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コンプレックスドラゴンズ

コンプレックスドラゴンズ

The end of company ジエン社

d-倉庫(東京都)

2009/10/22 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

閉塞感の中にあるもの
久々に観たがやはり面白かった。
開演前から登場人物が舞台にいて動いているのは青年団と
似ている。TVニュースで諸注意を流すなど洒落た演出だ。
登場人物は各自、自己主張するばかりで会話は成立しない。
何を言っても何を言われても互いに受け止めようとしないので、
軋轢も生じないのである。
極端なようだが、現代日本の縮図のようでもあり、じわじわと
怖さが迫ってくる。
難しい問題は避けて先送りし、目の前のことにだけ関ろうとする。
無関心を装っても、他者の目や自分の立場を実はとても気にし
ている。
何とも言えない閉塞感のなかで他者との距離を取りながら
必死に自発呼吸しようともがいているわれわれの姿を突きつ
けられるような問題作だった。
また、作者本介氏自身の演劇における疑問や焦燥感も感じられ、
興味深い。

ネタバレBOX

傷害事件がおきても「身内以外にだれにも迷惑かけてないよね?」
と確認し、出血多量の仲間を見ても「本人が大丈夫と言ってるから」
と放置する。
師匠の孔子先生の安否も何かあれば連絡が来ると楽観視。
自分に関係あるかどうかだけで判断しようとする傾向は最近の若者
によく見られる。
企業が新卒の求人条件に判で押したように強調する「コミュニケーション
能力に優れた人」、その対極にある人物を描いて興味深い。
ミサイルが撃ち込まれた、戦争が起きているといっても他人事で、
ろくにルールも知らないメンバーを集めて草野球の試合を開くこと
のほうを優先する芸人たち。
湾岸戦争が起きたとき、シミュレーションゲームを見ているようだと
多くの識者がメディアで発言したことを思い出す。
芸人アオガクの女装は、何をしていいかわからず捨て鉢になっている
様子をよく表現している。彼がネタを披露しようとして孤独と挫折感
に襲われる心象風景を照明で表現した場面が印象的だ。
孔子先生がかなり面白そうな人物で登場しないだけに想像が膨らむ。
以前の作品でも向こう岸にニート村ができている設定が出てきたが
今回も向こう岸(東京)の話が出てきて、作者本介氏の作品の象徴に
なっているのだろうか。
アンケートの中に性、暴力描写、舞台での喫煙についてや、不快感を
覚える表現への設問があり、制作側が具体的な質問を観客に投げ
かけるのが珍しく、有意義な試みだと思う。
ちなみに、私は今回、舞台で役者が喫煙した場面の直後、咳が出て
焦ってしまった。席が離れていても、密室では気管支が敏感に反応
してしまう体質なので辛かった。
ROOM

ROOM

しずくまち♭[フラット]

中野スタジオあくとれ(東京都)

2009/10/23 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

ありそうな情景
短編9本を10分ずつ。短編はどれも特色があって秀逸。ありそうな物語と、どこか病んだ人達のダークな部分をも演出し、お見事!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

「あめあがりの夜にⅠ」
とあるOLが仕事でのストレスをショコラ(犬)で癒す日の情景

「刃物」
夫婦の会話劇。若いころは楽しかった家庭も10年を過ぎてくると夫婦はお互いにギクシャクしてしまう。それは機械を動かしてるネジのようなものだ。経年とともにお互いを刃物でさしてもオカシクナイ状況だろうとお互いに察している。コミカルな会話劇の中に言い知れぬ恐さも潜む。ここでの菅野敬子の男装が素敵♪

「れぷりかんとⅠ」
等身大のゼンマイ仕掛けの蝋人形に自分の感情をぶつける女。彼女は売春婦だ。女の苦しみは美しくて可愛らしいれぷりかんとに偏屈な愛情を注ぐことで癒される。ここでの人形役がちっさくてキュート♪

「透明なキリン男」
夫婦が離婚する情景。男には常に寄り添って励ますキリンがいた。しかし、女にはこのキリンが見えない。どんな状況に陥ってもキリンは男を励まし膝枕もしてあげる。しかし、男はキリンがいるお陰で、自分で考えることが出来なくなってしまう。幼児化現象だ。笑  女は「いつも部屋の中には3人で暮らしてるような感覚になる、貴方と一緒にいると本来の私の大きさでいられない。」と言って家を出る。キリンは「僕が傍に居るから大丈夫さ!」と励ますも、男はやっと、幻想に気づく。

