パーティーが始まる
TOKYO PLAYERS COLLECTION
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
PLAYERS COLLECTION
魅力的で素敵な役者さん(PLAYERS)を集めて(COLLECTION)
競泳水着とは違うけれど上野さんのテイストを感じさせる
良いお芝居でした
あとバナナ学園以外での前園サンもいいですね
今後もいろんな役者さんとの新しく素敵な舞台を期待しちゃいます
ネタバレBOX
始まってすぐの実際の人物と心の声の人物の登場にやられてしまいました
狂騒パレード
メッテルニッヒ
明石スタジオ(東京都)
2010/08/05 (木) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★
コメディにしては笑えない
物語自体に脈絡がなく、序盤から終盤まで飽きっぱなしだった。主軸が何処にあるのか掴めず全体的に散漫で、構成も練が甘かった。突っ込んで言わせてもらえば、笑いにセンスがない。かといってナンセンスな笑いか?というとそうでもない。コメディとして立ち上がってないし、ホラーとしても弱い。しかも登場人物の全員が好きになれないキャラクターなのだ。面白かったのは、ササキとバイト君の蜜月のみ。
自称女優
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
別段目新しいわけではないが
キャストが秀逸、クドイ人間しかいない。ただ、ほかの方が言っているように、後半しつこかったかな、と思ったり、
12人の優しい殺し屋
ホリプロ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/08/07 (土) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★★
なかなか楽しめました
赤坂REDシアターの狭い通路は、花でビッシリで通りにくいし、入り口は、ポスターやパンフレットを買う若い女性でごった返しているし、アンケート用紙は、40代以上は、10羽一からげだし、あー、やっぱり、自分のような高齢者は場違いだったかと後悔しそうになりましたが、始まってみると、なかなか楽しめて、久しぶりに、アフタートークまで、満喫し、何だか気持ちが若返った感じでした。
若いアイドル俳優さんばかりなので、学芸会演技なのかと心配しましたが、いやいや、皆さん、なかなか堂に入っていて、感心しました。
それに、全員、滑舌がバッチリ!!
これは、ベテラン役者さんや、小劇場の役者さん、もっと実力つけなきゃダメだよと、思いました。(笑)
今回の出演者は、木村了さん以外は、存じ上げない方ばかりでしたが、4人の殺し屋も、それぞれ、役をそれなりに生きて舞台にいらして下さり、ほっと一息!
それに、個人的に、感慨無量だったのは、大石吾郎さん。私の高校生時代に、朝の情報番組に出演されていた大石さんの声に送られ、通学していたので、まさか、こんなところで、再会を果たすとは思いませんでした。なかなか味わいある中年俳優さんになられていて、嬉しくなりました。
それにしても、木村了さんの、役者オーラと言ったら…。この人で、この役が観てみたいという、願望的妄想が幾らでも膨らみます。
近い将来、ホリプロを背負って立つ大スターになられる気がしました。
ネタバレBOX
「12人の優しい殺し屋」に関する知識は皆無なのですが、どうやら、殺し屋は、12人いて、今回の舞台は、その内の4人が、特命を受けて、犯罪者の木村さん扮する、風間芳樹を制裁するという話で、また、次回は別の殺し屋が活躍するシリーズ化第一弾のようでした。
川村さんは、天才俳優役には、かなり無理を感じたものの、設定をアイドル俳優にしてもらえれば、文句ない演技。ニヒルな精神科医役の鈴木さん、売れっ子ホスト役の前田さん、実直で、職人気質の料理人役の菊田さんの、後の3人の殺し屋は、それぞれ、役どころをしっかり押さえた演技で、正直、驚きました。
会場のお客さんを巻き込む、ホストクラブ「ミラージュ」の場面は、とても楽しくて、ホストクラブ未体験の私は、思わぬ、疑似体験をさせて頂きました。(笑)
木村さんのようなホストがいたら、はまってしまう女性心理もわかるような気がしてしまいました。
客席から、木村さん扮する№1ホストが登場した時は、ちょっと平常心でいられませんでしたから…
やたら、暗転が多い舞台でしたが、そんなに、気分がそがれることもなく、結構、照明や音楽も、レベルが高かったので、これで、4000円なら、手ごろな娯楽的観劇にはもってこいなのではと思います。
狂騒パレード
メッテルニッヒ
明石スタジオ(東京都)
2010/08/05 (木) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★
末広がりの?
