最新の観てきた!クチコミ一覧

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雲の影

雲の影

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★

初見です
男同士の共感、反発、敵視など色な感情が表現されていました。話の盛り上げ方もメリハリが利いていて、終盤にかけて畳み掛けてきました。

どう終わるのか気になりましたが、ブッツリと切れて終わりました。

小道具や衣装もセンスを感じさせるものでした。

終演後チラシをいただこうとしたら、すでに在庫がはけているとのことで、もらえずに残念でした。

つきのないよる

つきのないよる

トリコ・Aプロデュース

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2013/07/26 (金) ~ 2013/07/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

トリコAプロデュース「つきのないよる」観ました
 名古屋や津で時々お会いする京都演劇人(+名古屋からも)が、一堂に会する舞台!in→dependent theatreにも興味があったので、初の大阪観劇へ。


 開演前から印象的な舞台美術に、生演奏のミュージシャンが一体化して開演。空間全体がオルゴールというか、ジオラマ型のオートマタみたい…。

  人の性は、ただ、そうあるしかないのか。愛の求め方とは、与え方とは。
 ゆがんだ人間をそのまま受け止める…これも、家族の許し、繋がりの形か。

 溶けるような照明と生演奏が、観客の肌を優しくなでるように空気を動かす。グロテスクなものを、そのままでなく穏やかに見せる。でも心はざわつく。
 気持ちよさと気持ち悪さを同時に感じる舞台。

 
 特に印象的だったのは、役者が全員、試合巧者(笑)
 演助に入っていたピンク地底人3号さん(昨年、京都・名古屋若手演出家WSでお会いした)によると、演出がこうしてほしいというと即座にそれ以上のものが返ってくる、刺激的な制作現場だったそうです。


 静かに心掻き乱される病的な世界。そして、観劇後は言葉少なになりながえら考える…
 初めての劇場で、知ってる人たちの、あまり味わう事のないテイストの芝居を観るという、なかなか贅沢な楽しみでした。

雲の影

雲の影

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★

男の「三人姉妹」
美術、照明、音楽、場面転換など隅々までセンスの良さと独自性にあふれている。
客入れの時から不穏な空気を醸し出す音楽が効果抜群で、もうその時点で始まっている感じ。
キャラにはまった役者陣の台詞が生き生きとして後半怒涛の展開が見ごたえ十分。
緩急のある台詞がスポンジの魅力だが、今回も固唾をのむような台詞が飛び交った。

ネタバレBOX

舞台手前は整体院の受付の内部、一段高くなった舞台奥は外であり、
同時にパチンコ店でもあり、スナックの店内でもある。
開演前には何か雑然とした印象を与える舞台だったが
照明に導かれてその時々のスポットに集中すると全く違和感がなかった。
この舞台の作りが面白く、場面転換がスムーズに運ぶ要因でもある。

整体師の遠藤が高校時代の同級生野村に共同経営を持ちかける場面から始まる。
野村が了承して、次の場面はもう3年後くらいである。
野村は「打ち合わせ」と称してパチンコや喫茶店で時間をつぶし
地道な営業努力よりもマスコミに取り上げられることばかり考えている。
店は遠藤が切り盛りしている状態であることが早い段階でわかる。

この店で働く女性が、逃亡中の世間を騒がせた新興宗教の教育係であったことが
一緒に逃げていた若者の自首によって明らかになる。
店にはマスコミが押しかけ、取材を受ける中で
突然店を辞めると言った女性に、遠藤が『退職金』として店の金を渡したこと、
遠藤が以前ひき逃げ事件で人を死なせていたことが追及される。
何も知らなかった野村は驚愕し、取材を切り上げて激しく遠藤を責める。
そして二人は、互いの存在を否定するかのように罵倒し合う…。

野村を演じた井澤崇行さん、俳優としてのプライドを捨て切れず
中途半端にふらふらしている男が上手かった。
後輩の活躍が面白くない辺り、子どもっぽくて逆に悪い人ではないと判る。

