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ノクターンだった猫

ノクターンだった猫

ニットキャップシアター

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/09 (月)公演終了

満足度★★★

いつもの方がええなあ!
主宰ごまのはえさんの結婚決定記念作品ということで、愛してるのオンパレードでした。

ネタバレBOX

温暖化で雨が降り続いて、いたるところが海の下になり交通マヒ。主宰の結婚決定の逸話。別れさせ屋が別れさせた女を好きになり、もつれて殺害した事件の一連の調査。これらが交錯したなどと格好良いものではなく、ただごちゃごちゃと別々に進行した話でした。

どうせ、彼女から、『今度のお芝居で、私のこと「愛してる」って何回言ってくれるん?!』などと言われた主宰が、別れさせ屋の嘘の「愛してる」から自分の誠の「愛してる」まで数限りない「愛してる」をこのお芝居に盛り込み、役者に叫ばせたというのが真実ではないでしょうか!?

あんなん髪の毛かきむしってると、そういうのがいずれ鼻についてきて、拒絶反応を起こされまっせ。気い付けなはれ!

それにしても、天井から丸い透明の球体をぶら下げて、少しの水を入れ、メダカくらいの魚を泳がせていたのはユニークでした。光もレンズを通したようになって良かったです!
父と暮せば

父と暮せば

独歩

劇場MOMO(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

感動的な最終公演でした
独歩プロデュースは麦人、てらだかずえのご夫婦2人だけの演劇企画・制作事務所で7年間続けられ、今回が最後のプロデュース公演だそうです。井上ひさし氏の「父と暮らせば」は、麦人氏が惚れ抜いた作品でありながら、こまつ座初演のトラウマから長く手をつけられずにいたという。ようやく最終公演として企画を決めた後、井上氏の訃報が届いたとのこと。
原作が素晴らしいことは言うまでもないが、本公演のすべてが素晴らしく、大変感動した。会場スタッフの皆さんの心からの笑顔と誠実な応対も忘れられない。そして、あえて終演後に手渡されたパンフレット。出演者、スタッフたちのこの作品への思いがしたためられているが、どの文章にも胸を打たれた。特に、麦人氏と共に演出を担当された伊藤勝昭氏の文章には涙を禁じえなかった。伊藤氏はこの芝居のヒロインと同じような辛い体験をされている。65年たっても死者の叫びはいつまでも心の奥底に残っているのだということ。

ネタバレBOX

MOMOでこんなに本格的で凝った舞台美術を見たのは初めてで、会場に入るなり、席を決めるのも忘れて見入ってしまった。担当したのは加藤ちかさん。第三エロチカ出身で井上作品に触れる機会がなかったというが、渾身で取り組んだという言葉どおり、素晴らしい舞台美術だった。赤錆びたトタン屋根の下、美津江の愛着ある台所が見事に再現されていた。
映画や舞台でこの作品をご覧になったかたも多いと思うのでストーリーについては詳しくは触れない。
娘の美津江(安藤みどり)が勤務先の図書館で出会った、原爆史料を収集している木下青年へのほのかな恋心を知り、原爆で亡くなった父親の竹造(麦人)が美津江の目前に現れる。美津江の恋を応援したいと言うのだ。しかし、原爆で父を失い、同級生のくれた手紙を拾おうとして灯篭の蔭にかがんだため、九死に一生を得た美津江はショックから抜け出せず、自分には幸せになる資格などないと頑なに思い込んでいる。美津江の野菜を刻む包丁の響き、竹造が擂鉢で作るじゃこみそなどに温かな家庭の雰囲気が伝わり、2人の会話から何ともほほえましい生前の親子関係が伺える。井上氏のことばの響きの美しさに圧倒された。美津江は女学校で昔噺研究会を作っていたが、いまも図書館で子どもたちに昔噺を読み聞かせ、昔噺はできるだけ伝えられているものを忠実に話すことを旨としている。朗読の稽古をしている美津江に、竹造が美津江が木下から預かっている原爆の遺物、熱で溶けたガラス瓶や原爆瓦などを小道具に使い、「広島の一寸法師」を勇ましく脚色して話そうとする場面は、美津江の心情を思うと胸をえぐられるようだった。いまも後遺症と爆弾投下のトラウマにおびえる美津江に、竹造は「ヒロシマの人にはどんなことを言っても・・・」と肩を落とし、美津江に謝る。このあたりに「芸術表現において原爆をいかに扱うべきか」という作家としての井上氏自身の真摯な思いがみてとれ、考えさせられた。直接被爆した世代の人々がこの世を去った時代となったら、はたしてこの真摯な思いは演劇表現の分野においてもどれほど理解されるのかを私は危惧する。「原爆をタブー視してはいけない」という考えだけが独り歩きしない保障があるだろうか。
同級生は惨い姿で亡くなっており、その母から生き残ったことを責められたとき、美津江はどんなに辛かったろう。木下から預かっている部屋の時計や瓶などの原爆の遺物、庭の焼け爛れた石地蔵の頭も、我々は「そういうものか」と思って見るかもしれないが、美津江にとっては辛い記憶そのものなのだ。自分も現地の平和資料館で遺物の現物を見ているが、「物」が伝える力というのは凄い。
親子の別れは普通でも辛いものだが、「こうような別れが末代まで二度とあっちゃいけん」と言う竹造の台詞にテーマが集約されている。父との対話を重ね、美津江は明日に向かって歩き出すことを決意する。史料を運んできた木下のトラックの響きに心に灯がともるような明るさがあった。
安藤さんの美津江役がとにかく素晴らしい。俳優座にこういう若手女優が育っていることが嬉しくなった。若い頃の有森也美に似た雰囲気で、本当に戦時中の娘さんに見えた。中学のとき広島に住んで原爆について話を聞いた経験があるそうで、やはりそういう経験は役を演じるにあたって重要だと思った。竹造を熱演した麦人さんは、生前そうであったと思わせるひょうきんさや洒脱味がよい。
<世界五十四億の人間の一人として、あの地獄を知っていながら、「知らないふりをする」ことは、なににもまして罪深い。>という井上氏のメッセージを重く受け止めて、この作品に全力で取り組んだという麦人さんに大きな拍手を贈りたい。もちろん、公演にかかわったすべての人に。とても小規模な公演だけれど、観終わって心から「ありがとう」と言える公演でした。
サーフィンUSB

