これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
演出家の頭の中を覗いてみたい。
なによりまず舞台装置が素敵で、照明も上手く作ってるなぁ…と。主役の俳優さんの雰囲気もなかなかいないタイプで、お芝居の空気感は全体でシッカリ統一されていたのではないでしょうか。ただ僕的に「ドキッ」とする部分はあんまりなく、ちょっとモヤモヤ。単純に好みの問題だとは思いますが…「ドキッ」としなかったのは年のせいなのかなって思ってチョット凹んだりもしました(苦笑)。でも、この世界観を理解して演じた役者さん達と、そして理解させた演出家はホント凄いなぁ…。演出家の頭の中を覗いてみたい。とりあえず、一度は観てみて損のない劇団さんだとは思います!
レッドクリフ-戦-
劇団EXILE
青山劇場(東京都)
2011/08/13 (土) ~ 2011/08/24 (水)公演終了
満足度★★
ダンスはカッコいい!
カーテンコールでMAKIDAIさんが躍ったダンスがカッコよかったです。陣内孝則さんがカーテンコールで咬んだ言い訳をして笑いをとってましたが(そこは面白かったんですけど)正直セリフを全然言えてない感じで、陣内さんちょっとガッカリでした。
Nazca -ナスカ-
劇団銀石
吉祥寺シアター(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
難しいですね、色々と。
舞台セットはとても素晴らしく、音楽も良かったです。けれど肝心の物語の方が少々ゴチャゴチャとしていて、なんだかうまく消化することが出来ませんでした。
才能ってそんなになうまく混在しないんだなと思いました。
アイデアは良かったんですけどね、それを整理するところでつまづいた感じでした。
ネタバレBOX
次回に期待です。
吉祥寺シアター好きです。
近くの武蔵家も好きです。
キャベチャーが好きです。
Nazca -ナスカ-
劇団銀石
吉祥寺シアター(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
沢山の素材を盛り込み過ぎでごった煮の感
すでに多くのユーザーに語られてしまっておりますが・・・
ナスカ、地球儀、宇宙、星座伝説、少年期ならではの空想癖、天文学、過去の天動説と地動説の対立、古き良き日本の家族・風景、セミ、病気の女の子、
赤紙による召集、戦争、特攻・・・、と、ある意味どれもが魅力的な素材だが、
あまりに盛り込み過ぎで、逆にどれもがかすんでしまった感。
特に、ナスカと言えば地上絵だが、たしかに舞台上にそれを思わせる線が
描かれていたり、あとでロープで線を描くシーンも出てくる。
しかしまあ、それだけで、かなりの上空から見ないと絵として見えない
ナスカの地上絵(もっともこの芝居ではそこまで言われていない)は、
宇宙に向けたもの…として、宇宙や星につながることを
否定するわけではないが、逆に宇宙を語るのなら、
ナスカを引き合いに出さなくても良いのでは、と思える。
さらに、この芝居の舞台は日本なの?ナスカなの?…というのも疑問。
(天動説との論争でヨーロッパも出てくるが。)
日本風景やセミ(日本のように美しく鳴くセミは独特らしい)、
まして赤紙・特攻となれば、完全に日本が舞台に感じられてきて、
これなら別にナスカでなくて知覧でもいいんじゃない・・・と思えたり。
それに時代も、戦前戦中かと思えば、宇宙的なシーンは現代風の衣装だし、
現代と過去を行き来していることを思わせるわけでもない。
そういうわけで、魅力的な多種の素材を盛り込み過ぎてしまって、
どれもがぼやけてしまったし、
いつの、どこの話かもよく分からなくなってしまったのは残念。
でもまあ、それぞれのシーンをオムニバスのように思えば、
そこそこ面白いシーンもあった。
それから、ピアノはライブ演奏で、時に風鈴なども鳴らしていた。
ライブ演奏と言えば、同じ会場で観た「チャイムが鳴り終わるとき」も、
ギターの生演奏が大変効果的であったことを思い出してしまうのだが、
この日は、ピアノの他に録音音源も使用していて、
それに合わせてピアノが弾かれていることも多かった。
しかし、これをやると、どうしても録音側に合わせざるを得ず、
結果、ライブの迫力は半減してしまうのですよね…。
なお、私は最前列の席が指定され、
たしかに役者の息遣いや迫力などは、とてもよく感じられるのだが、
冒頭の幕に描かれた絵柄や、舞台中央にある奈落からの階段を使って
人物が現れるシーン、そして照明の効果など、
おそらくもう少し後ろで観た方が効果的に思えるのではないか?