遠藤役の秋枝直樹さん、“逃げた”ことをずっと後悔しながら生きている人が
“逃げようとしている”女に金を渡す、観る者を緊張させる表情が良かった。

チラシ配りの矢吹を演じた星耕介さん、前回の公演でも個性的な役だったが
今回も見た目や言動のユニークさに反して
極めて普通の感覚を持った人物がはまっていた。
この人が演じる“ちょっと変わった人”にはブレない価値観が見えてすごいと思う。

役者さんの名前が良く分からなくて申し訳ないが
スナックのママを演じた女優さん、客に飲み物を作る背中が
まさに“ママ”になっていて客商売の人を良く研究しているなあと感心した。

ラスト、男二人の「三人姉妹」の台詞が良かっただけに
女性3人による「三人姉妹」は無くても良かったような気がした。
同じ台詞でもこの男二人が吐く台詞にはリアルな体験と時間の流れがある。
劇中劇にはそれがなく、唐突な感じが否めない。

誰の人生にも影を落とす何かがあって、それは一生晴れないのかもしれない。
他人はもちろん時に自分自身も、それを受け入れることは難しい。
あれほど激しく罵り合った野村と遠藤が、その後また一緒に仕事を続け
野村が初めて白衣を着て後輩の役者をマッサージするシーンに少しほっとした。
ずっと固唾をのんで観ていた私の肩もほぐれるような気持になった。
泉鏡花の夜叉ヶ池

泉鏡花の夜叉ヶ池

花組芝居

青山円形劇場(東京都)

1995/09/06 (水) ~ 1995/09/19 (火)公演終了

満足度★★★★

青山円形で観ました
※実際の公演期間は1995年9月6日(水)〜19日(火)です。こりっちさんでは1999年以前の公演情報は登録できないので現在できる一番古い日付にしました。

ネタバレBOX

で、実際観た。のは1995年9月8日。白雪姫が可愛いか弱い、な感じじゃなくて良かった。姫、っていうか女王、って感じでした。個人的には妖怪(?)たちがいっぱい出てくるとこがお祭りのようで好きでした。
二都物語

二都物語

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/07/18 (木) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★★★

いいじゃないですか!
初日より約2週間後、しかも休み明けの昼の部。言い訳無しの時期になりました。私にとっては、初日です。ランダムで書きます。
第一印象舞台セットレ・ミゼ意識してるな。芝居は思ってたほど悪くないじゃない。優しいきれいな曲多し。でもドラマティックさにかける。
井上、浦井ファンは結構嬉しいんじゃない。(ソロパート多し、特に井上)
濱田めぐみバッチリはまり役登場すると空気変わる。歌抜群!
脇役たちもソロパートあって良いじゃない。
すみれそんなに登場場面多くないな。キャスティングの意図何となく理解。
(彼女のソロの歌難しいからしょうがない。それに回りが皆うますぎるので、影薄い)
でも、1番印象に残ったのは、アンサンブルのギロチンの歌(正式曲名不明)とギロチンで断頭されたルイ16世とマリーアントワネットの人形。
そして、ストーリーの最後は泣けますね。グズりました。
帝劇ミュージカルファンは1回は観てもよいのでは。私は次回千秋楽で観ます。

「サブウェイ」列島縦断延伸ツアー

「サブウェイ」列島縦断延伸ツアー

極東退屈道場

あじびホール(福岡県)

2013/07/26 (金) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★

現代的
地下鉄をテーマにすること自体が最近だな~と思った。
しかも都会の。 でもあまり地下鉄に乗らない私でもなんとなく雰囲気がつかめたのがすごい。 1週間を粛々とすごしていくありさまがおもしろおかしくみれた。

新体操、さゆり【満員御礼!たくさんのご来場ありがとうございました!!】

新体操、さゆり【満員御礼!たくさんのご来場ありがとうございました!!】

劇団ズッキュン娘

北池袋 新生館シアター(東京都)

2013/07/30 (火) ~ 2013/08/04 (日)公演終了

無題774(13-202)
19:30の回(曇)。19:00受付、開場。「グッバイ、マザー」から3作目です。正面に白いスクリーン、19:20開演前に「GROOVE THEATRE 参加公演」団体のプロモーションビデオ上映。19:26前説(アフターイベント込みで90分)。パイプ椅子席+クッション、入り口側に遅れてきた人用の座席(結局、空いたままの席があったのですが、何はともあれ開演前に来ている方が狭い桟敷で、遅れてきた方が最前列等の椅子席というのは...と思ってしまいました)。今回は「新体操」、やはり何か飛んできても気にしないようにとのこと。19:32開演~20:46終演、アフターイベント20:51~21:06(ゲストは日替で、今夜はYuttyさん蕎粥凌さんの二人組)。

