最新の観てきた!クチコミ一覧

134681-134700件 / 189914件中
ネガヒーロー

ネガヒーロー

プロペラ犬

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2012/01/20 (金) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★

足立区の悪と戦う
ネガレンジャーの物語。軽い気持ちで笑いに行くつもりでどうぞ。

ネタバレBOX

最弱だけれど、「根がヒーロー」の物語でした。
存亡の秋 (そんぼうのとき)

存亡の秋 (そんぼうのとき)

NPO法人 魁文舎

スパイラルガーデン(東京都)

2012/01/24 (火) ~ 2012/01/25 (水)公演終了

満足度★★★

鎮魂の典礼
9.11テロの犠牲者を追悼するために書かれた声明曲の3.11の震災を承けての再演で、照明や動きの演出を伴った舞台作品として演奏されました。日常と異なる時間感覚で響く声や打楽器の音が神秘的でした。

前讃「無常偈」、唄「如来唄」「始段唄」、散華「散華上段・下段」、錫杖「三條錫杖」、総回向「生死」、終讃「無常偈」という式次第で進み、暗闇から始まり、青白い光、彼岸花を思わせる赤へ移行し、そしてまた暗闇に戻る色彩構成が人の一生を描いているようでした。「無常」と「生死」はネイティブ・アメリカンの言葉が歌詞として使われ、宗教を越えた普遍性が感じられました。

螺旋スロープや長い廊下が特徴的な空間を活かして僧侶達が極めてゆっくりと行列しながら進んで行く様子が美しかったです。「生死」では舞台上で独唱が歌われる中、他の20名以上の僧達達がそれぞれ自分のテンポでお経を唱えながら客席の両脇を通り過ぎて行き、さらにスピーカーから英語でネイティブ・アメリカンの言葉を読み上げる声が流れ、視覚的にも聴覚的にもインパクトがありました。

絶えずゆったりとした時間の流れの中で豊かな倍音が鳴り響き、80分弱の時間が一瞬でかつ永遠であるような不思議な感覚が心地良かったです。

SUPER☆STAR

SUPER☆STAR

天幕旅団

Geki地下Liberty(東京都)

2011/12/14 (水) ~ 2011/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★

非日常へ誘う力
「笑劇ヤマト魂」時代に「夏の夜の夢」を観て、今回探偵サイドを観て、やっぱり渡辺さんの演出が好きだなぁって思いました。
日常風景を切り取りながらも、しっかりと非日常にひっぱってくれる作風に、身体を使った演出が好きです。
探偵役の長谷川さん」と、少年役の加藤さんが素敵でした。
冒頭の台詞のユニゾン、もっとばしっと決めてくれたらかっこよかったのにな。それだけが残念でした。

空気ノ機械ノ尾ッポvol.18

空気ノ機械ノ尾ッポvol.18

空気ノ機械ノ尾ッポ

テアトルBONBON(東京都)

2012/01/25 (水) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★

最後まで徹底
劇団初見、かつ前提知識無しの状態で観劇したのですが、これがよもやの前衛劇。まさかこの時代に、このような芝居が打たれているとは思いませんでした。
ひとつひとつの台詞は文章として意味があり、会話にもなっているのですが、つなげてみると意味を成さない。これを最初から最後まで突き通すのですから、相当な勇気が要るでしょう。アングラ劇でもここまで徹底している例は、そうは無いと思います。
あとはこれを是とするか非とするかは、もはや好みの問題となり、万人向けに作ったものではない、ということはよくわかります。
毎回こういった作りの芝居なのか、興味そそられます。

ネタバレBOX

残念だったのは、仕切りがひらひらする布であったために舞台袖の様子が見えてしまったことと、袖で役者が咳をするのが聞こえたことです(スモークマシンのせいかもしれません)。芝居の世界に浸かるためには、できれば避けたいところでした。
白夜王アムンゼン【観客動員数1000人突破!】

白夜王アムンゼン【観客動員数1000人突破!】

劇団バッコスの祭

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/01/25 (水) ~ 2012/01/30 (月)公演終了

