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ハイヤーズ・ハイ

ハイヤーズ・ハイ

劇団ガバメンツ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2011/10/07 (金) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

クオリティ・ハイ!
クオリティ・ハイなコメディでした。
絶え間なく笑い、時々ドカンと爆笑。そして、気付けば目尻に涙。
芝居の後のお酒の美味いこと!
良い芝居に大阪も東京もありませんが、東京の人に「大阪の面白い芝居、観においで」と言える楽しみができました。
(私もガバメンツさんを励ませました?w)

ネタバレBOX

劇中劇が始まるまでの序盤が、ちょっと冗長かなとか、明らかに台詞を間違えた?とか。そんな細かいことが、どうでもよくなる。不思議な存在感があるガバメンツの面々、多彩で魅力的な客演人に加え、毎回ゲストの芝居も交え、笑いも力量の幅も、大増量でした。
陛下に届け

陛下に届け

ポップンマッシュルームチキン野郎

Geki地下Liberty(東京都)

2011/10/07 (金) ~ 2011/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高傑作ではないが、かなりの良作
過去に沢山の傑作を放ったポップンだけに、軽々しく最高傑作とは言えないが(私的には「すいません、私はもうすぐ着きます」がベスト)、かなりの良作であるのは間違いない。故に、星は当然5。

毎度のことながら好みは分かれるが、作家の吹原幸太が最も敬愛している作家が「つかこうへい」であるということを理解していれば、戸惑いも少ないはず。twitterでやり取りしたことがあるが、彼は生粋のSF好きであり、「ニール・サイモン」などのウェルメイドコメディにも造詣が深い。それらの点から考えると、本作は全て納得がいく。

落差の凄さが尋常ではなく、これについてこられるかが、ある意味では評価の分かれ目かもしれない。

また、皇室を扱って笑いを取っていながら、全く馬鹿にしている様子は無く、主宰自ら皇室を敬愛する執事を演じていたのも好感。悪意の無いコメディとして実に鋭い。

ネタバレBOX

今回の「皇室コメディ」と「妻の死」、そして「妻殺しのやり直し」という重すぎるテーマを、よくぞここまで!と感服。
賢治島探検記

賢治島探検記

演劇集団キャラメルボックス

尚絅学院高等学校 礼拝堂(仙台市青葉区広瀬町9-1)(宮城県)

2011/10/10 (月) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

みんな来るのを待っていたの?
キャラメルボックス 映像では観ていましたが、生舞台を観るのは初めて
 昼の部は礼拝堂満席で、前説登場前から拍手が起こる雰囲気の中でのお芝居でした。
 4部構成の舞台 本当に観に行けて良かったです。
ちょっと残念だったのは、ところどころ役者さんの台詞が聞きにくかったことですが、最後まで飽きさせないお話に、さすがと思いました。
 

マジックアワー

マジックアワー

[DISH]プロデュース

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2011/10/05 (水) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

独特の世界。
なんなんでしょうかこの独特の世界感は。独特過ぎて最初はついていけませんでした。けれど、次第にそれにも慣れ、そうするとその独特感が心地良くなり、なんともいえない不思議な感覚に包まれました。いわゆる癖になるような感じですね。もっとこの場にいたくなるような、また観に来たくなるような。つまりそれがマジックアワーということなんでしょうか。

なんにしろおもしろかったです。

ネタバレBOX

舞台セットが凝っていましたね。

ダンスまであるからびっくりしました。これほどダンスが似合わない風貌の人達もいないだろうってくらいなのに盛り込んでくるんですから予想外の衝撃を受けました。

ストーリーがもうそれこそ不可思議で、お母さんはいったいナニモノ?というか、お父さんだっていったい・・・といった疑問が何回か頭を駆け巡りましたが、最終的にはうまいこと自分の中で消化できました。

まったくもって不思議な話と、不思議なキャラの人達でした。

それこそ他の星からやってきたんじゃないかってくらい、違った感覚をぶつけられました。

決して自分が交わることは出来なさそうなみなさんでしたが、全員が楽しんで信頼しあってやっている感じが伝わってきて暖かい気持ちになりました。この星の人達、仲良いなぁ〜といった感じで見ていました。

二回三回と観たらもっともっと楽しくなるだろうなと思いました。
陛下に届け

陛下に届け

ポップンマッシュルームチキン野郎

Geki地下Liberty(東京都)

2011/10/07 (金) ~ 2011/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★

確かに
笑いだけではなく、最後にはちょっとじーんとさせられました。

個人的にはアイドルグループが好みで、彼女たちに焦点を当てた芝居も見てみたいって思いました。

次回作も期待です!