サーフィンUSB

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★

○○なUSB
最近、Twitterでも舞台関連いろいろ知れるかもと、
見だしたときに某有名映画監督さまが「 もう何度か観に行きたい。」
と書かれていて気になって気になって。
ネットサーフィンしまくって、
何日か悩んで、仕事をすごい早さで片付け(笑)当日券で観ました。

まず舞台美術がすごい!なにしろすごい。
これには文句のつけようがない。これだけ見れただけでもイイかも。
こういうプロの仕事はワクワクします。
日本の未来はこんななのかな。

サーフィンなるほどね。
こうやって見せるのかと関心しながら、
たわいもない、でも掛け合いがたのしく思わず笑ってしまう
バカバカしい会話が続き、、
でもちょっぴり眠たくなったり、、。

USB、、そんなとこに(笑)
ダウンロード、ダウンロード、、、?????

あっと言う間に時間が過ぎ、、、終わってしまった。
最後はさっぱりしていたかも。

でも満足。けっこう笑ったし、おもしろかった!
確かにもう何度か観たいかも。次も観てみないと。

過去のDVD♥ 買って帰りました。

ネタバレBOX

水没したTOKYO。廃墟が立ち並ぶ。
遠くに守られたドームの中にキラキラ輝く秋葉原CITY。
近未来は温暖化がすすんだらこんなになるのかなぁ。

本当によくできたセット。
廃墟の上からサーフィンをしに飛び込む。
脚を滑らして海に落ちる。ドボンと。
下部1500mmくらいかな黒いもので隠されていて
その中にみなダイブする。
本当に水がビルの上部まできたかのような
英会話学校の看板も藻がついたり、
水がそこまできたラインがいくつも入っている。

廃墟の上から飛び込み自殺しようときたOL。
つぎつぎとサーファーたちが海から上がってきて
(本当に海からあがった感じがよくでてる)、
自殺しようとしたOLに気づき、彼らは死なないように
説得していく。説得過程の会話がテンポよくすごく楽しい。
彼女は「サーフィン教えてくれたら死なないと」
なかなか信じてもらえず何度も何度もお願いをして、
彼女もサーファーに。

上の階には謎の伝説のサーファーも。
向かいの英会話学校の看板には人魚がなぜか醤油をもらいに
やってきたりもする。薄汚れていて微妙な人魚である。
みんな仕事に就かずサーフィン、ファーストフード。
ゆるーく楽しく。会話が自然に楽しくすすんでいく。
ファーストフードがなんてったてスローフードだし。
彼女もサーフィンに没頭。
いつしかストイックなサーファーに。

