最新の観てきた!クチコミ一覧

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エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

虚構の劇団

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒的でした。
鴻上さんの演出力、役者さん全員の演劇力。この輝かしい生命力に目を見開いて凝視しているうちにあっという間に幕が下りてしまう。あまりに凄い舞台なので初日千秋楽含めて6回観てしまいました。私が今までに観た中で最高の演劇です。沢山の幸せをいただけて、感謝。

聖地

聖地

さいたまゴールド・シアター

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2010/09/14 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

究極の等身大の演劇。
唯一無二の表現方法とは、そのひと自身がこれまでに歩んできた道、経験/体験したこと、年齢と共に積み重ねて来た歴史、生きざまから滲み出るそれらを等身大で表現することに他ならないのではないか?という観点を大切にして活動しているさいたまゴールド・シアターは蜷川幸雄氏率いる平均年齢71歳の超高齢者団体。
私は今回の公演ではじめてゴールド・シアターの存在を知りました。
総勢40名のおじいちゃんおばあちゃんはひたすらパワフルでチャーミング。
ユーモラスもたっぷり。キラキラと輝いていて。舞台はゴールドシアターの方々のパラダイス、『聖地』と化していました。
作品は、高齢者の視点から老いをテーマにした、ある意味究極の等身大の演劇とも言える趣きで、背景に流れる死の足音と、それを笑い飛ばすかのような明るさが美しいコントラストを描きます。
手放しで楽しめる類の作品ではないかもしれませんが、人生の先輩方が役を、自身を真剣に生きようとする姿に今を生きるひとなら誰しも胸が熱くなり、生きる勇気をもらえるはずです。私もすっかり打ちのめされてきました。
今からでも間に合います。是非、聖地へ。

『かんしゃく玉』『かんしゃく棒』改め『オーバーペイ症候群について』

『かんしゃく玉』『かんしゃく棒』改め『オーバーペイ症候群について』

北九州芸術劇場

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろかった
よくわからないけど、おもしろかった。
次は、ハイバイの舞台も見てみたいです。

ネタバレBOX

稽古がたった1週間なのに、すごいと思います。
東京ノート

東京ノート

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 特設会場(東京都)

2010/07/02 (金) ~ 2010/07/17 (土)公演終了

満足度★★★★★

広大な空間に浮かぶ人間と人間の関係性
とにかく圧倒されました。観劇している間、これほど緊張を強いられる舞台は初めてでした。平田オリザさんの芝居を見たのはこれが初めてだったのですが、演劇というものが、決められた時間に決められた出し物を見せるといった枠組みを超えた、日常と繋がった空間であるということを思い知らされました。素晴らしかったです!

ザ・キャラクター

ザ・キャラクター

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

野田秀樹が描いたオウム
野田秀樹さんが、オウム真理教をギリシャ神話を組み合わせつつ描いた作品。異色といってもいいほどとってもフラジャイルな作品でした。アナロジーで紡ぎ出される野田地図の時空も空間も吹っ飛ばす広大は世界に翻弄され、ゾクゾクしました。それにしても宮沢りえの好演ぶりが本当に見事でした。

永遠の一秒

永遠の一秒

ニッポン放送

東京グローブ座(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★

微妙・・・
今年は戦後65年。戦争作品が多い。
此の作品は数回目の再演で、グローブ座という事もあり、
相当の期待を持って観劇したのだが・・・
大分、期待はずれだった。
題材は良い。心に響く台詞も有る。
旗のダンスと舞台セットには感動した。
しかし脚本と演出がとても弱い。
お金をかけているのは分かるが、
市民劇団の舞台を見ている様な感覚になる。
素晴しい演技をされている俳優もいるので、
それなりに涙を誘うシーンもあるが、
ストーリーに巻き込まれていけなかった。
無駄な暗転の多さから緊張感が切れる。
若手の滑舌の悪さなどから、台詞が聞き取り辛くストレスを感じた。
主役の三人が軍人としての訓練が全く足りていない為に
特攻隊員としての説得力に欠ける。
寧ろ、アドリブなのか小ネタに逃げている様な感もある。
若者狙いなのか?
もっとストレートでも良いのではないだろうか。