【ご来場ありがとうございました】ファミリーコンフューザー/無縁バター

【ご来場ありがとうございました】ファミリーコンフューザー/無縁バター

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/10/06 (木) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

両作品とも味わい深い
痴呆を扱ったファミリーコンフューザー、これはもう掛け合い漫才のよう、痴呆の深刻さを笑いで吹き飛ばすかのよう。
無縁バターは、都会でいかにもありそうな話。笑って済ませる内容ではないが、重々しくなく見せていない。うまい味付けである。
初見の劇団であるが今後が楽しみ。

非国民文化祭

非国民文化祭

笑の内閣

京都大学吉田寮食堂(京都府)

2011/09/03 (土) ~ 2011/09/05 (月)公演終了

満足度★★★★

馬鹿馬鹿しい
それに尽きる。お客さんをあんなに笑わせる親和力と劇中全般に漂うゆるさは凄い。

蒲田行進曲・銀ちゃんが、逝く

蒲田行進曲・銀ちゃんが、逝く

ひげプロ企画

同志社大学新町キャンパス内 新町別館小ホール(京都府)

2011/09/01 (木) ~ 2011/09/05 (月)公演終了

満足度★★★★

熱いぜ!銀ちゃん!
つかリスペクト!演劇リスペクト!小手先じゃない愚直な芝居に胸打たれました。演劇集団Q。覚えとくぜ。

蒲田行進曲・銀ちゃんが、逝く

蒲田行進曲・銀ちゃんが、逝く

ひげプロ企画

同志社大学新町キャンパス内 新町別館小ホール(京都府)

2011/09/01 (木) ~ 2011/09/05 (月)公演終了

満足度★★★★

熱いぜ!銀ちゃん!
つかリスペクト!演劇リスペクト!小手先じゃない愚直な芝居に胸打たれました。演劇集団Q。覚えとくぜ。

GATE#4

GATE#4

KAIKA

KAIKA(京都府)

2011/10/01 (土) ~ 2011/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★

gate!
京都の大俳優、ファックジャパンによる、私小説演劇が面白かった!魂の叫びでありながら、見事にエンターテイメントに消化している。
この衝撃はしばらく忘れられそうにない。

赤色エレジー

赤色エレジー

オフィスコットーネ

ザ・スズナリ(東京都)

2011/10/08 (土) ~ 2011/10/12 (水)公演終了

満足度★★★

反転しながら反復
昭和時代の男女2人の生活を様々な手法を用いて幻想的に描いた作品でした。原作の漫画および、あがた森魚さんの曲も見聞きしたことがないので、どの程度舞台化に際して変わったのかは分かりませんが、どんどん世界が引っくり返って行くような展開が楽しかったです。

基本的には一郎を演じる寺十吾さんと幸子を演じる緒川たまきさんの2人芝居で、そこに石丸だいこさんが演じる幸子の分身的な存在が時折現れたり、あがた森魚さんがギターを抱えて歌いながら舞台に現れる構成でした。2人が言い合いになるシーンが何度もあり、片側の言い分が正しく見えていたのが、同じやりとりが再度繰り返されるときには小道具の処理によって正誤が逆転する演出が面白かったです。

膨大でしかも繰り返しが多くてややこしい台詞を相手に2人とも奮闘していたとは思いますが、寺十さんのミスが目立ったのが残念でした。キャラクターとしてはうだつが上がらない男の感じが良く出ていて良かったです。緒川さんは様々な声色を使い分け、可愛らしさの中にうっすら狂気を感じさせて魅力的でした。最近エキセントリックな役が続いているので異なるタイプの役も見てみたいです。

