最新の観てきた!クチコミ一覧

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ブレヒトとロルカ

ブレヒトとロルカ

風鈴堂

pit北/区域(東京都)

2013/09/30 (月) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★

革新者たち
 ブレヒトとロルカは共に1898年の生まれ。ブレヒトはその表現活動をカフェやキャバレーでし始めた。詩を作り、ギターに載せて歌うことで、謂わばトゥルーベールとして出発したわけだ。後、戯曲を書くようになってからも、宗教歌、童謡、民謡をパロディ化するなどの方法で異化、彼の演劇理論を実践していた。
 一方のロルカは、ピアノを弾じ、アンダルシアの古謡をアレンジ。其処に自作の詩を載せることもあった。古謡に用いられる言葉遊びやナンセンスは、ロルカのモダンな感性と時に反発、時にもつれ合い、絡み合って微妙なイマージュを構築した。
 両名共に、故きを温ね、新しきを知った先覚者であったが、時代を切り開いた作品群には、現代音楽に通じる要素も確かに感じられる。
 これらのことを踏まえて、コントラバスの河崎 純、其々異なる3台のギターを用いて小沢 あき、2名が演奏。更に背景のスクリーンに都市と自然(ガイア)、人工と泥、海、空などを対比させる映像を構築した三行 英登3人のコラボレーション。音で時間を、映像で空間を埋めた表現行為であった。

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

ナイゲン
前回観て面白かったので、斉藤コータくん出るしで再び観劇。

冨坂さんの脚本に唸る。ホント素晴らしい。

俳優さん達もパワーアップしてた。
1年生が特に。
コータくんの「芸」(?)も健在。
キャストが誰ひとり変わらなかったって、凄いね。
それもよかったかも。

とにかく笑えるし脚本秀逸だし、満足です。
冨坂さんの今後に超期待。

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

ナイゲン【ご来場ありがとうございました】

アガリスクエンターテイメント

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白いものは何回観ても面白い、のいい例
「ナイゲン」とは、高校の文化祭について討論し合う「内容限定会議」のこと。
すなわち、会議コメディ。
いい歳のオトナたちが演じるのだが、高校生に見えてくる。
去年同じ作品を観ているのだけど面白い。楽しい。笑った。

ネタバレBOX

この作品は、もう1回観たいと思っていたので、早いタイミングでの再演はうれしい。
「面白いから」と人を誘ってでかけた。
一緒に行った人は、「会議の演劇なのか?」「それで笑えるのか?」という疑問や不安もあったようだが、観劇後は満足していた。

私自身は、昨年観たので、ここのあとはこうなる、と思い出しながらの観たのだが、それでも十分に面白かったのだ。
つまり、ストーリー展開の面白さはもちろんあるのだが、それだけではなく、ストーリーを展開していく役者の演技や演出がいいからだろう。

ストーリー自体は、会議の終了間際に予期せずに起こった出来事から展開していくのだが、それが劇中の時間と実際の時間の経過がリアルタイムに進行していくというところで、内容をさらに盛り上げていく。

そして、どのようにストーリーが展開していくのかまったく読めず、意外なところから意外な方向に進み、さらにそれが……という展開には目が離せない。「意外さ」の部分が脚本の冨坂さんの持ち味でもあろう。
うまい戯曲だと思う。

演出も単にドタバタしそうなストーリー内容と高校生という登場人物たちなのだが、そちらにガンガン行くわけではなく、一気にヒートアップしてくるところと、さらっといくところ、短く攻めるところの緩急のバランスが良く、勢いもある。全体に流れるイキイキさと熱量には高校生のような若さを感じる。