「あねいもうと」
姉は大学院を卒業して研究職につく。妹は姉のような取り得はないが、婚約して3年が経過する。お互いがお互いを意識しすぎて幸せを掴めない二人。

「あめあがりの夜にⅡ」
やたらと男に振られる女がいる。「愛してる」とか「好きだ」とか愛の言葉は惜しみなく言える女。しかし常に男に逃げられてしまう。彼女は男の自由を奪おうとしがちだからだ。しかし、女は男に逃げられてもそれほど悲しくはない。他の男を誘うだけだ。そう、女は誰も愛してなんかいない。自分も誰も。

「れぷりかんとⅡ」
売春婦は東京を離れることにした。今日は人形にお別れを言いに来たのだった。人形と決別し新たな自分を見つける為に旅立つ女。

「あめあがりの夜にⅢ」
父親が他界して残った母と娘の会話劇。娘と母の愚痴を直接相手にぶつけないで、タマ吉(猫)を介して文句を言いあう。笑

「花」
母親の葬式に、すでに他界してしまった父親の愛人がやってきた。しかし、「この人は貴女(妹)が思ってるような愛人ではない。」と、姉は言う。そして、「お父さんはお母さんに会う以前からこの人のお花の教室に通っていたの。」とも言う。しかし真相は当人同士しか解らない。成仏した父が母を迎えにきた時に「あのひとを愛してた?」と聞く母。 「ソレ、生きてる間に聞いて欲しかったな・・。」という父。


それぞれの部屋での物語だったが人間の心理を柔らかく表現したような物語だった。コミカルな表現と人間の持つエグサとをミックスさせたような舞台構成は流石!



盲導犬

盲導犬

劇団唐組

三鷹の森ジブリ美術館横・木もれ日原っぱ(東京都)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★

赤松さんの回
赤松さん官能的でタップリ。稲荷氏のかっこよし。唐さんお茶目♪

残念に感じたのは、ラストのファキイル登場の場面。なんかちゃちかった。

深情さびつく回転儀

深情さびつく回転儀

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

やっぱり好きです。
頭使う芝居大好きです。
難しくて、「む~!!」ってなるけど、もっともっと見たいと思いました。
複数回見たいって思った芝居でした。
最終日じゃなかったらまた見に行っていたかもしれません。
(前回の公演も2回見ましたし。)

学生時代から知っていて見ていた劇団ですが、
社会人になってから改めて好きだな~って思いました。
今後も楽しみです。

トブ

トブ

空気ノ機械ノ尾ッポ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2008/10/23 (木) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

満足度★★★

これも
グリーーんをこのように使うかぃ手感じ
嫌いじゃない

ハセル

ハセル

空気ノ機械ノ尾ッポ

ザ・ポケット(東京都)

2009/09/24 (木) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

激しい
ここまで、劇場を使うか。
良い意味でも、悪い意味でも、他には、ない芝居
ここでしかみれない。
また見に行きます。

ハセル

ハセル

空気ノ機械ノ尾ッポ

ザ・ポケット(東京都)

2009/09/24 (木) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

見に行きました
子供と一緒に見てきましたが子供心も夢中に見てました!

『ROMEO & JULIET』

『ROMEO & JULIET』

東京デスロック

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2009/10/24 (土) ~ 2009/10/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

IN&OUT
半日がかりでKorea VersionとJapan Versionを観ました。

Korea Versionは戯曲の世界にどんどんと取り込まれていく感じ、一方Japan Versionは戯曲の世界からの広がりを深く感じる作品でした。


ネタバレBOX

Koreaバージョンは、さまざまな手法が駆使されながら、戯曲の流れを押し広げるように物語が膨らんでいきます。

多田手法というか、舞台に人と人との関係性が生まれる冒頭から、観る側が物語の世界に包まれて。
表現の豊かさ、与えられたメソッドを武器に変えていく役者たちのパワーは、それなりに大きさのある空間をもはちきれんばかりに満たしていく。舞台後方に張られたスクリーンに映し出される文字や影が、さらに舞台を膨らませていきます。

役者たちの韓国語は当然に理解できず、頭のなかにある戯曲の流れと、スクリーンに映し出される日本語訳を頼りに物語を追っていくのですが、スクリーン上の訳の提示も単純なプロンプターからの情報というよりはひとつの表現になっていて、マンガにたとえると人物についた吹き出しというより、背景に描かれるさまざまな効果のような感じで観る側に入ってくる・・・。このことが、観る側を一層強く物語にのめりこませていきます。

