最新の観てきた!クチコミ一覧

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WILD☆CATS

WILD☆CATS

劇団天八

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)

2013/06/16 (日) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★

大きな舞台での魅せ方
全体的に普通な印象…
目新しい演出があるわけでもなく、ベタな笑いでの展開
折角、大きな劇場であれだけの多くの出演者がいるのだから
もっと派手なエンターテイメント的な魅せ方があったのではないでしょうか⁈
登場シーンや練習、試合のシーンなど…
大きな舞台での魅せ方が弱かったと思います

女優陣の熱い演技とチアリーディングは楽しめましたが
色々な所が気になりました
まず舞台バックに舞台の映像をLIVEで流してるのはどんな効果を狙ったのか?
それも舞台と同じ引きを映したり…
コンサートでは遠くの人にアップなどを見せる為にありますが
舞台上がメインなのにあれで集中できなかった…(^^;;

それと世界へ向けてのスポーツの試合で
同情してハッピーエンド?な終わり方ってどうなんでしょうか⁈

客席は身内の方は盛り上がっていましたが
初めての私は最後までノリについていけませんでした…

マチト・トリップ

マチト・トリップ

劇団 贅沢貧乏

pit北/区域(東京都)

2013/06/21 (金) ~ 2013/06/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

日常と非日常のボーダーライン
音響インスタレーション×芝居とのこと。サンプリングされた日常に転がっている音達と役者さん(及び物語)の呼応がとても良かったです。

ネタバレBOX

始まりはなんとなく政治的主題なのか?と観てましたが、もう少し大きな世界ですかね。音×照明×動きのタイミングもバッチリでした。劇場空間の使い方も面白く、役者の移動している音も効果的に思えた。役者さん、みんな若いのに達者だなー、と(←ジジクサ)
四の五の言わずに恋しろリーマン!

四の五の言わずに恋しろリーマン!

Island

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろコメディ!
前評価が高かったので期待して観に行きましたが、予想以上に面白かったです!友達と2人で終わった後も話が盛り上がりました。

ネタバレBOX

まず役者さんの演技が上手!

間合いの取り方が抜群で、たった一つのセリフの中、表情、小さな動きに笑いがたくさん詰まっている、ということも多く嬉しかったです。

小さな休憩室をメインの場所として様々な人間模様が描かれていましたが、こんなにも多くのことが伝えられていて、全体の作品としてもまとまりがありました。ラストもまさかそうなるのー!?という展開で、いい意味で裏切られました。お話だからこそ、面白いオチでHAPPYな気持ちにしていただきました。

とっきどき聞こえにくいかな?と思ったところもありましたが、とってもとっても楽しかったです!
ありがとうございました!
ライト家族

ライト家族

劇団ガバメンツ

APOCシアター(東京都)

2013/06/21 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

結果『all right!』
魅力溢れる役者と絵心爆発のお絵書き、そして予想もしてなかった長女キャサリンの恋人....とても楽しかったです。

テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)

テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)

劇団 東京フェスティバル

駅前劇場(東京都)

2013/06/19 (水) ~ 2013/06/24 (月)公演終了

満足度★★★★

リアルさにニンマリ
昨日の都議選レベルはそんなことはないけれども、衆院選・参院選となると、確かに夜のテレビ各局は選挙一色。興味をもてない人にとっては、バラエティやいつもの連続ドラマをつぶされ、まさに「つまらない」日に。でも、実は裏側で、自局と特色を打ち出して他局に勝とうとする人々は、人間関係のしがらみなんかもごちゃまぜになり、こんなふうに右往左往している…のかも?
そんなふうに思いながら、ニンマリする思いで、ワンシチュエーション・ノンストップな勢いある展開に、前のめりで観ました。
登場キャラが各々の役者さんの持つ雰囲気にぴったりハマっている感じ。
特に、女子アナにセクハラな評論家(案外ホンキ?で純情っぽさも)さん、さすがな味でした。