あがたさんの歌は味があってとても良かったのですが、舞台の進行にあまり絡んでいなくて唐突に感じました。チラシには書いていなかったのですが、5人編成のタンゴバンドも演奏し、迫力があってよかったです。前半はあまり出番がないのに舞台上に座っているのは観客としても演奏者としてもメリットが無い様に思いました。

しりとりになって延々と繋がる台詞や、手品みたいな瞬時の転換、映像に写し出されるシルエットと同期して動く役者など、天野天街さんならではの手法が沢山使われていましたが、それが物語から浮いていてまとまりがなく、間延びした印象になっていたのが残念でした。終演後に緒川さんと少し話したのですが、稽古時間が少なくて独特なメソッドを体得するのに苦労したとのことでした。もっと時間をかけて作れば手法や形式と内容が合致した統一感のある作品になったと思います。

アントニーとクレオパトラ

アントニーとクレオパトラ

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2011/10/01 (土) ~ 2011/10/15 (土)公演終了

満足度★★★★

迫力ありました
蜷川シェークスピアは何回か見ているが、やはりうまい。
吉田鋼太郎さんのアントニーは雄弁で、堂々としてはまり役であったと思う。
女王クレオパトラ役は安蘭けいさん。こちらも女王の気高さと華やかさをうまく表現されていたと思う。
このホールはすばらしいのですが、チョッと遠いのが難点

猿に恋

猿に恋

悪い芝居

アトリエ劇研(京都府)

2011/10/10 (月) ~ 2011/10/12 (水)公演終了

満足度★★★★

猿に恋。
原始版ボーイミーツガールウホウホやってて面白かった。けど最後はやっぱり悪い芝居節。エモーショナルに眼福。因みにこれは公開ゲネです。

陛下に届け

陛下に届け

ポップンマッシュルームチキン野郎

Geki地下Liberty(東京都)

2011/10/07 (金) ~ 2011/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★

いい感じでした
適度にコミカルで、お笑いもあり、良い出来の芝居であったと思う。

Birthday

Birthday

天才劇団バカバッカ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/10/04 (火) ~ 2011/10/09 (日)公演終了

満足度★★★★

初見
なぜか場内は若い人が多かった。当日パンフによれば、主役は声優(ドラえもんのジャイアン担当)とのこと。声優を目指す若者は多い。それで平均年齢が若かったのかもしれない。ちなみに劇団名を付けたのはドラえもんの声優仲間(スネ夫役)だそうな。さすがに声優だけあって滑舌がいい。実に聞き取りやすい発声だ。が、他の役者とのバラツキが目立ってしまうのは残念。
客席との距離が近い(というか目の前)ので迫力ある舞台が楽しめる反面、アラも見えてしまう(笑)。コメディテイストも盛り込まれ、ほっこりする面もあり。特にエンディングがなかなかうまい、と思わせる戯曲だった。

赤色エレジー

赤色エレジー

オフィスコットーネ

ザ・スズナリ(東京都)

2011/10/08 (土) ~ 2011/10/12 (水)公演終了

満足度★★

天野天街&あがた森魚のコラボに期待したのに…
確かに天野天街風味であったし、あがたさんの生歌も聴けた。
だけど…

ネタバレBOX

少年王者舘も、あがた森魚さんの音楽も好きだ。
だから、とても期待して劇場に出かけた。

しかし、内容はと言えば…。

暇で時間がある、だから不安になる。そして幻想。
男女の考えや想いの違い。
若さ故の、そんな男女の気持ちのすれ違いを描いていたと思う。
裏と表、外と中、そんな舞台の中で。

繰り返しがしつこいのだが、それが快感にまで行かない。面白さにも達しない。
少年王者舘のような緻密さやスピード感がまったくないからだ。
ただ、「しつこい」って感じるだけだ。