今回は、前回に比べセットや客席、さらに観客に配られる会議資料も前回より少しグレードアップしていた。

役者は前回と同じようで、役が役者の身体に染みこんでいるように見えた。

どのキャラクターもいい味を出していて、それぞれの見せ場のようなものもある。
そして、それを外さない。

台詞の応酬のタイミングや声の調子などが、素晴らしいところが何カ所もあり、やっぱり演劇って面白いな、と思わせてくれた。

高校生っぽい、学校側の言いなりにならないぞの暑苦しい正義感のようなものがある「どさまわり」(塩原俊之さん)、マジメだけが取り柄のような議長(甲田守さん)や、「Iは地球を救う」(さいとう篤史さん)の一直線さがクラスでも浮いているんだろうな、な感じが良く、さらに「監査」(沈ゆうこさん)の1人ベストを着てネクタイをきちんと締めていて、堅苦しい感じから、ミニスカサンタへの早い突っ込みにも笑った。「文化」(鹿島ゆきこさん)と「書記」(金原並央さん)の高校生っぽいダルさも捨てがたい。さらに「ハワイ庵」(細井寿代さん)のキャラも熱っぽい全体の中でいい仕事している。
そして、「アイスクリースマス」(淺越岳人さん)の、イヤな粘っこくて理屈っぽい感じは、前回もいいと思ったのだが、今回もさらにイヤな感じで良かった。

去年は、ラストの台詞がイマイチしっくりこなかったのだが、今回は「花鳥風月」(矢吹ジャンプさん)の妙なおっさんぽい(いや、本物のおっさんなんだけど・笑)達観したような感じをうまく出せていたので、違和感はまったく感じなかった。

アガリスクには再演できる演目が多いように思えるが、この作品は、確実に彼らのレパートリーになっただろう。
次に再演してもまた観に行くと思う。

ちなみに前回はこんな感想を書いていた。
http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=161552#divulge
七味のサムライ2~琉球編~

七味のサムライ2~琉球編~

Rooter

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2013/09/27 (金) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

大満足!
笑いも涙も感動も楽しさも面白さも全て掻っ攫われました。
本当に1度だけしか見ることが叶わなかった事が悔しい限りです。
演出、歌、ダンス、アドリブ、ギャグ、全てが楽しかったです。
また出会いたい。

ミエナイ家族のハロー・マイ・ゴースト

ミエナイ家族のハロー・マイ・ゴースト

空飛ぶ猫☆魂

小劇場 楽園(東京都)

2013/09/25 (水) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑った!泣いた!
とにかく面白かったです!
結婚を目前に死んでしまった彼が幽霊として戻ってきたら…
想像していたラストをいい意味で裏切られました。
みなさん素敵なキャラでしたが、私は西さんの…が良かったなぁ!(笑)
今回、ゲストが長戸勝彦さんの回を観劇♪
…爆笑させていただきました(≧▽≦)

 みんなの絵

みんなの絵

劇団お魚レモンパイ

Geki地下Liberty(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度

う~ん状況が悪かったなぁ
観劇後に映画「ランナウェイ」(数少なき好きな俳優の一人であるR・レッドフォード監督・主演作品です)見てしまって・・・・星の数が減りました・・・。
台詞の配置の仕方や内容など細かいとこまで気を配ることの重要性が、作品には不可欠だよなぁと感じてしまったからです。ちなみに座席の配置や客あしらい(劇場内への入退出時)についても星はひとつ減らしたかったし・・・。基本は評価できるのだが細かいとこや説得力が不足してたし・・。 (1時間45分予定が約2時間弱になってました千秋楽)

