名だが、女性ダンサーしか出ていないという点でも、この作品はローザスの「ローザス・ダンス・ローザス」を想起させる。
ただし、ミシェル・ノワレの作品は、BABY-Qの東野祥子のような、ちょっとダーク・ファンタジーな雰囲気がある。上演時間は約80分。

ネタバレBOX

舞台の三方には薄水色のカーテンが下がっている。舞台中央に白い四角の机。背もたれのない黒い椅子がいくつか。
出演者は女性5人。振付家のミシェル・ノワレも出ているが、ダンスの主力は若手の4人。全員衣裳は黒ずくめ。薄手のワンピースはノースリーブで裾が膝丈。序盤はそのうえにコートを着用。脱いでカーテン付近に吊るしたり。
開演前から客席に背を向けて座っている金髪の女性がひとり。これがミシェル・ノワレ。彼女がカーテンの向こうへ消えるのと入れ替わりに別の女性が登場。机の周辺をゆっくりと移動。そしてまた別の一人と入れ替わる。この辺は机周辺の動きそのものよりも、人物の出入りの呼吸が面白い。カーテンで区切られたスペースは控えの場所で、カーテンの向こう側で起こっている出来事のほうがむしろ重要、そんな印象を女性たちの振る舞いから感じる。
一人ずつだった登場がやがて二人になり、三人になる。ダンサーの顔が識別できないうちは、出演者が何人なのかもわからず、人物の出入りにまどわされる。金髪が二人、黒髪が二人、赤毛が一人。ほぼ白黒の舞台なので、髪の色がとくに印象に残る。ジョージ・ミラー監督の映画「イーストウィックの魔女たち」に登場した3人も、髪の色が3色に分かれていたのを思い出す。
ダンサーの動きには独特の緩急がある。目配りや顔の動きとあいまって、周囲への警戒感がはっきりと読み取れる。何を警戒しているのかはわからない。ただ謎めいた、張り詰めた雰囲気の中でダンサーが動く。
若い4人のダンサーの踊りが中盤のクライマックス。それぞれが特徴となる自分の動きを持ったうえで、ときおり動きが揃うというのが振付の魅力。特に黒髪の二人は背丈も似ていて、姉妹のようだった。
後ろ向きで立ち、カーテンに投影された影といっしょに躍るところも印象的。
ミシェル・ノワレが机を移動させる長い場面。机は自動で動いているように見えたが、どういう仕掛けになっていたのだろう。
暗転によって時折謎めいた短い場面が差し挟まれる。その辺にBABY-Qと似たものを感じた。トップレスの女性の背中が一つから三つに増える。背中の動きはまるで女性版の室伏鴻。蛍光灯の光に照らされた白い胸が机に横たわるラストでは、フェスティバル・トーキョーで見たロメオ・カステルッチの作品を思い出した。

ミシェル・ノワレという人、けっこうキャリアがあるようだけど、これまで来日したことはあるのだろうか。もしまた日本で作品が上演されることがあれば、ぜひ見てみたい。




『天才バカボンのパパなのだ』『マザー・マザー・マザー』

『天才バカボンのパパなのだ』『マザー・マザー・マザー』

桜美林大学パフォーミングアーツプログラム<OPAP>

PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)

2009/09/18 (金) ~ 2009/09/26 (土)公演終了

満足度★★★★★

恵まれた環境
桜美林大学には演劇を専攻するコースがあって、淵野辺駅の近くの立派なホールで日頃の成果を発表出来るここの学生は非常に恵まれています。また、あのへんには実験的な作品を上演する会場はなかったので、都内まで足を伸ばさずともそういう演劇を見れるようになった地元の人間にとってもメリット大です。

今回の作品に限って言えば、違う作品を2つ楽しむというよりは、相違点より共通点が多く感じられる不思議空間と化していました。決してとっつき易い作品ではありませんでしたが、2作品を同時上演して対比することで、同一テーマに対する表現の多様性がよく理解出来ました。目から鱗が落ちるとはこのことです。