メビウス公演と、銘打ってましたが、広く・・・広く・・・
ネタバレBOX
広げ過ぎて、広く浅くになって、しまった感が、否めません。初見なので、今までの作風が、わかりませんが・・・、日常芝居だからこそ、わかり易い半面、誤魔化し効かない怖さが、ありますよね。犬好きの私は、ヨネスケの行動は、理解できるけど、ラストの姉妹が噛みつかれたいのは・・・???等等??
魅力的な役者さんは、いるので、今後に期待します。
Hit Hit ヘルメットスマイル
創像工房 in front of.
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/08/05 (木) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★
青春の蹉跌
学生運動華やかなりし時代(斜陽を迎えつつあったのかな?)を背景に、
暴力の連鎖に呑み込まれていく若者の夢と希望。
俳優陣の気持ちの入った演技が胸に迫る。
エモーションの一点に関していえば、
今回の慶應を超えてくる団体は出てこないのではないかと思う。
ネタバレBOX
兄と口のきけない妹の間にあるわだかまりの原因が分からなかった。
何か見逃してる?
ザ・キャラクター
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★
これで9,500円は高い!!
すでに40人ものこりっちユーザーが感想を書いている公演。ざっと目を通しただけでも、「同じものを観ても、感じ方・受けとめ方は本当に人それぞれ」と、当たり前の事実に改めて感慨を受けます。
個人的には、今回の野田作品には全くといってよいほど面白さを感じませんでした。これでS席9,500円は、あまりに内容に見合っていない。農家の嫁さんがおっしゃっているとおり、チケット代のかなりの割合は、有名人を生で目にする「舞台挨拶」を見るために払っているようなものと感じました。
物語として選んだモチーフだとか、言葉遊びを豊富に用いた脚本、あるいは俳優の演技に本質的な問題があったとは思いません(必ずしも名前のある俳優を起用する必然性は感じませんでしたが)。それよりももっとシンプルな理由―単に芝居の作りこみが甘いまま本番を迎えてしまい、ここまで来てしまった―を強く感じました。「このシーンのこの箇所はもっと丁寧に作らないと・・・」というところが芝居全体でおそらく何十もあって、そういう部分の積み重ねが全体のクオリティを下げてるような気がしました。
野田さんは東京芸術劇場の芸術監督になってとても忙しいとは思いますが、何ヶ月もワークショップを重ねて「THE BEE」を創ったような、演出家としての矜持をこれからも大切にしてほしいと思います。
徒然なるままに…
川崎インキュベーター
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
若干の違和感あるも後半でクリアか?
コメディタッチとの事前情報の割にはいきなりハード…という導入部から一転しての笑いの多い前半には若干の違和感を禁じ得ず。
が、その分、終盤の反戦メッセージが強調される感じ?
前半で笑った「あのエピソード」が終盤でそんなにも哀しく演じられようとは誰に予想できようか?
ラストの母と妻、それにコンペイトウも切ない。
また、白虎と朱雀でかなり印象が異なるのは完全ダブルキャストの醍醐味と言えよう。
パーティーが始まる
TOKYO PLAYERS COLLECTION
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
旗揚げから観れたトープレ
王子小劇場 佐藤佐吉演劇祭2010 オープニング作品ということで 、
はりきって!?友人を連れて、初日に観劇。
まずは、王子小劇場 佐藤佐吉演劇祭2010 オープニングおめでとうございます!そして、トープレことTOKYO PLAYERS COLLECTION 旗揚げおめでとうございます!