ネタバレBOX

スピード感はあったんですが、放送開始時間が迫っていく、だんだんだんだん増してくる緊迫感…が、ちょっと表現しきれていなかったかなぁ。観ているこちらの心拍数もだんだん上昇していくような…。
と、他局はこんなふうに動いているらしい、とか、政党の選挙事務所側からの動き、とか、そういう動きはちょっとリアルに感じられず。大テレ内部、登場するキャラたちだけでの大騒ぎという雰囲気で広がりが薄い気がしたのが、ちょっと残念でした。
彼の背中の小さな翼

彼の背中の小さな翼

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/05/21 (火) ~ 2013/05/31 (金)公演終了

満足度★★★★

大作ではないけれどキャラメル・ハートウォーミング。今年のキャラメルは多作主義。
真柴あずきさん単独での作・演出、俳優も5人、
もう一方の「ナミヤ雑貨店の奇跡」の合間を縫うようにして
同じ劇場での並行公演(?)。
今年のキャラメルは、震災後の体験などから、とにかく
1作でも多く公演する方針の模様。
「自分たちにできることはとにかく芝居を打つこと」と。

作品としては同劇団のハーフタイムシアター(1時間作品2本連続公演)
形式の1本くらいの規模感で、サンシャインを使い切っている。
キャラメルならではのSF風の「ナミヤ~」とは違い、現実の世界だけの
青年の成長譚、親子のきずなを描いたさわやかな青春もの。
SFやファンタジーではないけれども、それでもやはりキャラメルテイスト
のハートウォーミングな話になっていて良かったです。

坂口さんはじめ、芸達者な人たちの中で、自由奔放な役柄の
清水由紀さんが実にのびのびとしていて、
際立つようになっていたのがとっても印象的でした。

すごい人生

すごい人生

劇団HallBrothers

ぽんプラザホール(福岡県)

2013/06/21 (金) ~ 2013/06/24 (月)公演終了

満足度★★★

すごい人生とは?
この舞台を見て、
今の自分と重ねてしまったり、感情移入してしまいました。
ちゃんと笑いも挿んであり、全体を通してゆったり見れました。
劇団HallBrothersさんの舞台は初めて見たのですが、
また見に行きたいと思いました!

また、内容とは別ですが、ぽんプラザホール初めて行ってみて
会場内が少々響いていて、聞き取りづらい部分があったように思います。

ネタバレBOX

“すごい人生”とは、誰が決めるのか。
自分なのか、他人なのか。

他人からはすごい人生に見えても
本人的にはそうでもなかったり、また逆も然り。

羨ましかったり、僻んだり、
先の自分が見えないからこそ
漠然な不安と隣り合わせで
生きているのかもしれない。
『Cour d'amours(コールドアモール) ・スクラプ's ver2.5』

『Cour d'amours(コールドアモール) ・スクラプ's ver2.5』

マイムリンク

シアターX(東京都)

2013/06/22 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★

チグハグなパフォーマンス
12人のパフォーマーによるパントマイム公演で、台詞や小道具を用いずに物がある様に振る舞ったり、人間以外の生き物を表現したりしていましたが、イメージの奥深さや広がりをあまり感じられませんでした。

パート毎にタイトルが付けられていて、1人の男と鳥の群れを描いた『Age of Birds』から始まり、カーチェイスをコミカルに描いた『スパイ大作戦』、レトロなテイストのアニメーション映像の中の物を操っている様に見せる『ショータイム』、人の一生を逆回しで見せる『LIFE』等、様々なシーンが多彩な手法で表現されていました。
ブラックライトを用いて手首から先、あるいは肘から先だけが見える様にして魚やクラゲを表現していた『海』は美しかったのですが、その後に続いた大きな顔を作って音楽に合わせて歌っている様に見せる『三文オペラ』は変化に乏しく冗長さを感じました。