満足度★★★

死の世界で生きて
チケットプレゼントにて鑑賞。いろいろと観やすい配慮がされていて、紆余曲折のある退屈のしない舞台。ただ、もっと純愛に走ってもよいかなと。

稲垣佳奈美の存在がどこか癒される。辻明佳のハツラツとした演技が見てて心地よい。男優では上田直樹が良かった。

ネタバレBOX

南極点を目指すフリジョフ(上田)率いるノルウェー隊は、フリジョフが帰らぬ人となり探検を断念。未亡人となったクリス(金子)に想いを寄せるロアール(丹羽)は、再度南極点を目指す。フリジョフの遺品の時計から南極点への道筋をつけた一行だが、メンバーのアマレットがフリジョフを毒殺した本人であり、ライバルのイギリス隊側の人間とわかる。一方のイギリス隊は、以前の探検で南極に残してきたそり犬・アポロ(森山)の復讐にあう。ロアールがアポロとの闘いに勝利し、南極点にはノルウェーの旗が翻るも…。
「恋愛活劇」と掲げるだけあって、アイスホッケーのスティックでの殺陣が随所にあって、めまぐるしい動きが楽しい。ただ、恋愛の箇所がちょっとパッとしない印象。ロアールの一途な人柄はもっとデフォルメしてもよいかな。客が笑っちゃうくらいに。クリスは、フリジョフとの再会シーンやラストのクレバスでの告白シーンが良いのだけど、ロアールの愛を受け入れる描写をじっくりやってほしかった。
総じてストーリー自体は良い。純愛ものではあるけど、くさいセリフが自然に胸に入ってくるような感覚が得られなかったのは残念。自分が純愛ものが苦手なだけなのかもしれないけど。

なにげに、ローザ(田仲ぽっぽ)とモルト(竹内もみ)のどこかズレた感が好き。
優しさに、染めたい。

優しさに、染めたい。

劇団エルシノア

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2012/01/21 (土) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★

真っ赤な炎に染まったお芝居 
数年後に 静かに狂った表現で進む、言葉少なに、青白い鋭い炎で染められた、真っ青に染められた、このお芝居を観てみたい。 

ネタバレBOX

罪人を鞭打つお役人 どなり散らし、笑、ののしり、鞭を打つ 牢大工に来ていた、紺屋(青屋)佐吉は、お役人から お前も打てと言われる、“ムリで御座います。” 打てなかった。(紺屋は、差別され、労役で、嫌われる牢大工もしていた、なぜか青屋大工と呼ばれた。)
お役人が、打った数を忘れた、再び打った? 再び鞭を打とうと、みると すでに死んでいる。笑う役人 “佐吉が鞭打っていたら死なずに済んだ物を・・・”(聞き取りずらく 意味が分からない所が有ります)。佐吉の妻 お花は佐吉を待つ 平八はお花に惹かれている。  佐吉のもとに女が現れる、しんだ罪人の魂 女は名前が分からない どうやって来たのかもわからない、佐吉は、お花と呼ぶ、佐吉が錯乱した中で、幻想の世界と 現実の世界が入り混じってくる、夢か現実か。後ろでお面の人が、佐吉の心、差別の記憶、を再現しながらおどる。  佐吉は、混乱してお花につらく当たってしまう。
罪人の死んだ女の幽霊が、旅の女としてお花のもとに現れる、佐吉の差別の元 青く染まった手を治す方法が有る。 お花は、手の色を治すと旅の女(幽霊)の話に飛びつく お花は目が見えなくなる。薬の材料は …と…と生きた人間の目玉。 平八はお花の目を直したい 薬の材料は…と…と生きた人間の目玉 包帯に書いている。平八は眼をすてる、一人の平八が叫ぶ、だれか私を笑って下さい、目をすて そして今は一人の私を・・・。 佐吉に手袋を進めるお役人の亡霊? 拒むが、嵌めて見ると 開放さた、すべての 思い出、憎しみ 優しささえも 開放された 顔つきが変わる 目の色 動き (ここの演じ方は最高です) お花は、佐吉を刺す、平八は殺せと懇願する 佐吉はお花の棺から遺体を、ほうり投げて 平八を入れる すでにお花は亡霊であったのだろう 佐吉も もうじき死ぬ腹から血が流れる。 3人とも 3人とも優しさから生きるのではなく、1つの怨念を抱いた幽霊で優しさからから狂って行った。 真っ赤にめらめらと全体が燃える炎、真っ赤に染められたお芝居でした。