それにつけても輪郭の太さに目を見張る舞台。一つずつのシーンがメソッドを武器に深く強く心を揺らしてくれる。ジュリエットの想いを女優達でガールストークのように編みあげていく部分のヴィヴィドさや、両家の争いのシーンの洗練。
初夜が開けた朝の二人の想いの質感や、ジュリエットの死を何倍にも重く背負うロミオの心情、さらには自ら死を選ぶジュリエットの愛に殉じる高揚・・・。良く知った物語でありながら、さらに一歩引き入れられて、自分が頭のなかに持っていたロミオとジュリエットの物語がとても陳腐なもののようにすら思えてきて。

観終わってしばらく舞台の世界から抜け出せませんでした。
終演時の2度のカーテンコールですら足りないような気がしたことでした。

Japan Versionは、まず、スクリーンに「Text」と表示されたとおりに、戯曲の紹介から始まります。ショーアップされた形でちょっとクロニクルっぽくスクリーンに戯曲の一部を提示して観客に読ませる・・・。
坪内逍遥訳の提示が効果的で、戯曲そのものが観客に表わすもの、台本に書かれた言葉が見る側に発するニュアンスや色が抽出され伝わってきます。ライティングや音楽から生まれるコンサートの直前のような高揚感がなにげにしたたかで。

次に「Human」と表示され、素のライトの下、役者が舞台上に並んで順番に自分の恋愛体験を語り始めます。すごくナチュラルな語り口で、虚実はよくわからないのですが、観る側が心をすっと開くような雰囲気が醸し出されて。そのトーンというか流れのままにでキュピレット家のジュリエットさんの話を・・・、聞いてしまう。戯曲のお仕着せを脱いで私服で楽屋口から出てきたような、素顔で等身大のジュリエットの心情に、笑いながらもなぜかうなずいてしまって・・・。

そして「Text&Human」、前の二つの要素が重なる中、作り手側の目隠しでの物語の模索が始まります。

何から目をふさいでいるのか・・・。周りというだけでなくかつてのロミオ&ジュリエットの作品のイメージまでリセットされるような印象。

舞台の上ので探りのなかで語られる台詞は、やがて見えない者どおしで絡まりあい膨らみ始める。そこから少しずつ動作が生まれ、スクリーンの文字が遊び、音がやってきて戯曲から溢れ出てくる感覚がどんどんと具象化されていく・・・・。

観る側からすると、戯曲が作り手たちの創意にふれて線描として次々に描かれていく感じ。そして、手で周囲を探り足で舞台のエッジを確かめながら、台詞を頼りに模索し徘徊する役者たちの姿に、作り手たちの創作の苦悩を感じて・・・。でも、芽生え、揺らぎながら膨らみ、舞台上に形となり、そこから舞台を超えて施設全体にまで広がる表現に、雛鳥が貪欲に餌を啄ばみ、羽根を広げ、やがて羽ばたき始めるような、ぞくっとするような創意の飛翔への過程を感じるのです。

ブリッジで語られる台詞に文字がクルっとひっくり返るようなシンプルな遊び心から現れる質量を持った何か。朝を告げるひばりの声はずるいと思いながらも個人的にツボで、こういうウィットが作り上げる舞台のニュアンスがどんどんと世界を豊かにいくようにも思えて。コインを危なっかしく投入して「毒薬」を手に入れる姿に薬入手の不思議なリアリティを感じたり・・・。カメラを使ったライブ感(館内の道程をしめすグラフィックもよい)や、スクリーンに映像として具現化される霊廟のシーンにも瞠目・・・。

そして、いったん目隠しを取った役者が、再び目隠しをつけて手探りを始める姿に、限りのない演劇の深淵を思ったことでした。

戯曲にひたすら惹きこまれていくKorea Version,戯曲から次々となにかが現れていくJapan Version。戯曲に対してのIn&Outを半日で体験したよう。観終わって、なにか抱えきれないほどに満腹なのですが、その感覚には演劇という筋がしっかりと通っているから、すっと心に吸い込まれていく感じがする。

そして、劇場を出るとき、満足感だけではなく両Version(特にJapan Version)のさらなる広がりの予感とそれを観たいと渇望する気持ちがやってきて・・・、自分の貪欲さに驚愕したことでした。
自転車英雄