ネタバレBOX

美術教室の一室が舞台であり、舞台セット=美術は良く出来ていました。
壁を突き抜けたり、泣いた時の涙の出し方など。観客の予想を超えるギミック(?)が結構驚かされて楽しめました。
その美術教室に集っていた4人の美大生が徴兵され戦火に散り、残された親しき人たちの悲しみや継がれた命にまつわる話でした。
正直同じ教室で孫がデッサンしにくる話も盛り込んでましたが、関わり方が今ひとつだったかなぁと感じました。ちょいと下ネタに走るとこも多くしなくてもとも思ったし。
観客は若い方中心で、知り合いが多いのかなぁと思った。(男女比は同じくらい)→解散という話を控えてて同窓会風に再会などをされた方々が多かったんだと後日納得
写真屋のボンボンとして出てくる主人公の一人に兄がいて、名家の次男がこんなとこにという嫌味も言いにくるのだが。そこでの話に出てくる銃がエゲレスと取引のある証拠のようにルガーっぽいの出したんだけど・・・。小さすぎて玩具ぜんとしてしまい、見てて違和感が強かった。手広くやってるというのなら、独との取引もあってとワルサーPPKとか、米のガバメントでもよかったと思いました。
大東亜戦争ですぐにゼロ戦の特攻だすのも分かり易さがいいのでしょうが、徴兵されて1年足らずでパイロットになれるものでしょうか?陸軍では日本刀振り回しますが、軍刀とか銃剣でもよいのでは?衣装などがわりとしっかりされていた分もったいない話だなぁと感じました。
何かとイーゼルに立てたキャンバス使ってましたが、簡単なクロッキーならスケッチブックの方が納得しやすいですが・・・。
以前黒澤監督が映画で使う小道具の手紙に内容を求めて、白紙を封筒に入れていたスタッフにきつく当たったとかいう話を聞いたことがあり。その時は何て傍若無人な監督で我侭な人だったんだと思ったのですが。最近監督が怒った理由がわかるような気がしてきました。舞台とか映画という偽りの世界を構築するからこそ細部にリアルを拘りを求めたのではないだろうかと思うようになりました。
また戦況を登場人物が語る時、何故か皆一様に日本は負けると声をあげるのだが。当時の世界背景では口に出すのはホンの一握りの人ではとも思おう。せめて俺が神国を守るのだ、本土には足を踏み入れさせないとか言わせる方が説得力を感じるが・・・。
今回も兄さんが負けると言ったが、それはよいのだが。時間が経って状況が深刻になったという台詞があったが。負けると言った人の言葉なら「事態の進行が思った以上に早い」というような意味の方が合ってるのでは?と感じた。
全体的な感じは良いが細かい違和感が積み重なったなぁと思いました
な~んか磨き足りなくて光の反射加減が弱い宝石(ボンボンの主人公のたどる人生展開は好みだった=兄との邂逅、惚れた女房の死(出産時かなとか思ったら器用に外したとこ)・・・。戦後のシベリア抑留で日本に戻れたかは観客の想像にまかせるとことか)のような作品でありました
まっ個人的な感じ方であります
かな~り偏ってると思いますので、お読みになった方は。
こ~ゆ~感じ方もあるんだな程度に思ってくだされ

追加:何か記憶があるなぁと思っていたら、'11の6月10日赤レンガ倉庫に来た「無言館」の展示みていました。絵はもちろん、書き残したノートや絵画道具(ガラスに入っていた顔料が印象に残っています)をじっくり見ていた覚えがあります。たしかにクロッキーや習作の展示はあまりなかったとも記憶しています。(食べたいものリストを書いた手帳もありましたね、役者さんによる3D再現見れたこと感謝ですね。)
熊の親切(奈良版)

熊の親切(奈良版)

カムカムミニキーナ

もいち堂(奈良県)

2013/09/21 (土) ~ 2013/09/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

近い!
なんといっても劇場の小ささが、今まで見てきなかでダントツでした。狭いからこそ役者さんに近い!
演技をされているお顔がはっきり見れて、汗の飛び散る様までばっちりでした。

ネタバレBOX

餓鬼引きのシーンがとても印象深かったです。「ありがとうございます」のセリフが区切りになって椅子の動きとで引かれていく場所が次々変わっていくのがはっきり鮮明でした。だんだん熊野に近づき大阪も通ったのでなじみのある地名が出てきたのも臨場感につながった気がします。
公演後のトークで関東では熊野の地理的位置をあんまり皆さん分かってなかったとおっしゃっていて、きっと関東の山とか言われても逆に私にはわからないだろうから、そんなもんですよねー。
禪竹の秋 — An autumn evening for the works of Komparu Žentiku.

禪竹の秋 — An autumn evening for the works of Komparu Žentiku.

d’UOMO ex machina

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

無題843(13-282)
18:30の回(晴)。17:45会場着、受付。毎回、場が変わる、場所がではなく、視点が。

ここ絵空箱であっても、毎回変わります。中へ入ると役者さんたちは稽古中、お客さんはドリンクを注文し、カウンター側で待つ。目の前に大木と思えるような配線の束が天井まで。SF映画にでてきそうな未来的外観。

準備が整ったのか、客席に移動、道路側とその右側にL字型の客席。ひとりずつ案内。ここで会場内の視点がぐるっと回る。

18:36開演~19:50終演。

「加茂」「野宮」「芭蕉」「楊貴妃」「玉葛」、5人の演者。

山田さん「ロジック」「踊れ場」、高瀬さん「子供鋸人」でしたでしょうか?