とても面白いお芝居でした。

ざんねんか、良かったか、 聞きづらい台詞 私は、そこを勝手に物語を膨らませて観劇しました。
1つの劇団で2回は、通用しない演出でしょう。 

数年後に 静かに狂った表現で進む、言葉少なに、青白い鋭い炎が、燃えるのような、真っ青に染められた、このお芝居を観てみたい。 
太陽は僕の敵

太陽は僕の敵

シベリア少女鉄道

座・高円寺1(東京都)

2012/01/25 (水) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度

学芸会
なんか無駄な動きが多くて、小学生の学芸会を連想してしまった。

後、やたらと証明を消すのが気になった。脚本が悪いのか演出が悪いのか、役者が悪いのか

でも客席か結構受けていました。

私の感性が鈍いのかも知れません。久々の星ひとつでした。

Koji YAMAMOTO 35th Anniversary Live

Koji YAMAMOTO 35th Anniversary Live

シーエイティプロデュース

赤坂BLITZ(東京都)

2012/01/24 (火) ~ 2012/01/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

待ち望んだ好企画公演に感涙
山本耕史さんは、私が長く大ファンでい続けている役者さんのお一人です。

その山本さんが、彼に人生の大きな転機を与えてくれたジョナサン・ラーソンの命日に、アニバーサリーライブを実現して下さいました。

もう十数年、こういうコンサートを待望していましたが、行ってみると、思いがけない曲まで聴けて、本当に感無量でした。

彼らの「RENT」を今一度、観たくなりました。

ネタバレBOX

一部では、へドウィックの歌からスタートし、思いがけなく、もう二度と生で聴く機会はないと思っていた「オケピ!」の「パーカッションの理想と現実」やレミゼラブルの「カフェソング」まで歌ってもらえて、感無量でした。

2部は、ジョナサン・ラーソン特集といった趣で、「RENT]初演時のキャストが、応援に駆けつけて、嬉しいステージとなりました。

やはり、私にとっては、このメンバーで、この訳詞の「RENT]こそが正当な印象があるので、この瞬間に立ち会えた喜びを噛み締めました。

山本さんが、演じたり、深く関わった人物、ジョナサンや土方、モーツァルト、竹中半兵衛、そして、今年の大河で演じる藤原頼長、5人共が、皆今の山本さんと同い年の35歳で、他界されたそうで、その人達の生きられなかった余生の分も、彼が今後、きらめいて生きていこうという節目の記念ライブという主旨もあったようです。

長年のファンの一人として、今後の山本さんの更なる飛躍が心から楽しみに思える、素敵なプレゼントライブに、充足感に満たされて、会場を後にしました。
オオカミトラム ●望という名の電車

オオカミトラム ●望という名の電車

UDATSU

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/01/20 (金) ~ 2012/01/24 (火)公演終了

うーん
開演前に流れるBGMのチョイスがなかなか良かったです。
前説でほぼキャスト紹介してるのに、またスクリーンで紹介する意味はなんでしょう?
シチュエーションは面白いはずなのに、絞り込めなかった…のかな?
残念です。

イエスタデイ

イエスタデイ

ブラジル

座・高円寺1(東京都)

2012/01/18 (水) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

まさしく苦笑させてもらいました
前作の硬質な渋さとは打って変ったクラッシュな話でこれはこれで面白かったです。
とかく家政婦が、他登場人物達も実はかなりダメな人達なのですが、それがあまり気にならないイカレパッパラパー振りで凄かったです。
そして、原金太郎さんのそこに座っているだけでお父さん感丸出しの佇まいと不思議と違和感が無い3姉妹を演じた女優さん達の雰囲気が、どんなハチャメチャな展開になっても家族の話として戻ってこれるのだなあと感心させてもらいました。

お目出たい人

お目出たい人

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2011/12/20 (火) ~ 2012/01/27 (金)公演終了

満足度★★★★

やっぱりイイ!
おじさんばかりのお芝居で、どんなかな、と思いましたが、これもいいですね。だるまさんのお芝居はいつもホッとする暖かさが心地良いんです。役者さんの演技が良いので、ス~とひきこまれます。

時刻表のない駅

時刻表のない駅

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/01/21 (土) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