上野友之氏(劇団競泳水着主宰)の学生時代の自伝的なお話だそうで。
頭とこころの中をのぞき見させてもらったような、
甘酸っぱくて、ワクワクする脳内パーティーでございました。
いろいろ妄想して作っては壊し…作っては壊し…そしてついに。
学生の頃の倦怠感とか焦燥感とかドキドキ感とか、
ピュアな部分の感情の葛藤が繊細に丁寧に美しく書かれていて、
爆発的な強さとかはないけれど、ワクワクしながら学生の頃を
ちょっぴり思い出しながら楽しい時間をすごせました。
今回、女優のみなさんが特に魅力的。
渡邊とかげさんカナリよかったなぁ。中性的で魅力ある女優さん。
同じく中性的な前園あかりさんも。清水久美子さんの美エロな感じも、
どーんとかまえたトニーこと富永瑞木さんも良かった。
男性では金丸慎太郎さんが気怠くて魅力的だったな。
閉演後、オープニングパーティーにちょこっと参加。
出演者、STAFF、観客、劇場主催者がみんな集まって乾杯!
ビール&お菓子&DJ ごちそう様でした!楽しかったぁ。
一緒に行った友人も楽しかったみたいでひと安心。
★わたくしごとですが、旗揚げから観れることは、
最近 観劇しゅみを復活させた私にとってとてもとても特別なこと。
知り合いが出ている以外の小劇場は観ていなかったので、
話題の劇団を今から観ても過去の作品と見比べられないわけで。
「前の、、、、の方がよかった」とかの批評を観てぽかんなわけで。
ちんぷんかんぷんなわけで。必死に過去をググったり、聞いたり、
DVD探したり、演劇雑誌バックナンバーを貪り読んで勉強しますが。
15年のブランクは埋めるコトはできない。
旗揚げから生で観れたトープレ、ずっとずっと観続けたい。
ネタバレBOX
劇場の使い方がとてもおもしろい。
三角の舞台、それを覆い囲む客席。そして今回は2F席も。
王子小劇場は自由自在。いつもびっくりさせられる。
楽しみのひとつ。
主人公 渡邊とかげさんと分身(心の声) 前園あかりさんの
衣装がおもしろい。二つのシャツを真ん中で切ってつなげた
鏡像対称性で。
ノクターンだった猫
ニットキャップシアター
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/08/06 (金) ~ 2010/08/09 (月)公演終了
満足度★★★
面白い演出
舞台裏の出口を走り回って楽しませてくれます。
一風変った演出ですが、慣れてくると面白さが分かります。
舞台を余すことなく使い切る想いが伝わる舞台でした。
新明治仁侠伝
劇団め組
吉祥寺シアター(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
お腹いっぱいですぅ〜
日本史の勉強をたっぷりして、終わった時には、大河ドラマをまるまる見たような、満腹感でした。
私は、日本史苦手だったから、へ〜とか、感心することばかり。私だったら、あの時代では、生きていけないわね・・。
劇団め組は、今回初めてで、殺陣はとてもかっこよいし、立ち姿も、シャキとして、皆さんステキでした。
ネタバレBOX
岩倉具視って、あんな人だったの!?昔の500円札の顔を思い出しながら、唖然としました。
Ryoma
ミュージカルカンパニーOZmate
六行会ホール(東京都)
2010/08/07 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★
時代劇を上演するには小粒すぎる
終演後、主宰の挨拶では、「いつかニューヨークへ行きたい。」とちょっとウルウルしながら語っていたから、こうして駄目だしをするのは、とても非情なようで躊躇しましたが、あえて・・・言わせていただきます。そのほうが劇団の為です。
イカはネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
次回公演「Ryoma」の稽古中を描写したもの。だから半分以上が龍馬の幼少の頃から亡くなるまでの物語と稽古の情景を交差しながら芝居は上演された。
まず中国雑技団が使用するような火の鳥ならぬ火の龍の演出は素敵だった。しかしだ、キャストのカツゼツは悪いわ、演技はなってないわ、時代劇に欠かせないチャンバラは下手だわで、びっくりするほど。まず、時代劇を上演するならば、基本、武道の訓練を受けるとかしないと無理でしょ。学芸会じゃあないんだから。
更にキャストの殆どは小柄なものだから、迫力が全くない。きっと時代劇を公演すること自体に無理があるような気がする。だから違った演目ならば、それなりに観られたような気がする。
肝心の龍馬の描写も歴史の上澄みをなぞっただけで、とにかく急ぐように駆け抜けていってしまう。だから、歴史にうとい観客は解らなかったんじゃないか、とも思う。更に公演時間が長すぎ。そうして、極めつけは観客は感動していないのに、演者が自分の演技に陶酔しちゃって、主宰同様、終演後に感涙するという観客泣かせの劇団らでした。
ちょっとシビアな感想だけれど、感じたままを書きました。次回は精進してください。
さらば八月のうた
劇団M.O.P.