前回の上演の際は星を5つも付けた方がいるが、
今回と何が違うのか?
チケット代が非常に高額に感じた。


俺が彼女を好きなことを神にすらきづかせない‏【公演終了】

俺が彼女を好きなことを神にすらきづかせない‏【公演終了】

劇団鋼鉄村松

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

長いには長いなりの
タイトルが長い。
上演時間が長い。

観劇前、その両方に不安を感じたんですが
その長さにはキチンとした意味があり観劇後には納得。

スプーン一杯の資本主義

スプーン一杯の資本主義

“創造集団”生活向上委員会

南大塚ホール(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

コメディかと思ったほど!笑
バブル崩壊後の日本を、東京の蒲田にある小さな町工場を舞台にしたコミカルな人間ドラマ。タイトルにあるように資本主義の矛盾を世界と日本の金の流れや人の流れで描写した経済ドラマでもあった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

町工場・釜中製作所では再開発地域ということで立ち退きの為の嫌がらせを暴力団から受けていた。しかしこの暴力団が実に可笑しい。フラメンコダンサーのような女とテンパッタヤクザとチンピラ一匹。笑)  ここでのテンパッタヤクザを演じた射場みのるのアドリブが楽しい。いちいちアドリブを連発するのだけれど、これがまた、いちいち可笑しいのだ。しかもアドリブを放たれた相方がこれまたテンパッテどうしていいか困った様子も愉快だった。

かと思えばハクション大魔王のようなキャストも居たりして、何がなんだかよく解らないアニメの世界感!笑
ついでに登場しちゃったのがウルトラマン兄弟だったり、めっさ弱そうなスーパーマンだったりで、あれれー?、アニメヒーローものかいな?!と思いきや、今度は鳩山、小沢、管が登場したりとはちゃめちゃ感、満載!笑

もしかして、コメディ一色なんやろか?と思ったのも束の間、釜中製作所が大きな負債を抱えた挙句、注文も入らなくなっていた、という今ドキの経済も描写しながら、これらを従業員、家族が一丸となって支え復活の見込みにまで持っていくというストーリーだった。

「今の日本は人を大切にしない国だ。日本人は今まで大切にしてきたものをちゃんと思い出すべきなんです。」と古き良き日本を再考するように訴えて終盤を迎える辺り、お見事だった。あまりにもはちゃめちゃ感が好みを左右するかも知れないがワタクシ的には○

次回作は「立ち飲みパラダイス」らしいが、また射場のあばれっぷりを観てみたい。笑
忘却曲線

忘却曲線

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2010/09/06 (月) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

夏の気だるさ、匂い、記憶が詰まった作品
初めて青☆組の芝居を観劇しました。
お母さんから離れたみんなはこれからどんな人生を送っていくんだろうと思いましたが、
いや、ひょっとしたらお母さんは最初からみんなの記憶の中にしか存在していないのかもしれないとも思いました。
または、この話はは人の記憶ではなくて、この空間(場所)の記憶の話なのかもしれないとも思いました。
(そう考えるとこの話は「ゴドーを待ちながら」的なのかもしれません)
舞台美術、照明、音響ともすばらしく、また役者がみんな演技上手で、この世界観に引き込まれました。
どっぷり夏につかって一緒に夏の気だるさ、匂い、切なさといったものを追体験しました。
劇場を出て爽やかな気分になりました。こんな芝居は久しぶりです。

ワンドロップ

ワンドロップ

発条ロールシアター

タイニイアリス(東京都)

2010/04/01 (木) ~ 2010/04/04 (日)公演終了

うーん。
役者、本、舞台セット、演出、どれもいまいちしっくりこなかった。

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKY

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

たまらない。
そうだよ、演劇ってこういうもんなんだよ!と大層興奮させてくれました。昨今じゃテレビや映画から人が浮き出て見えるそうだが、冗談じゃない。それは役者の吐息が聞こえるか?光る汗の艶っぽさをみて息を呑めるか?抑えられないほど胸の高鳴りを感じられるか?500円で買える贅沢。ヨドバシに行ってポイント貯めるか使うか悩んでる場合じゃないぞ。王子へゆけ。

よわいもんいじめ

よわいもんいじめ

コマツ企画

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★

毎回違う作風。
との事ですが、そういう意味では今回私には合いませんでした。コマツ企画の劇場の隅から隅まで独特の空気で満たすあの濃厚さが好きだったのですが、劇場の大きさで薄れてしまったような。コマツ企画の役者さんと佐野功さんは良かったです。

