最新の観てきた!クチコミ一覧

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DIVISION POINT -分岐点-

DIVISION POINT -分岐点-

いいむろなおきマイムカンパニー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

観なきゃ損するぞ!!
 久しぶりにマイムらしいマイムを観た。Mimeは、元々無言の道化芝居であるから、科白は無い。そんなわけで、余り複雑な表現、混み入った表現をするのは、至難の業である。この弱点を克服する為には、シナリオを良く練り、内容が身体表現だけで、観客に読み込めるよう、合理的・理論的に筋を通す必要がある。無論、それが出来た上でなら更に高度な表現にもチャレンジできるが、先ずは屋台骨がしっかりしていなければならない。(ネタバレ追記2013.12.3)
 

ネタバレBOX

 本作で言えば、のっけ、低い明度の中、白い紐が1本登場する。その上で手袋をした手が、綱渡りをしたり、若干、アクロバティックな動きをしたりした後、最初、1本であった紐が二又に分かれる点などである。これは、タイトルのdivision point ともう一つのコンセプト decisionに呼応しているのは無論のことである。この二つのコンセプトを繋ぐ遊びとして椅子取りゲームに想を得たパフォーマンスや、列車を用いた出発のイマージュが演じられるが、途中、毛色の変わったオノマトペを用いたような即興パフォーマンスが入ったりして、場面転換を図り、リフレッシュ作用を齎す。科白を用いないというコンセプトなのに反則と考える向きもあるかも知れないが、オノマトペに意味は無い。場転と笑って許して欲しい。マイマーは全部で7人、その中に作・演出のいいむろ なおきも入る。
 先に述べたようにストーリーに列車が絡んでいるので、小道具に汽車が出てきて宙を舞うシーンでは「銀河鉄道の夜」を彷彿とさせる。この時、明度を落とした中で手袋が鳥のように羽ばたくことで浮遊感覚を観客の心に見事に呼び込んでいる。この為、こんなに小さな小道具が、銀河鉄道迄膨らんでゆくのだ。
 このようにイマージュの欠片を象徴的に用いて極めて広く深いイマージュを観客のイマジネーションとの間に紡いでみせる。このコレスポンダンスの見事さに、作・演出の素晴らしさと同時に演者としても関わる、いいむろ なおきの才能が煌めいている。そして、それが、マイムという形式のパフォーマンスである以上、どんどん変わってゆき、形を変えて行くのであるが、例えば、明度を落とした舞台の上に立つ人の回りを鳥のように舞っていた手袋達が、彼の体に寄り添うように貼りつくと、人は其処から抜け出てしまう。砂上の楼閣のように残ったヒト型の慄然たる美。更には、decisionの演目に移る際、宙から落ちてくるシーンでは当にどんぴしゃりのタイミングでスポットライトが当たる。本当に宙から落ちてきたかのような錯覚を起こさせるほど、難易度の高い照明、音響とのコラボも見事である。
 オープニングでは、division開始を他の者が、指示していたのだが、ラストシーンでは、オープニングで指示を出していた人物からイニシアティブをとり、decisionに移行する。この辺りの論理構成力も見事である。
赤ひげ

赤ひげ

劇団前進座

浅草公会堂(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/11/29 (金)公演終了

満足度★★★★★

「Drハウス」を重ねてしまった・・・
んで、最近ハマッタ「コールドケース」に「BONES」やらが混じっていた感じが楽しめましたな。

原作どおりに丁寧に進む人情モノはグッときました

(20分の休憩挟んだ2幕です)

ハレクイネイド

ハレクイネイド

劇団テアトル・エコー

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2013/11/26 (火) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★

なんか展開がスローモー・・・
昨今の小劇場界の元気の良い動きを見慣れてしまったセイなのか、
なんかねぇ観客層に合わせたのか展開が遅く感じました。
舞台監督さんも何か冴えてない感じで、
見ててもどかしい感じが強く、後半少し船漕いでしまいました。

舞台監督さんの動きをテキパキと冴えた人物にして、
それでも状況が混迷してゆく様が見たかったと思いました。

(1時間40分 予定です)

裸のリア王

裸のリア王

MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)

せんだい演劇工房10-BOX別館 能-BOX(宮城県)