紀伊國屋ホール(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/16 (月)公演終了
満足度★★★
さらば!
前半部分はやや散漫な印象だったが、
休憩後の後半は一気に話が収斂していく。
だんだんと話の核が見えて来て
そしてラストで最後のピースがはまる感じ。
マキノさん、さすがです。
昨年の『リボルバー』に比べるとライトな作品だったと思うが、
こんな別れも悪くないのでは。
「さらば」と清々しく去っていくイメージで・・・。
キムラ緑子さんの魅力全開。
それにしても、やっぱりM.O.P.の役者さんは声が良い!
ネタバレBOX
一曲のうたをめぐる物語。
最初、時間があちこちに飛ぶので
頭の中がなかなか整理できない感じだった。
日替わりゲストはすごく美味しい役だった。
わたしが観た回はStudio Lifeの関戸 博一さん。
彼にはピッタリの役だったと思うけど、
岡森さんも同じ役なのかしら?
正太くんの青空
Wit
サンモールスタジオ(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
秀作ではあるけれど
Witは高橋いさを(劇団ショーマ)の作品を上演していこうという目的で結成されたプロデュース・ユニットで、高橋氏の人気が凄いためか初日終わった時点でチケット完売状態。
パンフにWitのメンバーの1人であるIKKAN(オフィス怪人★社代表)が「この準備期間で、書き下ろし作品なんて間に合うかどうか難しいですよ」と高橋氏が言ったことを明かし、しかし稽古初日の1週間前には脚本が出来上がっていたから、「感動です。天才です!」と絶賛している。実際に観てみると、なるほどその証言を裏付けるような作品だった。確かによく纏め上げられた秀作ではあると思うが、魚の小骨が喉に引っ掛かったような印象が残り、準備期間が短かったのではないのか?手放しで満点はつけがたいというのが正直な感想だ。
ネタバレBOX
パンフに高橋氏が映画「十二人の怒れる男」のファンで実際の裁判もよく傍聴するので、「裁判劇もどきが作れてうれしいです(原文のママ)」と書いてあるのを開演前に読み、大いに期待した。
いじめを受けたとされる児童の正太の母(永澤菜教)と、いじめたとされる側の2人の男子児童の両親、綱取夫妻(康喜弼/虹組キララ)と藤枝夫妻(IKKAN/四宮由佳)が学校に呼ばれる。正太の母は離婚して弁当屋で働いており、綱取は産婦人科医、藤枝はタレントでNHKの教育番組にも出演しているという設定。綱取の妻や藤枝の夫は、正太の母の境遇を蔑視するようなそぶりを見せる。
学年主任の杉山(杉田吉平)立会いのもと、いじめが疑われる状況説明が担任教師・内堀(ウチクリ内倉)によって行われ、綱取、藤枝側は否定する。気弱で頼りない内堀に代わり、生活指導教諭の井上(おーみまみ)が弁護士並みの弁舌をふるって正太を弁護する。井上は子どものころいじめを受けた経験がある。いじめを裏付ける現場を目撃したと言う用務員の福田(ロッキー)が呼ばれ、証言を行うが、綱取・藤枝側は認めようとせず、両者の主張が平行線をたどり、綱取は正太の母に金を渡して納得させようとまでする。正太の母が教育委員会に訴えると言うと、綱取の妻は教育委員たちは自分の息がかかっているので、正太の母の言い分など信じてもらえないとせせら笑う。絶望した正太の母はカッターナイフを持って綱取と藤枝の子どもが待機している校長室にたてこもる。校長は入院中で、「開かれた学校」を目指して校長室の鍵を廃棄したため、内鍵はかけられるが、外からは開けられないという状況の中、綱取・藤枝家の家庭の事情が明らかになっていく。綱取家は夫の浮気により離婚話が進んでおり、息子の中学入学と同時に離婚することが決まっていた。藤枝の妻は臨月だが、後妻で生さぬ仲の息子に遠慮があり、甘やかしている。監禁中、正太の母が2人の児童に話をして、2人がいじめを認めて謝り、正太の母も出てきてメデタシ、メデタシ。