「美しきラビットパンチ」

「美しきラビットパンチ」

ゴジゲン

駅前劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

そうか、ゴジゲンはさらに先鋭的になっていたのか!
私は慄然となりながらも、それを強く支持する!
…いや、なんていうか、笑いながらだけどね。

ネタバレBOX

高校生のボクシング部での話。
ヒロイックな「主人公」たちと、そこには加われないと最初から諦め、自ら「空気だから」と言う高校生たちの物語。

当然、圧倒的に私は後者に含まれる人間だ。
だから「スポーツできるやつはみんな死んじまえばいいのだ」(そんな意味の台詞)には、笑いながら思わず拍手をしてしまう(笑)。

ヒーローには、まずは肉体が必要だ(ビジュアルも)。そして、頭脳もあれば言うことはない。だからボクシングのうまいナオキは、ヒーローになって、クサくて熱い台詞を吐いて、モテモテ(先生と付き合ってるし)になって当然なのだ。

それがな〜んにもないボクらは、空気になりつつも、ヒーローを、ちょっと小馬鹿にして、卑屈にイヒヒと笑うぐらいしかできない。さらにヒロイックな姿は恥ずかしいというポーズも忘れない。そして、その卑屈さは、ヒーローへのウラヤマしさを通り越して、いつか引きずり降ろしたいなんて、ココロの中では思ってたりする。

しかし、それはあくまでシャレの中だけで、本気ではない。だって、ヒーローのことは、ホントは好きなんだから。そしてそちら側にも行ってみたいと、どこかで思っていたりする。

だから、実際にグローブに画鋲を入れたり、醜態を写メに撮ってばらまくなんてことには、本当は気持ち良さを感じない。
しかし、本気で痛い目に遭っている者たち、もっすーや優太郎には、そういうシャレは通用しない。なぜならば、彼らの境遇はシャレになっていないからだ。彼らを痛めつける者たちにとっては、シャレであったとしても。この対比が、きついし、なんてうまいんだろうと思う。

つまり、「空気」であるはずの彼らにも、実はもう1段ヒエラルキーが存在していたのだ。気がつかないけど。高校生でなくても、そんなことがあるなんてことには鈍感になっているのだが、「いざ」というときには、それが露わになる。
そして、「いざ」というときが、訪れてしまう。互いにぐちゃぐちゃしているうちにだ。

いろんな気持ちが渦巻いて、出口なしの状態にある。誰かに追い詰められたのではなく、自分に追い詰められてしまった。それは、前作、前々作でも同様だった。そして、ゆるく(あるいは軽く)爆発していくというプロセスも同じ。

しかし、今回は、その爆発がまったく違うのだ。
身体の中のガス成分は、登場人物たちがそれぞれに違う意味で発酵させていて、すでにパンパンになっていたのだ。だから、爆発するきっかけさえあれば、連鎖的に誘爆して、でかい、とてもでかい爆発になっていくのだ。

その爆発には、ある種の連帯感さえ生まれる。「負」の連帯感がお得意の、ゴジゲンらしい発想だ。
集団心理も相まって、より「薄っぺらく」明るく、そして恐怖する一瞬が訪れる。
もう「童貞をこじらせた」なんてことを、軽く突き抜けてしまった。
突き抜けて、女子トイレの壁まで破壊して、いろんなルールも無用になってきた。

ヒロイズム=ミュージカルという短絡さも素敵だ。
そして、最後にロッカーが語り、ピンクのウサギが現れる、空虚な明るさは、メルヘンでもファンタジーでもない。そこに感じるのは、ただの恐怖以外の何モノでもない。

ま、横滑りし出してからのすべては「常に妄想の中で生きているであろう」、「覚醒」した、もっすーのアタマの中のことなのかもしれないけれど。
その境界線のなさ、曖昧さには、単純に戦慄を覚えてしまうのだ。

そして、そのすべては観客が「笑いながら」の中で進行しているのだ!
(ただし、毎回その笑った口の中に、得体の知れないナニかを投げ込んでくるんだけど)

ああ、なんと素晴らしい舞台!
これに共感(…か?)できるってことは、「どうなのよ」とは思うけど、しょうがない。

この地点に立つということは、次回は大変なことになりそうな予感がする。確か、次回は『神社の奥のモンチャン』の再演だったはず。これを初演より遙かに大きな高円寺の舞台で、さらに破壊するのか、原点回帰になるのか興味津々なのだ。

