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絶頂マクベス

絶頂マクベス

柿喰う客

AI・HALL(兵庫県)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

物足りなかった
事前の期待値を上げすぎていたのかもしれない。
柿喰う客ならこれくらい、という期待があった。
001ハムレットが、とかくとても素晴らしかった。

しかし、今回・・・初日を拝見しましたが。
まず、声にパワーを感じなかった。
柿の持ち味のあのリズムが、ゆるくて甘かった。
音響はド迫力で舞台を盛り上げるに足るものだったのですが、肝心の舞台から発せられるいつもの圧倒的なオーラを今回は感じることができず、盛り上がりきらなかった。
芝居の内容自体も、前回のハムレットのようなインパクトはなく、ぐっと迫り来るものをあまり感じられず。

今回はどちらかというと、歌劇寄りだったのかな?
歌とダンスが多めだったように思いました。
初日ゆえの堅さだったのかもしれない・・・と思うと、ちょっと残念な気もしたり。
でもこの女体シェイクスピアシリーズはまだまだ続くそうですので。
また次回に期待をかけたいと思います!

TheStoneAgeヘンドリックス「喪主もピアノが弾けたなら 」たくさんのご来場ありがとうございました!

TheStoneAgeヘンドリックス「喪主もピアノが弾けたなら 」たくさんのご来場ありがとうございました!

The Stone Age

TORII HALL(大阪府)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★

吉本新喜劇の関西小劇場版
よくもわるくも、いつもどおりの変わらないストーンエイジらしいお話でした。
舞台の上には良い人しかおらず、毒はまったくなく。
どたばた泣き笑い、あったか人情劇場。
ここまで歪みなく貫き通してる舞台も、逆に珍しいくらいかもしれないというくらい。
毎週土曜昼にテレビをつければ必ず同じものが観られる吉本新喜劇と同様の、安心感のある舞台だと思います。

上演時間は2時間と、いささか長め。
長いな~と思いますが、登場人物のキャラが濃くって、主にキャラでみせるシーンが多いので、楽しんで観られました。

ネタバレBOX

ゲイの世界はわたしにはわからないのですが・・・。
ゲイな人に実の子供がいるというのが、引っかかったり。
できるものなのですね。

登場人物のキャラは、皆濃いのですが。
中でも群を抜いた濃さなのが、オカマダンサー役の人。
あそこまでやられたら言うことないわw

相変わらずな貴族キャラの一明さん。
タクシー運転手中井さんにやられまくるときの、中井さんを見る目の色が印象的でした。
なんつー目で見るねん(笑)

あと忘れられないのは、イタコの人。
交霊儀式の時の動き、そのアクションのみせかたのうまさにそのシーンは濃さ№1のオカマダンサーさんを差し置いて、視線釘付けでした。
絶頂マクベス

絶頂マクベス

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/14 (土) ~ 2012/04/23 (月)公演終了

満足度★★

いまいち
悩殺ハムレットの方が面白かった。

セリフも何言ってるかわからないので
話が全然わからないし
もともとシェークスピアをきちんと読んでいて
こういう演出もありだなぁって人は楽しめそう…

12匹の由緒ある猫たち

12匹の由緒ある猫たち

猫の会

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★

ベランダの一年
微妙。

開場時間の変更についての告知が足りない。張り紙だけの告知という姿勢は単純に横着と感じる。

ネタバレBOX

12匹の選考委員と司会が、猫世界に貢献したアワードを決定する会議を描く。

「12人の~」のスタイルの会話劇だけども、このスタイルである必要がどこまであったのか。
話し合いの内容の説得力に疑問。猫社会への貢献度っていう尺度ではないのかしら。猫7のジャーナリストに票が集まる流れが馴染めなかった。(会議の不思議を表したのかもしれんないけど)
そもそも猫社会ってのを(自分が)理解してなかったせいか、猫社会の「ほんとうらしさ」が掴めなかった。飼い猫と地域猫とノラ猫のかかえるシリアスなテーマを汲み取れなかったというか。単純に飼い猫・地域猫・ノラ猫の格差を人間社会の縮図と理解すべきなのかとも思うけど惹かれる舞台でなかった。

人間に寄り添うのか猫の自立に依るのか、みたいなくだりは面白かった。
煙が目にしみる

煙が目にしみる

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/05/02 (水)公演終了

満足度★★★★

傑作!素晴しい!
個人的には、非常に良い時間を過ごせた!
これは「また観たい!」と思える作品である!
だるま座の小さな空間で、この作品を観劇できる贅沢さ。
舞台、空間を共有でき、幸せだった。
人の死を描きながら、とても暖かい気持ちになれた。
素晴しい作品である!