と思えた。
コント・エクスペリエンスの会
avex live creative
シアターサンモール(東京都)
2011/08/17 (水) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
コントを通じて新しい体験が得られるか?
10数個の単発 コント集でした。
その場でたくさん笑えれば良いのです。笑った質と量の積が私の満足度になります。今回は・・・
ネタバレBOX
良かったコントは、
1) 日本を卒業(第1部)
卒業式の思い出振り返りイベントとして、日本の思い出(歴史)を振り返っていく発想がいい。その時のコメントもかなり笑えました。
2) SMクラブ
SMクラブの女王が環境問題を真面目に語りながら男をいたぶるというミスマッチが、違和感から大笑いに変わりました。
残念なのは、映像のみのショートストーリーです。バリエーションの一つかもしれませんが、ライブを観に行っている私としては無い方が良いです。
笑った質と量の積が私の満足度になります。笑いは個人差も大きいと思いますが、私にとって今回は質も量も物足りなく感じました。
初めての企画でしかも初日であり、出演者の皆さんも不安の中手探り状態であったのでしょう。ただそれが私には伝わってきてしまって残念でした。今後に期待します。
青山君よ、家が明けたら夜に帰ろう
コーヒーカップオーケストラ
シアター711(東京都)
2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了
満足度★★★
楽しめました
ダラダラでノーテンキに楽しめた芝居でした。くだらないと自虐的に言いながらも、ネタを絞り出す製作陣の努力を感じます。しかし細井さん実にカワイイ。
増殖にんげん
ぬいぐるみハンター
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
増殖おんな観ました
大道芸人のパフォーマンスを観ているような感覚。芝居を観るというより、気にいった女優さんを間近に見て楽しむといった趣向ですかね。ジロジロ見過ぎて変なオヤジと思われてると、自意識過剰になりますが。
増殖にんげん
ぬいぐるみハンター
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
増殖おんな
面白かった。
確かに舞台も客席も無く立ち位置を間違えると役者さんにぶつかりそう。
突然質問されたり飴玉を貰ったり、舞台の一部になっていた。
こんなに間近で観ると今までに無い不思議な感覚になる。良い経験でした。
えみりーゆうなさんのカタコト日本語芸は相変わらず上手くてハマっていた。
これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
これはもの凄くナイーヴ
になりそうな話なわけで、語り口とか、取り立てて新鮮味はないものの、爽やかな感じになれそうな雰囲気はあったりするのだけれども、「あぁぁ」なんて思ってしまったところも結構あったりしたわけで、あとやっぱり、学生さんだからというわけではないだろうけれども、思い切りが悪いというか、なんか「照れ」なのか、そうした印象を受けてしまったけど、まあ今後は期待してもいいかななんて思って、ナイーヴで期待、略してナイーヴ期待。
ネタバレBOX
主人公のすやまが出てきて、一言二言しゃべって、演技らしきことをして、「ああこれは」と思ってしまった。
それはいい意味の「ああこれは」である。彼がうまいのか演出なのかは知らないが、もうこれは相当ナイーヴな話になるなと予感した。
結局そうなっていくのだが、その「ナイーヴさ」は、彼の(舞台の上での)キャラクターに負うところが多いと思う。
「声」と「風貌」が多くを語ってくれる。
彼を観るための舞台ではないか、と思ったほど。
彼、すやまは、イコール戯曲の作者ではないかと思った。
つまり、相当ナイーヴな人が書いているのではないかと思ったわけだ。