ネタバレBOX

前2作が持っていた勢いのようなものが感じられませんでした。野球でも新体操でも(動きが)リアルである必要はないと思いますが、今回 、団体メンバーに選ばれているにしては…すみません。このお芝居、そこのところにこだわっていては楽しめない、とわかっていても…。主人公のキャラクター設定が内向きすぎること、最後までメンバー間のつながりが弱いこと、初日だからか全体に低温、など。

しょっちゅうダンス公演をみているので、どうしても比べてしまう…なにかもう一つ雰囲気作りがあれば。
しぇあーはうす

しぇあーはうす

643ノゲッツー

STUDIO543(中野店)(東京都)

2013/07/27 (土) ~ 2013/07/29 (月)公演終了

満足度★★★★

ジェンダーについて考えさせらるコメディ
女性限定のシェアハウスの住人たちを描いたライトコメディだが、部分部分に「性別って何?」な疑問を仕込んでいるのが巧み。
個人的には序盤のとあるシーンでそれを察知し、以降しばしば考えさせられる。
一方、一般的なスイッチによる照明操作、もう少しソフトに扱えば「パチッ」という音が抑えられるのではあるまいか?

女の作るものなんてダメだね

女の作るものなんてダメだね

みどり人

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/30 (火)公演終了

満足度★★★★

楽しめました
シニカルでちょっと切ない群像劇、楽しめました。やはり女性が女性を描くと、おっ、と思うことがありますね。奥行きのあるフロアの使い方がよかったです。ところで主宰がワンドリンク制にドキドキするのは何故?芝居の最中に誰かがグラスを落っことしたりするかも、とかですかね。

赤い実

赤い実

虚空旅団

Cafe Slow Osaka(大阪府)

2013/07/26 (金) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

凄く良質なお芝居を堪能!
凄く良質なお芝居を堪能!
音楽も控えめで言葉だけが響くシンプルなカフェでの空間♪
その中で役者さんの演技だけで魅せる舞台でしたが
生きていく上で考えないといけないテーマに真っ直ぐに向き合った作品!

最後まで4人の役者さんの上手な演技に惹き込まれるお芝居
中でも橋本浩明さん(燐光群)の自然な演技が印象的♪

それぞれの価値観や立場によって違がってくる言葉
その言葉が役者さんの演技によって重みを増して響いてくる
派手さはないですが演技と言葉だけで魅せる!
これが演劇の本質かも知れない様な見応えあるお芝居♪

PS:このお芝居を例えるなら
こだわりの珈琲専門店でサイフォンで淹れた珈琲
それはスターバックスやドトールでは味わえない
珈琲の香り漂う落ち着いた雰囲気で味わう深みのある良質な味♪

女の作るものなんてダメだね

女の作るものなんてダメだね

みどり人

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/30 (火)公演終了

満足度★★★

よかった
女が描く女の世界。女の主張と女の本音。とてもおもしろかった。いろいろ考えさせられた。内容のあるゲキだった。

二都物語

二都物語

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/07/18 (木) ~ 2013/08/26 (月)公演終了

満足度★★★★★

芝居としての深みが増していた
2回目観劇。今日の席は、非常に良席でしたので、先日より、一層舞台に集中することができ、一瞬たりとも目が離せない展開でした。

先日、違和感を指摘した、ルーシーとドクター・マネットのデュエットシーンも、後ろで聴いているキャストがきちんとリアクション演技をしていて、芝居としての完成度が高くなっていました。

岡さんも、悪役として、徹した演技をされていて、先日より、憎たらしくなっていました。(笑)