ネタバレBOX

この作品は何回も再演しており、今後も再演される?だろうから
ネタバレはしない。
というか私は再演希望である(笑)。
観ていない人は、まっさらな状態で観劇することを薦める!

役者陣は皆さん、素晴らしかったが、当作品のポイントは、
やはり剣持直明さん演じる、母親役であろう。天晴れである!


<劇団の方へ>
気づいた点を記載します。今後の参考にして頂けると幸いです。

①タバコの演出について
  これは事前にアナウンスした方が良いと思います。
 気にする人にとっては、座席を選ぶ基準になります。
  今回は本物を使用していたようですが、
 可能であれば安全な煙のタバコにした方が良いと思います。

②座席について
 私が観た回は満席で補助席も出てました。
 一番最後に入場した人が通路のど真ん中の特等席になっていました。
 トイレ前は空いていたので、あそこで良いでは、と個人的には
 思ってしまいました。
 通路のど真ん中に座られたら、結局トイレは使えないわけなので。
 後から入場した人を結果的にでも優遇するのは遅刻を誘発するので
 良くないように思います。。
 早い時間から来ていた人の心証も悪くなる可能性がありますし。

③冷房について
 だるま座の場合、座る位置によって冷房が直接あたるような
 感じでしょうか?
 もし、予想がつくならそれも座席に座る場合の情報として、
 アナウンスした方が良いかもしれません。
 もしくは、最初から予想のつく席にひざ掛けを置いておいた方が
 良いかもしれませんね。
 ひざ掛けを用意してあるあたりは、「さすが!」と思いましたが、
 近くのお客さん達が直接肩にあたり寒かったと言っていたので。
 個人的には、冷房を入れる切るを繰り返し、配慮していると思いましたが、
 直接当たる席があるのであれば、寒いのが苦手な人にとっては、
 それはそれで辛いですから。

以上は私の個人的な意見ばかりではなく、
他レビューでみかける不満点です。私も同意見なので記載しました。
なので、もし可能であれば改善した方が良いかと思います。
(多くの人が感じる不満点は、私が掲載した掲示板の「【ご参考】残念な公演の共通点」に記載してあります。良かったら参考にして下さい。)

公演自体は☆5つですが、この辺りを勘案し☆4つにしました。

色々言ってスミマセン。
好きな劇団なので、書かせて頂きました。
へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

文月堂

OFF OFFシアター(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

無題364(12-107)
19:30の回(晴)。18:50受付(整理番号あり)、19:00開場。舞台は和室から庭が見える設定です。中央に小さなテーブル、上手にはこれも小さな家具、木彫りの熊(らしい)やティッシュペーパーやこまごまとしたものが置いてあります。奥は廊下で、下手に手洗い、上手に玄関、庭には生垣。相関図をじっとみつめ開演を待っていると、開演直前、少し揺れます...地震です。会場内での地震は初めて、すぐスタッフの方が対応、混乱なく19:34開演...Que sera sera。

ネタバレBOX

ときどき相関図に目をやりながら3姉妹と周囲のひとびととのやりとりに耳を傾けます。いろいろな家族があると思っているので、その設定がどのように変わってゆくのだろうか、という視点で見続けます。ふだん、感情をここまでぶつけることはないので、あぁそうだろう...そうかもしれないな、と思うのでした。

途中、「藤沢」という単語がでてきてお話はぐっと身近になります。江の島神社を調べてみると「御祭神は、三人姉妹の女神様」とありますね。江の島は実家からモノレールで(降りてからは徒歩)行けるので、昔はよく行きましたし、新しくなった水族館も3回ほど。仕事と恋愛、不倫、年の差、転職、介護、それぞれの人生。

夏、へちま、ふたたびQue sera sera、この曲を選んだのはそういうことなのですね
【日程決定です】『異説 金瓶梅』

【日程決定です】『異説 金瓶梅』

クロジ

シアターサンモール(東京都)