素敵ですね。
相変わらず良かったです。

前作に引き続きの日本が舞台の作品ですが、こうなってくると今度は海外が舞台の作品が観たくなるから不思議です。

あつし役の役者さん、声の出し方を変えたのでしょうか。とてもいい声になっていて驚きました。

女性陣がとてもキレイで見てるだけで楽しめました。

ネタバレBOX

本作、なにかが足りないな・・・と思っていたら、そっか、今回は子役が出ていなかったんですね。それと、いつもの彼の泣き芝居も無かったなと、なるほど、けれどしっとりと緩やかな時間の流れが感じられてとても癒されました。

駅長さん良かったです。
前回の外国人役とはまったく違った役所で幅の広さを感じました。
時刻表のない駅

時刻表のない駅

メガバックスコレクション

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/01/21 (土) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり、秀作です
メガバックスさんならではの、重厚だが温もりもある作品で、観劇後の充実感に浸れました。ジャーナリスト達が追う真相を、サスペンス調に展開し、浮かび上がる真実は、決して甘い物ではないが、人としての根幹でもある、人とのつながりや絆の大切さ優しさを、感じました。相変わらず、感じのよい受付制作スタッフの方々、見ごたえのある脚本に演出、素敵な美術に音響効果、魅力ある役者陣と、質の高い作品でした。3月の公演も楽しみです。

ネタバレBOX

ストーリーは、他の方々のレビューがあるので、、、個人的に好きな部分としては、廃線になった駅なのに、駅そして村を見守るような駅長(新行内啓太さん)の存在が素敵でした。長年預かっていたのは、その時の想い。約束があり待っていた訳でもなく、遠い記憶だけになっていても、大切な想いでした。そう、ただその時だけを、待っていてくれる想いが素敵でした。
まぁ~駅長の顔は、若いが(20代の役者さんなので、当然だが)、立ち居振舞いや佇まいは年配らしく、話し方も、とても似合っていたが、話し方が変わるだけで、声までも変わったように感じました。

ジャーナリスト真実(森下みなみさん)の、ジャーナリストらしいテキパキ感がありつつ、ちらりと見える普通の女の子らしさも、良かったです。

カメラマン役(下田修平さん)も、ちょっとした心情の揺れも、瞳が語る目力ありなので、ついつい注目してしまいます。

腰の折れ曲がった老婆(高瀬佳奈さん)も良かった。膝腰を曲げてるだけでなく、背中の丸みを意識していたのだろう、肩が内側に入っていた(肩甲骨を内側に丸めた?感じといった方が、良いであろうか?ジャケットを着た時に、前袖ぐりに脇があたる感じ)そんなちょっとしたことで、腰の折れ曲がった老人らしさが、増すと思うのだが、実践してる役者さんは、少ないので、高瀬さんの姿や動きは、良かったと思いました。

代議士の母の姿は確かに若過ぎると思いましたが、駅長との会話を聞いているうちに、気にならなくなった。駅長や村に託さねばならなかった時の切羽詰まった状況より、時がたち、いろんな意味で母に余裕ができた状況と、解釈しました。

いつもより大きめな音量の挿入曲だったが、サスペンス色濃くなり、効果抜群で、選曲センスも作品に合ってて良かったです。

大木がある駅の風景、とても情緒がありました。
ラストの駅の構内を、カラーの照明で浮かび上げる様は、駅の歴史を物語るようで、素敵でした。
びんぼう君

びんぼう君

五反田団

アトリエヘリコプター(東京都)

2012/01/17 (火) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ジモティー
一度は観たかった五反田団、その代表作を観劇できて感激です。

ネタバレBOX

かわもりさんの耳年増的ままごとが良かったです。爪に火を灯すほどの貧乏ということを表すために、爪をビンに貯める行為を伏線として配置するところなども面白いですね。

そんなコントにプラスして、子供が離婚した父母のどちらを選ぶかという話が加味されてお芝居として成立。

木工所の酸っぱいような臭いがびんぼう君の家の臭いのようでピッタリでした。

しかし、いくらテレビが買えないからといって、アニメのサザエさんは知らなくても新聞漫画のサザエさんくらいは常識として知っているだろうにと無理を感じました。初演のときなどにもそのようなツッコミが入らなかったのか不思議です。

ところで、御殿山の池って、今の御殿山ヒルズのところなんでしょうか?!
愛と平和。【ご来場ありがとうございました!!】

愛と平和。【ご来場ありがとうございました!!】

バジリコFバジオ

駅前劇場(東京都)

2012/01/19 (木) ~ 2012/01/23 (月)公演終了

満足度★★★★

ダーク系でもある
劇中に出て来る映画タイトルやミュージシャン名が具体的な分(それらを知っていればなおさらだが、多分そうでなくとも)雰囲気が伝わる、な感じ。
また、ナンセンスな部分もありつつ、ヒーローの「裏側」などかなりダークな感もあり、『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』の路線に通ずるモノも感じる。(ホントか?)

