最新の観てきた!クチコミ一覧

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「ジャパニーズ・ジャンキーズ・テンプル」

「ジャパニーズ・ジャンキーズ・テンプル」

ハイブリットハイジ座

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2013/03/16 (土) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

ジャパニーズ・ジャンキーズ・テンプル
学生劇団は下手なのはしょうがない(実際何言っているのか聞き取りづらかった)のですが、ほとんどの学生劇団はそのままなのですが、ハイジ座はそれを克服しようとセリフと身体が連動してグルーヴ感をだそうという工夫がありました。しかしどこかで観たよねの域をまだ出ていませんでしたが、ちょっとずらすだけで飛躍していくのではないかと思います。そしてドンドコドンドコ爆音で流せばいいということはありません。作品にふさわしい適音選曲を。

テケリリ

テケリリ

テケリリ

西陣ファクトリーGarden(京都府)

2013/03/15 (金) ~ 2013/03/18 (月)公演終了

満足度★★★

テケリリ
開演前の怪しい雰囲気から想像もつかない浅い印象。こうなるだろうな、と思っている方向へ音の効果も相まって追い込まれていく。気持ち悪かったらよかったのだけれど。初日を観たからなのか。残念。

秘を以て成立とす

秘を以て成立とす

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2013/03/01 (金) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

してやられたり
前半くらいまで「なんか淡々と進むなー」と思っていたのだ。全然気づかなかったのだ。ハリオと赤城が内なる晋太郎であることを。それだけハリオはいかにもぐうたらな下宿人然としていたし、赤城は颯爽と登場するから医者の一人と思っていた。だから晋太郎の妻、津弥子の苦しみもわからなかった。それがわかった時、ああ、そうだったのか、本当に大変だったんだなって・・・。藤本喜久子さんが巧いから余計こみ上げてきちゃって。私はいつのまにか桑原裕子のマジックにかかり、気がつけば頬を熱いものが伝っていた。KAKUTA健在なり、だな。

忘却のキス

忘却のキス

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2013/03/01 (金) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

これは難しいぞ
「難解」としか言いようのない芝居だ。役者の台詞を理解しようと反芻していると次の台詞はあらぬほうに飛んでいて聞き逃してしまう。(台詞回しも早いし)
ただ言えるのはどのシーンでも登場人物の台詞がかみ合っていないというか、自分勝手にまくし立てているというか、まあそんな感じだ。(初めと終わりの映画を観た後の観客たち、医者と患者、そして主人公の男と女etc・・・)でも何故か男と女は最後には赤い傘に二人で入ってハッピーエっぽい感じなのだ。(私が見落とした箇所が沢山あったのだろう)芝居を理解しようとしてクロマチック・アコーディオンの素敵な演奏をだいぶ聞き逃してしまったようだ。これは素朴な疑問だが、役者さんはこの難解な台詞をどうやって覚えるのだろうとそればかり気になってしまった。この作品は私には点数を付けられません。“観たい”に「挑むつもりで観ます」なんて書いたけどこりゃ完敗だな。

黄昏の笑顔

黄昏の笑顔

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2013/03/09 (土) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

Aチーム観劇しました
いつものだるま座とはちょっと毛色の違うライトなSFコメディ。前半はハイテンションのツッコミ合戦。後半はちょっとシリアスな展開になってきます。十分楽しめましたけど、なんとなく焦点がボケていた感じがしましたね。

ユメオイビトの航海日誌

ユメオイビトの航海日誌

怪傑パンダース

ザ・ポケット(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

浪漫の心は常に胸に
ファンタジーとして熱く、そしてしっとりも含んだ内容で展開されてました。個性的な面々が出てきて、そして主役はカッコいいなぁと。僕が観た回が最初の方だったか、殺陣は甘さが目立ったかな。以下

ネタバレBOX

客席の両袖にある旗や舞台の雰囲気も、ワンピースならぬ海賊時代ではないけどワクワクしやすい空気はありました。人間界と精霊達の世界観は、感情移入もしやすくなるのでもっと詳細があってもよいと思います。いせさんがローサの回でしたか。レナさんの動きやラストの殺陣が合ってなくて気になりました。どんな舞台でも最初は肝心、中だるみは要注意だし、ラストがなければ話にならない。初演は初演の緊張感や新鮮さがあるし、千秋楽になれば完成度は増す。舞台は生き物だと感じました。ありがとうございました。
ラッコサイズラッコ【公演特設ページ公開中】

