最新の観てきた!クチコミ一覧

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ラクダ

ラクダ

範宙遊泳

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度★★★

なんだったんだろう
緩急自在のセンスのよさと奇妙な気味の悪さをカタルシスにまで高めて観せてくることができる団体だと知っているだけに、終演後脱兎のごとく帰宅したくなるほど居心地の悪さが残る舞台だったのがどうも不思議でならない。
ことごとく観客をノらせない役者のテンションは、むしろ作為なのかとさえ思った。
毎度おなじみの水へのこだわりにはゾクゾクさせられる。

ダモイ

ダモイ

トム・プロジェクト

ももちパレス(福岡県)

2010/07/13 (火) ~ 2010/07/13 (火)公演終了

心から感動
あまり暗いのは好きではないので
戦争物は敬遠しがちなのだけど、シアタークラブのラインナップなので
仕方なく行った(正直な話)
だけど打ちのめされた。
1954年って私が生まれるほんの数年前。
終戦後の大変さってわかってたつもりだけど、ここまで
悲惨だったのかと・・・・
よかった。すばらしく良かった。脚本も役者さんも

あそび

あそび

山田ジャパン

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了

満足度★★★★

オススメ!!
初日行ってきましたぁ(^o^)相変わらず笑い満載!!感慨深いとこもよかった☆まだ行ったことない方へ、山田ジャパンはいいもの見せてくれますよ

ブルッシー

ブルッシー

激団リジョロ

タイニイアリス(東京都)

2010/07/08 (木) ~ 2010/07/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

今回もやられました
前回の『ROMEO』から二度目の観劇でしたが、今回の舞台は五感を刺激される舞台で最高でした。
後から気付いた事ですが、観劇前から観る側をストーリーに巻き込む趣向にも驚きです。

笑い有り、考えさせられること有り、最後はボロ泣きで、今回もリジョロ作品にはやられました。
理想と現実…。台詞のひとつひとつにドキっとさせられ、尚且つ反省。

二時間ちょっとの時間でしたが楽しさも含めて色んな感情を揺さぶられて本当に楽しかったです。

ネタバレBOX

観劇日が千秋楽だったので“千秋楽限定”のジュリー吉野の登場も嬉しかったです。
年末の公演ではたっぷり登場されるんですよね?今回はチョイ出でしたけど、楽しみしてます。
ザ・キャラクター

ザ・キャラクター

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

Character
これは前知識不要かと思います。なんともぞくっとします。

宮沢りえさんが「透明人間の蒸気」のときとはまったく別の声で驚きました。
あんな声も出すんですねぇ~若干かすれているようにも思えましたが。相変わらずキレイでした。。

銀粉蝶さん観られてよかった!
チュウソンハさんが舞台を駆け回っておりました。
なんか観たことある人が…と思ったら、冨士山アネットの長谷川さん出演されてたんですね~

ネタバレBOX

タイトルどおり、ことば遊びが濃かったです。
一部聞き取れなかった。。

古田新太さん、
龍馬伝の武市半平太を思い出しました。
ワルくてチャラくて憎めない教祖でした。

物忘れ…。「あれ」って言わないようにしようと思いました。
「楽屋」

「楽屋」

演劇集団 十人十彩

RAFT(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度★★★★

好感のもてる舞台
清水邦夫の人気作。上演時間も1時間と短く、小規模会場でのラボ公演としては適切な演目だと思う。プログラムにはこの戯曲が書かれた当時、70年代の年表や流行語・流行曲等、社会状況の解説が載っていた。演出の西村さんは「(当時は)アラサーなどと流暢なことは言っていられない時代。25歳までに結婚する人が多く、40歳はすでに人生半ばの「おばさん」であった。女優はきっと、今よりもっと己との闘いを強いられていただろう」と語る。自分も同世代だけに同感である。さらに「演劇は自分と嫌というほど向き合わされ、その人の「裏」の部分が噴出するという事。人生のクレンジングをすることになるのだ。それが苦しくてこの世界からいなくなってしまう人もいるのだから、それは壮絶なものである」と。女優になるというのは大変なことなのだなぁ。
活動歴はまだ浅い劇団のようだが、井上ひさし作品や創作劇も手がけているそうで、今後、より多くの人に観てもらい、磨かれていってほしいと思った。

