Nazca -ナスカ- 公演情報 劇団銀石「Nazca -ナスカ-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    沢山の素材を盛り込み過ぎでごった煮の感
    すでに多くのユーザーに語られてしまっておりますが・・・

    ナスカ、地球儀、宇宙、星座伝説、少年期ならではの空想癖、天文学、過去の天動説と地動説の対立、古き良き日本の家族・風景、セミ、病気の女の子、
    赤紙による召集、戦争、特攻・・・、と、ある意味どれもが魅力的な素材だが、
    あまりに盛り込み過ぎで、逆にどれもがかすんでしまった感。

    特に、ナスカと言えば地上絵だが、たしかに舞台上にそれを思わせる線が
    描かれていたり、あとでロープで線を描くシーンも出てくる。
    しかしまあ、それだけで、かなりの上空から見ないと絵として見えない
    ナスカの地上絵(もっともこの芝居ではそこまで言われていない)は、
    宇宙に向けたもの…として、宇宙や星につながることを
    否定するわけではないが、逆に宇宙を語るのなら、
    ナスカを引き合いに出さなくても良いのでは、と思える。

    さらに、この芝居の舞台は日本なの?ナスカなの?…というのも疑問。
    (天動説との論争でヨーロッパも出てくるが。)

    日本風景やセミ(日本のように美しく鳴くセミは独特らしい)、
    まして赤紙・特攻となれば、完全に日本が舞台に感じられてきて、
    これなら別にナスカでなくて知覧でもいいんじゃない・・・と思えたり。

    それに時代も、戦前戦中かと思えば、宇宙的なシーンは現代風の衣装だし、
    現代と過去を行き来していることを思わせるわけでもない。

    そういうわけで、魅力的な多種の素材を盛り込み過ぎてしまって、
    どれもがぼやけてしまったし、
    いつの、どこの話かもよく分からなくなってしまったのは残念。

    でもまあ、それぞれのシーンをオムニバスのように思えば、
    そこそこ面白いシーンもあった。

    それから、ピアノはライブ演奏で、時に風鈴なども鳴らしていた。
    ライブ演奏と言えば、同じ会場で観た「チャイムが鳴り終わるとき」も、
    ギターの生演奏が大変効果的であったことを思い出してしまうのだが、
    この日は、ピアノの他に録音音源も使用していて、
    それに合わせてピアノが弾かれていることも多かった。
    しかし、これをやると、どうしても録音側に合わせざるを得ず、
    結果、ライブの迫力は半減してしまうのですよね…。

    なお、私は最前列の席が指定され、
    たしかに役者の息遣いや迫力などは、とてもよく感じられるのだが、
    冒頭の幕に描かれた絵柄や、舞台中央にある奈落からの階段を使って
    人物が現れるシーン、そして照明の効果など、
    おそらくもう少し後ろで観た方が効果的に思えるのではないか?
    と思えた。

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    2011/08/20 11:23

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