正太の母がたてこもった時点から設定の都合のよさだけが目につき、失望してしまった。校長不在で内鍵しか掛からない校長室、正太の母が隔離された状況で夫妻が本音を明かす。藤枝の妻の気分が悪くなっても、綱取の夫が産婦人科医なので対応できる。
「十二人の怒れる男」が秀逸なのは、密室状態の中、誰一人席をはずさないで討論が行われ、それぞれの個人的事情や人間性が明らかになっていくからで、この作品にはそういう緊迫感がない。
校長室が空というが、こういう場合は教頭が代行するので不自然だ。しかもこの校長はモンスターペアレンツの問題で心労から入院しているという。現在の学校制度は校長不在を認めず、長期入院などの場合は教育委員会からしかるべき人物を派遣している。
また、この会議にはオブザーバーとして同じような状況を経験したことがある近くの学校教諭が同席している。この役は日替わりゲストで、自分が観た日は矢吹卓也だったが、石川英郎、高橋いさをも配役されている。負担が少ない役ということで設けられたのだろうが、「飴食べます?」と「勉強になりました」いう台詞は言うものの、ほとんど必要性を感じない。「決して発言をしないように」と杉山が最初に釘を刺すが、だったら同席の必要があるのか。それでも途中で発言して会議の方向が変わっていけば面白いと思うのだが。用務員の福田のロッキーのわざとらしい表情も気になったが、ボケの行動が作為的で「お呼びでない?こりゃまた失礼しました!」という植木等のギャグに至っては客席がシーンとなった。学童保育士の佐藤(高円寺モテコ)をヘルパーみたいに遣い、児童たちの世話をさせるが「仕事ですから」と常にふてくされた表情をする。児童の前では愛想のよいお姉さんを演じているらしく(聞こえてくる声で表現)、そのギャップがこの役のミソらしいが、注目する客が少ないのか笑いが起きなかった。佐藤のことを藤枝の夫が「更年期障害だよ」と言う場面があったが、佐藤は若いし、それはないだろ(笑)と思った。
印象に残った俳優を挙げると・・・。声優として活躍する永澤は、声にけなげさと生活感がにじみ出ていてよかった。正太が別れた夫に似てお人好しだと話す場面に胸打たれた。虹組は厚化粧で高慢ちきな教育ママを好演。和服姿も美しいが、着付けで帯のたれが短すぎて隠れ、帯締めの位置も高すぎるのが気になった。IKKANはいかにもいそうな勘違いしたタレントという感じが出ていた。杉山役の杉田も自然な演技で場を引き締める。ただ、最後の杉山と井上の「バカヤロー!」と叫ぶシーンは、ベタすぎて個人的には背中がモゾモゾした。
冒頭、諸注意を3人の母親役女優が人形劇で演じ、この人形が児童役という設定のようだが、最後に校長室の窓に青空をバックに3人の人形が踊る演出がよかった。
2001年-2010年宇宙の旅
東京デスロック
富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ 水の広場特設野外ステージ(埼玉県)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
地球の時間、10年の感触
映画のごとく地球の中での人に至る時間が描かれ、