ネタバレBOX

ある劇場の楽屋。シンプルな舞台美術だが、インテリアや小道具、飾ってある衣装(すべてピンク系)のセンスがとてもよく、筋は知っているものの、観る前から期待が膨らむ。無名の女優2人(藤川千尋、沙籐カヲリ)が化粧をしている傍で、「かもめ」のニーナの扮装をした女優(横田裕美)が出番直前、台詞の確認をしている。この女優はもう40歳。女優が舞台に出た後で、女優2人が話し始める。実はこの女優2人は亡霊でもう死んでいるのだ(この設定が巧い)。2人ともプロンプター経験が長く、たまにチョイ役がついた程度で、毎日この楽屋に通って、来るあてもない役のために化粧をしている。ときには相手を馬鹿にしながら、互いの舞台経験を語るが、悲しいかな、所詮「ごまめの歯軋り」。罵倒し、物を投げ合っての喧嘩にも虚しさが漂う。沙籐は首に自殺のためらい傷が無数にあるため包帯をしており、藤川は戦争中の空襲により、眉のあたりにケロイドの傷跡が残る。「マクベス夫人」の台詞で「それ、戦後の訳?」などと藤川が沙籐に尋ね、戦中派、戦後派の対立をみせるあたり、興味深い。藤川の役は先頃、渡辺えりが演じたが、三好十郎の「斬られの仙太」の一場面を語るあたり、藤川はなかなかの好演。今回が初舞台というのだから末頼もしい。沙籐は前半百面相並みの表情で演じて笑わせる。端正でクールに演じた小泉今日子とはまったく違って面白かった。
出番を終えて戻ってきた横田の前に現れたのがプロンプターを務めていた若い女優(大杉みなみ)。枕を持っており、病院から抜け出てきた様子。
「良い女優になるためには睡眠が必要」と横田に枕を押し付け、「もうすっかりよくなったわ。枕をあげるからニーナの役を返してちょうだい。あなたのために病室の予約をしたの」と言って迫ってくる。若い女優は神経を病んでしまったものらしい。若い女優の存在は横田にとって年齢的な焦りの象徴でもある。大杉みなみも今回が初舞台だそうで、健康優良児的堂々とした体躯のせいで神経病みになる繊細な娘にはみえないのが残念だ。蒼井優の不気味で病的な透明感のこの役が印象に残っているだけについ比較してしまう。ただ、蒼井は勘もよく賢そうで「のろまで動物園のカバのほうがまだ敏捷。ウドの大木みたいに体つきだけは立派」という役の設定には違和感があり、中年女優から役を奪って当然に見えてしまうが、大杉のほうはそのへんが合っている。横田は自分にとって女優としてのポジションを維持することがどんなに大変か、それは命がけで守っていくものなのだ、負けるわけにはいかないと主張し、大杉を殴ってしまう。昏倒した若い女優は意識を取り戻し、ふらついて出て行くが主役女優が帰った後に戻ってくる。打ち所が悪く死んでしまったらしく、2人の亡霊女優が見えている。「わたしたちだけがここに残って、またわたしたちの生活を始めるのだわ。生きていかなければ、…生きていかなければ…」残った女優の亡霊3人は「三人姉妹」の台詞を言って微笑み、幕になる。
音響がしっくりいかないのと、照明のタイミングには難があった。
細かいことだが、カーテンコールで藤川が浴衣の裾をきれいにさばいて挨拶したのがまるで女剣劇の女優のようで感心した。
小さなプログラムの中身が濃い。劇中登場する戯曲や作家の解説もあるが、清水邦夫氏自身のプロフィールが載っていない。「流行語」の部分を省いても、載せたほうがよかったと思う。
外部関係者を意識していないのか、アンケートが用意されていなかったが、次回、検討してほしい。
婦人口論

婦人口論

財団、江本純子

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/07/15 (木) ~ 2010/07/25 (日)公演終了

時間、半分なら良かったかも
とりあえず、ノゾエさんの動く、というか妖しく蠢くような動きと
発言、というか、発声するだけで何か面白くなって笑ってしまう
津村さんが印象に残りました。

ノゾエさんは、ホラー系作品で舞台の片隅に黙って佇む役とか
サスペンス系作品で真犯人なのかどうか分からないグレーな人の
役とかやって欲しい。 すっごいハマリ役じゃないかと思います。