ヌード・マウス

ヌード・マウス

Théâtre des Annales

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/01/24 (火) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

日本演劇史における財産
こんなド・ストレートでストイックで硬質な芝居を若手で他に誰が書けるだろうか。

山本亨さんという名優を得て谷くんのサディスティックな長台詞が生きる。

2時間10分、言葉と祈りで埋め尽くされた美のタペストリー。

ネタバレBOX

大原研二くんも佐藤みゆきさんも増田俊樹くんもステキ。ていうか役者への全幅の信頼が無ければ作れない芝居。また役者側からしても演出への全幅の信頼が無ければ演じれない芝居。信頼の結晶を見た。全編セリフと感情の応酬。息もつかせない。

これは、越えられることなき名作、デヴィッド・オーバーン「プルーフ・オブ・マイライフ」越えを目指し、実際越えた作品だろうと思う。真理や祈りだけでなく、谷賢一らしい捻じれたエロティシズムが胸を締め付ける。

そしてやっぱりこのような作劇の機会を与えたプロデューサーの伊藤さん@ゴーチ・ブラザーズがすごいんだろうと思う。こうやってちゃんと劇作家・演劇を育てるPがいるって日本もまんざらじゃない。って思う。

谷賢一「ヌード・マウス」は日本演劇史における財産となるだろう。なので今後、再演なんどもされるだろうからスケジュール調整難しい人はあえて今回観に行かないでもいい。初演を見たというのは僕だけの特権にしておいて欲しい(^^;

嘘つきの姫君と三人の絵師

嘘つきの姫君と三人の絵師

KENプロデュース

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2012/01/21 (土) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

休憩なし165分
1609年の薩摩藩の琉球への侵攻をモチーフにした史劇系。
165分の上演時間も体感的にはそこまで長く感じないが、前半を丁寧に描きすぎたために冗長な感無きにしも非ず。終盤で経緯を語る役目の現代の学芸員パートと共にもう少し削って150分を切る程度にすれば満点だったのに残念!

futurama

futurama

二番目の庭

GALLERY SOAP(福岡県)

2012/01/20 (金) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

全て観たかったが
最初にこの公演を知ったとき、興味をひいたのは編集者・ライターの大堀さんが出演されることだった。どのような“演技”をされるのか?おおいに気になった。
始まってみれば、“ああ、なるほど”な形での出演ではあったが、インタビュアーとしての経験が活かされ、適役だったように思う。
この回の出演は大堀さん、穴迫さん、吉本さんの3名。

ネタバレBOX

穴迫さんの答えからは、彼が創る舞台の背景が垣間見えたし、野望的なものも伺えて、とても楽しめた。吉本さんの答えから、演劇から離れようとしたときに、二番目の庭に所属することになったことが聞かれ、その理由は極めて単純ではあったが、あらゆる物事を始めるのはそういうことなんだろうなと改めて感じた。また途中、答えるのにやや時間がかかった場面では彼女が泣き出してしまうんじゃないかと思えるような緊張感があった。やや残念であったのは(最後方の席にいたこともあるが)彼女の声が小さく、聞き取りづらい部分があったことか。作品の性質上、演出上仕方ないことではあるが。
最後に数時間前(?)の映像の大堀さんと現在の生身の大堀さんが対面し、質問に答えていく。「お金は人生で何番目に大切か?」生身の彼女は4番目と答え、映像はやや遅れて5番目と答える。徒然草の冒頭部分を思い出す。
「思考するインスタレーション」を謳ったこの公演、はたしてその通り様々なことを考える時間、機会となった。
惜しむらくはラストにもう一捻りが欲しかったかな、ということか。
できることならば全ての回を観たいと思った公演だった。それぞれの出演者から発せられる答えからは、さらに自分への問いかけが広がって行っただろう。
開演前にもらうチラシの束の中に封筒があり、それには終演後に開封してくださいとある。帰宅後、開封。中身はアンケート。そこには問いかけが1つ。「あなたにとって『希望』とは何ですか?」2012年1月にこの作品に出会えたことは自分にとってとても意義のあることのように思える。
愛と平和。【ご来場ありがとうございました!!】