役者では、コーチを演じた加賀田浩二さんが、おいしいポジションでいい仕事をしていた。また、ナオキの弟役の東迎昴史郎さんの、後味に残るようなイヤな感じはなかなか。さらに、3年生の服部を演じていた本折智史さんの卑屈さがよかった。
ゴジゲンの2人は、いつもの感じで確実感。
砂と兵隊/Sables & Soldats

砂と兵隊/Sables & Soldats

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了

満足度★★★

さらさらと手から滑り落ちる不条理劇
私の勝手な思い込みなのだが、青年団は「ある設定の中で、その世界をきれいに切り取り、洗練された台詞と演技でリアル風に描写する劇団」だと思っていたのだか、どうもここには、その「リアル感」があまり感じられなかった。
そのリアル感を、この中で実感できれば、この不条理劇は、さらに深まり、心に刻み込まれたのだと思うのだ。

ネタバレBOX

劇場に入ると舞台が一面砂である。これはいい。
最初と最後に上からさらさらと砂が流れ落ちる。そこはあたかも、砂時計の中のよう。時が刻まれるのだが、まったく進んではいない。
時間があるようで、ない砂の中での物語。
メビウスの輪のごとくねじれつながり、終わりのない物語の中にいる登場人物たちは、砂に足を取られつつも歩むだけ。

そういう物語であれば、「本部の命令で目的地へ向かう兵隊たち」「母を捜す家族」「夫を訪ねてきた妻」の存在は、理解できる。彼らには、「目的(地)」があるのだ。
ただし、「新婚旅行のカップル」と「敵」にはそれがない。
そこがどうも全体のテーマから少々逸脱しているように感じてしまった。

「続く」ことがテーマであるとするならば、「敵」は必要ないし、ましてや死人が出るドラマもいらないのではないかと思ったのだ。

「生きる」ことは「続く」ことであり、ぼんやりした「目的」に向かって歩くことが我々の毎日なのだ。
そして、戦う意味も理由も失ってしまうのが現代の戦い(戦争)でもある。それもまた我々の毎日でもある。
「目的がない」ことも、見せたかったのならば、はっきりと「ない」ことを提示したほうがいいのではないか、とも思ったのだ。

ただし、「生の継続」が「歩く」ことで表現されているのであれば、「死」が唯一の目的地でもあるわけで、我々は「死」に向かって歩いているわけでもある。
したがって、撃たれて死んだ男だけで終止符を、まさに打たれた。

それを観客に気づかせるために、そのエピソードを入れたのかもしれないが、そうであったとしても、それは余計で、語りすぎではないだろうか。
とにかく「続く」ということがすべてなのだから。

また、「敵」は、単に全体の(下手から上手への)動きを、「逆からの動き」(上手から下手へ)として、見せたかっただけに設定したのではないかと勘ぐってしまう。

微妙に砂漠の場所を地名で明らかにするのだが、それはまったく必要なかったのではないかと思う。「砂漠」であることだけでよかったと思うのだ。
もっとも、フランス人が演じるときには、その地名がノスタルジックな感じも持ちつつ効果はあると思うのだが。

いつの間にか始まり、いつともしれぬエンディングを舞台に残しつつ、観客はそこを去る(私は最後の観客して、ずっとそれを眺めていたが)。
そのエンディングは、とてもよかった。「これは元に戻るな」という予感が、後半になるに従って強くなってきたので、しっくりきたとも言える。

兵士が持つ、明らかに携帯ゲームプレイヤーの、ピコピコ音がする、本部との連絡や検索をする携帯端末というのも、不条理で面白かった。そんなアイデアがもっといろいろあればさらに面白かったとも思った。

この舞台は、『麦と兵隊』をモチーフしたらしい。てっきりその字面から、同じ作家の『土と兵隊』がモチーフなのかと思っていた。
それは、横に置くとして、いつ終わるともしれない行軍の物語としては、先の戦中の小説とは別に、奥泉光氏の小説『浪漫的な行軍の記録』がある。この泥沼感はたまらなかった(怨念・執念のような意味も含めて)。しかし、この舞台には、実際は、砂の上ということだけでなく、そんな湿気や粘りけを感じなかった。生への執着が希薄なのだろうか。そこが現代(的)ということなのだろうか。