どなたなのか、パンフを購入していないので、わからないのですが、マダム・ドファルジュの兄役の役者さんの歌唱が素晴らしく、印象に残りました。

すみれさん、もう少し、イギリスの上流家庭の令嬢の品を体現できるようになれば、更に、物語に深みが増すと思うのですが…。

8月に、3度目の観劇ができる日が、心底楽しみになりました。

それにしても、福井さんと宮川さんの、ミュージカル脇役俳優としての存在感は、ピカ一で、お二人の登場シーンは観ているだけで、ワクワクします。

至高のけもの2013

至高のけもの2013

Unit AA

シアターシャイン(東京都)

2013/07/26 (金) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★

人間とは?
と、考えさせられる舞台でした。人間は獣の中で至高なのかな?と考えましたが、実際の所は、至高でない人も沢山いるように感じました。ストーリーはテンポは良かったのですが、あっと言う間に人が死ぬのが解せませんでした。小さな劇場のせいか臨場感がありました。そして銀行の1階と2階・人の境界線等を赤いラインで上手く演じていました。切ないような何とも言えない舞台でした。面白かったです。

部屋、あります。

部屋、あります。

fabricant fin

カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

姉妹が面白い♪
現実にありそうな設定だったので、ドラマを観てるようでした。
この姉妹、言い合いもするけど、周りの色んな人がとりまく中で姉妹の仲の良さが残るお話しで、観ていて心地良かったです♪

<追加公演決定!>なべげんっぽい三人姉妹

<追加公演決定!>なべげんっぽい三人姉妹

渡辺源四郎商店

アトリエ・グリーンパーク(青森県)

2013/07/14 (日) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑いの哲学
初日観劇の余韻が長い。わくわくが止まらない。なのでラク日にもう一度!席とれるかなあ 。ゆかこさんは期待どおり自分でも愉しんで演じてるのが分かる。若手の皆さんも伸び伸びと演じてるのがたのしい。
 『・・・っぽい』 とう劇団カラーが見ごとに出ていました。

遠くに行くことは許されない

遠くに行くことは許されない

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2013/07/25 (木) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★

ちょっと展開が…
物語の説明からして幕開けからドーンと暗いシーンなのかと思いきや、家族団欒の食卓風景という感じでいささか拍子抜けした。


何がいけないって、22年前に行方不明になった妹が見つかったと連れてこられた女性がいきなりロープでぐるぐる巻きに縛られているではないか。長い間探し続けてやっと見つかった彼女がビックリして逃げないようにという気持ちはわからない訳ではないが、ちょっと行き過ぎではないか。


また妹として連れてこられた女性、上原優がいつの間にか花井家に入り妹ユウコとして生きていこうとする様や、花井家長男の篤と優がお互いに家族の中で異端の存在であり、似通った生き方をしてきたというだけで、いつの間にか惹かれあい二人して家を出ようと決心するという展開はあまりにも唐突で不自然さを感じざるを得ない。


別に物語だからあくまでもリアルを追及しろとは言わないが、物語には物語のリアルがあるはずではないか。私にはどうしてもそれを逸脱しているように思えてならない。


他にも公演チラシに“切ないコメディ”との記載があるがコミカルなキャラクターを登場させて笑いのシーンを作り、コメディと謳うなら、それはコメディとは言わないだろう。それなら全編通して笑えなければならない。もしくは兄妹や幼馴染が上原優を妹と思い込み、異様なまでに必死になる様を「人間の可笑しみ」として広い意味で「喜劇」と捉えるとしても各人の描かれ方が浅すぎてそのように感じられない。


観客というのは登場人物のセリフ一つ一つに無意識のうちにYes、Noの答えを出しているものだ。そういう意味で納得できない作品だった。


あっ、それから役者さんはそれぞれ素敵でした。

大正浪漫探偵譚

大正浪漫探偵譚

はっぴぃはっぴぃどりーみんぐ

ワーサルシアター(東京都)

2013/07/27 (土) ~ 2013/08/01 (木)公演終了

満足度★★★

少年少女
探偵推理小説みたいな。笑。 話の進み方が予定調和の世界というか。笑。 とは言いつつも、ディテールは結構複雑で難しかったし、結末もなかなかに意外だったりして、面白かったです! それに、アクションがあの小さい空間の中でとても迫力があって素晴らしかったです! ただ、演技は全般的にもう少し練れた感じであったらよかったかな。。 話の内容は結構重いテイストだったりもするので。 スイマセン。。 あと、主役?の探偵の方が強すぎ!笑。



