最新の観てきた!クチコミ一覧

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北と東の狭間

北と東の狭間

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/16 (日)公演終了

満足度★★★★

リアル!
サンモールスタジオでお客さんが並んでいるのを見たのは初めて。ゲスト出演でいしだ壱成さんが出るからなのか、ストーリーが素晴らしいからなのか?後者でした。

ネタバレBOX

偽装結婚、毒を盛っての殺人、闇金問題、本当にあった具体的な犯罪を、実際にいそうな登場人物、見事な中国語で描かれていて、本当にリアルでした。

それでいて、場面が変わる度にギャンブルにはまったり体調が悪くなったりしたことが一目で分かるようになっていて、とてもコミカルでした。

こうした分かり易い部分と、心の機微の混じり具合が秀逸でした。

バーテンが闇金業者を刺殺してからママが入ってくるまで、シーンが連続しているように見えました。そのため、なぜママが驚かないのか不思議に思いました。
猫

シンクロナイズ・プロデュース

吉祥寺シアター(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

非現実と夢
普通に面白かったです。
主人公の夢とサーカスの非現実さがうまく融合していました。
シーンシーンの切り替わりもよかったです。
最後まで飽きずに見れました。
ただ主人公がどこへ向かっているのかがあまり明確でなかったと思うので、
こういう頭を使う舞台は付いていけない方もいるんじゃないかな?っておもいました。
最後のオチはあまり好きじゃなかったです。
でも、十分楽しめました。

日本語を読む その3~ドラマ・リーディング形式による上演~『ポンコツ車と五人の紳士』

日本語を読む その3~ドラマ・リーディング形式による上演~『ポンコツ車と五人の紳士』

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/08 (土)公演終了

20100508
。・`ω´・)ノ ト書きのいかしかたよい。きをてらわずにテキストのかのうせいをひきだせていたとおもいます。

北と東の狭間

北と東の狭間

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/16 (日)公演終了

満足度★★★★

20100509
。・`ω´・)ノ おもしろかった。演劇初心者にもすすめられそうです。旗揚げと、第10回と今回(第13回)しか見たことないですが今まででは一番好きです。

やさしいふたり2010【無事終演しました。ありがとうございました】

やさしいふたり2010【無事終演しました。ありがとうございました】

OtoOpresents/鳥屋

せんだいメディアテーク(宮城県)

2010/04/30 (金) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

不覚にもっ!(>∀<▼;
自称・観劇いぬ・・・不覚を取りましたっ!
完全に自分の思い込みによるミスです!
余りのミスに・・・感想など書ける状況では無いのですが。
今後、自分を律する為の教訓として【ネタバレ】に残しておきますワン。

ネタバレBOX

では、今回の【観劇ミス】について、自戒の念をこめて。


本作品は「スタジオシアター」と云う会場で行われました。

「シアター」と云う名称でも分かる通り・・・大きなスクリーンがあって
どちらかと云うと映画館の様な会場です。
もちろん芝居(PLAY)が行われる事もあるのですが、どちらかと云うと・・・
「自主映画」の上映が多い場所でした。

今回、「この会場」で行うと云う事は、必ず【映像】が大きな意味を持つ!
・・・と勝手に思い込んでしまったのが、全ての始まり。▼´・ω・`▼シュン

芝居の上演中、確かに少々の【映像】が流れておりました。。。
しかしっ!最初から最後まで観ていても・・・
【映像】が芝居に大きく関わると思われるシーンは殆ど無かったのです。

それでも、この馬鹿者は・・・最後の最後までっ!
「必ずや!この芝居の何処かで【映像】が効果的に使われる筈っ!」と云う先入観に縛られてしまい・・・
あろう事か!?
舞台上で芝居をしている役者さんへの意識を薄くして、背景のスクリーンを常にジッと凝視していたのでした。。。

お陰で、『何故、郵便物を配達しなかったのか?』と云う重要な点が疑問として残ってしまいました。(涙)

『郵便屋さん♪お入んなさぁ~い♪』の縄跳びシーンは目に焼きついているのに。


それよりも!何よりも!
稽古を積んできた役者の皆さんに対して・・・
とても【不遜な芝居の観方】をしてしまい、申し訳ございませんでした。
<▼_ _▼> ゴメンナサイ

ちょっと考えてみれば。
この芝居は・・・
「5年近く前に10-BOXで上演した作品の再演」と事前に案内されており、当時は【映像】を駆使する公演をしていたとは思えないのでした。

▼;;゚Д゚) <嗚呼っ!【思い込み】って・・・怖ろしいっ!!