2013/11/23 (土) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

アリエナイ熱気、密度、飛び散る汁
短距離男道ミサイルの作品は2度目でしたが、想像、期待以上の濃さで圧倒させてもらいました。「面白さ」にどこまでも貪欲な演出とそれにこたえる俳優の身体を文字通り包み隠さず見せつけられ、2時間という長編、リア王という題材にもかかわらず笑いっぱなしでした。会場から出た後しばらく顔が愛想笑いみたいになってしまうほどです。演劇は「その時、その場所」でしか観られない不便なものですが、この作品の熱量と面白さはその不便さを補って余りあリまくりです!とにかく面白かった!他会場でも熱いミサイルを着弾させてほしいです。
面白いものと、漢の体に興味がある方に是非おすすめです。

シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン カンパニー「聖なる怪物たち」

シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン カンパニー「聖なる怪物たち」

公益財団法人日本舞台芸術振興会

ゆうぽうとホール(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

空席が勿体ないなあ・・・
どう見るのが正しい(ってのもあれだけど)作品なのかよくわかんなかったけど、すっかり見入っちゃってぞわーーーーーって気持ちになった。

バレエのギエム、カタックのカーン、二人の演技体の微妙なズレのあわいに、なにやら面白いものが蠢いていたような気がしたり。
音楽と舞踊とのシンクロっぷりの見事さも圧巻でした。

しかしまあ客席がガラガラ気味だったのはちょっと寂しかったなあ。C席で観てたけど、B席との境界が判るくらいに空席の壁があったし。

マザー

マザー

劇団5454

劇場HOPE(東京都)

2013/11/20 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても良質で楽しい
春陽漁介バージョン鑑賞。
こちらの劇団の公演を観るのは前作「ト音」からになりますが、ポップでスタイリッシュな部分は多少トーンダウンしたものの、うんちくや舞台への吸引力は相変わらずで、各々のキャラもとても楽しい。
劇団のマドンナ・森島縁サンも清楚な魅力は相変わらず、自然な演技でキーマンを好演。
・・・・個人的には、「ト音」のほうが好きかな。あちらは、何度でも繰り返し観たい位に面白かったので。
他の方も書いていたと思うが、この劇団の舞台をこのキャパで観れるのは今のうちだけかも。
次回公演も必ず観にいきますy(^ヮ^)y

gymnopedia

gymnopedia

ミヤタユーヤ

中野スタジオあくとれ(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

もっともっと沢山の人に観てもらいたい!
チケットプレゼントで観劇。5分遅れで開演。
初日平日だからなのか、空席が目立つ。
しかし、この公演を見ないのは大変もったいないと思う。

この舞台を一言で表すとしたら、「調和している」。
脚本、舞台装置、音楽(音響)、照明、衣装、演出、全てが素晴らしい。
そして全てが計算され、この舞台はこれらのどれが欠けても成立しない。

脚本。起承転結がはっきりしていて分かり易い。
舞台装置。白と黒のコントラスト。シンプルかつ機能的。
音楽(音響)。公演中の音楽もだが、客入れのBGMも好み。
照明。色(特に青緑紫)や影の使い方が素晴らしい。
衣装。シンプルかつ機能的。照明&舞台装置との相乗効果大。
美術系は、本当に、互いの存在をアピールしつつ、それぞれをしっかり引き立てている。
演出。相棒が亡くなるシーン、二人の切り替えは見事。
役者。冒頭の長い説明で「“できる人”だな」と感じる。そしてミヤタユーヤが素晴らしいのは、登場人物に対してのリスペクトが伝わってくるところ。

唯一残念なのはスモーク。
もっと効果的に使わないともったいない。スモークで役者が見えなくなる時がある。非常にもったいない。
少しずつ出すとか、直接舞台上に出さないで、逆方向に射出して拡散させてから舞台に届くようにするとか…
そして客入れの前にスモークは充満させておくべきである。開演直前に、前からもくもくと煙が迫ってくるのは気持ちのよいものではない。

一人芝居で、使う音楽もピアノ曲だから、ぐわぁーーっと盛り上がるということはない。
だが、勢いだけの芝居なんかよりよっぽど観る価値がある。

ネタバレBOX

エリック・サティが「Eric」ではなく「Erik」と名乗り、山高帽に喪服(のような真っ黒の服)を身につけステッキ代わりの傘を持つようになった経緯の物語。
彼と、彼を見いだしその音楽活動を支えた相棒の物語。