今夜は声が聴こえてきました。その声はとても澄んでいて、遠いところから届いたのにはっきり聴こえるのでした。「書かれた文字」自身が語りかけているような錯覚。夜空の遠いところにある小さな点が瞬くように、大きな月が雲に見え隠れしながら息づくかのように...大石さんの「声」は神秘的で甘美、あらためてそう感じました。次回は、キッドアイラック・アートホール..ここで何を聴くことができるのでしょうか。

ネタバレBOX

先日、「声(響き)」と「舞踏」の公演(演者は女性ふたり)をみました。セリフでもなく歌でもない「声(響き)」...唸りとも叫びともいえそうな「声(響き)」、テキストとしての意味づけは放棄されながらも耳に届くのでした。

大石さんの「声」は輪郭がはっきりしていて、とても受けめやすいと感じています。語られている内容は、実のところ1割もわかっていないのですが、ゆったりとした感覚に浸ることができます。
サロメvsヨカナーン【CoRichグランプリ受賞後第一作!】

サロメvsヨカナーン【CoRichグランプリ受賞後第一作!】

FUKAIPRODUCE羽衣

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2013/02/01 (金) ~ 2013/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

いまだに思い出します
正直、そんなに期待しないで見に行ったのにすごくおもしろかったです。
リピーターになったくらい。
歌が最高でした。ときどき、くちずさんでしまいます。
どのサロメにも自分のかけらを見るような気がしました。

ま・ん・だ・ら

ま・ん・だ・ら

劇団肋骨蜜柑同好会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

また脚本売ってください
良質な非日常に触れることができて大変良かったです。よくできた非日常というのはわりと世の中にありますが、「非日常」が「よくできてる」というのは、そのよくできてるというところで日常とのつながりを感じてしまうので、非日常に没頭するというのは意外と難しいことです。
ところが今回の舞台は、なぜかはわかりませんがとにかく自然に非日常に没頭できました。たぶん役者さんと、脚本が良いのでしょうね。脚本は物販で手に入ったので、これから時間のある時にじっくり読んでみます。

ネタバレBOX

単純な感想としては、新さんが不実なせいで不幸になってるのを見て、「ああ、不実なことしちゃいかんのだな、自分も気をつけなきゃな」くらいに見ていたら、どうもだんだんそれどころではない話になっていって、最終的にみんなどうなるんだと思ったら、豊志賀を除いてみんないなくなったんですね。お彼岸だから。そして失踪したはずの作者が出てくるんですね。いやーすごい構成だと思いました。フジタさんの脚本はお金出す価値があるなと思いました。また物販で売ってください。
「隠形の袖」(おんぎょうのそで)

「隠形の袖」(おんぎょうのそで)

鬼面組

シアターシャイン(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

平安とヒーローショーの振り幅が
平安時代の話で、セリフも詩、うたを詠むようだとか。全く未知の世界。
受付二番で劇場に入ると、在原業平役の人がもう舞台に立っていて、客入れの時間中、能楽の様な踊りを始める。

パンフ、チラシと一緒に手作りの小冊子が配られていて、もとになった伊勢物語の解説やら、背景、登場人物の解説などが書いてあり、前もって読んでおいてほしいとか。
凄い力の入れよう。難しげな舞台になりそうと緊張しながら読む。
昔、男ありけり。伊勢物語なんて高校以来。