そういう人が書くから「照れ」がある。「いっちょシュールに決めてやろう」と思っても、「照れ」が出てしまう。
それが役者にも伝わったのではないだろうか。演出とかで。どうもそうした「照れ」のような、たとえれば、ハンドブレーキを解除するのを忘れたまま運転しているような、ブレーキ感が残るのだ。
そんなブレーキ感は、意図していないのであれば、当然気持ちは良くない。
物語は、3.11以降、こんなストーリーが多くなったな、という印象そのままのもので、失礼な言い方をすれば「まあ、こんなものかな」だ。
メルトの設定とか、自分世界と他人世界とのかかわり方とか。
正直言えば、そこの設定に、もっと切実な、今の自分たちしか感じ得ない何かがあったのではないかと思うと、少々もの足りなくもある。
とは言え、きちんとまとまっていて、伝わるものがあったのは確かではある。
それと、劇中にシュール的な、たぶん(作者が)「面白いだろうと思っていること」を、いろいろ入れてきたが(例えば、通過するだけの人とか、揃ったポーズとか、そんないろいろなこと)、どれも面白くなかった。唯一笑ったのは扇風機の名前ぐらいだった(物語の展開からするとリスペクトしてる? 演劇のアイコン?)。これらは精査した上で、ブラッシュアップするか思い切ってすべて削ってしまえば、いい物語になったのではないかと思ってしまうほどだ。
これも、突き抜けてしまえば、ひょっとしたら、それはそれでカラーになったのかもしれないが、そのへんは微妙だ。似たようなカラーの劇団がひとつ増えるだけの結果になるもしれないからだ。
この劇団のことだけではないのだが、もうそろそろ、ゴクーとか、かめはめ波ーとか言って、面白いと思う感覚は捨てほしい。実際「面白くない」ではなく「つまんない」のだから。
若い、これからの劇団がそんなありきたりの、アニメとか映画とかに寄りかかってもしょうがないじゃないかと思う。
実際、そういうアニメだとか映画に、無自覚に寄りかかったモノを見て、面白かったことなんて一度もないんだから。
「あえて」それを使うというレベルまでには達していないと思うし。
自分で創造したモノだけで勝負しょうじゃないか、と思う。
役者は、冒頭に書いたとおり、すやまを演じた須山造さんが、今回の舞台のすべてだったと言ってもいい。このタイプのキャラクター以外をどう演じるのかは興味津々。えんを演じた加藤エンさん、あいんしゅたいんを演じた熊野善啓さんも健闘していたと思う。ただし、切れはイマイチだったが。肩幅おばけを演じていた下地尚子さんも変な空気を出していて印象に残る。
林先生を演じていた林剛央さんは、演出が悪すぎるのか、どうも間が悪い。これが演出の意図だったとしたら、役者はちょっと可哀想かもしれない。
いろいろ書いたが、全体的には「面白予感」に満ちていたので、役者も演出もみんながもっと本気に追い込み合って、どこかに突き抜けて行くことを期待したい。そうすれば相当面白い劇団になるのではないかと思うのだ。
「お前何様?」な偉そうな意見だけど。
リコリス ~夏水仙~
東京ストーリーテラー
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/08/17 (水) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
コーヒー専門店の
マスターっていい人なんだなあ。でも最近はそのような喫茶店に行ったことが無い私。
ネタバレBOX
西武ドームのすぐ近くの喫茶店リコリスを舞台にした話。ここまで場所を特定するのはなぜだろうと思いながらも、ま、どうでもいいかって。
なんかいい話過ぎました。それでも、マスターと酒屋の娘さん、その娘さんの友人の青年二人、この四人を中心にしたシリーズ物が出来るのではないかと思わせるくらいのチームワークの良さがありました。
ただ、喫茶店も酒屋も経営的には厳しい時代ですから、話全体が少し浮世離れしている感はありました。
Nazca -ナスカ-
劇団銀石