具象的な分かり易い表現が多かったのですが形態模写に留まっていて、マイムだからこそ表現できる、時間や空間を飛び越える感覚があまり伝わってこなかったのが残念でした。『スパイ大作戦』での鞄の受け渡しのシークエンスは技術的には物足りなかったものの、その感覚がうっすら現れていていました。
全体としての一貫性が感じられず、散漫に感じました。もっと物語性を盛り込むか、あるいはそれぞれのパートが単体ではっきり完結するオムニバス形式として構成した方が良いと思いました。

台詞が無い分、表情で様々な感情を表現していましたが、演技が過剰で「熱演感」だけが空回りしているように思いました。場面によっては人形の様に無表情で淡々と演じた方が深みが出ると思いました。

BGMに用いられた映画音楽やポップスが大仰で、身体表現に釣り合ってない様に感じられました。ピアノ曲が用いられた『風』みたいなバランスが観ていて気持ちよかったです。

マリオン

マリオン

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/06/15 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽
ちょっと悲しい側の、スケールの大きな物語、とってもいいです。

ネタバレBOX

かつて四季のあった星で過ごし、今は一年に秋が三回ある星の誰も住まないニッポンにいる女性、どっちが地球なのか頭がクラクラしますが、遠い遠い未来の昔話のお話です。

最初の男と女の会話からは原発事故のことがとんでもない誤解だったかと思いましたが、終盤の会話からはやはりそれでも良いのだと思い直しました。

これだけは言っちゃいけないような気もしますが、アテ書きの妙、大西さんは本当にゾウガメにピッタリでした。福寿さんも藤川さんも。そう考えると、林さんの柴犬のワン公も見たかったなと、松本さんには申し訳ないですが今さらながら思ってしまいます。
がんばれ美香子「なにそのタイトルやめてよ」

がんばれ美香子「なにそのタイトルやめてよ」

製作委員会

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/05/31 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです。
演技に迫力があり、
とても面白かったです。

しあわせの支度

しあわせの支度

ソラリネ。

上野ストアハウス(東京都)

2013/06/12 (水) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動しました
長年、一緒に暮らしてきた兄弟。

20歳の誕生日になって
はじめてその兄弟は、血が繋がっていないことを知らされる。

血がつながっていなくても
兄弟の愛が深いことにとても感動して泣きました。

ありがとうございました。

『Cour d'amours(コールドアモール) ・スクラプ's ver2.5』

『Cour d'amours(コールドアモール) ・スクラプ's ver2.5』

マイムリンク

シアターX(東京都)

2013/06/22 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

無題742(13-168)
17:00の回(曇)。16:25会場着、受付、ロビーで待ち16:30開場。6/19にイザベラ・フレヴィンスカさんの「DP1」をみた際、マイム公演があることを知りみに来ました。始まってからいちょうさんが出ていらしゃることに気づきました。いちょうさんは「maimuima」(2011/2012@バビロン)、「激情コミュニティ」(2013@参宮橋)でみました。開演前、ライトを持った男が2度登場、何かを埋めている様子。16:58前説(アナウンス)、17:00場内でも「(携帯などの)音」について注意あり。17:10、3度目、男が現れ…暗転、開演〜18:48終演。

今回、どのようなシーンなのかよくわからないことが多かった…という印象です。今までは、特に説明的なものがなくてもすぐに「そういうことか」と気づいたのですが、特に長めのシーンが?になってしまいました。「カバン」は意外とあっさりで残念、「海の中」のシーンは綺麗でした。

シンデレラ・ウルフは眠らない(改訂版)

シンデレラ・ウルフは眠らない(改訂版)

劇団 東京★レネゲイド

タイニイアリス(東京都)

2000/05/31 (水) ~ 2000/06/04 (日)公演終了

満足度★★★★

当日で観に行った
※実際の公演期間は1995年5月31日(水)〜6月4日(日)です。こりっちさんでは1999年以前の公演情報は登録できないので現在できる一番古い日付にしました。

ネタバレBOX

で、実際観たのは1995年5月31日。件の「ヴァージニア〜」とは関係ない話です。どうやら当日パンフを観るとこの公演自体が再演だったらしい。チラシにあるように満月の夜の話だったと思います。
改訂版 質屋の女