バカボンのパパ役の人がまさに適所適材といった体型と顔つき!15年くらい経ったらいぶし銀の俳優になっていそう。

「ロミオとハムレットの夢物語」

「ロミオとハムレットの夢物語」

アイサツ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/09/08 (火) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★

作る側の世界
 なにやら、最近はやりの演劇の、コピペのような印象。残念ながら、楽しめなかった。

ネタバレBOX

 「ハムレット」の劇中劇として、「夏の夜の夢」のボトムたちの芝居が上演されるのが、「冬物語」のレオンティーズのお城、という、シェイクスピアのザッピング。松岡和子訳のあとがきに忠実に、「メタシアター」という側面をクローズアップした舞台。

 「演劇」というものを「演劇」自身が批評する、自己言及スタイルのために、シェイクスピア劇をみつめる観客が、舞台のはずれに二人。劇中人物のパック(死後のロミオ)と、大学生の男の子が、劇をみつめる。さらにそれを、舞台から一段降りた、上手のはずれにいる、演出家が、みつめる。観客は、それら全部を、みせられる。

 ずっとゲームに夢中の大学生が、次第に演劇に引き込まれて、最後、ハムレットのラストシーンに介入して、ジェノサイドを止めようとする「感動的」な姿をみても、なにも感じることがなかったのは、観客席と、すぐ目の前にあるはずの舞台との間に、大きなへだたりがあったから。

 演出家は、目に見えるかたちの才気をみせようと、必死になっている様子。群雄割拠の演劇の世は大変なんだろうなと、僕などは同情してしまうけど、それだけに、演劇の世界の外の、観客席が、みえていない、と思ったのだった。

 シェイクスピアのメタシアターは、とても大きな発想で、全ての人は、王様も庶民も「役割」を演じているにすぎなくて、役を離れた後に残るものはなにもないよ、というものだと僕は思っているんだけど、今回の作品では、最後に、ハムレットの悲劇を止められなかった男の子が、劇団の門をたたく。あれ? と思う。現実の人間が、演劇の世界に入るという構図は、反対なのではないか。演劇の中にどっぷり浸かった、作る側の世界が、人間世界よりも大きくなってしまっているみたい。演劇の外の世界に暮らす僕などは、勝手にやんなさい、と思ってしまった。

 シェイクスピアの劇は、演劇を使って、現実の世界を変えているみたいにみえるかもしれない。でも、実は、ハムレットもボトムたちも、リアもマクベスも。自分が、単なる役者を演じていたにすぎないことを知って、無を背負い、現実世界に出て行く。決して、演劇世界にとどまることは、しておらず、演劇世界と現実世界の区別がなくなる、だからこそ、外側にも響くのだと、僕は思う。
パンクック

パンクック

9-States

OFF OFFシアター(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/09/29 (火)公演終了

満足度★★★

夏は終わるが人生は終わらない。
音と映像、空間の使い方がとてもセンスが良く、ぐんぐん物語に惹きこまれていきました。海の家。という期間限定でしか成立し得ないある種、浮世離れした場所において、とりとめもなく交わされる会話は、何も言わなくても分かり合えるような、イージーな関係性でないために、注意を払いながら行われ、善と悪に割り切れない何かを抱えているようにも思われました。 海の家はある意味、自分と社会をつなぐコンセントのようなものなのかもしれません。夏が終れば、海の家という名のコンセントは自動的にOFFになる。だからこそ彼らは思いきり楽しみ、笑い合いあおうとするのかもしれません。社会という荒波に備えて。 

ハセル

ハセル

空気ノ機械ノ尾ッポ

ザ・ポケット(東京都)

2009/09/24 (木) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

FEVER~眺め続けた展望の行方

FEVER~眺め続けた展望の行方

傑作を遊ぼう。rorian55?

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

あのときの※※で、FEVER!
幼かったころ、子供のころ、学生のころ、若かったころ。
どうして、あんなに夢中になれたんだろう。
あの頃夢見た大人に、いま自分はなれているのかな。
いまの自分に満足?

あぁ、あの頃は本当に、楽しかった。

そんな、人生の「楽しかった」部分を
男5人が一気に駆け抜けて FEVERする!