吉祥寺シアター(東京都)
2011/08/18 (木) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
天と地を結ぶのは「想い」。そして、飛んで行った人たちに「呼びかける」
アプローチがよさげな話だった。
役者もいい感じだし、舞台の使い方もいい。
が、しかし…。
ネタバレBOX
星座たち、ナスカ、そして家族へと、マクロからミクロに進んでいきながら、家族たちの、想像と妄想の世界という、さらにイメージのマクロへ広がり、さながらクラインの壺のような世界を舞台に見せてくれた。
ストーリーは面白そうだし、興味を持って観た。
開幕から舞台を大きく使った展開、気配を感じさせるキャットウォークなども駆使した演出も素晴らしい。
役者もいいなと思うシーンがいくつもあった。
また、チケットの代わりの封筒という小道具も憎い。大切なキーワードとなっていくからだ。
ピアノの生演奏もとても良かった。
しかし、私の心はまったく動かなかった。
何も感じない。
なぜだろう?
それは、まずは、「人が描けていない」からではないだろうか。基本となる一家、母、兄、姉、弟の4人のそれぞれがもっときちんと描かれていれば、感情移入もできたのではないだろうか。
さらに言うと、妄想物語の中心人物の2人、ウツセミ、モズの2人が、父親不在や病気というだけでなく、「なぜ妄想世界にそこまで深く入り込んでしまったのか」が丁寧に示されていたら、違った受け止め方になったと思う。
ここは結構大切なのではないだろうか。
各エピソードに対して、彼らがコミットしてくるのが少なすぎるのだ。もちろん、妄想世界が走り出してしまい、本人たちも預かり知らない、というのもわかるのだが、結局彼ら家族に戻ってくる話なのだから、そこは押さえてほしかった。
それと、彼らの兄であるトビタツも重要な役割を担っているのだから、彼は何を思っているのかが、きちんと伝わってくるとさらによかったのではないかと思う。
また、人数が多くなる場面では、必ずと言っていいほど、テンションが高くなる。それはいいとしても、その表現方法があまりにも一律すぎて、またか、と思ってしまう。それぞれのキャラクターに合った表現方法が必要ではなかっただろうか。
さらに言うと、「特攻」のエピソードはあまりにも安直ずきはしないだろうか。「戦争」で「特攻」って…。
せっかくの「セミ」というアイテムを活かすのならば、7日間の命と兵士の命を重ね合わせて表現するだけで十分ではなかっただろうか。
そんな要素で、感情を煽るのは、せっかくのこの物語に合わないと思う。話が横に逸れてしまったように思えてしまう。
それと「手紙」というキーワードをもっと有効に活用してほしかった。
「ナスカ」だから「地上絵」というアイテムは理解できるのだから、そこと「手紙」と「想い」と「呼びかけ」といういくつかのキーワードをきちんと整理して、観客に提示してくれれば、もっと伝わるものがあったと思う。
結局、物語の整理がきちんとされてなかったように思えるのだ。
それは、詰め込みすぎ、ということがある。
上に挙げたキーワードだけでもいろいろあるのだから、それをうまくまとめてくれればとてもよい作品になったのではないかと思うのだ。
天動説と地動説、どちらにしても、天と地を結ぶのは「想い」なのであり、飛んで行ってしまった者たちをしっかりとつなぎ留めるのは、地上にいる人の「想い」だけなのだ。
そういう、今回大切にしたい、伝えたい「想い」を「情念」として伝える、そうしたものが欠けていたのではないかと思うのだ。
役者は、ウツセミを演じた安藤理樹さん、アンドロメダを演じた熊谷有芳さんが印象に残った。
ハッピー・ジャーニー
劇団フライングステージ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/08/17 (水) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
とってもいい旅でした!!
