イノリガミ -浮世絵札の夢現- 公演情報 劇団 夢神楽「イノリガミ -浮世絵札の夢現-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    推理の緊張とファンタジーのふわり
     オリジナルの千枚絵札は奇跡を呼ぶ力を持つ。天才絵師一廓は、妻アネハと共に国命を受け、息子の風靡を人質に取られつつも制作に励む。然し、如何に天才とはいえ、描かれた絵に奇跡を呼び起こす力など本当にあるのか?

     推理すべき内容が随所に設けられ、飽きのこない展開になっている。一方、ファンタスティックなイメージを追及している分、深い所で腑に落ちるようなインパクトは、やはり弱い。

    ネタバレBOX

      実を言えば、アネハの故郷はこの不思議な力を持つ者が生まれる隠れ里であり、アネハこそが、命の力の継承者であった。彼女の力が封じ込まれ一廓の絵は奇跡を起こす力を持ったのだ。
     この国の為政者は政を行うにあたって、民を操る為にその“霊力”を利用する為に、一廓夫妻を幽閉して千枚絵札を描かせ、人質として息子の風靡を監視下に置いたのだ。
     だが、絵師は千枚絵が完成すると同時に、作品を持って姿を消し、妻はエネルギーを使い果たして息を引き取った。息子は真実を知らぬまま、監視下でその後の10年を過ごす。
     そこへ一廓が一年程前に雪崩に巻き込まれて死んだ、とう噂が流れてきた。彼の死を確認した者もあるという。然し、死体は確認されていなかった。一廓は本当に死んだのか? 更に一廓と共に消えた千枚絵のオリジナルは何処でどうなったのか? 絵の霊力を用いて権力を維持しようとする者、事情を知らぬまま父を恨み母を恋う風靡、力が悪用されることを懸念して災いの根を断とうとする隠れ里の人々。1年前ではなく、3ヶ月前に一廓に会ったと言って訪ねて来た少女、ひなげし。彼女が会ったのは、一廓本人か、それとも天才絵師を名乗るだけの騙り者か? 終盤、これらの謎が、次々に解き明かされてゆく。人々の繋がりの謎も、王国のこれからも。

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    2013/03/18 14:02

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