2012/04/26 (木) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

醜くも可愛らしい
公演が延期される前から興味があった舞台だったのですが、チケットを入手できたので観てきました。
金瓶梅の原作を少し調べてから観劇しました。
二時間強に納まるように、筋書きが変更されてはいるようですが、西門慶を中心に潘金蓮たち女の愛憎が見られます。西門慶の寵愛を受けるために、婦人たちが互いを牽制したり罵り合ったりもするのですが、よく観察していると、可愛らしい一面も見えたりして、それぞれの人物が符号的なものではなく、複雑な内面が描き出されています。
快活な物語ではないし、非日常な舞台なので、好みの問題はあると思いますが、面白い劇でした。

ちなみに、大道具など舞台セットも素晴らしかったです。(小道具だけで屋外や屋敷の敷地内を表現するのも良いです)

サージェント

サージェント

劇団 浪漫狂

紀伊國屋ホール(東京都)

2012/04/26 (木) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

。。。
全く良くなかったです。正直なところ、内容だけで見たら半値の価値もないのではと感じさせられました。
扱うには難しすぎるテーマです。戦争を描くならばもっと徹底的な理解と歩み寄りが必要です。なぜシリアスな方向に持って行き切らなかったのか。あれでは実際に死んだ日本の兵隊さんへの侮辱と受け取られてもおかしくないくらい、とにかく雑で浅かった。平手打ちはするのに兵隊は本気で殴らない生ぬるさ、曹長をわざわざ英語に訳したタイトルの必要性とそのタイトルの空っぽさ、舞台の内容と無関係すぎるフライヤー写真、いらない"女を抱く"件、最後まで把握できない役の名前と関係性、無理のある老人子供の役柄とそれを笑いに変えようとする全くいらない小ネタ、最後に流れるモンパチ、とにかくどれも見ていて溜息をつきたくなる所ばかりでした。
俳優の演技としては決して下手ではなかったと思うので、)演目は背伸びせず、できる年齢やキャラクターに見合ったものでやる方が俳優が活きるのではないでしょうか。とにかく戦争をテーマにするならば、もっと徹底的な覚悟が必要です。日本人の後世に残すべき戦争の形があれでは危険すぎます。

サージェント

サージェント

劇団 浪漫狂

紀伊國屋ホール(東京都)

2012/04/26 (木) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★

祝20周年記念公演
個人的には、まあまあ楽しめた。
それにしても、20周年公演をできるなんて、本当に凄いと思う。
上演時間2時間。

ネタバレBOX

当公演は、1人の女性の生涯を描いた話。
その女性を戦死した旦那が天国から見守るというストーリー。

私が感じたのは、全てが表面的で人生のダイジェスト版の感じがしてしまった。
あと戦争中が結構長く、その後は駆け足しという感じがした。
2時間の公演では、ちょっと難しい内容だったかも。。
全部観た後、例えばお兄さんのエピソードは何だったの?って具合に。

夫婦愛を描きたかったのだと思うが、残念ながら私には伝わりにくかった。

劇団初見であるため、通常公演と比較はできないのであるが、
ちょっと壮大すぎる内容だったような気が。。

ただ20周年を迎えるなんて、相当実力がある証拠だと思う。
通常公演も観てみたい。
カルテット! 4/25浦安公演

カルテット! 4/25浦安公演

アトリエ・ダンカン

東京グローブ座(東京都)

2012/04/12 (木) ~ 2012/04/21 (土)公演終了

満足度★★★

生演奏が素晴らしい!
個人的には、なかなか楽しめた!
芝居としてよりも、演奏会として素晴らしかった!

ネタバレBOX

とにかく生演奏、特にバイオリンが素晴らしかった!

演奏は、有名な「G線上のアリア」や「ボレロ」等、誰でも楽しめるもので、
これだけで十分楽しめた。

<あらすじ>
夫婦は離婚の危機であった。しかも夫は失業中。
2人は学生時代(同じ音大)で知り合い結婚した。
長女はフルート、長男はバイオリンを習っていたが、
長男の腕は凄く、プロを目指していた。
夫婦は、特に妻は昔自分たちが夢みたプロになるという夢を
息子に託していた。

そのため、長女より長男優先の生活となっていた。
長女は誰も自分をみていないことに不満をもつ。
まさに家族がバラバラになる危機。

そんな時、長男は家族(カルテット)で演奏会をすることを提案。
最初は反対していた母親も、演奏会を観に来る人の中に長男の才能に
気づく人がいるかもしれないということを考え、許すことになる。
近所のクラブで演奏会を行うようになり、次第に注目を浴びるようになる。

