
ナカフラ演劇展
中野成樹+フランケンズ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/06/07 (木) ~ 2012/06/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
成熟した演劇
とっても大人な劇団だと思う。
くだらないこともやっているのだけれども、ちゃんと見通しが立ってヤリ過ぎない。酔わない。溺れない。山の手の都会的スマートさというべきか。
特にCプロの3本はそれぞれ持ち味が異なりながら、とてもクオリティが高く、笑えたし空寒い怖さを秘めたユーモアが絶妙に輝いていた。
俳優も個性的で魅力的。けれどもアクが強いとうよりも洗練されている持ち味という感じである。30分~1時間の短編物としての切れ味のよさは、長編物の時にはエグ味となったり、人工的な印象につながるのだが、短編は素晴らしい。

濃紺羊は旅に出る
移動する羊
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2012/06/23 (土) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

10年目のペンギン
はらぺこペンギン!
ザ・ポケット(東京都)
2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★
10年すごい
10年続けることは、とてもすごいことだと思う。
出演者同士の信頼感というものが、舞台上であるのが感じられた。
劇団というもののいいところは、そういうことだろう。
悪くいえば、馴れ合いなんだけれども。
自己規定が強すぎる。話の筋は面白かったけれども、変人さのアピール大会は面白いというよりも気味が悪かった。

Panelist Drive
トライフルエンターテインメント
シアターサンモール(東京都)
2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★
主人公Aの勝利でした
マルチエンディング方式という結末に興味を引かれ観劇してきました。
どういった舞台になるのかと思っていたら、観客を巻き込んでのクイズ対決。
これは、出演者のファンならとても楽しいだろうなと思いました。
反対にクイズ対決にまで持っていくストーリーがクイズ対決ありきでおざなりな印象も。
ただ、色んなパターンでできるかもと思うと、可能性としても色々広がっていくんじゃないかと思いました。

狐狗狸狐狸九九二錠の1/2
mimimal
新宿眼科画廊(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/27 (水)公演終了

狐狗狸狐狸九九二錠の1/2
mimimal
新宿眼科画廊(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/27 (水)公演終了

ハムレットォ!!
少年社中
あうるすぽっと(東京都)
2012/05/25 (金) ~ 2012/05/31 (木)公演終了
満足度★★★★
共感できるハムレット
今まで見たハムレットを覆すかのような、面白くて楽しいハムレットでした。
旅役者側のオリジナルストーリーを、シェイクスピアのハムレットにうまく絡ませて、最後まで飽きさせずにもっていく力はさすがだと思いました。
人情味溢れててその気持ち分かるわーとなるハムレットを見たのは初めてです。
エンタメ要素たっぷりで楽しかったです!

葡萄酒いろのミストラル
シアターキューブリック
ザ・ポケット(東京都)
2012/05/23 (水) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
ファンタジー
ファンタジーすぎるほどファンタジーなのに違和感がなく、物語にはすんなりと入っていけました。
ふんだんに散りばめられた宮沢賢治の世界観もマッチしていて、心の中に爽やかな風が吹き抜けていく感覚を覚えました。
ただ、個人的なことで本当に申し訳ないのですが「永訣の朝」を過ぎるほど感情的な表現で詠むのが苦手なので、せっかく入り込んでいた世界から引き戻されてしまったのが残念です。

「バスストップ」
Stage SS zakkadann
中津芸術文化村ピエロハーバー(大阪府)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/23 (土)公演終了
満足度★★★★
狭間の世界
初めて観た劇団 初めての劇場、 舞台は、よみじ交通 ←こっち あっち → のバス停とベンチ
現実のバス停が、黄泉の国へ つながっている。 バス停の ←こっち あっち → では、ここは、狭間? バスは、三途の川を渡すバス。
大きな力を持った青い髪の女、下僕は猫の生まれ変わり、可愛い白猫を送るのに、別のクロネコを送る、そして怒られている。 人間味たっぷりな下僕の名前は、四二上(シニガミ)イクゾウ、 彼は、 ノートを渡されて(足元に投げつけられて)ノートに出る名前の人を連れて来い。 話は進む、 バス停に女が一人くる、花村ミチコ もう一人 竹下すもも もう一人 17歳セーラー服 フナキ カオル “痛い!!” “今カンフル注射を打っている” 途中・ダンス・歌、・ちょっとお笑い それは無意味ではなく 狭間の重なった世界を表現している、☆赤フンの大男と白塗りの女(花魁?) 男が引っ張っているが、最後は、女が赤フンを引っ張る(心中の物語がちらつく) ☆どら猫ロックンロール 白猫と黒猫 ☆夜鳴きそば “のっぺらぼう”が出てきそうな 昭和の雰囲気
物語は進む 女二人“運命は自分で切り開く” しかし・・・狭間が混乱した?
面白かった。 ここの役者さん、上手い、丁寧に演じます。

THE BEE Japanese Version
NODA・MAP
水天宮ピット・大スタジオ(東京都)
2012/04/25 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
醍醐味
舞台における醍醐味として見立てがある。
見立てがふんだんに使われていて、またその見立てにより醸し出される恐怖に否応なしに引きずり込まれていきました。
視覚から受ける情報を脳で変換し、感情を掻き立てる。
舞台観劇がなぜ楽しいのか。
いくつもある答えの内の一つを観ることができて嬉しかったです。

狐狗狸狐狸九九二錠の1/2
mimimal
新宿眼科画廊(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/27 (水)公演終了