さらにはタイトルの10年が刻まれていきます。
夜空の下、拡散することなく
むしろその場所の広がりとともに
過去、現在、未来が観る側に膨らんでいく。
当日ゲストたちの作りだす「今」のテイストも秀逸で。
ちょっと鶴瀬は遠いけれど、
足を運んだ甲斐がありました。
ネタバレBOX
劇場の建物に囲まれた池に、緑の島があってそこが舞台。
ちょっとしたボードウォークのような板張りの場所が
客席になっています。
歩いて劇場まで来た身には
風がとても心地よい。
冷たい飲み物をいただきながら開演を待つその時間に
すでに眼前に広がるスペースの広さに抱かれている感じ。
映画のごとく、人類の黎明の歴史が描かれ、
この星の長大な時間軸が降りてきて、
メインディッシュとなる10年の座標が定められます。
様々な事実や人物の言葉や文章がコラージュされ、
気がつけば、作り手のしたたかな時間の遠近法に
がっつり取り込まれている。
過去の重さをグッズまでつかって背負って
立ち続ける夏目年代記にがっつりとした力があって、
そこに、観る側にとってなじみの深い世界の流れが
違和感なく共振するように重なっていく。
世界の広がりと一人の役者の生きる姿が、
あたかも遠近法の魔法のごとく
すっと一つの絵面におさまって・・・。
しかも世界と個人が、それぞれに埋もれることなく
互いの質感を強調し合っているのが凄い。
そこには、劇場の建物たちに囲まれた広い空間に拡散しない、
むしろその広さを物語のスケールに変えるだけの
力量があるのです。
当日のゲスト3人(山縣・大倉・田中)も、「今」の感触を
構成のシュールさに負けない演技で
作りあげていました。
パフォーマンスに時間を絡める力があって・・・。
投げ銭を集めて水にバラマキ、再び拾い集める感覚、
ラジオ体操を踊り続ける姿、
「今」を語ること、今を生きることの
どこかPopで無機質な感覚も伝わってきて。
「今」感覚がベースになって、
未来が動き始める・・。
登場人物というか役者ひとりずつのたちの姿が
彼らの架空の年代記とともに遠ざかっていく。
空の闇にまで届きそうな
その時間軸の広がりに深く浸潤されて・・・。
作り手の作劇の手練にがっつりと取り込まれてしまいました。
☆☆☆★★◎○●
自称女優
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
柴田薫を堪能
構造がしつこいかな、またかみたいな。単なるコメディーでなないところは素敵。
狂騒パレード
メッテルニッヒ
明石スタジオ(東京都)
2010/08/05 (木) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★
DBにはこだわって欲しかった(笑)
やりたい事、見せたいシーン、そういった‘狙い’はある程度伝わってきましたが…その狙いを舞台上でシッカリと表す為には少々実力不足であった感、いなめません。…やりたい事までの持っていき方も残念ながら面白みのあるモノではなく、正直中途半端。他の方も書いてらっしゃるように「長い!」という印象が強いです…。笑わせようとするシーンで‘間’が雑だったという点が全てに集約されていた気がいたします。
演出なのかもわかりませんが、俳優さんもみな総じて‘キャラ’だけの演技になってしまっていて、薄っぺらく見えてしまいました。残念…。
あ、ドラゴンボールのコミックを見せて「ホラここ!」みたいに言うシーンがあるのですが、指しているシーンはナメック星で開いてる単行本は10巻…。これはドラゴンボール世代はゼッタイ気になります!!!