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トリコロールケーキ

シアター711(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

α波を誘う
ナンセンスというか、よくわからない空気は健在なのだなと。ゆるく見て、フワフワと眠気のような誘いの中で見る楽しさのようなものは感じました。以下のちほど

ネタバレBOX

個人的には刑事たちが面白かった。心地よいゆるさによって本当に眠くなってくるので、ゆるいストーリー展開の中に無駄なくらい激しい動きが沢山欲しいです。謎めいたギャップが、よりあの空間を引き立ててくれる気がします。
全く関係ないですが、観にきてくれた老犬レオくん。うちの雑種は今年で19になります。13歳はまだまだ若いです。こじ付けて劇団さんも、若々しく元気にいって欲しいです。
シロツメの咲く後に

シロツメの咲く後に

夏色プリズム

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★

えーっと・・・
劇中劇というアイデアはおもしろかったのですが、
ミステリー部分が残念で、もったいないなーと思いました。
私がわかってない所が多いだけなのかも。
誰か「そこはこうだったんだよー」ってわかる人いたらコメントでご教示いただければ幸いです!

ネタバレで

ネタバレBOX

最近はコメディや感動ものばかり観ていたので、ここらでミステリーと、
「驚天動地のサスペンスミステリー」というのに惹かれて観に行きました。

「驚天動地」ではあったと思います。たぶん・・。
劇中劇中劇中・・・(殺人犯の妄想?幻覚入り)というアイデアはすごくおもしろかった!
んですが、殺人シーンとキャラクターの掘り下げというか動機や行動などに「えっなんで???」となる所があまりにも多すぎて全く入り込めませんでした・・・。
アイデアのユニークさに頼り過ぎて、肝心のお話がサスペンスミステリーにしては、ツメが甘い気が・・、これミステリーなの??と思いました。

劇なのか現実なのかわからなくなる・・・というアイデアだけに、もうすこしリアルさがあっても良かった気がします。私がリアルさを求めすぎてるだけなのかもしれないので、少しうざったいコメントになるかもしれませんが、他の方が既に指図されているところも含めてわからなかったところ。

①演出家が刺されるシーン
あまりにもざっくりしすぎ?息してないとか、脈とまってるとか、死亡確認もないまま運ばれていく。私が見逃しただけでしょうか?ていうか死んでたんだよね???あれぐらいで死ぬの?とも思いましたが。気を失ってただけなら運ぶ前に止血してるハズだし・・。

テープで囲った死体痕を皆が普通に踏んでるのもあれー?と思いました。運ぶときのためらいというか勇気を出してるような演技はリアルで良かったのになーと少し残念。

②殺人犯の長谷部が自演自作で怪我をするシーン
銃声?っぽいものが聞こえたのに、銃ではなかったらしい。びっくりさせるだけの音??

③突然テレビがつく
誰かが間違えてつけたとか・・・?それにしては事故の報道が流れてたのは偶然すぎる?あれも長谷部の意図なんですか?だとしたら「誰がつけたの?誰よ??」という更なる疑心暗鬼とかあってもよかったと思います。そのあとの新井があわててテレビ台で何かさがしてたのは、そういうことですよね・・・?

まっっったく関係ない話ですがテレビ台にラーメンズのタワーのDVDが置いてあってなんかうれしかったです。

④殺人犯が自白
「どいつもこいつも刺したり首絞めたり」って自白・・・ちょっとがっかりです。
盗聴器が必要だった人間、録画に写ってた光る腕時計だけで証拠十分だった気がします。劇中の話を進める演出として必要だったと言われればそれまでですがー・・・。
ミステリーならもう少し推理がほしかった。自白は話がうますぎてがっかりです。長谷部の復讐動機と、新井がひきにげ犯ってのは「なるほど」と思いました。なんで警察が追ってるひき逃げ犯を長谷部が知ってるの?ってのは謎ですが。
自白の後の犯人との距離も近すぎて、違和感がありました。普通あんな近く行けませんよね・・。

⑤それぞれのキャラクターの掘り下げ
千秋さんはなぜ新井をかばったんですか?
千秋さんにはなにか事情がありそうでした、いろいろ伏線があった気がするんですが・・・。
佐藤くんの「僕も長谷部さんの気持ちわかります」も何が?って感じました・・・。