改訂版 質屋の女

劇団東京乾電池

新宿シアタートップス(東京都)

2000/05/27 (土) ~ 2000/06/07 (水)公演終了

満足度★★★★

夫婦と探偵
※実際の公演期間は1995年5月27日(土)〜6月7日(水)です。こりっちさんでは1999年以前の公演情報は登録できないので現在できる一番古い日付にしました。

ネタバレBOX

で、実際観たのは1995年5月27日。
不思議な空気感があって、夫役の綾田俊樹と探偵のベンガルのやり取りが面白かった。
新釈『金色夜叉』

新釈『金色夜叉』

松竹

三越劇場(東京都)

2013/06/03 (月) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

現代人にも理解しやすい脚色
ここ何年か新派の「金色夜叉」を観たいなぁと思っていた矢先に公演があるのを知り、三越劇場に何十年ぶりかで行き、新派公演も10年以上観ていない。

「新釈」ということで、これは文学座に書き下ろしたもの。

今回の芝居はあえて登場人物の色分けをはっきりさせることで、現代人にも理解しやすくなっている。

悪い人が一人も出てこない、各人の心に寄り添った描き方。


初演は国立劇場だったが、今回は小さな劇場で場面転換が多いから大変だろうが、明治情緒を入れながらうまくつないでいた。

新派のほうの「金色夜叉」も改めて観てみたいと思った。

最近の新派公演は小津安二郎や木下惠介の映画作品の舞台化が多いが、私はやっぱり川口松太郎や泉鏡花原作の芝居が観たい。

ネタバレBOX

「金色夜叉」と言えば、宮には有名な「ダイヤモンドに目がくらみ」なんて決まり文句の形容があるけれど、この芝居の宮(波野久里子)は西洋文明や上流社会の社交など、自分の身のまわりにないものへの好奇心と憧れで、成金の富山と婚約してしまう。

意に染まない親子ほど年の違う男の妾から後添えに収まった女高利貸、満枝(水谷八重子)は、高利貸の手代となった貫一(風間杜夫)に一途な恋を仕掛ける。

宮の変身に傷つき、軽蔑していた「金銭」を扱う仕事をしながら、宮への憎しみに縛られている貫一。

有名な熱海の海岸の場面も貫一が宮を下駄で蹴るとかはなく、あまり芝居がかっていなくて、貫一の真情がごく自然に伝わってきた。

新派への客演が多い風間杜夫の貫一は、いかにも書生らしく、年齢を感じさせない若々しさ。

台詞に説得力があるので、観ていて気恥ずかしくならない。

つかこうへいの芝居をやっていた風間さんが貫一をやるなんて、当時からすると想像もつかなかったが、ピッタリはまっている。

貫一が夢の中で見る宮と満枝の対決の場面が見ごたえがあり、水谷、波野の凄絶な演技はさすが。

この二人を観ることがいまやとてつもなく贅沢に思えた(言わずと知れた梨園の血筋のお二人でもある)。

この夢の場が貫一の自己分析とけじめにもなって終盤へと展開していく。

満枝の水谷は貫一とのやりとりで、大真面目に演じるほど笑いを誘う。それだけに終幕の亡き夫の郷里でひっそりと暮らす覚悟を語る場面の慎ましさが哀しい。

この脚本における人物像では、宮が一番演じるのに難しいとは思う。

末は狂うほど愛している貫一を捨て、なぜ富山になびいてしまったのか。

「飛んでみたかったのですわ」という宮はある意味、現代的でもあり、羽振りのいい青年実業家と玉の輿婚をして夢破れる女性タレントの例は現代でもいくつもある。

また、明治と言う新しい文化流入の渦の中に立つ者の混乱をも象徴している。

英太郎の狂った老婆の繰り言に出てくる「お嫁に行けなかったスーちゃん」はどこか、宮の心のうちを示しているようでもあり、英も好演。






殺意が死んだ夜

殺意が死んだ夜

ビビプロ

小劇場 楽園(東京都)