言葉は悪いですが、大の男たちが
全力だったけどちょっとダサくて恥ずかしい青春や、
周りに影響されずに素直な気持ちを貫けていた子供時代を
振りかえっては、全力で大騒ぎ!!
客席と舞台がめちゃくちゃ近いので、迫力があってムサさも倍増 笑
そんなところが面白い!

いままでだけじゃなく、これからもFEVERすればいい!
そんな勢いを、分けていただきました。楽しかったですよw

ブルカニロ博士の実験

ブルカニロ博士の実験

青果鹿

劇場MOMO(東京都)

2009/09/24 (木) ~ 2009/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★

好み♪
アングラ風な宮沢賢治で、好き嫌いは別れるかもしれませんが、自分的にはかなり好きな世界でした。

面白いというより楽しい感じ。

終盤の盛り上がりと、ラストに感動。

コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

3部を観た!壮年の革命家たち
激動の中で生きた彼らも壮年になって自分の人生を振り返れば・・。
最終楽の後半は悟ったようなゲルツェンの表情がいい。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

失意の底にあったゲルツェンはロンドンに亡命。自宅をまたもや革命に失敗した亡命者たちの社交場として開放する。そこで新しい人脈を得てロシア・ポーランド自由印刷所を立ち上げる。以前から革命とは計画だ、自由な精神だ。民家の内的本質が形となって表れたものが革命だ。と考えていたゲルツェンは個人の自由こそが絶対的であるべきだと論じた『向こう岸から』のロシア語版を出版。この記念すべき一冊目を、亡き妻ナタリーとの息子に熱い想いとともに手渡す。

やがて、盟友オガリョーフと共に大衆紙『鐘』を創刊する一方でオガリョーフの奔放な妻・ナターシャとの情事に走るも、心にはいつも亡き妻ナタリーがいた。

1861年、ついにロシア皇帝・アレクサンドル二世が暗殺未遂され、ロシアは農奴解放を実現する。喜びもつかの間、自由になったと思いきや土地を使用するのにお金を支払うという矛盾のある不徹底な改革に落胆したゲルツェンは、流刑地から逃亡しテロを企てる強硬派のミハイルと決裂。暴力革命に反対するゲルツェンは、次世代の革命家たちにセンチメンタルな夢想家だからと批判され「死人」であると罵られる。

壮年期を迎えた彼らとゲルツェンの胸に去来する長い間求め続けた「革命の意義、本当の人間の幸福」とは何だったのか?を思うとき、やっとゲルツェンは悟るのだった。
「人生には1000の扉がある。その扉は偶然という名の門だ。どんなことがあっても前に進むこと。楽園の城を目指しても、そこにたどり着くということはないのだと知ること。ユートピアに向かって殺戮を繰り返すうちは幸福はない。この不完全な世界を我々が時代をいかに生きるかにある。」と。


いあー、ホントすんばらしいでしょ?(^0^)
最後の〆のゲルツェンのセリフには感銘して鳥肌が立ちました。全部は書ききれなかったけれど、人間は人生の後半になるとこのように悟ることが出来るんですね。
革命家の誰しもがそれぞれのユートピアに向かって船出するのだけれど、彼らの理想や行動や団結が時代という波に揉まれて難破する。それでも前を向こうとして夢と絶望の間で思考し続ける彼らの姿に感銘しながらも、一方で、そんな理想を掲げる活動家である彼らが、同時に気弱で滑稽で不倫しまくりの自堕落だったりする。ヨーロッパって不倫が文化みたいな国ですわね、笑
そんな生臭い人間ドラマが漂着した先は地に足のついた家族の幸福こそがユートピアなのだと気付いたのです。


twelve

twelve

劇団6番シード

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/09/21 (月)公演終了

満足度★★★

つながりはしたけど・・・
そりゃ確かに物語はつながり、バラバラだったジグソーのピースはそれぞれ所定の位置に納まりはしたけど・・・

ネタバレBOX

そこに現れた絵に感動はなかったかも・・・。

そして誰も救われなかった気がする。
結局みんな死んでしまったし。
検討違いだろうか?