そんな時、演奏会をみにきていた長男に有名な音楽家から声がかかる。
自分の主宰するジュニアチームに入らないかと。
有望なら選抜メンバーに選ばれ、海外公演を行う世界への扉が開かれる。

長男のことを優先するため、家族(カルテット)は解散することに。
長男が提案し、最後の公演(演奏会)を行うことになった。

長男はジュニアチームでも有望で選抜メンバーに選ばれようとしていた。
そして、選抜メンバーが決まる大事な演奏会の日程が急きょ変更となり、
家族(カルテット)の公演日と重なってしまう。

長男は迷う。
人生を決める大事な日ではあるが、家族の演奏会も大事だ。
長男は父親に相談する。どうすれば良いかと。

父親は答える。後悔しないよう、自分で決めろと。

そして、長男は選抜メンバーが決まる演奏会を選択。
家族の演奏会には出演できないが、代わりに練習では仕切り、
自分も参加しているのと同じにすると決心する。
しかし、家族はすれ違い・・・。

そして、選抜メンバーが決まる演奏会、家族の演奏会の日がやってくる。
果たして、長男は・・・・・。


芝居は「家族愛」をテーマにしていたが、
残念ながら私にはリアリティーがないように感じてしまい、
ちょっと醒めて観てしまった。。。

父親が失業中なのに、就職活動を真面目にしているようには
全くみえないし、息子がお金がかかる音楽の道へ進むときに、
呑気に演奏会やってる場合じゃないだろうと思ってしまった。。。

結局、長男は家族の演奏会を選択するのであるが、
これまた、何やってるんだといった感じがしてしまった。。。

せめて家族が死に直面する等であれば、家族を優先するということに
共感できたのであるが。
私が家族だったら家族の公演日を変更するだろうし。。

こんなことを考えてしまう自分もちょっと残念(笑)。

しかし、生での演奏会は本当に素晴しかった!
役者では、母親役の秋本奈緒美さんが、子供を想う気持ちが伝わってきて
良かった。
あと、芸人のエハラマサヒロさんが面白かった(笑)。
OMEGA DRIVE

OMEGA DRIVE

劇団東京ドラマハウス

上野ストアハウス(東京都)

2012/04/26 (木) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★

悪くはないんだけど
これまでに観劇した東京ドラマハウスの作品に比べ,あんまし伝わらなかったかな。やっぱ,9・11である必要性はないし,新選組やパキスタン人が出てくる必然性もない。もっと身近なものを用いたほうが共感できたんだろうな。また,川添聡介が劇中では単なるドジでのろまの最終的には人に心を開かないデブとしか描かれてなく,なんで好かれるのかにも疑問は残る。演技も声がでかすぎで聞き苦しい役者さんもいた。最終的にはうまくまとめられた脚本だが,総合的に満足感は少ない。★は2と3の間くらいか。

シンベリン

シンベリン

彩の国さいたま芸術劇場

J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

凄まじいオーラ
前売りをゲットできず、当日券狙いで早くから並びました。S席、1万円は正直痛かったけど、それに値する素晴らしい内容でした。なんてったって、役者さんの凄まじいオーラ!何も言わずとも、ただそこに立っているだけで感じる存在感・気・迫力は、ある意味恐ろしくなるくらいでした。『シェイクスピア作品は難しい』という私の固定観念を吹っ飛ばしてくれた本作品。あまりの感動で、人生初のスタンディングオベーションを行っちゃいました…

No Enemy, No Life?

No Enemy, No Life?

village80%

西鉄ホール(福岡県)

2012/04/29 (日) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

ここまで来たら、とことん息苦しくなってみたい
登場人物それぞれの世界の狭さが強調されていて、
息苦しさを覚えました。
演出は内容に対して開放的な作りになってて、
見やすい感じでした。
とことん息苦しさを味わってもいいと思いましたが、
照明とかきれいでした。

へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

へちま -糸瓜-【全公演終了!ご来場ありがとうございました!!】

文月堂

OFF OFFシアター(東京都)

2012/04/24 (火) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

三谷さんの出演が嬉しい
劇作家、演出家としての三谷さんも好きですが、私が最初に知ったのは、女優さんとしてでしたから、久しぶりに、女優の三谷さんを拝見できて、まず嬉しく思いました。