台詞のテンポなのだろうか。
2人の役者の相性がよくないのか、噛み合わせがよくないのか、とにかく、早口で台詞を話していても、スピード感がない。
緊張感も。

繰り返しと時間軸の前後、さらに空間の移動の連続で、天野版の『赤色エレジー』が浮かび上がってくるはずだったのではないだろうか。

セットのカラクリや映像に語らせ、ダンスや登場人物がダブってくる、登場人物の神出鬼没さ、言葉遊び、という演出方法は、少年王者舘と同じなのだが、それのキレ味が悪い。
こういう言い方は大変失礼なのかもしれないが、まるで自らの演出の劣化コピーを観ているようだ。
セットも貧弱。特に前半、「裏面」のときには、残念すぎるビジュアル。
『赤色エレジー』のために、もっとどんどんとアイデアや企みを注ぎ込んでほしかったと思う。

歌はいいのに。
しかし、その歌も前半にはあまりなく、ラストでは、2曲か3曲続けて歌い、幸子と一郎は踊るだけって、いくらなんでも酷すぎはしないだろうか。しかもダンスはあまりうまくない。同じことを少年王者舘でやったとしたら、前半の物語の高まりを受けてのダンスなので、そのへの気持ち良さがあったように思う。

幸子を演じた緒川たまきさんは、けなげさが出ていたし、声のトーンが、少年王者舘調で、なかなか好演だったと思うが、それを受ける一郎との交流を感じないのだ。相性なのか何なのかはわからないが、観ていていらついてしまう。
まったくすっきりとしない。
石丸だいこさんは、特にダンスのキレは抜群。他の2人との差が出すぎてしまった。
そして、あがた森魚さんの歌声は素晴らしい。
マイクを通しているのに、本当に「生」なのだ。声が気持ちいい。

いっそのこと、あがたさんを中心に据え、音楽劇としたほうがよかったのではないだろうか。あがたさんが出ているから、かろうじて『赤色エレジー』だったのではないか、と思うからである。

いい素材がこれだけあって、素晴らしい演出家がいるというのに、なんでこうなったのか不思議でたまらない。
いつか少年王者舘でリベンジをしてほしいと思う。綿密なやつで。
そして、歌はもちろんあがたさんで。
ふたりぼっち~さよならだけどさよならじゃない~

ふたりぼっち~さよならだけどさよならじゃない~

Twink

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2011/10/09 (日) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

シンプルでしっかりと楽しい
こういうのって理屈じゃないのだと思う。

なにか、演じている二人をみているだけで
その世界の嵌るような感覚のおすそわけをもらったような気がして。

二人それぞれの魅力もがっつり生きて
すごく楽しいステージでありました。

ネタバレBOX

醸し出されるイメージや
どこかチープなストーリー展開は
もろにWinkが活躍した時代の匂いを
具現化していて。

で、その時代のときめきや甘酸っぱさのようなものが
舞台から魔法のように溢れだしてくる。
性別も年齢も彼女たちとは全く違うのですが、
舞台上にあるある種の完成度が
それを、受け入れさせてしまう・・・。
舞台女優としての彼女たちの力量、
よしんばそれが少女漫画的な色に染められていても
そこに作られるぶれない雰囲気のようなものが
観る側を物語に巻き込んでしまうのです。

聴きなれた音楽と、
足腰のしっかりとしたダンスには、
観る側がゆだねられる安定があって、
お気楽極楽に見える舞台が
実はふたりの
徹したというかぶれのない演技に支えられたものであることにも
気がついて。

なによりも、
ベクトルの違う女性としての雰囲気をを持った二人が
それぞれにとてもビビッドで魅力的。
観客として、他の舞台などもいくつも観て、
とても信頼できる役者であるふたりなのですが、
それとは別腹で
Twinkとしてのふたりのファンになってしまいそう・・。

これ、形はちがっても
よしんばTwinkではなくても、
次があれば(当パンを見るあるらしいのだが)、
きっと足を運んでしまうと思います。

ほんと、楽しませていただきました。
『R&J』

『R&J』

エイブル・アート・ジャパン

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2011/10/09 (日) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★