そんな折、
秋葉原CITYからサーフィンの下部に “ 巨 大 ” なUSBが付いた
「サーフィンUSB」をもって営業しに2人組がやってくる。
この二人はきちんとスーツを着ている。
サーファーたちに説明をするのだがみんなチンプンカンプン。
サーフィンしている映像をUSBに取込んで、
ユーザーが気に入ったものをダウンロードするらしい。
この説明が睡魔を襲う。。

となりのビルのネットワークが生きていた事で、
巨大ビジョンに画像が。ダウンロード数も発表。
がぜん能天気にたのしくやっていたサーファーが、
ダウンロード数を稼ぐために大けがをして血まみれで
あぶない海から上がってくる。
だんだんダウンロード数を稼ぐためにおかしくなっていく。

サーファーになった彼女は元秋葉原の社員で、ひとり冷静で
このUSB企画にはのらない。アナログの良さをとく。
彼らがサーフィンにのって貯蓄したDATAも彼女の削除で水の泡に。
デジタルDATAは、なくなる時はあっと言う間。
元にはもどれない。完全消去なのだ。

一瞬、絶望して、人魚になりたいとかわけわかんなくなる人も
いたけれど、人魚もしっぽがなんとパカッと外すとUSBになっていて。
営業だった一人はサーファーになってたなぁ。

なんだかんだでちょっぴり寝ちゃって、
その後も繰り返し特に何も変わらず。ダウンロード数もあがらず。
ゆるーく楽しく。会話が自然に楽しくすすんでいく。
気がついたら特におちなくゆるーく終わってしまったかな。

ゆるーくおもしろかったと思う。
すごい舞台美術が見れたし、これでイイのだ、私は。




また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2010/07/10 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

娯楽要素をバランス良く取り合わせた秀作
初演が20年近く前なだけに若干の青臭さ(笑)もあるが、等身大の凡人(?)ゆえに共感しやすい主人公が巻き込まれる事態のハラハラドキドキ、叶わぬ想いの切なさ、程良い笑いなど、娯楽要素をバランス良く取り合わせた傑作。
が、こうして往年の秀作の再演を観ると「何故に近作は…?」という感もひとしお。(失言気味?)

THE WHITE ISLAND

THE WHITE ISLAND

ダンスオペラ

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

子供向け、じゃない
片岡さんの作・演出とミジンコとおなじみメンバーのゲストを目当てに行ってきました。
客席のテンションは最初発表会状態でしたが、進むにつれて大人も子供も見入ってます。
見とれちゃうくらい素敵な子もいて、私は大満足。DVD予約できたらしちゃってたのになあ。充分に「観劇」の価値のあるすごくすてきな舞台でした。

片岡さんのまっすぐな語り口は子供たちにもまっすぐに届いて、もののわからないこどものために大人がわかりやすく簡略化したつまらない教訓とは全然ちがう。
もっとたくさんの人にみてもらえたらなあ。

ザ・キャラクター

ザ・キャラクター

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

野田さん、初めてでしたが、やっぱりすごいですね!
噂に聞いていた野田さんの舞台、立ち見で途中具合が悪くなったものの、後半ぐいぐい引き込まれ、すごいものを見せていただいた気がしました。その感想を絵にしてみましたので、もしよろしかったら見てみてください。→
http://blue.ap.teacup.com/chigusa/

楽屋

楽屋

The30’s

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ユニット結成15周年
初日に観るつもりが完売していて千秋楽の観劇となった。The30'sは30代でフリーで活動する4人の女優で結成したユニットで、今回は結成15周年記念公演。階段部分の壁にこれまでの公演の舞台写真が展示されていたが、最初は白黒写真で、当然のことながら全員若い!歳月を感じた。
実際にはメンバーは40代を迎えたわけである。オリジナル以外の原作のある芝居は今回が初だという。「原作の4人の女優」プラス6人の女優を加え、柱のある「楽園」の舞台構造を生かした演出。女優が演じたがる人気作品だけあって、演出や俳優によってまた趣が変わり、魅力的な作品で私はとても好きだ。