2013/05/29 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

「欲しい」より「失いたくない」
千秋楽は超満員、立ち見も出る盛況ぶりとなった。
どんでん返しの衝撃もさることながら、殺意の根源は「失いたくない」という
孤独と所有欲の沸騰点であったというストーリーが魅力。
ルナティック演劇祭参加作品で2位を獲得、
さらにこの作品に出演の大勝かおりさんが最優秀俳優賞を得た。
大勝さん、自在な台詞と繊細な演技が際立っていて受賞に納得。

ネタバレBOX

舞台には長方形のテーブルに椅子が数脚、隅にコート掛けが立っているだけ。
登場人物が次々と現われてテーブルの周りを歩き、衣装を投げ合って羽織る。
8人が互いを疑惑の目で睨みつけ緊張感があふれて
まるで連続サスペンスドラマのオープニングのように洗練された感じ。
暗転の後、次男ひとりがたたずんでいる所へその妻が入って来る。

ここは弁護士事務所、この日は死んだ父親の遺産相続のことで
5人兄弟が集まることになっている。
殺人事件の可能性もあって捜査中の父の死に、兄弟は互いに疑惑のまなざしを向ける。
やがて女性弁護士から父親の遺言書の中身が発表されると
遺産が50億というとんでもない額であることと
父の家に残って農業を継いでいる次男にすべてを譲るという内容に一同驚愕、
不満と共にそれぞれが抱える金銭的問題やうまくいかない人生が一気に噴き出す。
三男の元カノで今は次男の妻リツ、その姉のホームレスのトキコも加わって
殺人の動機や可能性が次々と浮び上る…。

5人の兄弟がコンプレックスと反発をむき出しにして、容赦ない会話が飛び交う。
田舎に残った次男以外は全員金に困って追いつめられている。
そしてどこかで自分を制御出来なくなって、少しずつ道をはずれて行ってしまう。
だが一番大きく外れていたのは…というラスト5分が衝撃的な面白さ。
全く予想できない犯人ではないが、
キャラの“狂気”にリアリティがあり、理由に説得力があった。
演じる永井佑昌さんの豹変ぶりが見事、戦慄のラストで作品全体が引き締まった。
すべてのエピソードが、このラストに向かって積み上げられていたことに気づく。

ホームレスを演じた大勝かおりさんの身体能力と繊細な表情が素晴らしかった。
大勝さんの舞台を観るのは、フルタ丸の「うつくしい革命」以来2度目だ。
皆の嫌悪の対象でありながら、どこか謎めいていて
自在に変化する台詞で周囲を翻弄する圧倒的な存在感。
ダンスで鍛えた立ち姿、動きの美しさが際立っていた。
この作品は予選と決勝とで配役を変えて臨んだという。
当日パンフの配役を見て、別バージョンも観たくなった。

兄弟たちの台詞がかなりの割合で怒鳴り合いになり、
誰かがテーブルを叩いて黙らせるというパターンが多かった。
それでなくてもいがみ合っているのだから、台詞にもっと強弱があれば
兄弟同士の相反する複雑な心情がより細やかに表現されたように思う。

サスペンスのキモは動機、動機のキモは時に「欲しい」より「失いたくない」。
そんなことを考えさせる舞台だった。
『Cour d'amours(コールドアモール) ・スクラプ's ver2.5』

『Cour d'amours(コールドアモール) ・スクラプ's ver2.5』

マイムリンク

シアターX(東京都)

2013/06/22 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

見惚れてしまいました。
本当にセリフを発せず、体の動きと表情でストーリーが作られていて感動しました。
あと気づいたのですが、無声のお芝居なんて見たことがない為自分はどういう所に注目して観るのかなと思いながら観た所、出演者の「顔の表情」をガン見していたことに気付きました!
自分も今後の表現活動の参考にさせて頂きたいと思います。