以上です。

欲を言えば、最後の佐藤くんと千秋さんの会話にもう一つ、何かほしかったです。
キャラクターのほとんどが何かしら事情があるようだったので、最後の二人が話すシーンでも何か一つ「そういうことかー!」って思える話、すこしひっくりかえすような展開があったら、もっとおもしろかったのになーと思いました。

首を絞められた時の「なにすんだよ」という暴れっぷり、勢いで殺してしまった犯人のあせりの息切れ、和美ちゃんが襲われた後返り血をあびながらもナイフでなんども刺して殺す、止めようとした佐藤くんも腰を抜かしながらあとずさり、などのシーンがなかなかリアルだったので他シーンももっとリアルに寄せてよかったと思います。

役者さんの演技は全体的に良かったと思います。特に和美ちゃん(北島莉恵さん)と殺人犯の長谷部さん(近藤康弘さん)は吹っ切れてやってる感じが好きでした。ほんと役者さんてすごいですね。

チラシとタイトルの関連性も全然わからなくて、意外性をつこうとしたのなら失敗してると思いましたって書こうとしたんですが、シロツメの花言葉が「復讐」なんですね、調べて初めてわかりました。チラシに写ってる女の子は和美さんか事故死した子なのかな。めぐみさんだっけ・・。
城

MODE

あうるすぽっと(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/20 (水)公演終了

満足度★★★★

思ったよりはるかに観やすく美味
カフカだし、原作ががっつりボリュームがあることも知っているし、
入場時に掲示されていた上演時間もけっこうなものだったので、
不条理な難解さとのガチ対決の覚悟を決めて観はじめたら、
意外なことに、これが、シーンごとにとてもわかりやすくおもしろい・・・。
良い意味で裏切られました。

観る側を離さない冴えやウィットもいろいろにあって、
まるっと最後まで観切ってしまいました。

ネタバレBOX

舞台がいろいろにくっきりと綺麗・・・。
役者の所作や絵面がとても映える美術。
シーンの区切りもよくて、
観る側をひとつの時間で飽きさせない。
シーンの間に挿入される文字での説明にも、
物語を進めたり、示唆があったり、どこか哲学的でもあったりと、
一様でない表現のバリエーションがあって・・・。
観る側をやわらかく揺さぶり、
物語の次へと観る側を引き込んでいく。

場の色の組み上げも実に多彩、
会話でしっかりと作ったり、
動きで繋いだり、
衝動的な愛情の表現に身体をしなやかにさらけ出したり・・・。
それらが、時に強く、すっと流れ、かとおもえば留まり、
行き場をなくし、解き放たれて・・・、
様々な変化となって観る側を繋ぎとめ顛末を追わせる。

カフカ=不条理というイメージでしたが、
作品に描かれたものに不条理さを感じることはあまりなく、
その一方で、
様々な価値観の頑迷さやご都合主義や
人々の狡さやあからさまさを、
シニカルに眺めるような視座の作り方があって。
役者達もキャラクターを舞台の色に染めるのではなく
むしろその色を踏み台にして、
ロールのありようを瑞々し人間臭く織り上げる
踏み出しに捉われる。

舞台美術も実に秀逸、
役者も安定していて、
歩く姿から
織り上げられるダンス的な動きでのシーンにまで
様々に織り込まれたニュアンスと
観る側をひとつの印象に立ち止まらせない切れと
鮮やかさと美しさがあって。

休憩込みとはいえ、密度をしっかりと持った舞台を
3時間近く観続けると、
流石に少し消耗はしましたが、
でも体感的に時間を長いと感じることもなく、
重く堅苦しい印象もなく、
飽くことなく、城とそれを取り巻くものと測量士のなりゆきを
追うことができました。

いろんな寓意や風刺が込められた作品だと思うし、
それを全て受け取ることができたかというと
少々怪しいのですが、
でも、その中に、
登場人物達がそれぞれに処世をし、
生きていく生々しさも深く印象に残って。

とても、面白かったです。



続・11人いる! 東の地平 西の永遠

続・11人いる! 東の地平 西の永遠

Studio Life(劇団スタジオライフ)

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/02/28 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

前回と引き続き
とても面白かったです。
原作を読んでから、舞台を観たのですが、必要なところをうまく残し、原作で分かりにくかった部分は舞台で分かりやすく表現してあったりと、話と演出両方楽しむことができました。

男子ing!!