最後に。
この【感想コーナー】には・・・
「満足度」を★の数で評価する欄がありますが・・・とても評価できません。
便宜上、『評価しない』にしておりますが、
これは「自分自身が評価できない奴!」と云う意味です。▼´・ω・`▼ (反省)
旅、旅旅

旅、旅旅

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

強く惹かれる
ありふれた一日の風景描写なのかもしれませんが、
その切り口が斬新。
独特のリアリティを持った肌合いを感じて
ぞくぞくしてしまいました。

ネタバレBOX

冒頭に現れる大きな果実のごとく、
家族に含まれた、どこか甘酸っぱくて瑞々しいその感覚が、
ダンスのごとく
軽々とヴィヴィッドに揺らぎつづけて。

観終わって約90分の上演時間以上のボリュームを感じつつ、
その家族の、
たぶんありふれた1日に醸し出される想いのふくらみに
どっぷり浸潤されていました。

しかも、その浸り感は外側からしみ込んでくる感じではなく、
内側で共鳴するような感覚でべたつかず軽く深い。

この視座と描写力、ぞくっとくるほど凄い。
がっつりとはまりました。

これまでの公演でも、
独特な事象への切り口と表現の豊かさに瞠目させられていましたが、
今回はまた別格。

今後、この劇団が、
どんな切り口でどんなリアリティを感じさせてくれるのか、
また一段と楽しみになりました。

☆☆☆★
タイガーブリージング

タイガーブリージング

大人の麦茶

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/11 (火)公演終了

満足度★★

それなりに薄っぺら
ロビーに入るや否や、異様な熱気。石川梨華、仙石みなみ(ハロプロエッグ)吉川友(ハロプロエッグ)の出演の影響でまさにロビーは男たちでむせかえっていた。椅子という椅子は男たちでひしめき合い寸分も入る余地はない。しかもツアーででもお越しになったような騒ぎなのだ。それぞれがそれぞれの情報交換でもしているようにぺちゃくちゃとザワツイテまるでレミングスの襲来のような勢いなのだ。

ワタクシはその空気に圧倒され、また異質な匂いにあてられて入ったものの一旦出ようと考えた。紀伊国屋書店で本でも物色しようと思ったのだ。出口の方に向かっていくと食パンマンにスーツを着込んだようなスタッフが「何処に行くんですか?再入場はできません。」とのたまう。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

「ロビーの空気が臭いので一旦出て時間になったら入ります。」と答えると、「じゃあ、花の傍にでも居てください。」と食パンマン。
「な、なんだとぉーー!!」と首根っこ捕まえて張り倒してふんずけてやりたい気持ちを抑えて、しぶしぶロビーに戻ったわけさ。

ここで関西人なら、虎がらの毛皮でも着込んで「よっ、にーちゃん、オモロイやないの、いったいそんな口、誰から教わったん?」なんつって5本の指に5個のダイヤモンドを光らせて、更に葉巻でも大砲でも咥えて合いの手を打ちながら目を糸にして笑いかけるのだけれど、残念ながらワタクシ、関東人なので妖術使いのようなマネは出来ない訳さ。

傲慢な食パンマンの殿様態度にハラワタが煮えくりかえったワタクシだったが「をいをい、大人なんだからここはこらえて。」なんて天使の声も聞こえる。体全体から妖気が立ちのぼっちゃったけれど、公演前の時間を無駄に使いたくないこともあって、堪えた。差堪えましたとも。だいいち、「入場する際に再入場は出来ません。」と伝えるべきだよね。

そんなこんなで気分はサイテーのまま、「タイガーブリージング」を鑑賞したわけさ。ところがさ、ところがよ?内容と言ったらまるでショー。
「みんなー楽しいでショー!?」なんつって石川梨華がコンサートみたいに叫ぶと、男たちは「おおぅーー!!」とまるで虎ネコのような雄叫び。雄叫びを吐きながらも猫の手の形に固めた拳は握り占めたままだ。どらえもんじゃあないんだから・・・。やれやれ・・。