また逢おうと竜馬は言った

また逢おうと竜馬は言った

演劇集団キャラメルボックス

シアターアプル(東京都)

2000/09/08 (金) ~ 2000/09/28 (木)公演終了

満足度★★★★

キャラメル
※実際の公演期間は1995年9月8日(金)〜28日(木)です。こりっちさんでは1999年以前の公演情報は登録できないので現在できる一番古い日付にしました。

ネタバレBOX

で、実際観たのは1995年9月9日。初キャラメル。上川さんの竜馬も良かったけど、一番印象に残ったのは西川さんのインチキっぽい役。これが面白かった。あと、「この暖かさ(?)はなんなんだ」と言いたくなるようなアフターケアの良さ、というのかな?面倒見の良さみたいなものを感じました、ここの制作さんに対して。
雲の影

雲の影

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★

サンプリング
よくできているとは思ったけれど、この劇団・作品でしか見られない何かというようなものを感じなかった。

ネタバレBOX

この作品のピークはふたつある。
ひとつは、二人の主人公:野村と遠藤が罵り合う場面。
お互いがそれぞれに抱えている背景がありながらも、
相手のそういう部分は無視して、互いにアラを探して罵り合う。
こういうことはよく日常でも起こることで、とても強いシーンだと感じた。
ただ、喧嘩のようにエネルギーをぶつけ合う芝居は、誰が演出し・演じても、それなりの力は持つというのはあるのだが、、、。

もう一つは、チェーホフの『三人姉妹』の引用部分。
古典を現代劇に使うそのサンプリング的な手法はとても上手いと感じた。
ただ、逆に言えば、作品のクライマックスを他者(しかも大作家)の言葉の引用で力を持たせるというのは、どうかと思った。
全体を通して、このようなサンプリングが為されている舞台だったら、そういうものとして素晴らしいと言えるのだが、一部分、それもクライマックスだけが他者の言葉では、その言葉だけが突出してしまい、作者自身の言葉の弱さが同時に強調されてしまう。(この引用が無ければ、言葉の力でまとめる芝居ではないという観方ができるのに。)他人の、しかも大御所の言葉の力で、この作品をまとめてしまったという印象。

私は、冒頭に「この劇団・作品でしか見られない何かというようなものを感じなかった」と書いたが、ラストの締めが他人の言葉であり、作者の顔が見えないというのも、作風の問題だけではなく、その印象を助長しているのかもしれない。

それでも、サンプリングというか、引用の手つきは素晴らしいと思った。
カルデッド

カルデッド

JACROW

OFF OFFシアター(東京都)

2013/07/24 (水) ~ 2013/07/31 (水)公演終了

満足度★★★★★

無題773(13-201)
20:00の回(曇)。19:00に着いたのですが受付していただけました(整理券あり)。19:30開場、対面式(入口からみて向う側、椅子席2列、いつもの客席側は3列…こちらがお勧め)、薄暗い会場、舞台には歪なカタチの大きな積み木(みたいなもの)、上手には机らしきもの、19:57前説(120分)、20:05開演〜22:09終演。幕間、これも薄暗い中、黒尽くめの男女が無言でセットを組み、一礼し、去る。4話とも強烈、当パン(スタッフの方もそう言ってました)にあるとおり「最後まで肩の力を抜かないで」みました。


ネタバレBOX

霧がかかったような室内、ノートPC(XPですね…)をホントに使うのは珍しい(デイスプレイが観客にみえる)と思って、操作が終わってからもチラチラみていたところ(残念ながらその瞬間は見逃しました)…やられた、これはやられた※。みえないはずの男と閉じこもる男、迷い込む者、自己保身の男、役者さんたちの良さを、積み木たちが情景で支え、ひとつひとつが手作りの味わいと冴えるタイトルコール。

震える手、わななく唇、叩きつけられる手、覆われる目、掴みかかる手、さまよう目、突き刺す手、ひそめる声、そして合わせられる両の手、流れる涙。

第一話、最後、ポケットからお札を取り出す必要があったのだろうか…

※スクリーンセーバー:「もっと甘えればよかった 幸雄」

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