ゲイだろうがそうでなかろうが色々な親子関係があって、ちょっとぎくしゃくしたりします。それでもみんなじんわりハッピーになれて良かったです!
ネタバレBOX
旅の途中であまりありそうもないハプニングが起こり、その度に人と出会い世の情けに助けられ、一期一会を大切にしながら心を通わせる、そんな描き方が素敵でした。
東京から仙台を経由して札幌まで、長丁場でしたが場面展開もテンポ良く進み非常に快適でした。
ゲイやレズの親の会があること、そしてパレードでおにぎりの提供などの支援をしていることを初めて知りました。自分の子供は亡くなったけど、目の前の参加者を見て子供が増えたと思えるあの親御さんに感激しました。
母親の気持ちを通じてゲイについて語る啓蒙的な場面もありましたが、自然な形で進行していて違和感はありませんでした。ただ、初見だったから感じなかっただけかもしれません。次のお芝居を観たときに、また同じような説明的な場面に遭遇したら鼻に付くかもしれないなとは思いました。
女優さんが一人登場されていてホッとしました。個人的にどんなお芝居でも男だけのお芝居はあまり好きではなく、紅一点でも紅二点でも女優さんが参加されているとなごみます。
新幹線の中で病気になった老人はおじいさんだと思っていました。なんでまたベンチに病気のおばあさんがいるのかと、ほんの一時ですが不思議に感じました。
これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★
胸キュン
良かったです!
何故か、ラスト胸にキュ〜ンとするものがあり、せつなさかな〜?
また、今日も観に行きます!
これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★
ちゃんと生きようとする
エリザベスの作品って、なんか自意識過剰で自己嫌悪しまくりでこの世のすべてを忌み嫌ってるひとりぼっちの男の子のぐちゃぐちゃーっとした思考回路が脳内から飛び出して散らばっちゃってるイメージがあるんだけど、そうやって自己防衛してきたフィールドから外側にある世界をみつめて、誰かの痛みを知ろうとする方向へ意識がすこし傾いていく。それだけでもかなり前向き。
ネタバレBOX
僕と幽霊の女の子との魂の交流を中心に学園内のなにげない日常や彼らをとりまく世界のことがやや自嘲的な日記を書き連ねるような趣で描かれていて。どちらかといえば無理がある設定もギャグとシリアスの往来に隙を与えず一気に加速させることで奇妙な説得力がもたらされていた。
だけど、ラブコメというには少々無理があったような・・・。
クラスメイトにしても、担任教師にしても、なんだかとても胡散臭くて、アンドロイドっぽいから、主人公の苦悩が生々しくて、真実味を引き立たせているようにおもえたけれど、あんまり意味がなさそうなギャグ的要素が強すぎちゃって、純愛におけるドラマティカルな要素だったり同じ場面が無限にループするようなダウナーな空気感が薄れてしまっていたような気がした。
耳の穴から入っていく砂の粒がどんどん肺に落ちていって窒息しそうになってる・・・なんて透明感のある詩的な表現もあったのに、太宰治の人間失格の一節をモノローグすることで、生きにくさへのイマジネーションが閉ざされてしまうような印象を受けた。また、僕と彼女の距離感だったり、息づかいををつたえるだけの時間がすこし足りない気がした。もっとずっとふたりのことを見ていたかった。
コメディのパートではショートコントや寸劇、CM、ドラマ、ゲームの1コマなどを巧みに取り入れパロディ化したギャグが種類も数も豊富で飽きさせないようなつくりになっていたので、笑いのツボは刺激させられっぱなしだったものの、ネタ見せ的な笑いも多くてちょっと辛かった・・・。苦笑