男子ing!!

Smile Earth Project

俳優座劇場(東京都)

2013/03/08 (金) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

面白かった!
再演を重ねてきた舞台のようですが、実際に観に行くのは初めてでした。
内容が作りこまれており、単に元気でハツラツとした舞台だけではありませんでした。
また再演があれば是非見たい作品です。

歴史の天使と住宅事情

歴史の天使と住宅事情

アシメとロージー

劇場MOMO(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

高齢化を象徴
黒板を使ったり、3方向から見える客席など面白かったです。

ネタバレBOX

冒頭の説明で団地が一大文化だと知りました。高齢化を象徴しているようで、社会の関心も高い視点だと思います。ゼネコンを定年退職した男性を主役にした点も設定に合っていたと思います。

若い頃の恋人を探す物語と、新婚カップルの新居探しが終盤で繋がる流れが見事でした。中盤は少し冗長な感がありましたので、エピソードを整理したらスッキリした気がします。ただ、全体的に感情面では淡白な印象があります。主役が高齢男性であるためか、全体的に淡々とした印象の作品であり、パンフの印象と異なりました。静かな作風で統一して仕上げても良かったと思います。

黒板がとても効果的でしたが、舞台装置の時計や街灯も良かったです。植木が枯れた感じは良いのですが、ススキが気になりました。話の中で季節が巡るので、季節感が強いものは避けた方が良いと思います。

ギャグは一人に頼りすぎな感があります。申し訳ないのですが、内輪受けの感じがありました。高学歴をネタにするなら、もう少し知的なものにして欲しかったし、他の人も巻き込んだ形の方が良かった気がします。

演技では主役と冒頭の説明役の方が印象的でした。抑えた演技が作風に合っていたと思います。探偵、自衛官も役に合わせた工夫が良かったです。自衛官の彼女も気が強い感じが好印象でした。父親への思いも良く伝わったと思います。ねじ工場の二代目は精彩を欠きました。調子が悪かったかもしれませんが、集中を欠いた様子が待機中のみならず、演技にも現れていた印象です。

パンフのレーダーチャートは面白かったのですが、印象と違いました。スタッフワークはとても良かったです。カードは手違いでスタンプが押されたようですが、スタンプの色を変えれば良かった気もします。ご招待は嬉しいのですが、気の毒な気がします。
着想や見せ方はとても良かったと思いますので、次回作に期待します。

僕たちの町は1ヶ月後ダムに沈む *TypeA*

僕たちの町は1ヶ月後ダムに沈む *TypeA*

ソラリネ。

上野ストアハウス(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

ダムから原発再稼働まで
 保証金を貰って、故郷を離れる人々と残った人々の話と言えば言える。この手の話の現実面を様々な類似ケースで聞いている。一時的に大金が入った結果、ギャンブルや酒色に溺れ、家族離散の憂き目を見た、とか新規に慣れない事業を始めたが失敗したとか、移り住んだ土地の人々との折り合いが悪く、学校で子供達が苛められ、親子共に精神的な苦痛を受けた等々、マイナス要素も多々ある。
 その辺りの事情をかなりリアルに再現して居る分、自分にとっては、ちょっと物が言い難い作品でもある。

ネタバレBOX

  話の内容が、重いので考えさせられはするが、芝居としては良く出来ている。演技、演出にも登場人物たちの抱えた問題の深刻さをキチンと伝えるだけの内容があった。殊に、最後迄、ダム建設地を去ろうとしないキャラクターを設定することで、この作品に重力が生まれていることも重要な点だろう。このような問題は、実際、日本中至る所でインフラ整備という名の下に産出され、蓋をされてしまった問題である。建築物の耐用年数の問題から、今既に、そして今後暫くの間は、補修や新・増設の話も出てくるであろう。時代がそれを望まないなら、別の形で。
 原発の再稼働を強行したがるのもゼネコン救済、ひいては銀行救済かも知れないのだ。例えば、原発関連の工事に鹿島が圧倒的に強いのは、中曽根 康弘の妻が、鹿島一族出身だからではある、が。工事の発注さえあれば、受注は、建設界の得意技、談合でどうにでもなろう。腐りきったこの「国」の「お偉方」など、この程度のものだ。
イノリガミ -浮世絵札の夢現-

イノリガミ -浮世絵札の夢現-

劇団 夢神楽

テアトルBONBON(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

推理の緊張とファンタジーのふわり
 オリジナルの千枚絵札は奇跡を呼ぶ力を持つ。天才絵師一廓は、妻アネハと共に国命を受け、息子の風靡を人質に取られつつも制作に励む。然し、如何に天才とはいえ、描かれた絵に奇跡を呼び起こす力など本当にあるのか?

