満足度★★★★
平安とヒーローショーの振り幅が
平安時代の話で、セリフも詩、うたを詠むようだとか。全く未知の世界。
受付二番で劇場に入ると、在原業平役の人がもう舞台に立っていて、客入れの時間中、能楽の様な踊りを始める。
パンフ、チラシと一緒に手作りの小冊子が配られていて、もとになった伊勢物語の解説やら、背景、登場人物の解説などが書いてあり、前もって読んでおいてほしいとか。
凄い力の入れよう。難しげな舞台になりそうと緊張しながら読む。
昔、男ありけり。伊勢物語なんて高校以来。
最初のうち、全員のセリフが文語調で何を言っているのかよく分からず、120分このままなのかとビビッた。
鬼の姿の話をしていた殿上人の貴族、3人組、突然くだけて、ガンダムネタを持ち出した。
その後も重々しい文語調と口語調を交えて朝廷内の話と、何故かヒーローものの話に持って行く。
「詠人(よみびと)戦隊、六歌仙」。
平安の幽玄の世界にヒーローはどうよ。
業平は6人目の和歌シルバー!だと巻きこもうとするが、頑なに断り続ける。このパートが長い長い。面白いんだけどね。
終盤にはヒロイン藤原家の娘、高子(たかいこ)がヒーローショーのお姉さんになってお客さんに声援を求めたり、悪役藤原基経がクイズやお客いじりを。
本当にアリなのかこれ。僕的には歓迎だが…。
これ、本気なのか?主宰の基経役、深沢さんはノッてやっているようだが…と、終演後に台本買っちゃいましたよ。たしかに台本通りでした。
ちなみに目当てのカプセル兵団、工藤サンは和歌ピンク・小野小町。
悪いけど、浮いてました。ヒーロー要員だとしても。
女優陣では在原行平のアサミさん、藤原良近の大島さんが良かったですよ。男役だけど女性的。殿上人3人の掛け合いは楽しかった。
平安時代とヒーローショーの振り幅が大きかった。おちゃらけを除くと、文語調を詠み挙げる芝居と相俟って重苦し過ぎると思ったのか、単に作者の趣味か。融合がいま一つ。
ヒーローショーのところで高子お姉さんのファンになったのは別の話。
次回公演も観に行きますよ。