どうでもいいことだが、兵士たちの銃の扱いがぞんざいすぎる。たとえ交戦しないつもりにしても、自分たちの命を守る銃に砂が入れば、命取りになるのだが、そのあたりをきちんとするだけで、リアル感は増したのではないだろうか。
さらに言えば、匍匐前進には、用途別に何種類もある。兵士たちは、舞台の見栄えとして、2種類の匍匐前進をしていた。本来ならば1つにすべきでは。ま、これはホントにどうでもいいことですね(笑)。
イリアス

イリアス

サンライズプロモーション東京

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2010/09/04 (土) ~ 2010/09/23 (木)公演終了

満足度★★★★

重厚長大にたっぷり浸る
この人数で、壮大なスケールの物語を演じる凄さ。
このメンバーだからこそできる。
この人数だから熱いというか、熱っ苦しい(笑)のが丁度いい具合になっているのかも。

ネタバレBOX

「戦い」と「運命」の物語。
「なぜ戦うのか」が麻痺してしまった10年戦争の幕切れが舞台。

台詞だけで戦場を見せる。ただし、そこには戦いの、ヒロイックさとカタルシスが快感としてだけ存在する。

しかし、その戦いが、個人のところに降りてきて、はじめて「血」が匂い、感情がほとばしる。
そこが物語の本質である。

会話というより、モノローグのようで、詩編のような台詞が、壮大な物語を形づくり、さらに役者の肉体がそれを支える。

肉体の、命の、そんなありようが、広い舞台の上から感じられた。

内野聖陽さんの、肉体を誇示するような熱さがとてもいい。また、平幹二朗さんが、いつもながらあまりにもカッコいい。大きな舞台が似合う。後半での、彼の慟哭は胸に響いた。
また、新妻聖子さんの歌というか声が素晴らしい。男たちの肉体と台詞のぶつかり合いに声で広がりを見せてくれた。いろいろな役を担った女性たちの歌もよかった。そして、チョウソンハさんの、特に後半の動きがとにかく美しい。

さらに、金子飛鳥さんの曲と生演奏が演出の効果を増していた。

私の観た日は、3回のカーテンコールで、スタンディングもあった。内野さんファン多いんだろうなぁと実感したのだった。
避暑に訪れた人びと

避暑に訪れた人びと

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2010/09/11 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

厚い役者層、観ごたえがあった
かつて俳優座が上演した「別荘の人びと」とは戯曲として別物らしい。カーテンコールでの伊藤克の言葉、「ゴーリキーとチェーホフとの出会いによってこういう素晴らしい芝居が生まれた」にすべてが集約されていると思う。劇団の財産ともなる素晴らしい作品で、観られてよかった。何年かに一度は上演してほしいと思う。
パンフに人物相関図がなかったため、登場人物の役名の照合がしにくかったとのご意見があった。実はチラシには俳優の写真と役名が書かれていて、劇場ロビーにも自由に取れるよう置かれていたのだが。私は他劇場のカンフェティのチラシの束の中に最近では珍しくこの公演のチラシを発見したものの、今回ご覧になったCoRichのユーザーは小劇場ファンのかたが多く、たぶん手に取る機会がなかったのではと思う。小劇場公演の場合は当日パンフと共にその公演のチラシが添えられていることが多い。常連客以外のために今後当日パンフと共にチラシも添えていただけないだろうか。当劇団の場合、チラシには俳優写真が載っているので、パンフと照合すれば俳優と役名が一致しやすい。
今回、有料プログラムも読み応えがあったが、女優陣、男優陣分けての座談会企画など載せてほしかったと思う。
結婚していまの住居に移転しなければ、地元、東京演劇アンサンブルの芝居は一生観ないで終わったと思う。広渡常敏氏の名も劇団の存在も知ってはいたものの、何となく先入観があって足を運ぼうという気が起きなかった。「日本の気象」を初めて観て、久保栄の戯曲の力にも圧倒されたが、劇団員たちの演技力にも目を見張った。人それぞれ感じ方の違いや好き嫌いはあると思うが、半世紀に及ぶ自分の観劇歴から公平に見て、この劇団の層の厚さ、演技の質の高さはかなりなものと判断せざるをえない。これはやはり長年にわたる広渡さんの薫陶の賜物だろう。私もこの劇団を初めて観たとき、他の新劇の劇団とも違う独特な個性を感じた。自然な演技の中にも格調があり、その格調にひかれて観続けているともいえる。
「自然な演技」というと、最近の人は平田オリザの現代口語演劇のような芝居を連想すると思うので、この劇団の俳優の演技には違和感があるかもしれない。私は新劇の芝居はそんなに多くは観ていないのだが、昭和20年代に封切られた新劇俳優中心の古い邦画を勉強のために集中的に観るようにしており、今回、Coichのユーザーの方々による「演技が棒読み」とのご指摘は彼らの演技の質を理解するうえでも重要なヒントになったので、個人的なことだが非常に感謝している。