エリック・サティを題材としているこの作品で印象に残るのは
「美しければ正しい」「楽しいのが正しい」

途中相棒は亡くなるが、百年後も彼に“生きて”欲しいとの願いから「楽譜を書け」と諭すシーン(それに反発するエリックの気持ちも分かる)や、エリックが相棒と出会った時にかけられた言葉を、相棒の最期に語りかけるシーンは感動的。
そしてその言葉はエリックという天才を象徴する言葉でもある。
tg STAN   ティージースタン(ベルギー)「Nora ノーラ」

tg STAN  ティージースタン(ベルギー)「Nora ノーラ」

特定非営利活動法人舞台21

あうるすぽっと(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/11/28 (木)公演終了

満足度★★★★★

地方の劇団とかに見てもらいたい作品かも・・
洗練・エスプリと流れるような展開。

役者それぞれが自由自在に、
終末、籠の中から飛び立つ日を待つヒバリがもがくのを、時に見下ろし、
横切り、俯瞰する。

シンプルなセット。

人間然として舞台の上に立ち、存在する登場人物たち。

この自由さと洗練は、観客を求めて飛び回ることを念頭に置く地方の劇団には特に参考になるのでは?

セットなんて最小限で良い。

場合によっては、その町で調達したって良い。

スペインリーグで時たま見かける
ちいさな町の洗練された組織と溌剌さをを持ったサッカーチームのようだった(笑

呪い

呪い

ジェットラグ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

日本的方法の願望♡ショートストーリーズ


間違いなく、「いなり寿司」(お稲荷さん)を世界一連発した舞台だろう。まず、呪いをかけられ いなり寿司化した男の姿が興味深い。頭からつま先まで、キツネ色の 油揚げが覆う。スーツの襟のごとく、胸のあたりにかけ中身の酢飯がこぼれており、顔面すら 米粒が ギッシリである。ぜひ 「生もの」を ご覧頂きたい。

「明日、目が覚めたら いなり寿司だった」という過酷極まりない現実を考えた人は何人いるだろうか。スーパーのパックに「一個」「二個」「三個」の単位で整列されている、あの小さな物体ではない。私自身が いなり寿司。これは…強力なシチュエーション。SFコメディの捉え方が可能だろうし、周囲(彼女等)のリアクションは新たな展開も造り出す。

ショートストーリーズ(3つのオムニバス)が重なり合い、濃縮された会話劇を続けざまに観劇する感覚だった。原作を書いた徳井氏によれば、作品自体は「短い」という。ショートストーリーズ形式にしたのは、山崎氏(江古田のガールズ)が徳井氏の書いた『呪い』の基本(作風、展開)は崩さず、しかも約2時間の大作として届けるためではないか。「脚色」の部分だろう。初演時の舞台、原作こそ未見だが、ラストに山崎氏の「脚色」が炸裂したように思う。

脚色演出・山崎氏の『江古田のガールズ』は過激コメディ団体である。小劇場アイドルユニット『38ミリなぐりーず』の仕掛け人。そうか、彼の手に落ちれば、「いなり寿司」も一つのジャンルだ。

ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」

ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」

ホチキス

サンモールスタジオ(東京都)