「こんな薄っぺらな内容をみせられて楽しいはずないでショー。」と思いながらも、より目になるほど真剣に見詰めたけれど、いちいち石川梨華にスポットライトが当たって「あゆみ(石川梨華)に光がさして・・・。」なんつってセリフの羅列。低俗で幼稚な芝居を観ながらも、それでも何かしら納得のいくステージを魅せてくれるんじゃないか?と期待に胸を時めかせたけれど、最後の最後までそんな場面は皆無で虎の着ぐるみが登場したパフォーマンスには「きゃっ」と声が漏れそうになるほど落胆したのでした。

「当日券完売」との提示がありながら客席は3~4割は空席でした。

いあーびっくり!
耳許に食パンマンのささやき。大人の傲慢 タイガーキャットブリージング。
桜みかん

桜みかん

劇団コトナコナタ

盛岡劇場 タウンホール(岩手県)

2010/05/08 (土) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

初観劇
毎回、自分の予定が合わず見ることが出来なかったコトナコナタさんの公演をようやく見れました!

装置に力が入っていましたし、キレイな照明です。
役者さんは皆、気負いがない感じで、楽しく見ることが出来ました。

いろんなエピソードのキーワードが出てくるのですが、それをあえて説明しない(思わせぶりにならず)脚本は、僕好きです。

間(無言)のシーンがいくつかあって、その辺りに演出の工夫というか個性が光り、とても印象的でした。

さっき、その席で誰かが

さっき、その席で誰かが

シアターノーチラス

THE GUIDE(東京都)

2010/05/08 (土) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★

納得
初めて観たけど、期待の85%の出来だったかな、と。

1本めは、引っ張りすぎというか間が長すぎて、同じ内容を繰り返すだけの会話そのものが観ていて(聞いていて)わずらわしく思えた(空調が効いていないため暑苦しかったのも影響しているかも-笑)。

2本めは、なかなか素晴らしい内容だった。
3本めは、普通、かな。

2人の夫とわたしの事情

2人の夫とわたしの事情

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/04/17 (土) ~ 2010/05/16 (日)公演終了

満足度★★★★

皆さん楽しんで演じられていました
松さん、段田さん、渡辺さんの組み合わせ楽しく見させてもらいました。俳優さんが楽しんで演じられたようにお見受けしました。

裏切りの街

裏切りの街

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

「生温かさ」の極致
圧倒されました!ストーリーを説明するのには140字もいらないこの物語が、3時間もの演劇としてドラマチックに成立している。それは、台本のよさもあるだろうし、役者さんの演技力もあるだろうし、大きなホールならではの舞台装置と、絶妙にマッチしている音楽もあったと思うんだけど・・・一番大きいのは、このテーマが「現代的な生暖かさ」というか「現代てこういう感じじゃないかと思わせてしまう」ところにあったんじゃないかという気がします。怖いです、正直。

ネタバレBOX

パンフにあるように、「罪か罰か」という乾坤一擲の状況が、その実なんとなく時間の流れの中で、生温かい着地になっていってしまうというストーリーそのものに、共感するともいえないし、非現実的と否定もできないし、自分としてどういうスタンス・立ち位置をとるべきか、観劇後もわからなくなってしまう危うさをはらんでいる気がしてなりません。いや、ま、高いだけのことはあるな・・・と、久しぶりに思った中ホールの芝居でした。
薔薇とサムライ

薔薇とサムライ

劇団☆新感線

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2010/04/27 (火) ~ 2010/05/13 (木)公演終了

大満足!
歌って踊って超楽しい舞台。天海祐希さんの大活躍はもちろん、神田沙也加さんや森奈みはるさん、藤木孝さんや浦井健治さんなどの客演さん、古田新太をはじめとする劇団員の皆さん、それぞれに活躍の場面があって、とっても嬉しい。セット、照明、衣装、どれをとっても大人の贅沢。おなかいっぱいになりました。