ネタバレBOX

「楽屋」のあらすじは、最近、別の劇団のレビューに詳しく書いたので、今回は省略します。
この公演は鏡を使い、劇場構造を生かしたセットで、さらに6人の女優を登場させたので、「楽屋」にいる女優がA(春日亀千尋)以外、実はもう亡くなっていて、姿は見えていても実は亡霊なのだということが伝わりやすかった。
女優C(松永麻里)は「斬られの仙太」の場面を笑いを抑えて演じ、むしろ首にためらい傷がいくつもあり、いつもは凄惨な影のある印象の女優B(深水みゆき)のほうに明るいバイタリティーが感じられたのが、面白かった。
女優D(越智絵里花)は、Aと争って倒れる場面で血糊を使うことで、より負傷の重さが伝わり、次に出てくるとき、亡くなっていることがわかりやすかった。ほかの演出で観たときは昏倒しただけなので、亡くなったかどうかが初見ではわかりにくかった。もっともこの芝居は、事前にあらすじを読まなければ4人の女優が亡くなっているかどうか気づきにくく、そこが面白いところでもあるのだが。女優DはAのプロンプターを務めていた後輩の若手女優という設定で主に若い女優が起用されるが、越智の場合は年相応に見えるし、声は若くつくっているが堂々としているので、安定感がある反面、多少違和感があった。
女優Aが女優という職業への心情を吐露する場面は、さすがに年輪が出て、言葉の重みを感じた。今回はこの場面で赤い照明を使い、清水邦夫作品らしい雰囲気が感じられた。帰るときにドレスに着替える場面は、どの公演でも女優Aの艶やかさを見せるところだが、今回、かなりセクシーな衣裳で背中のファスナーが長いためか閉まりにくく、何度も閉め直したあげく、上が少し開いたままで出て行くが、これなどは演技ではなく、本当に閉めにくかったようにみえてハラハラした。
ラストの「三人姉妹」の台詞を言う場面を3組9人で演じることにより、自然、台詞も長くなってインパクトがあり、「楽屋」が女優の亡霊たちのいるべき場所ということを印象付けた演出。森川真己子の澄んだ声と明瞭な台詞、ひときわ輝く美貌が目をひいた。さいたまゴールドシアターでも活躍している渡辺杏奴は「こういう年を経た亡霊もいるだろうな」と思わせるが、声量のないモタモタしたしゃべりかたが個人的には気になってしまう。
「亡霊たちはもし鏡に映った自らの姿に気付けば、その時にようやく、同じものを見ることができるのかもしれない」というパンフにある今回の演出家・原田一樹の言葉を表現したかのようなラスト・シ-ンだった。

15年も活動を続けているせいか、終演後の様子では観客のほとんどが劇団員の知り合いのようだった。当日は満席。開場前に受付を済ませてスタッフの指示通り劇場外の列に並んだが、開場されると受付を済ませていない客が列を無視して先に階段を下りて受付に行き、「○○さんに券頼んであるわよ」とか言って清算してそのまま入場してしまう。整理券を配るかどうかは未定との事前の話だったが、列に並ばせても清算・未清算を分けないなら、整理券を配ったほうが良いと思う。この受付入場法には疑問が残った。入場すると後から来る知り合いのための荷物による席取があちこちで行われ、目の前で席がたちまち埋まっていき、戸惑う。能楽の会なども身内客が多いため、不在者の分の席取は主催者が禁じているというのに。アンケートも配布されるが「筆記用具お貸しします」の声掛けもなく、「今後の活動にさせていただくのでアンケートにご協力ください」というアナウンスもなし。身内しか来ないのでアンケートは重視していないらしく、会場を最後のほうに出るとき、スタッフの手元にも2枚程度しかなかった。たまには外部の客も来るのである。身内の常連客が多い劇団のスタッフワークの悪い面が出ていると感じた。
通りゃんせ

通りゃんせ

ユニークポイント

座・高円寺1(東京都)

2010/08/05 (木) ~ 2010/08/10 (火)公演終了

満足度★★★★

縁(えにし)-演劇を通した日韓交流
韓国語学校の韓国人男性教師と日本人の教え子女性が結婚することになり、箱根の温泉宿で親しい人たちを集めてパーティーを披く。登場人物が多いが、広い舞台を効果的に使い、立体感があった。
観客も参加した気分で、心温まるひとときを過ごせた。