自転車英雄

オイスターズ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/10/23 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

多過ぎやろ
仙台賞応募作の時点から大分改作されている模様。四畳半に役者9人、自転車二台、ざる蕎麦の桶が50個以上載っかって散乱する、ギネスに挑戦的なビジュアルは見ているだけで面白い。唐突な展開に個人的には爆笑。

受付、客入れ混乱気味だったが内容が良ければストレスは消える。無内容なのに芸術ぶって芝居の後にも能書き垂れる奴らは親の敵よりも憎らしい。

ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

双数姉妹

座・高円寺1(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

だまし絵を見てるような感覚
劇中劇の登場人物と役者を2人一役(というのかな)で演じながら
徐々に世界が侵食されていって捩れていってひっくり返る…

何か歪んだだまし絵を見ているようで面白かった
舞台美術の巨大なパーテションに唸った

て【北九州公演】

て【北九州公演】

ハイバイ

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2009/10/24 (土) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

久しぶりの
生ハイバイでテンションがあがった!
勿論、ハイバイ大好きだけど、
私はやっぱ、岩井秀人が大好きだ!!!
って改めて感じた。
初演とは微妙に違ってて楽しめた。
でも、地元でハイバイ観れるなんて思ってもなかったから本当に感動!
プロデューサー、すばらしい。です!!
感謝です!!

甲賀の七忍

甲賀の七忍

劇団三年物語

ザ・ポケット(東京都)

2009/10/24 (土) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★

殺陣凄い
真剣な殺陣の中にも、笑いを随所にちりばめ、笑うところはガッツリ笑わせていただきました。

しかし、殺陣は必見です。そこまで刀をぶつけ合うかというほどぶつけ合っておりますし、もう凄いとしか言えないです。

ネタバレBOX

物語は手配人となった甲賀の忍びたちが、最終的に助け合いながら、甲賀の国境を目指す物語。

物語、いつものファンタジー色は薄かったかな。あと、殺陣に比重を置いたからか、物語は少し物足りなさを感じたかな。
『ROMEO & JULIET』

『ROMEO & JULIET』

東京デスロック

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2009/10/24 (土) ~ 2009/10/28 (水)公演終了

満足度★★★

JAPAN ver
CONTEMPORARY SERIESの第1弾としての『ROMEO & JULIET』JAPAN Ver。
まだKOREA Verを見てないので、こちらだけ。

CONTEMPORARY SERIESと言ったものの位置付けがイマイチ良くわからない。
アフタートークを聞いても良くわからなかったです。
多田氏自身もまだ掴みかねているようにうかがえました。

昨年の「大恋愛」およびKOREA Verとは全く異なるJAPAN Ver。
見た印象としては、個人的にはデスロックの「リア王」と同じ印象でした。

「大恋愛」に熱狂した身としては、凡庸なできという印象の約1時間40分。

ネタバレBOX

入場するとスクリーンに「WELCOME」の文字。
最近の東京デスロックを見た人ならおなじみの様子です。

舞台は昨年の「大恋愛」でも舞台に使った赤い革張りのキューブ状のものをハートを模して並べてます。

Act1 TEXT。
そのまま、音楽と文字だけでロミオとジュリエットの全てを見せます。
あらすじだけでなく、ロミオとジュリエットが生み出されたシェークスピアの時代から日本に入ってきて、という背景も。
そこまではかかってる曲は大音量のクイーン。
そして現代。
ここではPerfumeに合わせてあらすじが全て語られます。
まあ最初に話のあらすじから結末までを説明するのはデスロックでは珍しい事ではないのでそのまま受け止める。

Act2 HUMAN。
ここでやっと役者が舞台に出てきます。
皆そろって白い服。
一列に並んでしばらく客席を見渡した後、ひとりずつ語り始めます。
語るのは自分の身の上の恋愛話(アフタートークで台本があるとは言ってましたが)。
ひとりひとりが恋愛話をしていったあと、最後に残った女性が「私はキャピレット・ジュリエットです」と語りだす。
他の人は身の上話をしていたけど、このジュリエットも自分の身の上話としてジュリエットの視点から見た「ロミオとジュリエット」の話をします。
あらすじ全てを話します。
最後には自分が死んだ事まで笑顔で話します。

そこから役者全員が目隠しをします。

Act3 TEXT&HUMAN。
ここでは目隠しをした役者がウロウロと舞台上を彷徨いつつロミオとジュリエットのセリフを言います。
やがて役者はひとりを残して舞台上から姿を消し、そのひとりも居なくなったかと思うと別の一人が入ってきて、舞台上でブリッジしつつジュリエットのセリフを言います。
このときスクリーンの「ROMEO & JULIET」の文字が上下逆さになるところが面白い!