最初のうち、全員のセリフが文語調で何を言っているのかよく分からず、120分このままなのかとビビッた。

鬼の姿の話をしていた殿上人の貴族、3人組、突然くだけて、ガンダムネタを持ち出した。

その後も重々しい文語調と口語調を交えて朝廷内の話と、何故かヒーローものの話に持って行く。
「詠人(よみびと)戦隊、六歌仙」。
平安の幽玄の世界にヒーローはどうよ。
業平は6人目の和歌シルバー!だと巻きこもうとするが、頑なに断り続ける。このパートが長い長い。面白いんだけどね。
終盤にはヒロイン藤原家の娘、高子(たかいこ)がヒーローショーのお姉さんになってお客さんに声援を求めたり、悪役藤原基経がクイズやお客いじりを。
本当にアリなのかこれ。僕的には歓迎だが…。

これ、本気なのか?主宰の基経役、深沢さんはノッてやっているようだが…と、終演後に台本買っちゃいましたよ。たしかに台本通りでした。
ちなみに目当てのカプセル兵団、工藤サンは和歌ピンク・小野小町。
悪いけど、浮いてました。ヒーロー要員だとしても。
女優陣では在原行平のアサミさん、藤原良近の大島さんが良かったですよ。男役だけど女性的。殿上人3人の掛け合いは楽しかった。

平安時代とヒーローショーの振り幅が大きかった。おちゃらけを除くと、文語調を詠み挙げる芝居と相俟って重苦し過ぎると思ったのか、単に作者の趣味か。融合がいま一つ。
ヒーローショーのところで高子お姉さんのファンになったのは別の話。

次回公演も観に行きますよ。

青ひげ公の城

青ひげ公の城

非シス人-Narcissist-

サンモールスタジオ(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/03 (木)公演終了

寺山修司は「40年先」を見た

寺山修司が常に「40年先を見た」ことを物語る舞台だった。

バーチャル•アイドル(初音ミク)によるコンサートが渋谷オーチャードホール、神奈川県民ホールなど、客席定員2000名近くの大型会場で開かれる時代である。


「革新」、それは映像との融合であり、「拡張現実」を採り入れた舞台さえ現れた。(東京パフォーマンスドール PLAY × LIVE 『1 × 0』(ワンバイゼロ)

だが、寺山修司なる男こそ、作品こそ、 いつの時代も最先端=異端児だったのは言うまでもない。

主宰した『天井桟敷』が70年代の「アングラ•カルチャー」を引っ張ってきたのだ。
そして、このTwitterやFacebookを扱う 時代に、「寺山修司」を内容で受け止める時代は やっと到来した。

私は、本格派ミュージカルの看板を背負うべき、アンサンブルの声量を絶賛したい。

地響きを疑った。
特に、前半の岡田静が「青ひげ公第三の妻」として登場するシーンである。

彼女の歌唱力は知る人ぞ知るパワーなので、あえて記述しない。
CDを世に出している事実を明らかにすれば、十分だろう。

地響きの発信源を確認することはできなかった。
舞台上に 姿をみせない、無数の女性アンサンブルだったのである。

比較は失礼とわかっているが、例えるなら『レ•ミゼラブル』の それだ。



サブキャストについても触れなければならない。
串田(舞台監督ー根元役)、榎本(ブロンブターのにんじん役)も、魅力的だった。(いずれも9月30日の役)
私は妖怪しか持ちえない「妖力」が彼等にあると確信した。

舞台監督という立場の榎本は、「現実」と「舞台」の境目を取り仕切る存在だろう。
そして、「妖力」を持つ役者=串田が演じることが、霧のかかった灰色の世界を造るのである。


寺山修司は、「非常灯も禁煙灯も消し、漏れ入る光は一すじもない、完全な暗黒の中での演劇というのは、長いあいだの私の夢であった」という詞(コトバ)を残した。

「暗闇」は高級ホテルのディナーより、贅沢な ものである。
映画館だってそう、人々はスクリーンを鑑賞する名目で、実は「暗闇」を手に入れたいのだ。

自らの部屋だったり、星空を見逃さないために訪れた山頂ではダメ。

都会の片隅に、様々な境遇をもつ身知らぬ人々が寄り添う場所でないと意味がない。

「暗闇」の彼方に光る一本のロウソクの炎をみつめる人は、その場限りの主人公である。


この国の伝統芸能のひとつ「浄瑠璃」は、死者の話。
「死んだ人間の視点で、死ぬまでの道のりを辿る旅」といえる。


だとしたら、寺山修司の『青ひげ公の城』は極めて伝統的様式に基づいた作品だろう。
「革新」どころ ではない。



主演の竹下優子は、そのハスキーボイスで私を虜にしてしまった。

「青ひげ公 第七の妻」を、戸惑い と 威信の表情で見事に演じ切る。まるで、アルミボールに落とされた「黄身」のような新鮮さだった。他の登場人物が「白身」に該当する。
つまり、彼女はアルミボールの中の案内人だったわけだ。
グルグルかき混ぜられ、「溶き卵」へ変わる時、観客は既に飲み込まれていた。



