満足度★★★★
現代人にも理解しやすい脚色
ここ何年か新派の「金色夜叉」を観たいなぁと思っていた矢先に公演があるのを知り、三越劇場に何十年ぶりかで行き、新派公演も10年以上観ていない。
「新釈」ということで、これは文学座に書き下ろしたもの。
今回の芝居はあえて登場人物の色分けをはっきりさせることで、現代人にも理解しやすくなっている。
悪い人が一人も出てこない、各人の心に寄り添った描き方。
初演は国立劇場だったが、今回は小さな劇場で場面転換が多いから大変だろうが、明治情緒を入れながらうまくつないでいた。
新派のほうの「金色夜叉」も改めて観てみたいと思った。
最近の新派公演は小津安二郎や木下惠介の映画作品の舞台化が多いが、私はやっぱり川口松太郎や泉鏡花原作の芝居が観たい。