やがてスクリーンにはキラリ☆ふじみ館内を彷徨うロミオを捉えた映像が流れます。
実況中継で、館内を目隠しのまま彷徨うロミオが毒薬を手に入れる(自販機で缶コーヒーを購入)。
そのまま場内へ入ってきて、毒(缶コーヒー)を飲んで息絶えます。

そこにビデオカメラを持った別の女性が現れる。
彼女もジュリエット。
スクリーンにはそのカメラが捉える映像が映ります。
息絶えたロミオの姿。
やがてジュリエットも息絶えます。

そこで他の役者たちも皆出てきて、舞台を四方から囲んで、中に入ってきてやはり目隠しをして舞台上でウロウロとしつつ銘々に言葉を口走ります。
音楽が大きくてよく聞こえなかったけど、Act2 HUMANの時の恋愛話を繰り返している様子。

そのまま終わり。


うーん。。。
色々とアイデアを盛り込みつつ、繰り返しを使ったりあの手この手で構成されているのですが、何かが足りないんです。
これは「リア王」の時も感じた事ですが、色々と試そうとして逆に拡散してしまっている印象。
「リア王」のアフタートークで岩井秀人さんが「大恋愛」や「LOVE」で感じたものが感じられなかったと言ってましたが、同じ印象。
役者が一体となってひとつのものを表現する、というのを演出するのが多田氏の真骨頂だと思います。
それがアイデアに流れて構成してゆくとこうなってしまうのか。

舞台上にうまく熱量を生み出せていないように感じました。

KOREA Verは期待してます。
て【北九州公演】

て【北九州公演】

ハイバイ

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2009/10/24 (土) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

人って、そんなものかも。
口語演劇でなんとなく進んでいく芝居は苦手なものが多いけど
これはおもしろかった。
とても興味深くみせてもらいました。
人って、同じ出来事でも見え方や感じ方がずいぶん違うんだなと思った。
そんなことがすんなり理解できたこの芝居はすごいと思った。

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

東宝

帝国劇場(東京都)

2009/10/06 (火) ~ 2009/11/20 (金)公演終了

満足度★★★★

何度観ても厭きない崇高な作品
今期は、今日が初観劇。ですが、これまで100回は下らない程、通っています。
自分にとってのベストキャスト揃い踏みの公演が皆無なため、何度も通って、まさに東宝さんの策に乗せられているけれど、何度観ても、厭きることがないので、もはやレミゼ中毒の感あり。

橋本バルジャン、優しさが増していて、より好きになりました。松原アンジョルラスは初見でしたが、久しぶりに自分のイメージに近い、颯爽たるリーダー振りのアンジョルラスで、惚れ惚れ。  

終演後、山口さんの歌唱指導で、ABCカフェの歌の観客との大合唱のおまけまで付いて、やはり、レミゼには生涯通い詰めたいと思いを新たにしました。

ネタバレBOX

もし、初めてご覧になる方は、バルジャンとジャベール以外のキャスト全員、あちこちの場面に何役も登場しますから、どこに誰がいるか、探してみるのも一興です。
『ROMEO & JULIET』

『ROMEO & JULIET』

東京デスロック

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2009/10/24 (土) ~ 2009/10/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

斬新、やられました
コリア版を見ました。
このところ多田演出とは相性がよくないなと感じていたのですけれど、この作品はとても好きな作品です。数々のギミックが物語の枠組みと有機的に結びついているように思えました。そして表現のエネルギーの強度が圧巻だった。韓国人役者の絶叫にやられてしまいました。
この『ロミジュリ』には脱帽です。こんな刺激的、攻撃的、遊戯的、挑戦的、破壊的なシェイクスピアを僕は体験したことがない。
面白いです。どきどきします。

スタンディング・オベーションして、「ブラヴォ」と叫びたいくらいだった。いや本当はそうしなければならなかった。

smallworld'send

smallworld'send

時間堂

王子スタジオ1(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

まったりと穏やかな時間
魅力的な女優さんが多くて、ぼーっと見とれてしまいました。
戯曲のセレクションも秀逸ですが、戯曲との距離感がとてもユニークで面白かったです。劇場外の道路の音とかの環境音までが芝居の効果音として機能しているような雰囲気がありました。
飲食可なので、歌舞伎を見るように、ぼんやりと演劇にひたることができました。