ネタバレBOX

開演前から舞台にいて、いろんなしぐさを見せている2人の少女(宮嶋美子/金恵玲)。子どものように短い着物を着ているが、しごきの結び方を工夫し、宮嶋は和服、金はチマチョゴリ風に見せている。何度か見ている女優・宮嶋だが、小柄なので、一見、本物の子役かと思い、宮嶋だと気づかなかった。劇が始まると、黒子役になったり、登場人物と会話したり、この2人の遣い方がとても面白い。
物語が始まる前に、登場人物全員で「はないちもんめ」を始める演出がいい。会場となる箱根の温泉宿の主人・武田(平家和典)は新婦・知美(洪明花)のいる劇団の元劇団員で元カレ。宿の料理人の「鈴木さん(登場せず)」が体調を崩して急に来られなくなったので、女将の明子(高木直子)は対応に追われる。ピンチヒッターとしてアルバイト土屋(安木一之)の知り合いの自称「伝説のシェフ」星野(こちら役者名が鈴木義君 笑)が手伝いに来る。このシェフが怪しげで、化学調味料を平気で使うと言うので、鈴木さんの素材を生かした自然な料理に慣れた経営者夫婦は困惑する。
知美が若い娘ではなく、離婚歴があることから、新郎キム・ソンホ(金世一)の姉ミョンヒ(金泰希)は快く結婚に賛成したわけではなさそうだ。姉が「最初の結婚はどうして失敗したのか」と知美に面と向かっていきなり理由を尋ねたため、気まずい雰囲気になる。「思ったことはすぐ口に出し、疑問点をうやむやにはしない」という韓国のお国柄が出て、新婦より新郎が腹を立てる。
知美と同じ韓国語学校生徒で韓流ファンの香織(鈴木カンナ)は、新郎の友人で新郎の姉の夫と軍隊で一緒だったパク・ビョンホン(パク・ヨンホン)を見て、韓流スターとは似て似つかぬ容貌にガッカり。ハンサムなミョンヒの夫
(ホ・ジョンギュ)のほうにモーションをかけてミョンヒがヤキモキする。いまの日本にはない徴兵制度での絆が3人の男の会話から浮かびあがる。
もう一人の生徒・彩(久保明美)は、もうすぐソウルに帰るという韓国語学校教師ドンジュン(金成太)に好意を抱いており、ソウルでの再会を約す。劇団内恋愛禁止という劇団仲間たちの藤原(泉陽二)、小島(宍戸香那恵)楓(北見直子)の微妙な男女関係。子どもがなく、いまだに恋人気分の妹夫婦(古市裕貴・石本径代)。妻は夫のちょっとした行動にイライラするが、不妊治療にもう一度挑戦することを姉の知美に告げる。
旅館の料理は好評で、鈴木さんの引退の意向を受け、武田は正式に星野に料理人になってくれるよう頼み、星野は快諾する。武田は親から受け継いだ旅館の建物が老朽化し、思うようにいかない経営に嫌気がさしていたが、改めて経営に本腰で取り組む決意を固める。
このパーティーに参加していない知美の弟(中村祐樹)と恋人(生井みづき)の会話場面が挿入され、スパイスになっている。
舞台中央奥に天井から吊るされた色とりどりの紐が結ばれた美しい舞台装置が、多くの人間の「縁(えにし)」を描いたこの芝居のシンボルにもなっている。最後に前方に出てくるような仕掛けがあるのかと思っていたらそれはなかった。


Ryoma

Ryoma

ミュージカルカンパニーOZmate

六行会ホール(東京都)

2010/08/07 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★

楽しめたけど
最後までドラマチックな盛り上がりが感じられず、終始フラットな感じだった。当人たちは一生懸命演じているんだけどそれが客席に伝わりにくかったような・・・。時間ばかりが長く感じられて、観ていてダレてしまった。途中で休憩時間があったが、それをやめてもっと時間と内容を凝縮したほうがいい結果になるかも。役者が場内に降りて客と遊ぶのは悪くないが、東京は反応する人がもともと少ないので、これは省いたほうがいい。全般に個性的な役者が少ない、というかいない感じでどの人も同じに見えてしまった。最後に主宰から紹介されて気がついたけど、下手の奥で生演奏していたのはビックリした。

BARAGA-鬼ki- 再演

BARAGA-鬼ki- 再演

演劇集団Z団

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

世は戦国ばやり!
やはり戦国ゲームの影響でしょか、幕末もの公演が多い中、流石に魅せますZ団!
とにかく新鮮組がめっさ、カックいい。で、カックいいだけではありません。刀捌き、セリフ回し、更に立ち振る舞い、流石はプロですな。でもって、近藤勇(末吉司弥)のデカイこと!(・・;)大迫力ですわ。そうして、これらに彩る紅一点、お紋(真山奈緒)の女狐っぷりと堂々とした立ち振る舞い、更に刀捌きにも磨きがかかり、華を添えます。立ってるだけで絵になる。すんばらしい実力派です。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