ネタバレBOX

オープンスペースという「ブレヒトの芝居小屋」の特徴を生かした舞台美術。他劇団で見られるように、樹木に葉があったほうが私は好きだが。
冒頭、全員が舞台面に並ぶ場面は絵画のようで、期待感に震えた。花道の脇の席に座ったので、俳優の演技をま近で観ることができ、歌舞伎では慣れていて何とも感じないのだが、今回はわくわくした。
女性陣。マーリヤの原口久美子は静かな口調の中にも強固な意志が感じられた。ただ、この劇を見る限り、マーリヤの性格が私にはよく理解できない。アンサンブルの場合、役が違ってもイメージが固定している俳優もいるが、原口は役によって声の高さや印象がまったく違う七変化女優である。
ヴァルヴァーラの桑原睦も期待に応えて、魅力的に演じた。「人形の家」のノラを彼女で観てみたいと思った。
洪美玉のユーリヤは芝居好きという設定で、女優のように妖艶。もっと奔放に演じてもよいと思うが、この劇団ではこれが限界かも(笑)。
オーリガ(奈須弘子)は、育児など日常に追われて目先のことしか考えられず、神経質で傷つきやすい半面、鈍感でもある。奈須の棒読みが際立つとの指摘があったので心配したが、適度に抑揚もあり、特にいつもと変わった点は感じなかった。ヴァルヴァーラに絶交を告げる場面では、劣等感や嫉妬、心の揺れを見事に表現していた。オーリガは同性から見ても苛立つような女性だが、現代の主婦にもいそうなタイプ。夫婦ともども俗物だからこそ幸福でいられるのかもしれない。
自然な演技という点では、清水優華のカレーリヤが一番自然だったと思う。臆することなく伸び伸びと彼女らしく演じていて、「銀河鉄道の夜」のジョヴァンニともまったくイメージが違っていて、改めて注目した(ちなみに、桑原睦はカンパネルラ)。
サーシャの冨山小枝に、先ごろ亡くなった北林谷栄を久々思い出した。サーシャは分を心得て家族の内面には立ち入らず、ひたすら幼子のようにバーコフを扱う。サーシャには人々の心情の複雑な部分はわかるまい。彼女の役目は「家庭内での目配り」であり、あえて抑揚の少ない冨山小枝の演技に、演出の入江さんの意図が読み取れた。演技が稚拙な俳優の棒読みとは明らかに違うことを記しておく。
男優陣。バーソフの松下重人には、こういう難しい役が多く回ってくるが、彼らしく咀嚼していた。
伊藤克のドッペルプンクトは、この物語の中に息づいている。この劇団でこの役には彼しかいないだろうし、音楽のような演技に感心した。
ドゥダーコフ浅井は人畜無害の小市民的夫を好演。
シャリーモフの公家義徳は爽やかな持ち味のせいか、ヴァルヴァーラが幻滅するほど通俗的な正体が感じられなかったのが難点ともいえる(笑)。新世代の台頭に追われ、物書きとしての焦燥感を吐露する場面に共感した。野の花を一旦手帳に挟み、ヴァルヴァーラへ返す場面に何ともいえない余情と色気がある。
ヴラースの本多弘典はベテランに混じり、大抜擢。この人の目の鋭さは、20代のときの加藤健一を思わせる。演技はまだまだだと思うが、将来、どんなふうな俳優になるか楽しみだ。
スースロフの松本暁太郎。彼は芝居の中で粗野な役が多く、いつも怒っている印象がある(笑)。
尾崎太郎のリューミンは恋を演じることでしか自分を見出せない。感傷的だが幸福な青年。文学座なら渡辺徹に似合いそうな役どころか(?笑)。
ザムイスロフ三木元太は口跡が良い。
別荘番の竹口範顕と三瓶裕史がすべてを見透すシェイクスピア劇の道化のようで面白い。
終幕近く、女たちが去り、バーソフと2人のシーンで、シャリーモフが笑い、「何で笑うんだ」とバーソフが咎める。このときの公家の内側からこみあげてくるような笑いが台詞よりも何十倍も心情を物語るほど効果的で、強く印象に残った。今回の場面は少し違うが、私は大作物のときの松下と公家の男同士の友情を感じる場面に両優の互いの信頼感が感じられて、個人的に好きだ。
ストーリー上、ラブシーンが多いのかと思ったがそうでもなく、抑制のきいた演出だったと思う。キスシーンも私の観た回ではごく自然で、へっぴり腰の俳優は見受けられなかった。
気になった点。「植物の「蔓」を鳥の「鶴」のアクセントで発音していた俳優がいたことと、たぶんユーリヤの台詞だったと思うが「目線(めせん)」という単語が発せられた時は驚いた。最近、ある高名な言語学者が新聞のコラムで「最近耳障りな単語」の代表に、この「目線」を挙げており、「視線や視座という単語があることが忘れらているのではないか。TVの業界用語から出たこの単語の濫用が私には許しがたい」と書いていて、まったく同感である。東京演劇アンサンブルの舞台でこの単語を聞いたことが私にはかなりのショックだった。台本にある台詞ならぜひ「視線」に言い換えていただきたいとお願いする。
舞台衣装について。休憩を挟んで2部構成だったので、着たきり雀ではなく、衣裳替えがあればよかったと思う。
避暑地なのに、男性のスーツやジャケットがシャリーモフとリューミン以外、冬服なのがいかにも暑苦しくみえた。また、マーリヤとカレーリヤがブラウスにスカートという衣裳でベルトをしていないのが気になった。スタイリストで服飾評論家の原由美子さんも「日本人は無頓着だが、洋服においてはスカートのベルトは不文律のようなもの。スカートにベルトをしないのは、日本人が帯に帯締めをしないように不自然でだらしないものだと考えてほしい」と著書に書いている。ましてや、この時代は、くつろいでいるときでも衣裳考証上もベルトは着けるべきである。
「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】