㐂(よろこび)
ろりえ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
叙情・叙事
久々のシアターグリーンにて、「三鷹の化け物」以来のろりえ。旗揚げから全公演観てまっせ。毎回新しい発見がある、やはり若手筆頭と思わせられる劇団。
叙情・叙事両方を含んだ壮大なドラマ。長さといい作風といい、先日の「百年の秘密」に通ずるものがある。奥山雄太さんの作品には必ず差別であったり自分の居場所に対する想いであったりが含まれていて、そこに一定のくだらなさと物事の軽さを加えて天秤にかけさせる。観客はそれを観て、自分の「何か」投影させ、客観的にその「何か」を考える事ができる。不思議な劇団だ。そして、まだまだ目が離せない劇団だ。
それらを表現する事を担わされているろりえ娘4人。魅力がすごい。志水衿子さんの天真爛漫さ。ブレんなあ。

負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED-
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2012/04/23 (月) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
それぞれの答え
評判で気になり観劇してきました。
パレスチナ問題を詳しく知らないで観劇しましたが、焦点となる部分は劇中でわかりやすく説明されていて、関係性や問題となる重さが充分伝わってきました。
人としての幸せを望む時、人種や生い立ち、周りの環境がそれを阻む場合、どう答えを出すのか。
劇中で出された答えは悲しいものでしたが、それ以外にどうすれば良かったのかというものを自分では見つけられませんでした。
重く辛い結末に、舞台ではあるけど現実でもあるのだと考えさせられました。

Goodnight
劇団競泳水着
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了
満足度★★★★
コメディ色も強いですが
笑わせて下さる登場人物が多々登場します。
でも、強い言葉の放たれるぶつかる場面はしっかりあるし
緊張感と笑がほどよい感じで登場人物の1人じゃないけど
自分も何か持って帰れた気がします。
普通なら★×3だけど今の私に響いた言葉がありました。
まだ初日だからブログもTBも暫く控えますが
観ようか迷ってる方にはぜひお勧めしたいです。

百年の秘密
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2012/04/22 (日) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
壮大
当日券目当てで劇場へ行っても入れなかったりを繰り返し、遂に平日のナイロン100℃。ナイロンは11月の「ノーアート・ノーライフ」再演以来。ケラさんの作品は「龍を撫でた男」以来。
ナイロンの作品は長いので平日仕事の後に観るのはいろいろしんどい。内容に関係なく疲れで眠くなってしまうのだ。なので極力平日は避けていたのだが、今回は仕方がない。それくらい観たい作品だったのだ。で、観た。
・・・・・・・・素晴らしかった。3時間超えだったが全く眠くならず、とにかくグイグイ引き込まれる大河ドラマだった。演劇が持つ可能性を改めて感じさせられた。本を書いている時にケラさんがTwitter上で見せている苦しみの成果をとくと感じさせてもらえた。感謝感謝。
過ぎ去る時間によって増長させられる皮肉や運命のいたずらなど、直球ではないケラさんのナンセンスを堪能させてもらえた。満足満足。満足過ぎる。全てを見ている木の存在がたまらない。これからも見続けるのであろう。
峯村リエさん、大倉孝二さん、松永玲子さん、3人のシーン。何だかジーンときた。松永さんを観させてもらうのが久々だったというのもあるのだけれど、何だかナイロンの歴史を感じてジーン。もちろん犬山イヌコさんと峯村さんのシーンも。今江冬子さんは帰ってきてくれないのかな・・・

Goodnight
劇団競泳水着
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

ピラカタ・ノート
ニットキャップシアター
ぽんプラザホール(福岡県)
2012/06/23 (土) ~ 2012/06/25 (月)公演終了

黄昏のジャーマン・スープレックス・ホールド
グレコローマンスタイル
西鉄ホール(福岡県)
2012/06/22 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★
予想と違ってましたが。
ショー的な演出かと思っていたのですが、終盤近くまでは、お芝居重視でした。
プロレスリング存在感すごし。

いないかもしれない 動ver.
青年団若手自主企画 大池企画
アトリエ春風舎(東京都)
2012/06/16 (土) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★
物語と分離した身体表現
『静ver.』とほぼ同じ台本をうさぎストライプのスタイルで演出していて、同じ物語ながらもかなり異なる雰囲気がありました。
舞台にはランドセルやピアニカ、ノートといった小学生時代を連想させるのアイテムが散乱していて、6人の役者は物語上ではいない設定のシーンでもずっと舞台に居続ける演出で、リアリズムな演出だった『静ver.』を観ていないと状況が分かりにくかったと思います。途中で実際にその場に居る設定になっている役者達の間でボールを回し続けるシーンがありましたが、そのような仕掛けが他のシーンでもあったら良いと思いました。
相対性理論の曲に合わせて運動やゲームやダンスをしながら台詞を話し、曲のサビで照明が全開になるのは、選曲や動きを含めてうさぎストライプのスタイルそのままでしたが、うさぎストライプとは違って物語に関連する動きをするシーンもあり、その時はこの手法がとても効果的に感じられました。しかし、動きと物語が関連していないときはそうする意義が感じられない時が多かったです。
動きをこなすのにエネルギーが持って行かれたのか、『静ver.』ではしっかり描かれていた各キャラクターの性格の表現が弱く感じました。

果てしの花園 【ROSE】 【JASMINE】
室生春カンパニー 劇団 風の森
荻窪小劇場(東京都)
2012/06/21 (木) ~ 2012/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★
ROSE 見ました。すごく魅力あるミュージカル
で、あくまでギターの生演奏と肉声にこだわった演出にはまりました。時空が入り組んだような不思議な構成に若書きの脚本の意気込み、情熱を感じずにはいられませんでした。面白かったなぁ・・・・アナログな感じとか、全くありません。ただ最終日のせいか、あるいは空調のせいか、終盤に近づくにつれ、歌声に伸びが無くなり、音程もふらつきが出始め、荒さが目立ってきた。これがすごく残念でした。終盤の歌声などは特に印象に残りやすい。画竜点睛を欠いた感じでした。