いいんじゃないでしょうか
障害者と健常者が一緒に舞台をつくる。
障害者と健常者が一緒に舞台を見る。

舞台の出来は、厳しく見て、「普通にロミオとジュリエットを楽しめた」。
厳しく見て。
特に後半になる従って良くなっていった。

演出家は耳が聞こえない。
役者は障害者あり、健常者あり。
そんな中で、役者達は健闘してましたね。
ほめてあげたい。

私が気になった金崎さんは、なんとジュリエットでした。
セリフありのジュリエット。
セリフなしのジュリエットもいました。
2人で1つの役を演じていた。

先生の恋愛は、無くても良かった。
無くても作品として十分満足いくものだった、とも言える。
字幕も無くていい。
というか、私の視力じゃ読めない。
というか、ロミオとジュリエットなら、私はいらない。
あくまでも私の意見です。

さいたままで行った甲斐はあった。
満足。

陛下に届け

陛下に届け

ポップンマッシュルームチキン野郎

Geki地下Liberty(東京都)

2011/10/07 (金) ~ 2011/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★

盛りだくさんであることは良いけれど
力技であろうがなんであろうが、笑いは取れていたし、
ちょっと拡散しすぎた感のあった物語も最後には回収されて。

だから、面白かったと言えば面白かったのですが、
長編でありながら、笑いが組み上がっていく感じがあまりなく
農耕的ではなく狩猟的な感じがしました

ネタバレBOX

奇を衒ったり、強いインパクトで押し通せば、
観る側は可笑しいので笑う。
そうやって笑いを取れることも、もちろん、
演じ手の実力だとはおもうのです。

前説の勢いなどにしても
とてもリズムのよい切れがあったし、
頭が伸びていくだの
血を吐くアイドルというのも
素敵に奇をてらっていて突き抜けてはいる。
尊きあたりのことも、ベタではあるけれど、
シニカルな視座を持っているし。
一族の血統のことなどについてのことなど、
観る側がもつ感覚をしなやかに抽出しているとは思うのです。

物語の骨格も序盤の血まみれの腕が転げた部分が、
しっかりと回収されて、
骨格も一応態をなしている。
映像の作り込みなども
それなりに踏み込みを持っていると感じる。

ただ、そこまでにいろいろに詰め込んだものたちに
有機的に広がるような感じがなくて、
足し算としてのシーンの面白さは淡々と積もっていくのですが、
それが、2乗され3乗されていく感じが生まれてこない。
観る側がぐぐっと引き込まれるような感覚、
なんというか波はそれなりにやってくるのだけれど
ビックウェイブが訪れて来ない感じが残りました。

ひとつには、ちょっとした精度の問題なのかもしれません。
これだけのものを一つの作品の力にするには
シーンを重ねるための枘の部分が
もう少しきっちり作られていないといけないのかも。
たとえば、貫かれるエピソードたちの視座、
それが誰の視点で捉えられたものなのかとか、
客観的にみるとどういうことなのかというような切り分けが
シーンの中でも、またシーン間でも
若干混在し曖昧になっていて
物語の全体像がもわっとしか立ちあがらない。
エピソードの重なりに
もっとエッジを持ったストラテジーがあって
シーンごとの意図がくっきり伝わってくれば、
キャラクターたちの歪みの可笑しさがもっと際立ってくるだろうし
ベテランアイドルの物語へのかかわりだって
養子のことだって
なにゆえに元宇宙飛行士が
売れないタレントのマネージメントをしているかという話が
投げっぱになることだって
さらに生きて、
やがては可笑しさが舞台に置かれるのではなく
観る側を巻き込むように溢れだしてくる気がするのです。
そこに落差が育まれると
尊き人の想いも
より鮮やかな感覚として伝わってくるのではないかと・・・。

個人的に、ギャグのセンスや
それを踏み込んだりひいたりするような距離感には
好きだったりする部分もあったし
爆発に晒された体の見せ方に、
作り手の鋭いセンスを感じたりもしたので
全体を通してのネジの締め方の緩さのようなものが
とてももったいなく感じられたことでした。
アルケー//テロス

アルケー//テロス

激団リジョロ

タイニイアリス(東京都)

2011/10/06 (木) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

爆音、怒号、煙、悲鳴、そして最後の光。
4人の少年が舞台に立ち、緩やかに始まるオープニング。
突如、畳み掛けるような怒号が響く急展開に度胆を抜かれ、そして束の間の柔らかで愛しい無邪気さ

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