Mr. & Mrs. Habit

Mr. & Mrs. Habit

劇団スクランブル

STスポット(神奈川県)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★

真意は何処へ。
そこそこうまいことやっているようにしている風の建前と、相手に対する不満や不安を悟られまいとしてつく、小さな嘘のひとつやふたつくらいなんてことない!という開き直りにも似た本音を前提にして、そんな嘘をついていること自体、お互い見透かしていながらも、なしくずしの関係をつづけている倦怠期の恋人たちがすれ違う話。
登場人物たちの内面を照明で表現する方法や軽快なBGMによって、物語の流れを作りだそうとする演出はスタイリッシュな雰囲気を醸し出していたのですが、キャラクターの描き方がちょっと一辺倒だったような・・・。

ネタバレBOX

舞台は、清潔感のある1ルームマンションの室内。
同棲をはじめてから、かれこれ2年が過ぎた野江と木原。

木原は野江と結婚を意識していて、プロポーズを待っているが、野江は結婚をしたいとは思っているものの、そのタイミングは今ではないと思っている。
お互いの気持ちに微妙にすれ違っているふたりだが、別れるという選択肢はないようだ。

居て当たり前の存在になっているのだろうか。その真意はわからない。
そんなふたりには、お互いに知られたくないヒミツがある。
それはふたりして、美味しくないと思っているピザをやせ我慢をして注文しつづけている、ということ。
ふたりとも、お互いに対して「こんなモノのどこが美味いんだろう。」と疑問に感じていること。

とても些細なことですれ違うふたりの内面を、赤と青の照明を使って、モノローグさせる演出方法はオシャレ感がある。BGMも自然に耳に入ってきて心地よく、ここまでの流れはほぼ完ぺきだったが、この後の物語の展開に難あり。なぜって、ふたりと同じサークルの仲間だった砂原と木原が実は浮気をしていた、というエピソードと、砂原の彼女である雨実と野江のフランクな言動が、ほぼ終盤まで続いたから・・・。

同棲中の、マンネリ気味のふたりという設定は悪くないと思う。
ふたりがすれ違うのもわかる。
物語の展開も現実的にはよくありそうな話ではある。
ただ、それが=リアルで結実するには、リアリズムへ昇華させるためには、ふたりの関係性を象徴とする何かが欠けていたように思えて手持無沙汰だった。それを補佐するものは、ラジオから流れるDJの声と場面をリンクさせるとか、スクランブル交差点の雑踏とか。そういう音であるはずだったとおもう。

そして願わくば、互いを想いあっているからこそつく嘘、というものを、嘘をつく時のこころの痛みを、もっと丁寧に掘りさげてほしかった。木原と野江がマンネリ化しているとはいえ、お互いを好きあう気持ちがイマイチ伝わってこなかったから・・・。

それから役者の動きや表情が全体的に固かったのも気になってしまった。
相手の目をみて話すこと、相槌をうつこと、相手の欠点に目を瞑ること、笑顔で交すこと、大事です。
日本語を読む その3~ドラマ・リーディング形式による上演~『老花夜想』 

日本語を読む その3~ドラマ・リーディング形式による上演~『老花夜想』 

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★

見事に演出
難解な作品をうまく紐解き、
リーディングで世界観を出せてたように感じました。

演出家としての腕の見せ場があった作品ではないでしょうか。

旅、旅旅

旅、旅旅

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

再見
二度目ということで観る側の理解度が数段増していることを差し引いても、初日にくらべ解像度がはるかに高まっていた印象。だからようやく、ああ、こんなにも丁寧に積み重ねていたのか、一見するとシュールとか感覚的に映るけれど、きっちりと論理が貫かれていたなあ、と納得。そして前回に書いた感想を全面撤回したいぐらい、いろいろと見えていなかったことの多さに恥じいる。

ほんとダメだね、頭の固い大人は…。

赤シャツ

赤シャツ

劇団青年座

本多劇場(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★

秀作
面白かった。
青年座の芝居が最近いい意味で変わってきているように思う。
小鈴さんがとても良かった。

旅、旅旅

旅、旅旅

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/05/06 (木) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

なんかいろいろ
賛否両論あるようですが、個人的にはめちゃくちゃ好きでした。
シュールな世界観は大好物だし。
なんとなく、全体的に、うん、
大好き。

ロロ。
次も観に行きます。

Mr. & Mrs. Habit

Mr. & Mrs. Habit

劇団スクランブル

STスポット(神奈川県)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★

空気と音楽
前に何度か公演を観たことがあり、面白かったので今回も行ってきました。
前にも思ったのですが、とてもいい選曲で舞台の雰囲気を上手くまとめていると思いました。
各キャラの間に流れる空気を作るのがとても巧く、その空気感があるからこそ楽しめる舞台だと思いました。