ネタバレBOX

話自体は…んー、暗闇体験アトラクションでの男女5人+1人の顛末、
ってとこ? 正直、あって無いようなストーリーでほとんど会話だけで
回してる感じ。 

序盤の、唐突な話題の切り出しとそれに続く突っ込みやなんかが
終いまで続くので最初で置いてかれた人は結構しんどいかと思われます。
しかも結構ネタが重複するので一時間過ぎる辺りから流石に飽きてきます。

いっそバッサリ半分に削ってコント仕立てで強引に押し切った方が
メリハリ効かせられて、楽しく観られたかも知れないです。

バンソウコウの件から、あー、あっくん本当は…なんだろうなあ、と
思いながら観てたら、最後のオチがまんまそうだったなー。
エネミイ

エネミイ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2010/07/01 (木) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度★★★★

演出の手腕が冴え渡った舞台
この作品、蓬莱さんの脚本が一定レベルに達してはいるものの、もしこれが、裕美さん演出でなく、キャストもこのメンバーでなかったとしたら、結構退屈になり得る要素の強い作品だったかもしれません。
何しろ、1幕終わりまでは、スケッチに終始し、ドラマはちっとも動き始めないのだから…。
1幕が眠くならずに済んだのは、ひとえに、裕美さんの演出力と、キャスト陣、特に、高橋由美子さんの力演に助けられた感が強くします。
最初、由美子さんの演技が誇張されすぎている印象を受け、間もあまりにもわざとらしく、いつもの裕美さんらしからぬ演出だと、腑に落ちない思いがしたのですが、これは、1幕で、観客の気持ちを逃がさないための計算された演出なのではと、幕間前に、わかった気がしました。

キャスト陣、皆好演でしたが、この舞台の殊勲賞は、何と言っても、高橋一生さん。彼がこの役でなければ、蓬莱さんが描きたかったテーマは、きっと浮かび上がらなかったと思います。本当に、素晴らしい演技でした。

ネタバレBOX

裕美さん演出の舞台は、いつも、セットも小道具もリアルなモノが多いと思うのですが、この舞台は、他は皆リアルなのに、一つだけ、息子がやっているゲームの映るテレビだけが、透明なテレビ状の形態で、ただテレビゲームの音だけは、リアル以上のリアルさで、客席にまで、響き渡っていました。
この演出が、実に、秀逸!この作品のテーマを見事に具現化する効果的な小道具となっていました。
つまり、主人公の青年が戦っている【敵】は、実体がなく、音だけで、彼の心を攻撃して来るのです。

三里塚闘争を闘った、中年男性3人ではなく、この作品の本当の主役は、今を不安と焦燥の中で生きる、コンビニバイト店員のこの31歳の青年だったと思います。
作者が、自分とほぼ同年代の、一生さん扮するこの息子を真の主役にしたことで、この作品が、嘘臭くなく、観る者の胸に迫る佳作に成り得たのだと思います。

彼が、任されている、バイト先のシフト決めの難しさを、体を震わせながら、慟哭と共に、訴えた時が、たぶん、一番、観客に、この作品のメッセージが伝わった瞬間だったのではないでしょうか?
一生さんのあの演技がなければ、伝えられなかったメッセージかもしれません。
今も尚、活動を続けている2人の男性のキャラクターには、若干疑問もありましたが、彼らを主役にしなかったことで、あまり表面化せず、全体として、虚構らしからぬ実在感が、登場人物全員に宿されていたように思います。

最後の、母親の、全てを悟った上での、解決策は、発想と言い、梅沢さんの飄々たる演技と言い、申し分ない場面でした。
最後まで、観ると、1幕のただのスケッチ風の場面や他愛もなさそうな台詞に、全て重要な意味があったとわかる、結果的に、大変秀逸な戯曲でもありました。
ラクダ

ラクダ

範宙遊泳

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度

観ました
面白い落語をわざわざつまらなくしている感じ。

あそび

あそび

山田ジャパン

サンモールスタジオ(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了

満足度★★★★★

良かったよ♪
今回で見に行ったのが3回目ですが、あそびは僕的には1番面白かったです♪

ネタバレBOX

ただ最後のおちが少し強引過ぎたかな…(^^;
イカロスのかけら

イカロスのかけら

NICK-PRODUCE

シアター711(東京都)

2010/07/13 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了

満足度★★★

ふりまわされる
実母に。笑)


以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

曽我久仁子の追悼式に集った子供たちと知り合いら。彼らは曽我が死んでいないことを田所に知らされる。その田所は「今回、皆様に集って頂いたのは曽我の資産30億を生前贈与したいとの意向を受けて誓約書に皆様のサインが欲しい。」とのことだった。