主役は土方歳三役(根本正勝)、そしてお嬢役に蒼井そら(AV女優)。流石に幕末なので脱ぎません。笑
武士道を貫いた最後の侍、土方歳三の風雲録、史実をなぞった幕末フィクション。勿論、Z団特有のギャグありで楽しめる。芸術的な照明、腹の底から響く音楽で観客の士気も上げるという文句なしの舞台だった。ただ一つ、ふざけ過ぎた部分がちょっと目についた点が実に惜しい。

序盤から字幕つきの解説が何度か入り、観客に解りやすくさせる為の努力をしていたところは、やはり高評価でした。激動の時代を駆け抜け、味方だと思っていた藩が一転二転の寝がえりを繰り返し、最終的に薩摩藩と長州藩が手を組んで幕府に仕える新撰組の時代を終わらせたさまは、切なかった。

時勢に動かされながらも徳川の時代が終わりを告げ、それと同時に会津藩と新撰組は時代に取り残された申し子のようなものだった。「勝てば官軍、負ければ賊軍」のごとく賊軍扱いになった新撰組の最後の一人、土方に観客はどうしても感情移入してしまうが、それだけの魅力溢れるキャストでもあった。

音響担当の門田圭介は相変わらずの職人技でした。日本刀が風を切る時の音響とギャグを吐く場面での音響は絶妙で、いちいち関心した。日本刀に穴を開けて振る度にヒュン!と音が出る刀があるといいよね?あれが一番自然の音に近い。

余談ですが、ワタクシが一番ウケタのは二部前の休憩時間に、なんちゃってマイケルジャクソンが登場してパンフレットを売るシーン。ものすっごくマイケルにそっくりなのだけれど、何故か声はミッキーマウスだった。いあいあ、一人でウケまくって、ニヤニヤしてた。今回のヒットでした。

サード

サード

演劇実験室◎万有引力

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

体育会系なら客の健康にももう少し気をつかってほしい
たばこの煙はもちろんだけど、ろうそくを使ったときは、あの狭い空間では酸欠で倒れるんじゃないかと思うほど息苦しかったです。こういうことがあると芝居の内容はどうでもよくなります。7時開演なら6時半には開場してほしい。暑い日だったのに外で客を待たせる神経が理解できません。

ノクターンだった猫

ノクターンだった猫

ニットキャップシアター

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/09 (月)公演終了

満足度★★★

はんなりではなかった
初めて見せてもらいました。こういう作風なのか、と個人的好みとは違うのでちょっと失望(笑)。いきなり海の底を見せられて、ファンタジーかなと思いきや、ちょっと前にニュースで話題になった別れさせ屋が出てきたり、かと思えば笑いを狙ったり・・・・・。劇場の中で迷子状態でした。内輪ネタは、ズルイですね。それでうける客がいたということはニットキャップシアターの固定ファンなのでしょう。京都の劇団なのに・・・・。やはりそれなりの魅力があるハズ。ここは次回作に期待ということで・・・。

パーティーが始まる

パーティーが始まる

TOKYO PLAYERS COLLECTION

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★

空間が
王子小劇場は、毎度どんなセッティングになっているのかも楽しみになっているとはいえ、今回は舞台(?)が三角で、客と役者が近いという、かなり大胆な設定。

内面描写と現実の入り乱れ方と、役者と観客の位置関係の入り乱れ方が、現実と幻想をまぜこぜにしているようで面白い。

現実的であることの接点としての、大学生兼女優の卵の女性が、一見地味ながら話の要所をしめていてよかった。

infinity・インフィニティー翼を広げてー

infinity・インフィニティー翼を広げてー

OSK日本歌劇団

世界館(大阪府)

2010/08/07 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

見てきました!
期待通り!
ダンス主体の若い公演でした。

普段スポットライトを浴びない人たちも、これを機に自信を持ってどんどん前に出てきてほしいなと思いました。

月影番外地その2「ジェットの窓から手を振るわ」

月影番外地その2「ジェットの窓から手を振るわ」

月影番外地

ザ・スズナリ(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/13 (金)公演終了

満足度★★★

オーバーフォーティー
40過ぎの女子の話。それぞれ40年以上生きてきたキャリアがあり、生き方も性格もまったく異なっているが、なぜかひとつにつながってしまう。人生は40過ぎからが勝負