シーンごとに振り返ってみると林先生とメルトの戦いっぷりだったり、知的生命体としての平田オリザの存在だったりとエスプリが利いていておもしろかったところをおもいだせるのだけれども全体を通してみると、無為に100万回生きるよりもほんとうにすきなひとと一度だけ生きることがどれほど素晴らしいことであるか、そしてそれが叶わないことはどんなに哀しく切ない気持にさせるのか、っていう作品の肝になる描写が少し弱い気がした。なんだろう。人を好きになると『メルト』に感染して死んじゃうかもしれないけど、それでも好きでいられるだろうか。とかそんな感情の揺らめきというか燻るような焦燥感に突き落とされたり惑わされたかったのかも。
認められなくても、受け入れざるをえない運命と引き換え(受難)に、記憶とかすかなぬくもりだけが残るラストシーンは儚くて美しかった。
あなたをずっと見守っているから。ってメッセージはシンプルだけどすてき。
奥様お尻をどうぞ
キューブ
本多劇場(東京都)
2011/07/30 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ダイジェスト版がツボでした。
沢山笑いました。こういう舞台は好きです。
パイソニアンのKERAさんですから覚悟していましたが、ここまでモンティパイソンっぽいとは〜。映像までモンティパイソンだったから、よけいにモンティパイソンを観たくなりました。だって、センスの良さ・面白さはやっぱり本家のほうがぜったいだって、改めて思いましたから。
Sakura荘の夢
演劇サークルact
吉祥寺櫂スタジオ(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
無題91
きょうこさん...響子さんと同じ響き。ふらっとみに来ました。2日続けての吉祥寺で、ここは初めてです。サイトをみると「趣味のための演劇サークルです。メンバーは社会人と大学生で、決してプロではありません」とあります。その観点から少し気になったことなど。
ネタバレBOX
盛況(雨だから..ということではないと思いますよ)で、最前列の前に椅子席を設けていました。これはこれでいいと思いますが、最前列を選ぶにはそれなりの理由があるので、事前に追加席の可能性があることを告知すべきかと。当然、大幅に遅れてきたお客さんなので、すでに待っているほとんどのお客さんのために、手際よく対応してもらいたいなと思います。また、これはお客さんのほうですが、いつまでも平然と目の前に立っていられると興ざめ(どうも関係者の方のようでしたが...)、準備が整うまで待っていただくとか。
空調、効きすぎで相当寒いです。お芝居は「冬」という設定、お客さんは「夏」で着ているものが違いますが、これほど寒いなと感じたのはこの夏初めてでした。もしかしたら座った場所によるのかもしれませんが。
響子さんというのは、もちろん、めぞん一刻。語感を合わせたのでしょうか。住人の数だけやっかいごとがあり、それがお話しの幅を広げてくれます。となると、一癖も二癖もある人たちだといいんですけど、みなさんちょっとおとなしめ。結構、人数もいるので動きとか工夫されると、みているほうにも刺激となります。なんだか均等に(舞台上に)位置しているようにも見えます。
見えない人を見えるように、というのは難しいと思いますので、うまく話をつなげないととっかかりを見逃します。
同じ動作を繰り返すのはあまり関心できません。くどくならない程度に。
もっと季節感が出れば、と思うのですが、何故、夏ではないのでしょうね。
かみさまの匂い
東京マハロ
駅前劇場(東京都)
2011/08/11 (木) ~ 2011/08/17 (水)公演終了
満足度★★★★
ラストが怖いです。
お葬式から戻ったところから始まります。羊羹好きの誰かがなくなったようです。そして時は戻ります。昔のアニメネタで盛り上がるところから始まるのでふんわりしたホームドラマかと思ったら・・いえいえ、かなりハードでメロドラマ的な内容でした。
出演者のみなさまが皆すばらしくて、楽しかったです。
これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、
劇団エリザベス
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
新しい才能に拍手を!