「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】

劇団アニマル王子

ブディストホール(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒されます
マクベスを扱った芝居を、私の元所属団体も行いましたので、アニマル王子さんだったらどうなるんだろう?というワクワクもあって観に行きました。
セリフ回しはいつもより早口の印象で、勢いのある演出でした。始まりを告げるダンスのオープニング、声をそろえての公演タイトル、毎度心が奪われます。和の衣装なのに、本当に皆さん動きますよね・・・。岩手役の馬渡さん素敵でした。何というか、オーラが出てたという月並みな言葉しか出ませんが、素敵でした。。。

みだれ髪・公演終了!ご来場ありがとうございました!

みだれ髪・公演終了!ご来場ありがとうございました!

処女航海

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★

夢遊
夢の中をさまようようなオムニバス的作品。観終えた後に夢から覚めた感覚があった。セットの配置を工夫して踊れる場所を広くしたほうが、動きの制約感を減らせたと思う。

超人スリムスリムマン3

超人スリムスリムマン3

タッタタ探検組合

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★

褌一丁の超人話
食事多く取ると暴れてしまう、ヒーローというのも設定が面白かった。
ただ、半裸のオッサンが苦手な方とかは、
結構受け入れがたいものがあるかもしれない。

ネタバレBOX

逆に褌姿が苦にならない方々は、楽しめる事でしょう。
思ったより下ネタに走らず、
観に来ていた小学生の男の子も笑っている場面があり。
全年齢で楽しめるとは思ったのだが、
早口で繰り返すギャグや、今ひとつスッキリと伝わらない敵の3人組など。
もうチョット判り易さを前面に押し出してみると良かったかなって思った。

音のうるささは減点だが、まわり舞台は良く出来ていた。

ボリューム感のある妹さんは、存在感や行動なども。
印象に強く残りました。

OPでのスターウォーズ風の荒筋紹介は笑えました。
また妙に綺麗で耳に残る主題歌(でいいのかな?)は気に入った。

しかしスリムマンも2号でなく、乙(おつ)だったり。
言葉遊び好きですね。 
今度は番外編とか外伝で、スリムマンシニアやるんでしょうか?