狂騒パレード

狂騒パレード

メッテルニッヒ

明石スタジオ(東京都)

2010/08/05 (木) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★

何かもったいない
個々のキャラクターは面白いのに、ストーリーを詰め込み過ぎて、消化不良を起こしている感じです。浅く広くやっているようで、いまひとつつかみどころがない。何かもったいない気がします。

2001年-2010年宇宙の旅

2001年-2010年宇宙の旅

東京デスロック

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ 水の広場特設野外ステージ(埼玉県)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

2010年の夏目慎也は、スターチャイルドになったのか?
やっぱり東京デスロックは面白いじゃないか!
富士見まで行ったかいがあるってものだ。

野外の使い方と取り込み方が、物語においても秀逸。

ネタバレBOX

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみの池の中に設置された舞台で行われた。
野外であるということをうまく活かし、さらにそれらの要素の取り入れ方も見事だ。
演出で時々打ち上げられる花火(音だけでなく火薬の香りも人類の歴史にとって不可欠)や車のエンジン音、そして野外の空気感までも舞台装置として取り込んでいた。
台詞によって、その状況を逐一取り込むというのも面白い。

ヒトザルから人類への数百万年の歴史と、2001年から2010年までの歴史。人類の歴史の中で、象徴的に「コトバ」にしてすくい上げられた「歴史」と、個人の「歴史」のパースペクティブ感が素晴らしい。

改めて「歴史」は「コトバ」にして切り取る以外、手にすることができないものであると感じる。歴史として残るのは、コトバにして加工された事実と言われるものでしかない。その曖昧さの上だけに歴史はあるのだ。だからいくらでも意識的、あるいは故意に歴史は刻むことができる。と言うより、意識的、あるいは故意にしか歴史と呼ばれものは存在することができない。

その意味で、「ヒトザルは、コトバを手にして歴史を手に入れた」(概ねそんな意味の・笑)は名台詞。

個人と世界の境界が曖昧になっていくのは、野外の劇場が劇場と世界との境界が曖昧になっていくのに等しく感じられ、まさにこのテーマとマッチした舞台がそこにあったと言っていい。

個人の歴史はそこはかとなく、(小さな)哀しみがある。世界(社会)の歴史にも、(大きな)哀しみがある。哀しみに大小なんて実はなく、単にそれが「コトバ」によって連綿と連なっているだけ。

夏目慎也の住む風呂なしの部屋の裏には、連なる世界の歴史が見え、人類の歴史も連なっている。当然と言えば、あまりにも当然な事実なのだが、それは。

本日のゲストは、2001年に生まれた希宇(きう)くん。ちょっとあざとい(笑)ゲストの選定だが、これも見事。さすが!

かくして、東京デスロック立ち上げから10年の重しを脱ぎ捨てた、2010年の夏目慎也は、下北沢風呂なしのアパートに住む、スターチャイルドになっていくのだった。ん? そうなのか?

モノリスという存在がヒトザルから人類への橋渡しをしたのであれば、夏目慎也がスターチャイルドになっていくのための「モノリス」は、実は「東京デスロック」だったというオチでもあるのだ。
モノリスで一瞬にして「試された」ヒトザルと同様に、「東京デスロック」というモノリスで10年かけて「試され」「変化」していった夏目慎也というヒトザルの物語でもあった。「演劇」という「道具」を手に入れたヒトザル(たち)なのだ。

それはまた、私たちも同様で、宇宙の歴史からは、ほんの一瞬の時間という曖昧な軸の中にあって、何らかの「道具」を手に入れ、宇宙にとって、あるいは人類にとっての「変容」を続けているにほかならないということなのだ。変容には大小の概念もなく。

うんと未来に、われわれが肉体を脱ぎ捨て、感情だけの存在になったとしても、たぶん「演劇」という概念は存在し得るというメッセージも込められていたようにとらえた。スターチャイルドがいるし(笑)。

ラストで全員が池の向こうへ遠ざかり、その後の静寂は、なんて美しいんだろうと感嘆した。野外の空気も味方にした一瞬でもあった。

そして、2010年以降の夏目さんは、犬を2回飼うらしいのだが、その歴史の中に、「風呂付きの部屋に引っ越した」と「青年団に受かった」の2つは入れてほしかったと思うのだった。