 推理すべき内容が随所に設けられ、飽きのこない展開になっている。一方、ファンタスティックなイメージを追及している分、深い所で腑に落ちるようなインパクトは、やはり弱い。

ネタバレBOX

  実を言えば、アネハの故郷はこの不思議な力を持つ者が生まれる隠れ里であり、アネハこそが、命の力の継承者であった。彼女の力が封じ込まれ一廓の絵は奇跡を起こす力を持ったのだ。
 この国の為政者は政を行うにあたって、民を操る為にその“霊力”を利用する為に、一廓夫妻を幽閉して千枚絵札を描かせ、人質として息子の風靡を監視下に置いたのだ。
 だが、絵師は千枚絵が完成すると同時に、作品を持って姿を消し、妻はエネルギーを使い果たして息を引き取った。息子は真実を知らぬまま、監視下でその後の10年を過ごす。
 そこへ一廓が一年程前に雪崩に巻き込まれて死んだ、とう噂が流れてきた。彼の死を確認した者もあるという。然し、死体は確認されていなかった。一廓は本当に死んだのか? 更に一廓と共に消えた千枚絵のオリジナルは何処でどうなったのか? 絵の霊力を用いて権力を維持しようとする者、事情を知らぬまま父を恨み母を恋う風靡、力が悪用されることを懸念して災いの根を断とうとする隠れ里の人々。1年前ではなく、3ヶ月前に一廓に会ったと言って訪ねて来た少女、ひなげし。彼女が会ったのは、一廓本人か、それとも天才絵師を名乗るだけの騙り者か? 終盤、これらの謎が、次々に解き明かされてゆく。人々の繋がりの謎も、王国のこれからも。
一遍~天演出編~

一遍~天演出編~

風雲かぼちゃの馬車

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★

踊念仏の本質
 哲学としての宗教に或いは人間観に立った踊念仏を用いて衆生救済を目指した一遍は、900年ほど前に生きた人である。承久の変で兄弟の血で血を洗う戦の当事者であった一族の一方の当主であった武士の家に生まれ、幼年時代は、武士の子として育った一遍は、叔父に一敗を喫した父の配慮で、兄の訴追を逃れる為、仏門に入れられた。父も仏門に入ったことがあり、兄弟弟子に当たる尼僧の下に観を寄せることになったのである。

ネタバレBOX

 自由奔放、而も心優しく明晰な一遍は、古法に則り、新たな展開を認めようとせぬ勢力からは忌み嫌われることになる。偶々、仏門に入って間もなく、それ迄入門僧の間で幅を利かせていた兄弟達と喧嘩になり、罰を受けることになった。だが、兄弟、日光、月光の母は病に伏せっているという。そして、罰を与えられたのは当初彼らだけであった。一遍は、彼らの罪は、自分も同じ、罰するなら自分も同じように、と主張する。この主張が認められて、双方ともが罰を受けることになるが、一遍は兄弟に、謹慎中の身ではあるが、母が病であれば、会いに行け、と詰め寄り、出掛けてゆくこととなった。結果、尼僧の慮りで、わざと閉門していなかった裏門から一同は、まんまと抜け出し、兄弟の母のもとへ向かった。今日だとの面会を果たした後、母は亡くなるが兄弟も面目を施したのである。
 帰って来た彼らは、然し規則を破って、謹慎中の身でありながら、更なる規則破りをしたので、罰されねばならぬ。然し、尼僧は、彼らのかばい合う姿を見て、温情ある裁定を下す。一遍には、当時、諸外国からの情報も入る太宰府へ赴き修行することを命じたのである。彼は、大宰府で修行の日々を過ごしていたが、父の訃報が届き、還俗することになった。叔父の娘、一と結婚し娘を設ける。然し、平穏な日々は短かった。家督相続を巡って兄と対立することになったのである。城は焼け落ち、叔父も兄も決戦の末、命を断った。再び、一遍は僧侶として生きることを選ぶ。妻、子も従うということになって下男として幼児からずっと付いてきたと共に、踊念仏を広めることになった。然し、この事態に業を煮やした勢力があった。彼らは一遍が仏法を愚弄し、幕府に抗っていると主張、一遍と仲間を捉えさせる。裁きの場で、実際の踊り念仏を将軍の前で舞った彼らは、無罪の判決を得るが、保守派の僧侶は更なる論争を挑み、結果、一遍に負けて命を落とすこととなった。
 ところで、この作品、踊り念仏の一遍を描いている関係で踊り、つまりダンスが出てくるのは当然なのだが、その踊りの内容が余りにも陽性である。もっとタメを使うなりして、踊りその物の中にドラマを作り込んで良かろう。まして、一遍は、殆どの人が経験せずに済んだ地獄のような苦痛を味わってきた人物である。また、踊念仏は、踊る人自身が、踊りを通して納得する為の訓練プログラムであってみれば、この方が、踊念仏の本質を描くには相応しかろう。
来訪者(作・演出:中津留章仁)

