通りゃんせ 公演情報 ユニークポイント「通りゃんせ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    縁(えにし)-演劇を通した日韓交流
    韓国語学校の韓国人男性教師と日本人の教え子女性が結婚することになり、箱根の温泉宿で親しい人たちを集めてパーティーを披く。登場人物が多いが、広い舞台を効果的に使い、立体感があった。
    観客も参加した気分で、心温まるひとときを過ごせた。

    ネタバレBOX

    開演前から舞台にいて、いろんなしぐさを見せている2人の少女(宮嶋美子/金恵玲)。子どものように短い着物を着ているが、しごきの結び方を工夫し、宮嶋は和服、金はチマチョゴリ風に見せている。何度か見ている女優・宮嶋だが、小柄なので、一見、本物の子役かと思い、宮嶋だと気づかなかった。劇が始まると、黒子役になったり、登場人物と会話したり、この2人の遣い方がとても面白い。
    物語が始まる前に、登場人物全員で「はないちもんめ」を始める演出がいい。会場となる箱根の温泉宿の主人・武田(平家和典)は新婦・知美(洪明花)のいる劇団の元劇団員で元カレ。宿の料理人の「鈴木さん(登場せず)」が体調を崩して急に来られなくなったので、女将の明子(高木直子)は対応に追われる。ピンチヒッターとしてアルバイト土屋(安木一之)の知り合いの自称「伝説のシェフ」星野(こちら役者名が鈴木義君 笑)が手伝いに来る。このシェフが怪しげで、化学調味料を平気で使うと言うので、鈴木さんの素材を生かした自然な料理に慣れた経営者夫婦は困惑する。
    知美が若い娘ではなく、離婚歴があることから、新郎キム・ソンホ(金世一)の姉ミョンヒ(金泰希)は快く結婚に賛成したわけではなさそうだ。姉が「最初の結婚はどうして失敗したのか」と知美に面と向かっていきなり理由を尋ねたため、気まずい雰囲気になる。「思ったことはすぐ口に出し、疑問点をうやむやにはしない」という韓国のお国柄が出て、新婦より新郎が腹を立てる。
    知美と同じ韓国語学校生徒で韓流ファンの香織(鈴木カンナ)は、新郎の友人で新郎の姉の夫と軍隊で一緒だったパク・ビョンホン(パク・ヨンホン)を見て、韓流スターとは似て似つかぬ容貌にガッカり。ハンサムなミョンヒの夫
    (ホ・ジョンギュ)のほうにモーションをかけてミョンヒがヤキモキする。いまの日本にはない徴兵制度での絆が3人の男の会話から浮かびあがる。
    もう一人の生徒・彩(久保明美)は、もうすぐソウルに帰るという韓国語学校教師ドンジュン(金成太)に好意を抱いており、ソウルでの再会を約す。劇団内恋愛禁止という劇団仲間たちの藤原(泉陽二)、小島(宍戸香那恵)楓(北見直子)の微妙な男女関係。子どもがなく、いまだに恋人気分の妹夫婦(古市裕貴・石本径代)。妻は夫のちょっとした行動にイライラするが、不妊治療にもう一度挑戦することを姉の知美に告げる。
    旅館の料理は好評で、鈴木さんの引退の意向を受け、武田は正式に星野に料理人になってくれるよう頼み、星野は快諾する。武田は親から受け継いだ旅館の建物が老朽化し、思うようにいかない経営に嫌気がさしていたが、改めて経営に本腰で取り組む決意を固める。
    このパーティーに参加していない知美の弟(中村祐樹)と恋人(生井みづき)の会話場面が挿入され、スパイスになっている。
    舞台中央奥に天井から吊るされた色とりどりの紐が結ばれた美しい舞台装置が、多くの人間の「縁(えにし)」を描いたこの芝居のシンボルにもなっている。最後に前方に出てくるような仕掛けがあるのかと思っていたらそれはなかった。


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    2010/08/09 15:37

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  • tetorapackさま

    コメントありがとうございます。tetoraさんのところに返信させていただきます。

    2010/08/11 11:24

    きゃるさん

    めずらしく、自分のを書く前に、今回は読ませてもらっちゃいました。いやー、完璧な筋の記述。なので、自分は「物語は、先にコメントされた、きゃるさんをご参照のこと」とさせていただき、感想だけにさせていただきます。これ以上、うまくは書けないから。

    とりあえず、これから自分のを書きます。

    2010/08/10 22:08

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