2013/11/23 (土) ~ 2013/12/04 (水)公演終了

満足度★★★★

天才
面白い。

ネタバレBOX

本郷(山崎雅志)…高校生刑事。天才高校の争いを止めるべくやってきた。類まれな読解力で小野寺から慕われる。
リリー(小玉久仁子)…特訓の天才と偽る、裏切りの天才。本郷へ通報し、争いを止めようとした。
二宮(林修司)…生徒会長の天才。元々孤独だったけど、リリーや磐梯と親友になった。音無が好きだったけどフラレて抗争に踏み切る。
磐梯(加藤敦)…番長の天才。リリーや二宮の友人だった。番長らしくあくどいこともやるけど、猫をかわいがる優しい男。
小野寺(ウチクリ内倉)…あいまいな天才。アレというフレーズを多用するため発言がよくわからん。本郷とともに抗争をとめた。
早乙女(斉藤陽介)…ライバルの天才。いかにもライバルな男。
音無(斉藤美和子)…思わせぶりな天才。副生徒会長。色々かわいい。
蓮美華(木内文香)…妹の天才。リリーには通じなかったが、強力スキル持ち。
時枝(山本洋輔)…ハッカーの天才。黒幕からの指令で色々悪事を働く。自分のために能力を使うようになり、早乙女に認められる。
吉沢(松本理史)…長老の天才。実は天才高校のプログラムで、才能を押し付け学力アップを図った。廃校が決まりすべてを壊そうと画策する。
はやし(林弘二)…吉沢の付き人。何の天才かは不明。

90分。漫画なキャラクターたちばっかで非常に濃い。ニヤニヤしちゃう作品。クセのあるコミカルさで進めて、ちょっとだけミステリーな感じとか友情のふくらみとか盛り込んで、短めながらもボリューミーな舞台。
終盤の、吉沢がロボット化?する展開と演出は流石。しっかり巨大ロボットな感覚になってた。なんだかんだ楽しめるようになってるのがいい。

シーン毎に入る(なんていうのか)決めポーズがとても好き。あと、女性の衣装の生地も素敵。
ライク ドロシー

ライク ドロシー

森崎事務所M&Oplays

刈谷市総合文化センターアイリス・大ホール(愛知県)

2013/11/27 (水) ~ 2013/11/28 (木)公演終了

満足度★★★★

楽しかった(^^)/
”オズの魔法使い”がモチーフだというふれこみだったのですがあんまりそんな感じではなかったかなと思います。が私的は面白かったです(≧▽≦)仁さん塚地さん一生くんのトリオはとっても合っていたと思います。面白かった(^_-)そして長澤まさみちゃん本当に可愛くてSっぽい役がとっても良かった。でも一番印象に残ったのは銀粉蝶さん迫力も凄いがコメディのイメージはあんまりなかったがとっても面白かった☆彡

呪い

呪い

ジェットラグ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★

おいなりさん
チケットプレゼントにて鑑賞。

ネタバレBOX

いなり寿司をバカにした男・三四郎(井上裕朗)が、その報復として、いなり寿司になる呪いをかけられるというスタート。バーの地下に呪い屋があって、エンジェル(入山法子)が呪いを請け負っていて、彼女が浮気しまくっているので呪いをかけてほしいという青年・又一(古原靖久)が訪れる…。

100分位。後半になるにつれ、人物のつながりで展開されていき、ちょっと真面目な感じもしてって話。
エンジェルが話したある夫婦の話がエンジェル自体だったというのもベタではあるし、大団円的なラストもいかにもな気にさせる。呪いをかけるってちょっと特殊でフィクションなものが、あんまり印象的でないのも残念(その大元にある人物の思いの描き方にシャープな感じがあるというワケでもなく)。話のテンポもゆるく、回想を7日間やったのも、ややたるいという感じ。OPのおどろおどろしいBGMもなんか長い。

役者の演技は総じて悪くはなかったと思う。警官役の野仲イサオとか。よかった。女優陣はきれいな人ばかりだったし。及川奈央の舞台は初めてみたけど、チャーミングな表情が素敵だった。
tg STAN   ティージースタン(ベルギー)「Nora ノーラ」

tg STAN  ティージースタン(ベルギー)「Nora ノーラ」

特定非営利活動法人舞台21

あうるすぽっと(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/11/28 (木)公演終了

満足度★★★★

演出家なしで作られた作品
演出家を置かずに役者達が話し合って自ら演出するという方法で作られた作品で、基本的にリアリズムな演技でありながら、役者自身と演じる役柄との境界を行き来する趣向が所々に施されていて、風通しの良い新鮮な雰囲気がありました。

開場すると既に役者達が舞台にいて、客に話し掛けたりしている内に自然に冒頭シーンに繋がり、その後は基本的に戯曲通りに展開しました。
4人の役者は出番ではない時も舞台上の隅に居て、ノーラと夫・トルヴァル役以外の2人はそれぞれ2役を兼ね、しかも服装も演技もあまり変化を付けていないというミニマルな演出だったので、『人形の家』を観たり読んだりしていない人にとっては少々混乱しそうな作りとなっていました。