来訪者(作・演出:中津留章仁)

TRASHMASTERS

座・高円寺1(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/20 (水)公演終了

満足度★★★★★

重厚、充実、面白い
アクチュアルな政治的問題を主題とした「仮想歴史」劇。演技のリアリティと演劇的な大嘘が大胆に結合され、ダイナミックな物語のうねりにひきこまれてしまった。面白い。

愛の妙薬

愛の妙薬

公益社団法人関西二期会

大阪国際交流センター 大ホール(大阪府)

2013/03/09 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★

初めてのオペラ 
初めてのオペラ イタリア語 1,000人の会場に歌声が響きます、マイク使ってないですね。
エレクトーンとミニオーケストラ、エレクトーンがあるからか、気軽に聞ける音になっておりました。 歌の終わりに盛り上がる所では、掛け声があるんですね、 歌舞伎の様な感じも 致しました。 歌の内容はスクリーンに字幕を出します、、絵と合わせて色々工夫して 解り易いです。 楽器や声楽に詳しければ、もっと楽しめるのでしょうね。

シロツメの咲く後に

シロツメの咲く後に

夏色プリズム

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2013/03/14 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

チケプレにて鑑賞
客席側にも集中力を要する芝居。ストーリーの展開の仕方に粗が目立つがそれを上回る構成力が目を惹いた。開演前に役者が舞台上に出てくる、劇場全体を使った演出、ナイフのすり替え、時計が光る、場内にあるカメラを取りにいく等など色々な箇所に面白みが散りばめられ終始飽きずに観ることができた。後半にかけての畳み掛けに戸惑ったが好きか嫌いか2極分化する作品は好きだ。

月の剥がれる

月の剥がれる

アマヤドリ

座・高円寺1(東京都)

2013/03/04 (月) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★

はじめての
初めて広田氏の作品を観劇しました。
正直なところあまり理解できなかったのですが、
なぜだかとても惹きつけられました。
今後も継続して観劇して、もっと広田氏の世界に触れてみたいと思いました。

ぶっ壊したい世界

ぶっ壊したい世界

劇団TEAM-ODAC

青山円形劇場(東京都)

2013/03/13 (水) ~ 2013/03/20 (水)公演終了

満足度★★★

久々の円形劇場
 春一に限らず、素直に物を見また判断して、自分の人生に活かすことは難しい。常に難易度の高い問題ばかりでは無いにせよ、勇気や訓練も必要だ。 春一を実体とシャドウに分けた発想は正解だ。友夏の反大人としてのキャラクターが、他の登場人物達を浮かび上がらせる構造になっていることも評価できる。

ネタバレBOX

 円形の劇場という構造上全周に観客が居る。役者、演出の技量を験し、高める為には、良い構造だろう。
 ダークな世界の表象として春一のキャラクターにかぶってくるのが、通り魔の佐川やヤクザ達だが、彼らへの対抗勢力として、牧田や桜田兄弟を配し、セクシャルマイノリティーというキャラクターを加えることなど人物創作にも気配りが見える。

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