あと映像とマイムを組み合わせたシーンは、私の大好きな小林賢太郎さんのポツネンの舞台みたいでハマりました。

あっという間でしたね(リピーターしたかったなー)、小さな子供達にもたくさん見にきてもらえたら楽しいでしょうね(^∇^)

ガリレイの生涯

ガリレイの生涯

文学座

あうるすぽっと(東京都)

2013/06/14 (金) ~ 2013/06/25 (火)公演終了

満足度★★★★

何のために,科学はあるのか。
ブレヒト『ガリレイの生涯』を観た。これは,今までのものと,少しちがった科学の世界を描いたもので,そういう点で新鮮だった。まず,最初に,ガリレオが,半裸で顔を洗いながら,科学の話を始めた。科学とは,何だろう。科学と人間はどうおつきあいしていくべきか。そういった現在において,生々しいテーマが背景にある演劇だったと思う。

何度か出て来た印象深いことばは,次のようなものだった。
真理を知らぬものは,ただのバカだ。しかしながら,真理を知っていながら,なお,それを隠して,世に広めないのは,うそつきであり,犯罪者にちがいない,といったもの。

何のために,科学はあるのか。それは,人間が生きていくうえで,その辛さを少しでも緩和するためにあって,科学者は,そこで生きるべきだ。地位・名声・金への手段,あるいは,研究という名目で,趣味的に没頭してゆくようなことでは困るものにちがいない。

オセロ

オセロ

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2013/06/09 (日) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★

かっこいいものだった!
シェークスピア『オセロ』を観た。これは,オセロというムーア人が,ベニスに雇われ気にいられて,登り詰めていくところから始まる。しかし,すぐに台風で,彼らの敵は撤退した。オセロはほどなく居場所を失っていく。そのために,彼自身少しばかりいらだっていたのだろう。部下の策略に落ちて,転落していくのだ。

どうして,オセロは,かくも憎まれたのか。よそものは,よそものであった。ほどなく去るべきであった。誰も彼がそのままベニスでトップに留まるのを望んでいなかった。そのために,彼をみなでわなにはめ,転落させることは容易であった。今回の,演劇では,一人の大悪党がすべての諸悪の根源だったが,そうともいえるが,オセロはベニスに不用だった。

テレビで良く見る顔が遠くから眺められた。人気がある俳優だから,若い女性がたくさん来ていた。比較的早く座席を取ったはずだが,行ってみると,三階になってしまった。でも,さらに後ろで立って観ているひとたちもいた。こういう演出もあるのか,と思うような,かっこいいものだったので,一度こういうのも観ておくのは良いと思う。

サロメ

サロメ

虹創旅団

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★

『サロメ』は,聖書の中にもあるお話である。
『サロメ』は,聖書の中にもあるお話である。

王は,かつて,自らの兄弟の妻を簒奪して,王位についたものである。聖者ヨハネは,この経緯を許さず,批判し,獄につながれた。娘サロメは,あるとき聖者ヨハネを垣間見て,恋に落ちる。しかし,相手にされないとわかるとこれを憎むようになる。あるとき,気分の良かった王が,娘に何でも望みのものを与えようという約束をする。

后は,もともと聖者ヨハネのことを疎ましく思っていた。母の教唆により,娘サロメは,この際聖者ヨハネの殺害を企てる。首尾よく,聖者ヨハネは首をはねられるが,これに口付けする娘の異常さに愕然とした王は,娘を殺害してしまう。

オスカー・ワイルドによる戯曲『サロメ』(1893年)が有名。これはフランス語で執筆され,1896年にパリで初演された。イギリスにおいて,上演禁止が解かれたのは,1931年。1905年には,歌劇化されていて,こちらの方も有名であるが,戯曲としても世界中で読まれている。

見事だった。見事に,踊ってくれた。褒美をつかわす。
なんなりと,お前のほしいものをつかわそう。
今すぐここへ,銀の大皿にのせて・・・
わけもないことだ。一体なんなのだ。何をほしいというのだ。
聖者ヨハネの首を。
ならぬ。それはならぬ。サロメ。

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