誰か救われたのだろうか?
あの妹は薬から立ち直れたのだろうか?
あのおじいさんは奥さんからの尊敬を得られたのだろうか?
あのサラリーマンは・・・
あの女子高生は・・・
あの大工は・・・

うーん、

謎だ。

そして、
少々人数が多すぎた感が・・・。

大好きな6番シードの役者達が大人数の中に埋もれてしまい、魅力が消されてしまっていたような・・・。

そんな気がした。

小沢さんはもっと笑えるはずなのに・・・。
宇田川さんはもっと怖いはずなのに・・・。
土屋さんはもっとかっこいいはずなのに・・・。
椎名さんはもっとはじけてるはずなのに・・・。
妹尾さんはもっともっと悪い男はずなのに・・・。
戸田さんはもっとあたふたしてるはずなのに・・・。
(以下省略)

と思わずにはいられないような・・・そんなお芝居だった。


はちみつ

はちみつ

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/09/23 (水) ~ 2009/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

物足りなさがしっくりきた
無神経も無関心も無意識も依存も卑怯も美徳も優しさも、ちっちゃいスプーン1杯分。

この物足りなさがしっくりきた。それゆえにもう1杯舐めてみたくなるライフイズビューティフル。

ネタバレBOX

偏見や甘えや欲求を、スプーン1杯分くらい意識して、そこから眼鏡のレンズ1枚分くらいの距離を置いて共に暮らしている。

すきなもの、きらいなもの、こわいもの、いとしいもの、全部、当たり前に少しずつある。

善悪とか勝ち負けとか是非じゃない。

声高に主張して思想を肯定しない。

誰もイイ人じゃないのに清々しい。

ちっちゃい世の中が好きだ!
一瞬思い出すくらいの青春が好きだ!
一瞬憧れるくらいの未来が好きだ!
一瞬なぐさめあうくらいの距離が好きだ!

非常に草食系。

time

time

円盤ライダー

@quos(東京都)

2009/08/27 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

お得意の「現地芝居」
学生時代からの友人2人が脱サラして始めたバーの開店から閉店までの2年間を実際のカフェバー内で演じるという、お得意(?)の「現地芝居」、ここでの前回は観逃したのでこの店は初。広さから言えば Gallery LE DECO くらいか? そこにビリヤード台やダーツの的(って呼称するのか?)、レーシングカーのサーキットなどがある「おサレなカヘバー」。
内容的にはプロローグとして閉店の「その日」を見せてから開店前に遡り、いくつかのポイントをたどりながら冒頭の時点に達してそのほんのちょっと先まで行って終わる構造だけに「2年間で閉店」というのはわかっており、ホロ苦~い感覚。
それを(一部誇張されたキャラもいるものの)基本的にはほぼ等身大の登場人物たちが演じているので共感するというよりはダメなところが妙に身につまされたりもして、時々胸の古傷がチクチク…(爆)
いや、サナトリウム症候群っぽいところは古傷どころか現状のわが身そのままか?(更爆)
また、一見すると正反対のような2人の主人公、実は根底にあるモノは共通なのでは?と思ったり。学生時代に一緒にサークルを立ち上げたということもあるが、なんだか観ていてよく似ているように思えて。
作・演出の四方田祐輔は今回初参加とのことながら、なかなかイイ感じ。

白と黒とその泡と

白と黒とその泡と

KENプロデュース

池袋GEKIBA(東京都)

2009/09/09 (水) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★

鈴班のみ観劇
父親が亡くなり、三男が同居していた実家に次男夫婦、長女、叔父、祖父などが集まった通夜の日の昼から翌日の昼前までを描いた「どこか懐かしいホームコメディ」で、「天城越え」に重ね録りした遺言テープとかロックな読経(名場面!)で笑わせておき、辞世の歌の謎解きを経て家族愛で締めくくる構成が手堅く、毛利元就の「三本の矢」など途中でヒントとして出して遺言の鍵である「父が一番喜ぶこと」の正解を観客に読ませる匙加減も巧み。

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