またしても、3姉妹もので、よくある設定のストーリーではありましたが、人物の性格付けが細部まで行き渡り、それぞれの人間や関係性がリアルだったので、比較的、引き込まれて、面白く観ることができました。

「ちょぼくれ~」の時は、気が変になった風のお姫様役だった辻沢さんが、今回は一転、どこにでもいそうな女子大生役で、大変な好演をされ、すっかりファンになりました。

当パンに相関図があり、ややこしいのかと心配になりましたが、芝居が始まってみれば、とてもわかり易い関係で、ほっとしました。

加藤茶の奥さんネタや、鉄の女サッチャーをたとえに出したり、今現在の空気をさり気なく出し、実際に存在する家族と錯覚させる程、何もかもが、秀逸な描き方だったように思います。

ネタバレBOX

長女役の三谷さんが、品があって、聡明な美しさで、本当に、存在感十分でした。

それぞれ、母親が違う3姉妹の複雑な関係性が、わざとらしくなく、実にリアルな3姉妹になっていて、驚きました。

キャストが、皆さん、はまり役。特に、三女のいずみの懸命さ、いずみの婚約者の中川のヒトデ愛を、辻沢さんと白州さんが、軽妙洒脱に演じて、このコンビの芝居は楽しくてなりませんでした。

長過ぎた春の、長女たまきと田邊が別れを決心する際の二人の会話も、秀逸な描き方で、山田太一さんや向田さんのかつての名ドラマを彷彿としました。

ただ、次女のみのりとたまきの会話で、父親の葬儀の日の、田代さんがどうのという件が、ちょっと、私にはよく呑み込めませんでした。

隣家に住むおじを心配して、この家に探しに来る真澄を、田邊が執拗に羽交い絞めにして、追い返そうとする場面は、やや作為的過ぎて、白けました。

全体的に、人物造詣が優れていたので、こういう些細な欠点が逆に、気になったのかもしれません。

いずみの母親が、離婚して、娘と離れて暮らしていながら、娘への愛情溢れる母親の心情を吐露する場面では、思わず、目頭が熱くなりました。

文月堂、益々、波に乗っていく予感がします。
ミュージカル「ロスト・フォレスト~Lost Forest~」

ミュージカル「ロスト・フォレスト~Lost Forest~」

しんゆりシアター

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

地域劇場のこけら落としに相応しい作品とはなにか
音楽座を結成した横山由和さんが作・演出した舞台。
音楽座は名前を知っているだけで拝見したことはないのですが、非常に確かな舞台づくりをされて来た方なのだな、という印象を持ちました。
そして出演者は地力のある、基礎力の高い方が多く、この演出にも慣れた感じで安定感がありました。

けれど、どうしても、今ひとつ、心穏やかに観ることが出来ません。

これは脚本の個性がとても強い作品だと思います。だから、趣味が分かれる。いろんなものを混ぜたいみたいで、そして全く統一感がない。「あぁ、これはこういうものなんだな」と分かりやすいイメージを提示してくるのに、ちょっとずつ外してきます。意外とアヴァンギャルドなんですよね。とてもひねくれています。はっきり言ってよく分かりません。

例えばキャラクター造形について。
幽霊の役があります。
ピエロみたいな服を着ているのに、幽霊だと言って現れます。バレエダンスを踊ってクラシックの素地のある動きを見せつつ、パントマイムのような動きをしつつ、歌を歌い、自分は水子であることを示唆し、最後に道化になります。自分は生きた存在じゃないから命が欲しいと言ったり、幽霊然とすべく恨む能力が欲しいと言ったりもします。そして実は、彼は主人公が描いた絵本のキャラクターなんです。
・・・情報が多すぎます。こんなにいろんな情報を詰め込むと、もはや訳が分からない、スマートじゃないですよね。
人の潜在意識の下にある混沌を描いているので、こんなキャラクターが出て来ること自体は無理ではないのですが、ちょっとやり過ぎです。
でも役者がそれを演じちゃえるんですよね。凄い。