それにつけても、多田淳之介さんは、夏目慎也さんLOVEなんだなぁ(笑)。
確かに、夏目さんいいよなぁ。
自称女優

自称女優

江古田のガールズ

「劇」小劇場(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

導入の勝負
幾重にも層を重ねていく構造のお芝居を
ばらけさせることなく、
しっかりとひっくり返し続けた役者の力には
感心しました。

ただ、最初の部分の構造が
もう少ししっかり作れていればと
感じました



ネタバレBOX

後半から終盤にかけて
あれよあれよとひっくり返っていく展開には
見応えがありました。
役者の踵を返すようなお芝居も
乱れがなく切れを持っていてぞくっとくる・・・。

ただ、劇中劇の位置づけに変化していくとはいえ、
冒頭の下地となる物語が、
いろんな意味でちょっとラフに過ぎる感じ。
後から浮かんでくる説明的な伏線が
あざとく感じるところが何か所かあったり、
ストーリーとして貫かれていない部分もあって。

お芝居的には、冒頭の部分が結局仮住まいのようになるので、
「綿密に作りすぎてもねぇ・・・」みたいな感じがあるのは
わかるのです。
ただ、仮住まいのなかでも、劇団側が守ろうとしていることの
動機付けがなんともいえず弱くて違和感が残る。
ここがもっと鮮やかに作られると、
きっとベースになるものに巻き込むような力が生まれ、
そのクオリティが
終盤で舞台に起こっていたことがなんだったが明かされるときの、
その「女優」の
想いと現実のさらなる落差を作ってくれるように思うのです。
劇中劇団は、
役者たちなども普通に上手い印象が舞台からやってくるので、
よしんば仮住まいのピースであったとしても、
その部分がしゃきっとしていれば
観客がさらに、しっくりと深く戯曲の構造に入り込んでいける
感じがしました。

そうは言っても、前述のとおり
中盤からの物語の返し方には勢いがあって
惹きこまれました。
役者の力ががっつりと生きる。
物語の観点が変わった時に
舞台上に設定の乱れがなく
もたつきや矛盾が上手く回避されているし、
役者一人ずつがかっちりと色をかえてくれるので
観る側がそのままのっていける。

シーンを作る力量があるから
シーンの意味合いが一気に変わっても
バランスを崩さないで
その世界がすっと成り立つ。

いくつもの場面から女優という人たちの「業」が
滲みだしてきて
その感じがとても良い。
どこか泥臭く戯画的ではあるのですが、
塗りつけられるような感触というかある種の臭みが
舞台自体の虚飾になじんで
コアにあるものが
観る側に押し込まれるようにがっつりと伝わってくる・・。

そう思い返していくと
劇中劇の物語設定のあいまいさが
とてももったいないと思えてしまうのです。

○●●□




自称女優

自称女優

江古田のガールズ

「劇」小劇場(東京都)

2010/08/04 (水) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★

私にはちょっと…
合わなかったです。すみません。たぶん自分にはくどすぎだったのでしょうか。展開の持って行き方や演出が強引な感じがしてから、一歩引いた目で見ていたように思います。周りのお客さんの反応が上々だったのもあり、「おかしいのは自分だけなのか?」と思ってしまい、なんだか淋しかったです。劇場でこんな強烈な孤独を感じたのは初めてでした。

ロックンロール

ロックンロール

ホリプロ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2010/08/03 (火) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★

白が似合うのは蓮舫議員だけじゃない!!
黒谷友香さんは白が似合う!!

売春捜査官のときの白いドレスは素敵でした!

今回の胸の谷間を強調した白い服にジーンズ姿、スタイル抜群!最高!!

ネタバレBOX

主役はヤンでした。すなわち、武田真治さんが主役だったは驚きでした。てっきり市村正親さんが主役とばかり思っていました。

最後、エズミが幸せになれて良かったです!

秋山菜津子さんと前田亜季さんの親子関係が、後半世代が変ったのには戸惑いました。死んだはずなのに、幽霊になって戻ってきたのかと思ってしまいました。ま、すぐ気付きましたが。

映像を使った場面転換が素晴らしかったです。スクリーンが下りる前にいきなり映写してもイケますね。その後スクリーンが下りて回り舞台が回る。暗転してからスクリーンが下りて映すよりも、いきなり映写はスピード感が感じられます。

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