愛と平和。【ご来場ありがとうございました!!】

バジリコFバジオ

駅前劇場(東京都)

2012/01/19 (木) ~ 2012/01/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

最高傑作! ストーリーを貫くアガペー。
前にも書いたけど、ここの舞台は前説から観たい。
なんとも楽しいから。

そして、毎回、どこにどう向かっているのかわからないストーリー展開と、過剰なモロモロの中に埋もれてしまいそうだけど、細かくて粘着質で、微妙な台詞そのものと、台詞回し&やり取りがとても楽しいのだ。

人形の登場もわくわくする。

ネタバレBOX

今回、見終わって感じたのは、「これって、ここの最高傑作なんじゃないの?」というものだ。
確かに、短編は別にして、以前の作品に比べ(全部観ているわけではないが)ストーリーの落としどころや、全体がまとまりすぎているかもしれないのだが、でも、全編を貫くテーマがはっきりとしている。
いや、テーマがはっきりとしているから「最高傑作」というわけではないのだが、面白さに、確実に「何かをプラス」してきた感があるのだ。
それが愉快でもあり、ジーンときてしまったりするのだ。

だからこの際「最高傑作だ」と言ってしまおう。

中学生の葉隠弓月は、姉・さくの影響が強い。シスコンと言っていいほど。
姉の期待を背負って彼はトレーニングに励む。姉の理想のタイプになるため。そのタイプとは、姉が子どもの頃見ていたヒーローモノの主人公であった。
姉がいなくなり、弓月は友だちのオカマの金吾郎とともにバイクで町を飛び出す。

一方、騙されてAV出演をさせられそうになったニコという不幸を撒き散らすと思い込んでいる女がいた。
彼女は、その現場からリンとともに逃げ出す。
AVの女社長のあかりは、ヤクザに依頼し、彼女たちを連れ戻すために追いかけさせる。

逃げ出したリンは、かつて助けてもらったことのあるヒーロー、エレファント・ヤンキーとエレファント・ホームレスを呼び出し、窮地を救ってもらう。
そして、彼らは伝説の象、トンキーに合いに上野動物園へ向かう。

その頃、弓月と金吾郎は……。

というストーリー。

一見して、一体何がどうなるのだろうという広げ方で、登場するキャラクターも多い。しかも各キャラクターごとに、かなり濃い味付けがされている。

伝説の象、トンキーだって、戦時中に軍の命令で殺されてしまったはずなのに密かに生きている、なんて設定だし、ヤクザも元広島カープのピッチャーで両親を失った娘を養っている、なんて設定なのだから。

確かに、ヒーローになれ、と言われてきた弓月が、ヒーローになって活躍するという話になっているのだが、実のところ、そこが軸にはなっていない。

物語の軸はズハリ「愛」。

ヒーローモノなので、「悪」の設定はある。それもヤクザの養女が深いところで悪になっているということで、絶対的な悪のように見える。さらに彼女と一心同体、あるいは彼女を操っているような悪の存在があるので、さらに「悪」に対決するという図式が見えているのだ。

しかし、対決するといっても、戦うシーンはあるものの、それは表面上のことであり、最後は「赦し」「包み込み」といういうような手段で、相手を「負け」されてしまうのだ。
それが「愛」。「アガペー」と言ってもいいかもしれない。

劇中で、バッターとしてピッチャーに対決するあかりの従弟・秋助が、あかりの兄から授かった打法は、「相手のピッチャーもボールもバットも観客もすべてを愛せ」だったように。

例えば、娘を誘拐したサチに対して、母の春子は一度は殺意を抱いたものの、彼女を赦してしまう。
また、弓月の姉のトドメを差した金吾郎と弓月の対決にしても、「力」ではないところで勝負は終わる。勝ち負けのない勝負の付き方で。
そのときに、悪の権化のような魔物は、簡単に隅へ追いやられるだけで、こと足りてしまうのだ。