更に難を言うと、構成はくどくて、題材がギリギリなんです。
観客を飽きさせないためにだと思うんですけど、面白そうなオーソドックスなイメージをどんどんつなげてくる。でもそれがとにかくとりとめもなくばらんばらんなものなんです。しかも、楽しく見せようと押しつけてくるんです。疲れてしまいます。飽きさせたくなかったら、場面を重ねるより削る方が有効かもしれません。
また、主人公が女に流産させた胎児のことを題材にしているのだけど、それを何度も何度も重ねて説明してくる。きついですね。そんなに重ねなくてもいいでしょう。作者の個人的な強い思い入れを感じます。

川崎市の事業の1つ、地域劇場を目指して作られた「しんゆりシアター」という団体の最初の演目ですが、これで良かったのでしょうか?
 地域を相手に、演劇をあまり観劇しない人にも観に来て貰うことを狙うならば、誰もが共感できそうな普遍的な題材を選ぶ方がいいのではないでしょうか? 胎児を失うこと(及び中絶)は、当事者にしか分からない非常に大きな感情の波を起こさせると思います。それは想像では補えないほどのものだと思います。その苦悩を負った男を応援する温かい、いや、熱い物語なんですけど、その熱さを役者も観客も共有出来るでしょうか? 経験者でなければ、おおいなる疎外感を持つのではないでしょうか。脚本を書いた人以外は。

私の読みでは、演出家の非常に身近な人にこういったことが起こり、
彼へのエールの気持ちから出来た物語なのではないかなぁ。
そんな"個人的な感じ"が強い作品を地域劇場のこけら落としに持って来るというのは、どうかなぁって思いました。

【日程決定です】『異説 金瓶梅』

【日程決定です】『異説 金瓶梅』

クロジ

シアターサンモール(東京都)

2012/04/26 (木) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

Fuck!!
チケットプレゼントにて鑑賞。原作は知らない。とても面白かった。

ネタバレBOX

年の離れた夫・武大(西田幸雄)にぞんざいに扱われる、饅頭を売る金蓮(木村はるか)は、武大を殺し、街の富豪、権力者で色魔の西門慶(藤波瞬平)の第五夫人となり、寵愛を受ける。しかし、西門慶の友人・子虚(三原一太)を殺し、第六夫人に収まった李瓶児が身ごもると、金蓮は瓶児を殺し、西門慶も刺殺。主人が死んだ家から皆離れていき、残った金蓮の前に、武大の弟・武松(武藤啓太)が現れ、金蓮は雪の降る中、殺される。

夫人らだけでなく、友人やその妻、女中にいたるまで、呪われてんじゃないかってくらいに、愛憎による悲劇が吹きすさぶ異様なストーリーなんだけども、異様な魅力が溢れてた。金蓮の子供じみた愛への依存、第一夫人・月娘(松崎亜希子)の破壊衝動、西門慶の下衆な性質、まともそうな雰囲気の瓶児も善良そうな子虚を毒殺しちゃうし、西門慶の友人・伯爵(関智一)は月娘への想いが暴走するし、第四夫人・セツガ(酒井香奈子)は嘘ついて彼の目を潰しちゃうし…人間の魑魅魍魎な部分が絵巻物のように次々展開するのが楽しい。せっかくだからもっとドス黒い雰囲気でも良いけど。
舞台は街の権力者=富裕層の家なのに、満たされない心がそこかしこで悲鳴をあげ、さらなる悲鳴を呼ぶ。西門慶がいっていた、月娘と自分の関係がすべての発端だろうか。落ち続ける人間たちの狂気を、上手く見せた舞台だった。てかこの家、風水的に悪いんじゃないかと思う。

西門慶から追い出される前に、色町に戻ると決めた嬌児(内田晴子)や元彼とヨリを戻したセツガ、第二夫人の玉楼(あきやまかおる)らは、命もあって、「次」に進める気持ちにさせるのが皮肉でもある。

舞台セットも力が入っていて、個室や簾、階段、フルに機能してていい具合。照明もいい感じだった。良舞台。

役者は、三原一太と関智一が良かった。女優はあきやまかおると酒井香奈子の声と容貌に惹かれた。ちなみに、ラストの金蓮と武松のシーン、二人とも目に「狂ったような黒いモノ」がもっとあれば、もっとシビレたと思う。
必脚仕事人

必脚仕事人

博多力派演劇南無サンダー

湾岸劇場博多扇貝(福岡県)