屋根の上のヴァイオリン弾き

屋根の上のヴァイオリン弾き

東宝

日生劇場(東京都)

2009/10/05 (月) ~ 2009/10/29 (木)公演終了

満足度★★★★

「陽は昇り,陽は沈み,時は過ぎ…」何気ない日々の営みに幸せがある.
「サンライズサンセット」陽は昇り,陽は沈み,時は過ぎ…
毎日の普通の生活に根付いて、昔から繰り返された
「しきたり」も時を経て若者たちから変わっていく。
娘たちの結婚と旅立ち、家族の日常の営み、
そしてそのような小さな一人ひとりの小さな幸せも、
大きな理不尽な流れに押し流されてしまう。

それでも家族はたくましく生きる。
足元が危なくても軽やかに音楽を奏でる
「屋根の上のヴァイオリン弾き」のように。

やっぱり生オーケストラはいい!
オープニングの「しきたり」の歌や、
有名な「サンライズ・サンセット」が感動的。
(個人的には最後にもう一回「サンライズ~」で
盛り上がって終わるかと思ってたのですが、
わりとあっさりおわりました…)

「陽は昇り陽は沈み時は過ぎ…」という日本語詩を
どこかで見て覚えています。
そして話自体は、おそらくテレビで映画を見た記憶
があります。
そのときは深くは考えませんでしたが、
実はロシアによるユダヤ人の迫害・追放という
シリアスな背景があったのだと、今、改めて知りました。
結婚式の踊りや歌の陽気さが、その苛酷な現実と対比
してより一層際立ちます。

市村デヴィエは、市村さん自身のコミカルさ優しさを
前面に押し出したキャラクターになっていました。
「しきたり」を大事にしながらもかわいい娘たちに
押し切られてしまう優しい父親像がとっても微笑ましい。

他にも芸達者揃いのキャスティングですが、その中では
逆に、末っ子平田愛咲さんの輝きと、三姉妹の下の2人
の無邪気さが記憶に残りました。
(真島さんはカーテンコールまでどこに出てたか
わからなかった…ごめんなさい)

下谷万年町物語

下谷万年町物語

劇団唐ゼミ☆

浅草花やしき裏特設テント劇場(東京都)

2009/10/23 (金) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かった
純粋に、3時間飽きもせず見ることができました。
役者のレベルも高く、大きなテントの中に組まれたセットもよくできていて、視覚的にも素晴らしいものだったと思います。
その時代に生きた人達ではなく、今の僕らが演じる当時の世界観。何とも絶妙でした。
もし、時間があれば、ぜひ見に行ってください。
浅草の花やしきや、街並みをぶらっとしてから見に行きたい作品ですよぉ。

ナノ クライシス ポルノグラフィティ

ナノ クライシス ポルノグラフィティ

演劇集団 砂地

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/10/26 (月)公演終了

その先に残る希望
いつものスタンスなのであえて星はつけないけれど、最近ササクレテいた心に、今夜水分をもらって、「作品で心が救われる」という感覚を久々に体感しました。どんだけ打ちのめされるかと覚悟して観に行ったら、なんと・・・。

ネタバレBOX

原作がどんな話かそれなりに知ってたし、自分自身は、「性交に至る」という事に対して、けっこう潔癖な人間なので、どんだけ打ちのめされるかと覚悟して観に行ったら、なんと・・・。

最初は、ああ・・うう・・と、確かにヒリヒリしてくるのですが、ラストシーンまで見終わると、ものすごく心が救われました。
最後の教授と売春をしている女性のシーンの、男女の対比の描き方が良かった。
私にはとても希望的に見えました。

輪になってゆく肉体関係を、きちんと精神の側面で非常に多角的に描けていたのが作品に厚みを与えていたのだと思う。

24歳のメンズで、男性と女性、両方の視野を男のエゴではなく描けるという手腕は相当だと思う。
若年寄?早熟?今後に期待します。

「林檎の匂いがする」という台詞を、実は自分も最近書いちゃってて・・という話で免責とりにいったら、私がつけてるロリータレンピカという香水の話になってびっくりした。

同じセリフを書いたり、同じ香水に注目したり、桐朋だし、なんか今後一緒に面白いことやれたらいいなぁと思ったりした。

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