歌や踊り も文句を付け難く、純粋のエンターテイメントだったと思う。
「お祭り騒ぎ」の後、ひっそり後方から降りてくる演出はコントラストを与え、より作品を多角的にみせる一つの装置である。

あの光景が、歌や踊りに「疎外」のワン•テーマを加える…。

さあ、寺山修司の『青ひげ公の城』 にゆっくり浸かって、いざ「劇場(死者の場所)を出よう」。

















レジェンド・オブ・チェアー

レジェンド・オブ・チェアー

ナカゴー

Brick-one(東京都)

2013/09/27 (金) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

会場に辿り着くまで
微妙に不安だった。道合ってんのかな?と。

ネタバレBOX

話は、面白かったです。ただ、純粋に英語が苦手な人とかはダメかも。
Woyzeck/W (ヴォイツェク ダブル)

Woyzeck/W (ヴォイツェク ダブル)

冨士山アネット

アトリエ劇研(京都府)

2013/09/28 (土) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

これほどまで芸時的で美しいモノは初めて♪
いゃ~凄かった!
今まで300以上の数多くの作品を観てきましたが
芸時的で美しいと一番感じたかも知れない♪
光を使ったり、物を通して投映したり様々な趣向を凝らした魅せ方♪
これこそ舞台芸術と言う言葉がピッタリな作品ではないでしょうか⁈
それに応える様に役者さんの熱量がヒシヒシと伝わってくる演技!

分からない部分もありましたがそれ以上に表現力が素晴らしかった
(事前に話の説明を読んで大枠の内容を理解していたので
何を表現しているのか?想像できました♪
ただ内容を理解していないとちょっと分かりにくいかも知れません)

これ程までに殺人をザワザワと表現したのは初めて!
それは私たちの五感を刺激する独創性に富んだ世界観の魅せる演出!
そんな世界観に魅了されて後半はずっと鳥肌が立ちっぱなしの状態…

刺激的な新しい表現にお芝居の可能性を感じた作品でした!
終演後には自然と大きな拍手を送っていました♪

ダンスverも観れたらもっと愉しめたでしょうね!

秋カフェ「お節介いろいろ」

秋カフェ「お節介いろいろ」

劇団桃唄309

RAFT(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

カフェやってました
カフェ、メニューが結構ありました。

ネタバレBOX

みたのはプログラムのC。
お節介って感じは少なめでした。懐かしい感じがする話と、小さなことをコツコツ頑張るのが大切だな、と思う話。2話目は歌も歌ってました。アクティングスペースは結構狭いのですが、それを最大限に活用してました。考えたら出演者よりもカフェのスタッフの方が多かったような気がw
OVER SMILE

OVER SMILE

企画演劇集団ボクラ団義

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

本公演ではないのが恐ろしい
素晴らしい。
面白いファンタジーを創れるとこは天才だと思う。
再演モノとは言え、これが本公演ではないと言うのだから驚愕です。
今年は12月に本公演がありますし、主要メンバーは他にも活動していてやり過ぎだろ!とまで思う。

ここまでのものであれば、確かに1回だけでは勿体ない。
Play Againの企画自体、本当に素晴らしい。

ネタバレBOX

相変わらずオープニングの面白そう感は異常なレベルだと思う(失礼)
観てる方の気持ちががんっっと上がって、そのまま引っ張っていってくれる。
面白そうと言うか、実際、面白いんですけどね。