Ryoma
ミュージカルカンパニーOZmate
六行会ホール(東京都)
2010/08/07 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★
いつかニューヨークで興行できるといいですね
女性ばかりでの幕末ミュージカル。
なかなか動きや表現が細やかで綺麗でした。
新体操のリボンのような、布使いが印象に残りました。
また星空を表現したライトの演出は綺麗に思ったです。
ただマイクの入りか、体力の低下か。
後半、歌に入る前の出だしの台詞や歌詞が、
聞き取り難い時がありました。
改善の余地ありと思います。
さりげなく生演奏なBGMには驚かされましたね(^^)
サーフィンUSB
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★
舞台美術は感動しました
けどね・・・。
細かいエピソードは笑えるとこあって楽しいんです。
だけど中核をなす話しが、カタルシス得られないんです!
なんか一本調子のヘビ花火みたいな印象を受けました。
舞台セットづくりで燃え尽きてしまったんでしょうか?
ネタバレBOX
暑い時期に観るマイBEST映画「サマータイムマシンブルース」の原作劇団!!
シアターガイドに紹介記事も載っていて、
(ものすごく)2=(二乗)、期待してたんですぅ。
舞台セット上、遠くに見えるレトロなドーム状の未来都市。
シティライト+都市からのサーチライトまで表現していて感動的な出来でした。
水没した世界で、水面上に残った高層ビルが舞台となり。
一番下は黒幕で隠した海という設定は、ホントよく考えられたいました。
海面上昇により水没した世界。
ドーム都市で最先端の生活を送る人々を尻目に。
水面上に残った高層ビルに勝手に住み着いて、
水没都市からのサルベージ品を売買し、
日々サーフィンに明け暮れる主人公達。
ドーム都市からサーフィンをバーチャルに感じる為の、
USB端子付きサーフボードによる波乗り依頼を、
焼肉屋の割引券で引き受ける事になり。
それまで、ただ良い波に乗る事が目的だったのに。
自身の波乗り感覚の閲覧ランクを競う事になり、
結果、サーファーの殆どがサーフィンUSBに乗ることになりました・・・。
オシマイ。って なんですかー
文章にすると、ホント切ないよー。
人魚さん出て来たり、ハンバーガーの食し方のウンチクあったり。
いろいろ美味しい設定あったのに、生かしきれてない!
勿体無い!! (脚本の時間無かったのかな?)
未来少年コナンやウォーターワールド・OVAのAikaシリーズみたいな、
嬉しいレトロな水没世界ですよ!SFぢゃーないですか。
何でもありだから、人魚さんも尻尾とってUSB端子つけたのに。
(いきなり尾びれが取れたのには笑えました)
「波打ち際のむろみさん」(週刊少年マガジンの連載漫画です)
みたいな異性物交流コメディーにも出来たでしょうし。
いろんなものにUSB端子つける、電脳と現実の二極世界の軋轢話にも
出来たでしょうに、本当に残念でした。
公演回数が多い分、登場するだけで笑いのおきる役者さんがいたので、
リピーターが多く付いて、安定した興行収益計算でき。
(映画化も2回目だし)慢心したか、忙しくて時間が無くなったかですかね。
NEXT 期待させていただきます
追伸:舞台セットはホント素晴らしかったので星1つ追加です
HPのUSBメモリの上のサーファー人形が物語り語っていました。
サード
演劇実験室◎万有引力
笹塚ファクトリー(東京都)
2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
昭和の匂いが濃く、いかがわしくて、文学的
さすが寺山修司だ。
そして、J・A・シィザーの音楽がいい。
舞台には熱気がある。
100分の上演時間はあっという間だった。
ネタバレBOX