しかし、曽我と実況中継している田所の通信で南フランス在住の曽我が死んでしまったかのような会話が成り立ってしまう。ここでの田所のフランス語の会話があまりにも雑。更に世界共通の英語も話せないようだった。これって痛い・・。そして数分後、今度は先ほどの通信は間違いで曽我は生きているという。しかし当の曽我は資産30億をある事業の制作費に回すので財産分与の話はなかったことにしてくれというのだ。天国から地獄に落とされる瞬間だ。笑

つまり久仁子という彼らの実母は自由奔放な女で相当な事業家だが、子供たちや夫や周りの人たちを振り回す性癖があるようだった。その度に彼らは被害を被ってきたがやはり実の母は憎めない。そんな一見、どーしようもない母親はとあるコミュニティのサイトで渡が撮るビデオをピエールというHNでしっかり見ていた。という筋。なんだかんだいって母親は彼らより一枚も二枚も上手だった。

ちょっと感じたことをかきこ。本の作りが少々、雑なような気がする。30億が手に入ることを知った彼らの感情の描写が薄い。逆に30億が手に入らないと知ったどん底の表情も。人間て、なかったものがあると錯覚し、頂けると思っていた資産が貰えない、と知ったときの落胆ったら、あんなもんじゃないと思う。もっと物語りに突飛な展開があっても良かったように思う。そしてナビ役の田所役・松本の演技があまりにも不自然だ。ここでは田所が重要な役割を果たしているのにだ。ちょっと残念。一方で釜風味、ロザンヌの中世の貴婦人のような衣装は良かった。今回の出演者の中で彼が一番愛くるしいのは一体どうしたことか?!笑
7/13-7/19『ON THE WAY HOME』(黒澤世莉演出)

7/13-7/19『ON THE WAY HOME』(黒澤世莉演出)

(株)喝采企画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2010/07/13 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了

満足度★★★★

もう一度観たい
 ひとつの戯曲を、演出家とキャストを変えて週替わり4パターンで上演するという企画。トップバッターの今週は時間堂主催 黒澤世莉演出。
 時間堂を観ていると、場面に吸いよせられることがある。
 丁寧に丁寧に物語を積み重ねたバランスの上で、突如、という感じでそれは起きる。
 うまく表現できないのだけど、時間の流れがゆっくりになって、質量のあるものないものすべてが舞台上のある一点にスゥーっと集まっていく。そんな感じだ。今日もあった。
 なんだかわからないが、とにかくわたしはその瞬間が好きだ。

 太平洋戦争がおわって65年。
 戦争というと、真っ先に戦闘を連想してしまうけれど、殺しあいは戦争のほんの一側面でしかないのだなあと、唸るような脚本になっている。そして、多様な側面を置き去りにして戦争を論じるのは、愚かなばかりか危険だということを暗に諭してくれるような作品であった。
 まだ2日目で、正直、俳優さんたちの演技にはかなりの差がある。舞台のつくりが非常にシンプルで、演技力命だから、ちょっとぐらつくと何もかもが嘘っぽく見えてしまう。大変だ。
 主演の菅野貴夫さんと、食堂のおかみを演じた木下祐子さんが、びくともせずに立て直し続けていたのは印象的だった。2人のちょっとしたしぐさ、短い一言で、全員の存在を信じられるっていう、これはもう超人的な演技力だと思う。
 他の演出家さんの舞台を観たくなったのはもちろんのこと、できれば黒澤バージョンももう一度観たい。

ラクダ

ラクダ

範宙遊泳

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度★★★★

極彩色でPOPな古典落語
極彩色でPOPな古典落語、それはあたかも柄の良い和服をおサレなストリートファッションに仕立て直したような。
わざわざ江戸時代と断りながら現代のあんなモノやそんなモノを取り入れているのも面白い。
また、時折噺家口調になる台詞回しと熊川ふみの酔った芝居も◎。
ただ、パンフや本編冒頭で概略を語ってはいるが、オリジナルを知らない観客にどこまでワカるか若干の疑問は残る。
原典をご存知ない場合はwikipediaのあらすじに目を通しておいた方がイイかも。

河童の水際

河童の水際

Jungle Bell Theater

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/20 (火)公演終了

満足度★★★★

不覚にも
泣いてしまいました。しかもハンカチを手元に用意してなかったので、良いシーンでカバンを探る羽目に。反省。
いくつかツッコミ所のあるストーリーでしたが、優しい気持ちになれるとても良いお芝居でした。
開演15分前の紙芝居も面白かったですね。
尚、ネタバレBOXは本当にネタバレなのでまだ観ていない方は気をつけてください。