殺陣。特に沖野さんの殺陣はとても滑らかだと思う。
X-QUESTと合わせて、自分かなり目が肥えてしまっている気がします。
余所で殺陣が良いと言われる芝居を見てもまだまだ別格はある。。と思ってしまうぐらい。

RPGと手話の組み合わせも良い。
字幕とかどうなのかなーって思いましたが見せ方工夫してて問題無かった。

うーん、やっぱり面白いと思った時の方が大した事書けませんヽ('ー`)ノ
「伽羅倶璃」-カラクリ-

「伽羅倶璃」-カラクリ-

護送撃団方式

インディペンデントシアターOji(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★

大人の事情?
千秋楽を観ました。客席が狭いことは他の方が書いていらっしゃるので触れません。三味線の上手い下手も触れません。

観劇後、頭の中は「日替わりゲストが舞台をつぶした。なぜ日替わりゲストなんかを使ったの?」という考えでいっぱいでした。
以下ネタばれ↓

ゲストの存在以外はよかっただけに残念です。裏切られた気分です。

ネタバレBOX

役者、美術、音響、照明どれもよかったです。ダンスの動きと衣裳が合っていないことやメタ発言に関しては好みの問題なのでそんなに気になりませんでした。

物語も前半やや冗長だなとは思いましたが許容範囲。後半、盲がベールを脱いで舞台が「演劇的昂揚感」に満ちたところで、見に来てよかった、と思いました。しかし、取ってつけたような日替わりゲストの登場によって会場の空気が完全に凍りました。ストーリーと全く関係ないモノマネを長々として、客席は苦笑い。やっと日替わりゲストがひっこんだと思ったら、すぐに物語の見せ場に。舞台で何をやられても全然感情移入できず、「ぷっぷっぷー」ぐらいしか記憶に残っていません。

ストーリーから考えてもゲストのシーンは必要ありませんで。またカーテンコールでのゲストの「会場に来て1時間半も待たされた(笑)」の一言で冷めが怒りに変わりました。劇団主催者と関係者の間でどのような事情があったかは知りませんが、観客を巻き込むのはやめてほしいです。
二代目はクリスチャン

二代目はクリスチャン

★☆北区AKT STAGE

シアターサンモール(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

成長する舞台
二ヶ月前の本公演と同じAチームを観劇。何と言ってもダンスのメンバーが増え、より本格的になったこと、そして稲垣の成長、同じ舞台でも格段に良くなっていた。
但し、前回も指摘したがシスターが余りにも軽薄すぎる場面が目立つ。シスターはいつも凛としていて欲しかった。笑いを取ろうとするのは分かるが、何か違うんだよね!

押忍! 龍馬【池袋演劇祭CM大会優秀賞受賞!】

押忍! 龍馬【池袋演劇祭CM大会優秀賞受賞!】

劇団バッコスの祭

萬劇場(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/10/02 (水)公演終了

満足度★★★★

こちらの作品の中で一番気に入りました
坂本龍馬モノは数多く演じられているものですが、(新撰組モノでちょろっと出てくるイメージも強い)姉に焦点が当てられなかなか面白い作品になってたと思います。
主人公はやっぱり龍馬なんだろうなとは思いつつ。

ネタバレBOX

影絵を随所で使っていて良い。
基本、端役まで名前を付けているのでモブを影で表現するのも良かったのでないかと。
端役になりがちな忍びの者たち、お互いを気遣ったりが盛り込まれていてそう言った細かい部分は大好きです。

龍馬が産まれる日からスタートし、すぐに19年後に飛びましたが、冒頭に出ていた女性陣が何歳設定なのかだけ気になった。
歳月を感じさせるものはなかったので、外見年齢が変わらない忍びたちということだろうか?

カーテンコール、主宰の森山智仁さんだけ出ていなかったですが、今回は名前ある役で少し出ていたのだからいればいいのに。
とは思った。
戦湯物語

戦湯物語

KENプロデュース

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/09/26 (木) ~ 2013/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★

良質な作品です
希望は残っている(捨てない)のですが,やはりまだまだ現実は厳しい。これからも戦いは果てしないのですね(これは自分にとっても同じか^^;)。とはいえ,脚本,構成,演出,役者さんの演技,良質な一作です。オススメできます。

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