新明治仁侠伝 公演情報 劇団め組「新明治仁侠伝」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    時代と死す
    藤原習作の岩倉には参った!毎回の藤原の役柄から逸脱した飛びっぷり!笑)・・・しかも意外に似合うじゃん!笑)、でもって菅原貴志の牡丹っぷり!
    いあいあ、お見事!カマ風味の釜めしでも食したくなったほど。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    西郷隆盛の死によって、西南戦争の幕は閉じたものの、西郷を師と仰ぐ晋之助は西郷を裏切った大久保利通を殺すことを誓う。同じく明治維新によって禄を失った士族達を徳川への郷愁、明治への恨みを利用し、大久保義明(利通が産ませた妾の子)が明治政府転覆に向けて動き始める。義明は自分と同様の出生の秘密を持った徳川の子・狂四郎を操り、士族達に大久保利道暗殺を指令する。義明の目的はただただ、実父・利通への恨みを晴らすための企てだった。

    新しい日本、新しい時代の為に明治を作った男達の生きざまが巧みに演出されていた作品だったと思う。舞台上では師を失い生き残った士族らが自らの誇りをかけて死んでいくさまを演出し、その上段では死んだ坂本龍馬と西郷隆盛が天から今の世を見降ろして自分たちの夢が一つになって明治が生まれた経緯を話す。明治を作った男達は夜明けとともに消えた形になったが、終盤に龍馬が吐くセリフが素晴らしい。

    また、一方で「明治は徳川の腹から生まれて来た」という明言で観客の耳を魅了しながらも、この時代を勝海舟と伊藤博文が受け継ぐ形で終盤を迎える。「劇団め組 」の公演で忘れてはならないのが毎回、花を添える女性キャストらだ。着物を着用した際の身のこなし方から舞台を去っていく仕草までが実に美しい。

    今回の主役は晋之助と考えていいと思う。今回、ちょっと遊びを加味した舞台だったが、それはそれで楽しかったし座席が前の方だった為か、聞き辛いセリフもなく、すんなりと耳に入ってきたのも良かった。更に終盤での侍達の立ち位置が美しいシルエットとなって視覚も魅了された。「7人の侍」を彷彿とさせるそのシルエットは、照明と音楽で最高潮に達し、まるで一枚の絵画のようだった。

    ついでに言わせてもらえば、義明の髪形が似合わない・・。苦笑!
    更に言わせてもらえば、狂四朗が強そうではない。苦笑!

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    2010/08/06 14:15

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