ネタバレBOX

飼い犬と優しいおばあちゃん。
どちらか片方でも胸が痛くなるのに、ダブルでくるとは。そりゃ泣きます。
しかも河童におばあちゃんの最後を演じさせるなんて、どれだけ泣かせるんですか。
7/13-7/19『ON THE WAY HOME』(黒澤世莉演出)

7/13-7/19『ON THE WAY HOME』(黒澤世莉演出)

(株)喝采企画

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2010/07/13 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了

満足度★★★★

ドンキホーテを彷彿とさせる
戦争は終わってるのに、桜木の中では終わってない軍人魂と他の日本人らの物語。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX


南太平洋の小島スタボラでは戦闘を知らずに緩やかに暮らしていた日本人達がいた。ある日、彼らは終戦を知り日本を目指して船出する。しかし船は太平洋の真ん中をグルグル、グルグル回っているだけで一向に日本を目指している気配がない。そんな中、軍人だった船長の桜木だけが日本に帰らず船ごと太平洋の真ん中で散らせようとしていた。

日本に居た頃の桜木は優秀な軍人で、語学が堪能だった事が仇となってスパイ容疑をかけられていた。後に容疑は晴れたが、軍隊に戻れなくなった彼はスタボラ島に配属されたのだった。そんな経緯もあって軍で培った軍人魂は未だ抜けることなく桜木の中で培養されていた。マインドコントロールされた精神から「日本が負けるはずはない。そんなことがあって良い筈がない。この船こそが日本だ。共にいざ、潔く散ろうじゃないか、国の為に死ぬのが誇りだ。」などとのたまう。

挙句、現地人のハイマと迫田を自分の意のままにコントロールし配下に置いてしまう。小さな軍隊の出来上がりだ。笑
そして眼の前に見えた孤島を敵と間違えて機関銃を連発させる。前の時代の幻想にへばりついて己を見失い、真実を見ようとしないさまは、まるでドンキホーテのようだった。

このように日本に帰還するまでの情景を、今は日本で緩やかに暮らす桜木が息子の嫁を相手に昔話として聞かせる。セットは中央に置かれたマットのみ。なのに太平洋の大海原を危なげに泳ぐ船の画や孤島スタボラの情景が見事に想像できるのはキャストらの演技力と脚本力、照明の技に尽きる。

劇中、ウケ狙いでアドリブの小ネタを披露していたが、見事にスベッテいた。苦笑!
現代の家族構成、マサオ(実息子)との確執も織り込みながら、息子の嫁と桜木の会話が微笑ましい。
相変わらず菅野の演技力に唸る。そしてエリ演じる木下裕子の凛とした静けさの中に潜めく気丈さは「日本の女」の代名詞のようだった。キャストの中にはセリフ噛みが目立った輩もいたが、それをカバーするキャストらの全体的な演技力が勝ったチームだった。
ザ・キャラクター

ザ・キャラクター

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

堪能!
チョウソンハさんが出演するので観に行くことに。・・・初NODA・MAP
今まで食べず嫌い(観ず嫌い)だったことに反省。
言葉選びに動き・・・ハマるのもわかる気がする。次が楽しみだから・・・

また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

予想以上に面白かった。
過去の「また逢おうと竜馬は言った」を全部観た訳じゃないのですが、今回のが一番好きですね。
メインの二人はもちろんですが、脇を固める方々も非常に良かったです。
一人一人が丁寧に役を演じていてそれが調和している。そう感じました。
空組を観たのですが、ダブルキャストのもう1つの方はどうなのか気になります。できれば観たいのですが、時間と金銭的に無理なので観れません…。

ラクダ

ラクダ

範宙遊泳

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度

味付けが...
和の食材を、いろいろな香辛料で調理したような芝居。まずい料理となった。もう食べたくない。

ザ・キャラクター

ザ・キャラクター

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

私たちは、忘れてしまう、私たちは、忘れないでいられるか
うまい人たちの「軽々さ」が素晴らしい。
舞台に引き込まれた。
そして、そこでは、私たち(人間)の「本質」のようなものが示されたように思えたのだ。