一つ残念だったのはただ会話をしているだけ(=進展が見えない)、という時間があったことです。それが中だるみのように感じてしまいました。

私は仰々しい演技(舞台)が得意ではないので、楽しめました。

裏切りの街

裏切りの街

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★

歩く事まで描ききってますね。
豪華な場面転換を使って、本公演では出来ない
移動していく場面・会話も拘って作られた作品だとは思います。
役者さんも上手い方ばかりだし、でも長いきはしてしまいました。
1部・2部で区切ったのは解るんですけどね。
観客へ響くように下にスピーカー入れてたみたいで、
パルコでも身体に大音響が伝わるようになっていました。
狙いだとしても、チョット気分が悪くなるような音は控えて欲しかった。
見てはよかった、面白くもあった、でも期待とは少し違った舞台でした。

熱帯樹

熱帯樹

シアターオルト Theatre Ort

atelier SENTIO(東京都)

2010/05/05 (水) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★

2通りに味わう
「熱帯樹」という作品は1960年に文学座によって初演されたそうだ。三島由起夫の新作戯曲が文学座で上演されていたなんて、今から考えるとずいぶん贅沢な気もするが、その時代に生きていればそれほどありがたみは感じなかったのかもしれない。

3日前に谷賢一の演出でこの戯曲のリーディング公演を見た。今回は音響や衣装がちゃんとしている本格的な上演。一つの劇団がリーディングをやってから本公演をやるというのはときどき見るが、同じ戯曲のリーディングと本公演が別の団体によって連続で上演されるというのはきわめて珍しい。リーディングを白黒映像とすれば、本公演はカラー作品だね。

戯曲は、人物の設定がとにかくドラマチック。財産家の夫、20歳も年下の妻。夫が妻に求めるのはいつまでもかわいい女であること。美しさを保つためなら出費を惜しまない。周りの人間はどんな悩みを抱えていようとそんなものは見たくもない。妻も子供も自分の前ではひたすら微笑を浮かべていてほしい。夫のそんな歪んだ人間観・人生観が家族に影響を与えないはずがない。妻は夫に対して女であろうとするあまり、自分の子供に対して母親としての十分な愛情を育むことができなかったようだし、夫に対してもいつしか財産だけを求めるようになる。子供は兄と妹の二人。男と女であろうとして親になりきれなかった夫婦によって育てられた子供たちは、親に対する不信感と敵意、もういっぽうでは近親相姦のタブーを越えた自分たちの関係を深めていく。
病いに冒された妹は兄に母親殺しをそそのかすが、したたかな母親によってそのたくらみは頓挫する。すると今度はかねてからの予定通り、兄妹で心中を計る。
救いのない家族の破滅劇。夫のいとこで、未亡人の家政婦が半ば傍観者としてその悲劇を見守る。

劇団Ort-d.dの芝居は美術的にも、演技の面でもけっこうデフォルメが入っているので、リーディングのときとはかなり違う印象を受ける。特に脇の登場人物はキャラクターまですっかり変わっていた。
夫のいとこで未亡人の家政婦は、リーディング公演では人生に諦観を抱いた無気力な人物として描かれていたが、Ort-d.dの公演では、もっと下世話な、「家政婦は見ていた」的な好奇心旺盛なキャラクターとして描かれている。髪型もまるで「サザエさん」みたいだし。

上演時間は2時間半。1時間半ほど経ったところで10分の休憩が入るのはリーディングのときもそうだったからたぶん戯曲のなかで指定されているのだろう。
舞台の上手奥には金子由菜という音響担当の女性が陣取っていて、いろんな道具を使って効果音を出していた。後半に入って兄妹が心中を図るところでは、太鼓によるリズミカルな効果音がどうも場面にそぐわない気がした。近親相姦の果てに心中という背徳感よりも、パーカッションの元気のよさは青春の暴走とか若気の至りみたいな印象を与える。演奏にあおられる形で役者二人の演技も後半はちょっとテンションが高すぎた。

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