サードと呼ばれる高校生が、IIB、新聞部、テニス部というあだ名の友人たちとどこか遠くへ行こうとして、お金を稼ごうとする。
お金は、サードとIIBが客引きをし、新聞部、テニス部の2人の女子高生が体を売ことで稼ぐことになる。
そのやり取りの中、サードは客であるチンピラを殺してしまい、少年院に入ることになる。
少年院には、いろいろな犯罪で送られてきた少年たちがいた。
その中の1人、短歌と呼ばれていた男が、その少年院時代を振り返るのだった。
冒頭の4人の高校生が、演じる役者の実年齢とのギャップもあり、非常にいかがわしさをプンプン振りまいていた。特に、女子高生のいかがわしさは、とんでもないほどだ。
後にATGで映画になるのだが、その一連の台詞のやり取りは、まさにATGの空気感満載だ。台詞の感じがあの時代を思い起こさせる。
物語は、「なぜ満塁は罪なのか」あるいは「ゲームセットあるいは延長」などという、野球用語を使った10の章に分けられ、そのタイトルにストーリーを重ねながら語られる。
台詞が饒舌で、美しい。特に、短歌やどもりと呼ばれる少年たちの独白に、寺山修司が見え隠れする。
演じる役者も熱がこもり、うまい。
主要ないくつかの役以外は、1人数役をこなしているのだが、その切り分けがとにかくうまい。少年から大人、裁かれる側から裁く側などの役の変化も見事に体現していた。
例えば、ヤクザの男を演じた岡庭秀之さんが、とにかくエグイ。驚くほどイヤな男を演じていた。その彼が、オシという、言葉を話さない自己主張の乏しい男も演じていたのが凄いと思った。観劇後、当パンで配役を見て初めてわかったぐらいに落差のある役を演じていたのだ。
主役のサード(テツさん)をはじめととして、役者たちの面構えがいい。ごっつい。そのごっつい面構えから、寺山修司の台詞が滲み出てくるようだ。
少年院の少年たちのフードという衣装(フライヤーの写真にある)も没個性にする意図がある、少年院という場所をうまく表現しているし、個人を隠すという少年法をも暗示しているようで深い。
舞台は、独特のセリが空中にあり、また、客席の、左右前後までも使うので、立体的に演劇を味わうことになる。
せり出しが高いので、その下の席だけでなく、(たぶん)ほとんどの席で、見切れてしまう(役者の顔が見にくい個所が生じる)のではないだろうか。ただし、客席で演じられる様子は、台詞さえ聞こえれば問題ないし、最初のうちはそれが気になったのだが、会場の全体を使うことが段々わかってきてからは、気にならなくなった。
音楽は、一部を除き、生で演奏していたようだ。J・A・シィザーさんの曲は、当然のごとく、寺山修司さんの戯曲との相性は良く、それには昭和の香りが色濃く漂う。
途中の歌が、生歌ではなかったのが少々残念ではあったが。
もっと、いわゆる、泥臭い、アングラ風味の舞台が繰り広げられるのではないかと思っていたのだが、意外とそうでもなく、ストレートで、とてもわかりやすい演出だったと思う。
今回の舞台は、19時開場・開演となっており、少々わかりにくい設定だが、10分前に来るように、ということと、整理番号順に入場する、ということがチケットやフライヤーには書いてあったのでそれほど不安ではなかった。実際に、10分前に行ったところ、19時少し前には開場して、さほど待たずに入場でき、そして(たぶん)19時10分過ぎには観客全員が入場できたようだ。
例えば、他の劇団やライブのように、開演の30分前を開場にして、整理番号順の入場とすると、その10分前(つまり開演の40分前)には並ばなくてはいけないことになり、さらに開場後、開演まで待つ時間が長くなるので、夏ということもあり、そういう設定にしたのだろう。
係員の誘導もきちんとしていたし。
結局、開演は19時15分頃で、約100分の上演時間だった。
演劇実験室◎万有引力は、また観たいと思った。
そう言えば、J・A・シーザーさんは、いつからJ・A・シィザーの表記に変わったのだろうか。