ネタバレBOX

あいかわらずの言葉のチョイスに、思わずにんまりしてしまう。
言葉遊びの中に紛れ込ませる意志。

群舞とも言えるような、人々の動きが、このテーマに重なっていく。
中でも、冨士山アネットの 長谷川寧さんのキレの良さが光る。

古田新太さん、橋爪功さんの、軽々と演じているように見えてしまうところが、素晴らしい。安心感もある。
それにつけても、宮沢りえさんの凄さはどうだろう。声に張りがあり、まっすぐ響く。

この舞台の中心となるエピソードは、これだけの年月がたたないと扱えなかったのか、と改めて思う。
しかし、そこには、救いもないし、総括すらもない。それは自分で考えろということなのか。

初めて、例の宗教団体を見たのは、スピリチュアルが流行っていて、宗教(特に新しい宗教)がちょっとしたトレンドだった頃の、深夜の討論番組だった。そのときTVから感じた私の印象は、「思ったよりも、ちゃんとしているじゃないか」だったのだ(!)。
舞台でも、同じように、ごく「普通」の書道教室があり、それが少しずつズレていくのだ。
そして、いつも入り口は「普通」。その恐ろしさがある。

人はエスカレートする。調子に乗るとも言う。祭り上げられると、言い直しも後戻りもできない。妄信的な「信者」がいればなおのことだ。どのような集団でも「妄信的な信者」の声は大きい。

大勢でいると「声の大きい者」に、つい従ってしまうというのは、日本人的なことではないだろうか(いや、日本人だけではない、少なくともヨーロッパでも先の世紀では同じようなことが起こっていたはずだ)。
「NO」どころか、単なる疑問でさえも差し挟むことができなくなっていく。「和」を乱さない人々なのだ、我々の多くは。

この舞台では、あの事件を中心に据えているのだが、より深読みをすると、日本人そのものの特性(人間そのものの特性)のようなものを暴いているのではないだろうか。

つまり、(たぶん)戦争に突き進んだ時代でも、それは「普通の顔」をしてやってきて、それを「「妄信する信者」の「大きな声」に、なんとなく従ってしまい、「NO」となかなか言えないまま、「後戻りできないところ」まで行ってしまったのではないだろうか。

チョウソンハさん演じるジャーナリストは、筆1本で世界を変えると言っていたのだが、簡単に「あちら側」に取り込まれてしまっていた。
これは戦争の時代のマスコミでもあり、今だって、マスコミの「声は大きい」。そして、我々は、たやすく「踊らされて」しまう。

それは、戦争などの、大きな出来事だけのことではなく、学校や会社でも似たようなことが起こっているのではないだろうか。

群舞に象徴されるような、個人ではない、大衆のようなモノ。それがいつのまにか、意見を一致させ、思い思いの動きを封じ込めていく。
どこで「NO」言うべきだったのか。いつ自分の気持ち、考えを伝えるべきだったのか。その中にあっては、気がつかないことでもある。

一点だけ気になったのは、この「書道教室」だった場所に集っていたのは、「心を病んだ人たち」だったのだが、それを起こしたのは、何もそういう人ではなく、「普通の人」だったのではないだろうか。
ただし、「変えたい」という欲求だけは共通していたのだと思う。そういう「変えたい気持ち」が原動力となり、さらに加速させるための燃料となっていくのだ。
つまり、それを起こしたのは、「普通の人だった」と強調することで、より大きなテーマが見えてくるように思えた。

この舞台では、「あの事件」を「忘れない」というよりは、自分たちは「そういう特性のある人間なのだ」ということを「忘れない」ことこそが大切であると示しているように思えた。

つまり、ラストに、薬品の入った袋を傘で刺すのは、自分なのかもしれないし、誰かに、そうさせるのが、大衆となった自分たちなのかもしれないということだ。
そういう状況を作り出すことに、警戒心を持て、と言っているように聞こえた。

だけど、いつも「忘れてしまう」のだ。
ルーティーン247パラノイア

ルーティーン247パラノイア

シネマ系スパイスコメディAchiTION!

新宿シアターモリエール(東京都)

2010/07/09 (金) ~ 2010/07/11 (日)公演終了

満足度★★★★

マヂですかぁ!?
予想をはるかに越えた妄想っぷりに、感激してしまいました。
だんだん現実が分かってきて、バラバラに思えたそれぞれのお客さんが、繋がってくるあたりも、面白く、いっぱい笑いました。

ネタバレBOX

でも、最後の病気だったってのは、ちょっと悲しいかな。

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