城 公演情報 MODE「」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    思ったよりはるかに観やすく美味
    カフカだし、原作ががっつりボリュームがあることも知っているし、
    入場時に掲示されていた上演時間もけっこうなものだったので、
    不条理な難解さとのガチ対決の覚悟を決めて観はじめたら、
    意外なことに、これが、シーンごとにとてもわかりやすくおもしろい・・・。
    良い意味で裏切られました。

    観る側を離さない冴えやウィットもいろいろにあって、
    まるっと最後まで観切ってしまいました。

    ネタバレBOX

    舞台がいろいろにくっきりと綺麗・・・。
    役者の所作や絵面がとても映える美術。
    シーンの区切りもよくて、
    観る側をひとつの時間で飽きさせない。
    シーンの間に挿入される文字での説明にも、
    物語を進めたり、示唆があったり、どこか哲学的でもあったりと、
    一様でない表現のバリエーションがあって・・・。
    観る側をやわらかく揺さぶり、
    物語の次へと観る側を引き込んでいく。

    場の色の組み上げも実に多彩、
    会話でしっかりと作ったり、
    動きで繋いだり、
    衝動的な愛情の表現に身体をしなやかにさらけ出したり・・・。
    それらが、時に強く、すっと流れ、かとおもえば留まり、
    行き場をなくし、解き放たれて・・・、
    様々な変化となって観る側を繋ぎとめ顛末を追わせる。

    カフカ=不条理というイメージでしたが、
    作品に描かれたものに不条理さを感じることはあまりなく、
    その一方で、
    様々な価値観の頑迷さやご都合主義や
    人々の狡さやあからさまさを、
    シニカルに眺めるような視座の作り方があって。
    役者達もキャラクターを舞台の色に染めるのではなく
    むしろその色を踏み台にして、
    ロールのありようを瑞々し人間臭く織り上げる
    踏み出しに捉われる。

    舞台美術も実に秀逸、
    役者も安定していて、
    歩く姿から
    織り上げられるダンス的な動きでのシーンにまで
    様々に織り込まれたニュアンスと
    観る側をひとつの印象に立ち止まらせない切れと
    鮮やかさと美しさがあって。

    休憩込みとはいえ、密度をしっかりと持った舞台を
    3時間近く観続けると、
    流石に少し消耗はしましたが、
    でも体感的に時間を長いと感じることもなく、
    重く堅苦しい印象もなく、
    飽くことなく、城とそれを取り巻くものと測量士のなりゆきを
    追うことができました。

    いろんな寓意や風刺が込められた作品だと思うし、
    それを全て受け取ることができたかというと
    少々怪しいのですが、
    でも、その中に、
    登場人物達がそれぞれに処世をし、
    生きていく生々しさも深く印象に残って。

    とても、面白かったです。



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    2013/03/18 17:30

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