次回作は食材プレゼン芝居みたいですが、
そっちの方が、スリムマンよりは自分好みかもしれません。



アイツは世界を変えるらしい

アイツは世界を変えるらしい

けったマシーン

しもきた空間リバティ(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★

こいつが…こいつも…。
こういうことって報道にかかわると、
事件の大小にかかわらず可能性があるのかも。
“ 学生時代の友達(元恋人)が事件の容疑者に。
それでも僕は「編集」しなければならない ”…と。

小さな街のおとぎばなし、、とあったので
ファンタジーかと思っていましたが、
サスペンス性の強い社会派ドラマといった趣。

前半は申し訳ないのですが少しつらかった
(ごめんなさい眠気が…)。
話の流れはわかりやすいのですが、
ラストにつながる伏線となる部分はもう少し丁寧に
描かれていたらもっと楽しめたかも。
唐突なところがいくつか…。

後半からラストの意外性はなかなかでした。
こいつが…こいつも…と。
ラストの演出とても良かった。

電車の音の使い方、照明も効果的でした。

欲を言えば、もう少しリアリティが
台詞、演技、衣装、小道具から感じられたらより良かった。

ちょっとしたことですが、当日パンフに写真が
付いているのは役者さんを憶えられるのでうれしい。

次回はどんなものを見せてもらえるのか楽しみ。

ネタバレBOX

ストーリーはみなさんが詳しく書いていらっしゃるので割愛。

オープニング、編集者 金山(坂本真太郎さん)と学生時代の友達 矢田(大平桃子さん)の踏切の別れの回想シーンは始まりを予感させてワクワク。矢田は1億円横領の犯人なのか?

制作会社(テレビ?)、喫茶店、市長室…前半ほとんどが会話でみせて進めていくのに、うまくかみ合っていない感じが、間も悪く、テンポもいまいちに思える部分がいくつか。(ごめんなさい眠気が…)。

前半、AD堀田(宮尾政成さん)は、うわっついて自己主張する
ADらしさ(こんな奴よくいる)が結構よかったかな。
でも会話のやりとりでは役柄だとしてももう少しかみ合ってほしい。

失語症の元戦場カメラマン砂田橋(益岡幸弘さん)が携帯で文字を打って見せるのはわかりやすかった。

売れっ子アナウンサー大曽根(平山紗奈さん)はかわいかったけれど
衣装をもっとそれらしくしたらよりいいのに。

市長室…秘書本山(望月智和さん 劇団LYM)のハイテンションのかんじ…キャラ立ちした個性的な役は好きな方なのですが、ウケてる人も
いらっしゃいましたが、いまいちのれなかった。
市長東別院(小野寺駿策さん)とのやりとりが絶妙に決まっていたら
もっとおもしろかったはず。
市長も威厳が…スーツが体にあってたらもっとよかったかも。

なんだかんだで、取材中に偶然とれた市長の会話で
“ 学生時代の友達(元恋人)”が犯人ではなく市長が容疑者に。
海外でしかたなく子供の人身売買うんぬん、、、、
(臓器を採って売るためか??)をバラスと脅されていたから
1億円横領は自分とあっさり告白。あっさりすぎる。

さらに通り魔的に喫茶店の愛想のないウェイトレス日比野(小泉美果さん)になぜか市長室で市長が刺される。ちょっと唐突かな。再犯の通り魔的だとしても。簡単に入りすぎる気が。警備はいないのかな…ココは。

プロデューサー茶屋ヶ坂(高山五月さん 真空劇団)が市長と高校の先輩後輩の関係だと何度か言っていましたが、市長が死んだ事を彼の喪服で表していたのかな。

日比野に近づき、失語症は演技だった元戦場カメラマン砂田橋(益岡幸弘さん)が仲間に誘う。黒幕はカメラマン砂田橋だったとは。
映像を利用しいくらでもお金は入ると…。

編集者 金山(坂本真太郎さん)と学生時代の友達 矢田(大平桃子さん)の踏切の別れの回想シーンは何度もでてきてだんだん変化していく。友人から…元恋人。容疑者のうたがいは消えた。

ラスト、暗闇の中で携帯の黄緑の光のみで…秘書本山(望月智和さん)が市長の死を悦び悪そうな笑みを浮かべて話しているシーンの演出とても好きです。1番良かった。

いろいろ書かせていただきました。もっと良くなる気がして。

そうそう、脚本・演出の鳥越永士郎さんは20才なのですね。
どんどん新作みせてください!楽しみにしています。

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