つまり、これは言い古されしまった言葉だけれども、「暴力は暴力しか生まない」という「負の連鎖」を、「愛」で初めから断ち切ってしまっているということなのだ。つまり「平和」。
『愛と平和。』、モロなタイトルだったわけだ。
少々甘くてもそれでいいじゃないか、と思う。

また、「周囲を不幸にしてしまう」と思い込んでいた女は、「月」になって、「人を照らす」なんていう展開はたまらなかったりする。ここは作者から登場人物への「愛」なのかもしれない。

さらに言えば、いくつかの「家族」の「物語」が語られていく。

弓月と姉のさく、あかりと兄、サチと両親という、血のつながった家族は、すでに崩壊している(失ってしまった)のだが、弓月と金吾郎、あかりと兄嫁の春子、サチと養父となったヤクザの津々岡、さらに最後には弓月と春子という、血のつながらない家族の強さが語られていく。
「失ってしまった」後の人の処し方とでもいうか、後の「家族」「つながり」がそこにある。

彼らの間に流れるモノこそ「愛」であり、「赦し」であり、「信じる」ということではないのだろうか。
ラストに弓月と春子が手に手を取り合って旅立つときに、登場人物たち全員が現れ、彼ら2人を乗せた舞台を回す、という演出は、自分たちだけで生きているのではない、という、これも強いメッセージではなかったのだろうか。
だからこそ、グッときてしまうシーンになったのだ。

今回、バジリコFバジオは、予測不能なストーリー、妙にひねりのある設定と、細部に凝った台詞を、畳み掛けるように進行させながら、その根底には、確かなメッセージが確実にあるようになってきたのではないだろうか。
もちろんそうした姿勢はもともとあったとは思うのだが、さらにそれが強く感じる作品だったと思う。

また、ラストの選曲はベタながら、全員が歌うシーンはとてもよかった。そして、シーン展開ごとに流れる曲が、見事に決まっていて、選曲の巧みさに舌を巻いた。バラエティに富んだ既製曲を、多く使って、これだけうまくはまることはそうないのではないだろうか。

ラスト、シスコンの弓月は、亡くなった姉にそっくりな旅館の女将・春子(姉と二役)とともに旅立つのだが、ここにシスコン極めり、で、作の佐々木さんにお姉さんがいるのならば…。いや、まあ、それはいいいか。

出演者はどの役者もいい。
特に、弓月を演じた三枝貴志さんは、あいかわらずいい。中学生には見えないけれど、熱さと適当さの同居がたまらない。一本調子になりがちな役だろうが、そのブレーキのかけ方がうまいのだ。
そして、姉・さくと女将・春子を演じた浅野千鶴さんの、「姉」「年上」感(笑)がなかなか。
また、元広島カープのピッチャーで現在ヤクザの津々岡を演じた嶋村太一さんの、はぐれモノなりの哀愁と、養女への愛情がよかった。

今回人形の出番があまりなく残念だったが、象のトンキーは、あまりにも傑作で登場シーンで思わず笑ってしまった。おでこに顔なんだもの。
あと、「月」はいい味出していた。
それに人力で動かす回り舞台も、人力の意味がきちんとあり、とてもよかった。

エレファント・ヤンキーとホームレスのマスクは、バットマン風、そして、黒い帽子に白の上下にステッキ、目のメークで、エレファント・ホームレスが「雨に唄えば」を歌うとなると、『時計仕掛けのオレンジ』。さらに野球のユニフォームのヤクザは『ウォリアーズ』かな。野球ユニフォームのヤクザだから『カマチョップ』だとマニアックすぎか?(笑)。

サチの在り方に、宮部みゆき『名もなき毒』の影を見たような気もするのだが。

劇場ロビーでは、過去に使用した人形を、なんと200円で販売していた。
「これ欲しい」と思っていた「アソム君」を購入した。
家では家族に「目に付くところには置くな」と厳命されてしまうような、でかくて不気味感漂う人形だが、自室に飾りご満悦である。
シーザー真田

シーザー真田

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/01/21 (土) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★

バク転
初殿様ランチ。
こういうのを軽演劇っていうんだろうな。
達者な人ばかりで安心&気軽に楽しめる90分。
中嶋さとみ愛らしい。
中村貴子の健康美にドキッ。

ネタバレBOX

薄々気付いてはいたけど、やっぱりシーザーサラダだった(笑)

このページのQRコードです。

拡大