【日程決定です】『異説 金瓶梅』 公演情報 クロジ「【日程決定です】『異説 金瓶梅』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    Fuck!!
    チケットプレゼントにて鑑賞。原作は知らない。とても面白かった。

    ネタバレBOX

    年の離れた夫・武大(西田幸雄)にぞんざいに扱われる、饅頭を売る金蓮(木村はるか)は、武大を殺し、街の富豪、権力者で色魔の西門慶(藤波瞬平)の第五夫人となり、寵愛を受ける。しかし、西門慶の友人・子虚(三原一太)を殺し、第六夫人に収まった李瓶児が身ごもると、金蓮は瓶児を殺し、西門慶も刺殺。主人が死んだ家から皆離れていき、残った金蓮の前に、武大の弟・武松(武藤啓太)が現れ、金蓮は雪の降る中、殺される。

    夫人らだけでなく、友人やその妻、女中にいたるまで、呪われてんじゃないかってくらいに、愛憎による悲劇が吹きすさぶ異様なストーリーなんだけども、異様な魅力が溢れてた。金蓮の子供じみた愛への依存、第一夫人・月娘(松崎亜希子)の破壊衝動、西門慶の下衆な性質、まともそうな雰囲気の瓶児も善良そうな子虚を毒殺しちゃうし、西門慶の友人・伯爵(関智一)は月娘への想いが暴走するし、第四夫人・セツガ(酒井香奈子)は嘘ついて彼の目を潰しちゃうし…人間の魑魅魍魎な部分が絵巻物のように次々展開するのが楽しい。せっかくだからもっとドス黒い雰囲気でも良いけど。
    舞台は街の権力者=富裕層の家なのに、満たされない心がそこかしこで悲鳴をあげ、さらなる悲鳴を呼ぶ。西門慶がいっていた、月娘と自分の関係がすべての発端だろうか。落ち続ける人間たちの狂気を、上手く見せた舞台だった。てかこの家、風水的に悪いんじゃないかと思う。

    西門慶から追い出される前に、色町に戻ると決めた嬌児(内田晴子)や元彼とヨリを戻したセツガ、第二夫人の玉楼(あきやまかおる)らは、命もあって、「次」に進める気持ちにさせるのが皮肉でもある。

    舞台セットも力が入っていて、個室や簾、階段、フルに機能してていい具合。照明もいい感じだった。良舞台。

    役者は、三原一太と関智一が良かった。女優はあきやまかおると酒井香奈子の声と容貌に惹かれた。ちなみに、ラストの金蓮と武松のシーン、二人とも目に「狂ったような黒いモノ」がもっとあれば、もっとシビレたと思う。

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    2012/04/30 00:49

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