2012/04/28 (土) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動した!!
ど主観で。

感動した。演劇ってこういうことだな。
と思った。

ネタバレBOX

これまでの自分の書き方でいけば、好き嫌いとクオリティを適当にミックスさせるから★×3とか4とかなんだけど。
もう、ここまでやってくれたら、そういうのは吹っ飛ぶ。今年のベスト芝居になるかもしれない。

詳しくは、
http://sakuteki.exblog.jp/15789537/
シンベリン

シンベリン

彩の国さいたま芸術劇場

J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

引き込まれました
3階の最後列、役者さんの表情は何とかわかり​ます。
奥行きがしっかり見え、舞台の転換、戦闘シーンの厚み​などが観れて 新鮮でした。

ネタバレBOX

開場後、客席にはいると、舞台は楽屋のセットです。
開演が近づくにつれて役者さんが楽屋に入ってきます。
そして、開演と同時に....!これでお客さんは引き込まれまし​た。

美術・演出は、歌舞伎など日本を意識したものとなっていました。
舞台は、ブリテンやローマなのですが、
背景に墨絵や源氏物語を使用したり、拍子木や琵琶なども活用され​ています。
楽屋

楽屋

ゲキダン大河

ぽんプラザホール(福岡県)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/29 (日)公演終了

満足度★★★

気付く
冒頭で、観たことがある作品ということに気付きました。
でも、演出が違うので。じっくり拝見。
美術として、楽屋の鏡があり客席側に向いてい​ます。
役者さんがメイクをする際は、客席に背中を向けるわけですが、
これは、ラストシーンのためなのですね。

ネタバレBOX

生瀬さん演出は、楽屋の鏡はなく、ある体でメイクの際は役者さん​が
観客と向かい合って座っています。このため女優さんの表情の変化​が見て取れます。
笑いもふんだんに取り入れられていました。

演出が違えば、作品も別物になって当然ですが、
大河さんは、まじめな方向だったかなと思いました。
アナンド雪さんは、女優Bと女優Dの2役で6公演交互に出演。
お疲れ様です。
FIRELIGHT

FIRELIGHT

たすいち

吉祥寺シアター(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

幻覚の美しさが光る
主催の目崎剛が「娯楽、エンターテイメントを提供したい」と言う通り
舞台から飛んでくる直球が心地よく、演出のセンスの良さもあって楽しかった。
キャラの立った出演者の熱演と設定のアイデアが光る舞台だった。

ネタバレBOX

3年前の大火事で家族を失った人々が肩を寄せ合うように暮らしているスラム街。
このスラム街に、「マッチ売りの少女」が出没する。
彼女が売っているのはマッチタイプのクスリ「FIRE LIGHT」だ。
見たいものが幻覚となって現われるという心の麻薬で、連日大勢の客が来る。

火事の原因は放火だったのか、犯人は誰か?
一体誰が「FIRE LIGHT」を作ったのか?
記憶喪失の少女は何を知っているのか、何を見たのか?
家族や恋人を喪った人々と、真相を追う警察がスラム街をぐるぐるめぐる。

空間を活かしたセットがストーリーを立体的に見せる。
アンサンブルも含めると総勢30人近くが舞台を出入りするのだが
上手下手の他、二階建セットに合計6か所くらいの出入口があって
場面の切り替えもスピーディーに行われる。

スラム街の人々のキャラクターが所謂典型的なタイプではあるが
それが気持ちよくはまっていて安定感がある。
それに対して警察メンバーの行動にイマイチ納得できないところもあった。
犯人を撃った男は逮捕されたのか?
警官としての職務はあれでいいのか? 等々も・・・。

ラスト、一気に謎が解ける場面でちょっと緊張感が途切れた。
火サスの崖のシーンじゃないけど引っ張り過ぎると終わりが締まらない。
それより、犯人の動機をもう少し丁寧に描いた方が納得できたと思う。
スラムの人々が魅力的なだけにそれを破壊するだけの理由づけがないと腑に落ちない。
ファンタジーの中で真実=人の心のありようを描くなら
真実がリアルな方がどちらも際立つのではないかという気がする。

しかしそういう「?」を蹴散らすだけのアイデアが随所にあった。
見たいものを幻覚として見せるクスリ「FIRE LIGHT」という発想が光る。
幻覚の場面の演出も秀逸、シンプルながら儚くて哀しくてとても良かった。
効果音や劇中の音楽もセンスの良さを感じさせる。

あの客入れの時の歌、すごくいいですね。
あれは誰が歌っているのか知りたいと思った。

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