学生芸術祭に参加する団体は、どの劇団も最優秀賞を目指すが、その中でもこの劇団エリザベス、どこよりも狙ってきているということが露骨にわかる劇団である。この公演に賭けているという気持ちがあらゆる面から伝わっきてむしろ気持ちがいい。
舞台美術のセンスがいい。宇宙をあらわしたオブジェと、扇風機とシンプルな台があるだけの美術なのだが、実に効果的なのだ。そして真ん中にちょっと歪んだ入口がある。ここから役者たちが登退場するのだが、あたかも異次元から登場し、異次元に消えていくように見える。ここら辺の作りが見事だ。
作品は(k.r.Arry改め)蔵ラ氏お得意のシュールさ満載の作りだが、何よりもイメージの美しさ、言葉の美しさは抜群だ。
役者では主人公のカップルを演じたすやま役の須山造と美希役の長谷美希が透明感あふれる演技で魅力的だった。特に須山造は彗星のように登場した新人で、彼しか演じられないピュアさがある。演技力で言うとまだまだだが、その存在がこの芝居を一段高めた。劇団エリザベスの隠し玉のようだ。
渚のはなし
Infinite
ザ・ポケット(東京都)
2011/08/16 (火) ~ 2011/08/22 (月)公演終了
満足度★★★
美しい女性多し
約120分。奇をてらった脚本・演出でなく、至極まっとうな舞台。
木下あゆ美、伊藤れいこが美しかった。特に木下のドレス姿は落ち着いていて素敵だった。
肥後は、笑い部分に大きく貢献していたと思う。また、ヒトの良い、懐の広いマスター役にあっていた。
演技は常連客役の山岸拓生が一番良かった。
ネタバレBOX
※配役表がなかったので、役者名で。(有料パンフあり)
肥後がマスターを勤めるスナックは、寂れてはいるがアットホームな雰囲気。そこに長谷部優演じる明るくキャバ嬢のノリをもった女が新人として働き出し、店の雰囲気も少しずつ変わっていく。大学院生でスナックに勤める木下は、よく言えば落ち着いたキャラで美人だが、いじめられて引き篭もっていた過去を引きずっていた‥。
いろいろなエピソードを交えつつ話が進むが、話の中心は木下と長谷部の関係にあり、木下が過去の呪縛から放たれ、素直に生きていくことにあると思う(長谷部は、いじめられていた木下を助け、色々と世話を焼いていたことが終盤明らかになり、そこで一気に想いが放たれる)。
ただ、ここがあまり劇的でなく、盛り上がりに欠けるように観えた。また、長谷部も複雑な家庭環境で成長したという背景があり、その苦悩も中盤示されるが、その後は特にそこに触れられることもなく終幕してしまったような気がした。
ここらへんのところをもう一段掘ってくれたらよかったなと。
決してつまらなくはなかった。
一千光年の引力
LIPS*S
萬劇場(東京都)
2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了
満足度★★
やはり難しい
やはりファンタジーは難しいと感じました。リアリティをどう表現するか・・・
現実とは違う世界を構築し、その中でリアリティや物語の必然性を追求する必要があるわけですが、本作では設定に幾つかの曖昧な点が見られました(詳しくはネタバレにて)。
役者さんは皆、若い方々のようですが、演出によるものなのか、セリフをただ言っているだけのように聞こえました。感情や雰囲気に合わせて間や調子を変えるといったことをしていないようですが、それでよしとされているなら致し方ありません。
その分、殺陣はよく練習されているようでした。
ネタバレBOX
例えば、ミコ (パンフを見るとやはり「巫女」。イントネーションが違っていたような・・・)の役割や立場がどうにも腑に落ちません。
近寄り難い存在なのかと思いきや、3人とも随分気さくなようですし、そこらに居る普通の人のように見えてしまいます。
司祭も、立場がよくわからないです。
アンドロイドがどこかで出てくるのかと思ったのですが、出てこなかった・・・もしやダンサーが皆、アンドロイドかとも思ったのですが、おそらく違うのでしょう。ダンサーは終始笑顔でしたが、場面によって表情を変えたほうが良いのではと思いました。