第1幕に当たる部分では客電が点いたままで進行したり、会話シーンで相手ではなく正面を向いて客に話し掛ける様に台詞を言ったり、小道具を忘れて裏に取りに行ったり、音楽や照明のタイミングをオペレーターに指示したりと、劇場空間全体を取り込むことによって、描かれているテーマが過去の異国の話ではなく、現在に繋がっていることを示唆していました。その見せ方にスノッブな嫌らしさが無く、力みの無い自然体な演技だったのが魅力的でした。
ノーラが旦那を引き留めるために踊るシーンや、クリスティーネとクログスタが復縁するシーンでは意図的にみっともない身体表現が用いられていて、強く印象に残りました。

舞台裏が丸見えの素舞台で、白リノリウムが敷かれた中央のアクティング・エリアに置かれた最小限の家具や、バトンを下げて視界に入る位置に吊された灯体といった、即物的なヴィジュアル表現が格好良かったです。

東京ノート

東京ノート

劇団俳協

TACCS1179(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

戯曲の魅力が生かしきれていない
所々に入っている小ネタは面白かったが、全体として考えると戯曲を活かしきれていない気がする。

ネタバレBOX

一番気になったのは最初から最後まで「何となく悲劇的なイメージ」を漂わせたこと。
ラストシーンが悲劇的であるのでそこから逆算したのかもしれないが、結果的にメリハリの無い芝居になってしまった気がする。
言 コトノハ

言 コトノハ

劇団fool

シアター風姿花伝(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

感情をストレートに表現し過ぎ
感情表現をもう少し控えめにする方が良いと思う。あまりにもストレートすぎて登場人物が子供っぽく見えてしまった。
オマケのサブストーリーは面白かった。この劇団にはコメディの方が向いているかもしれない。

Jerk!!

Jerk!!

匿名劇壇

カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★

嘘の限界 演劇編!新しい試みのお芝居!
なかなか面白い試みのお芝居でした!
正直言って内容が分かったモノが4
割ぐらいで後の6割はよく分からなかった…(^^;;

特に面白かった作品はコンビニの話は笑いました♪

テンポが速く頭が?の状態でも次に展開されるのでもっと
観慣れてくれば愉しめる作品ではないでしょうか⁈
他の2話を観ればまた違った感想になったかも知れない⁈
他も30作品以上あるので全部で100作品以上!チャレンジャーですね!
考えるのも大変だけど演じるのも大変ですね…(^^;;
そして観る方も体力勝負の作品!

役者さんは若いのに落ち着いて演じています♪
皆さん個性的なので見覚えある人ばかり
名前は覚えてませんが…(^^;;

それにしてもこの劇団は何か面白そうな事をしようとしますね~(^^)
ある意味お芝居の可能性にチャレンジしていて刺激的!
これからますます愉しみな劇団♪


☆面白かった作品
コンビニ店員が説教されている話
フライヤーにもコンビニの服を着て写っています!

きさんじや

きさんじや

みなとまちMARKET

荻窪小劇場(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

芝居への愛が溢れている
芝居に対する愛の溢れかえった舞台だった。

タイトルの「きさんじや」は北斎の辞世の句「人魂で 行く気散じや 夏野原」から得ている。

が、戯作者、狂歌師の朋誠堂 喜三二などがちらとでも思い浮かんだ人は、何も知らない人より倍以上楽しめる、そんな「芝居好きによる 芝居好きのための芝居」だ。

筋は極めて明快で、若き鉄蔵(のちの北斎)が下駄商「伊勢屋」の婿主人佐七郎(のちの曲亭馬琴)のところに居候している、という設定で、鉄蔵を中心に取り巻く人々の群像劇である。それぞれの人物が重複することなく個性を発揮している俳優陣は見ごたえあり。歌舞伎の女形にある「世話女房」の型に乗っ取ってお百を演じた木下ますみが特に好演。

実在の北斎、馬琴、蔦屋重三郎と、北斎の次女お栄(のちの葛飾応為)を軸に、架空の人物を絡めながら虚実ないまぜの物語が展開する。

史料を駆使し、読み込み、ふんだんに盛り込まれたインテリジェンスを巧みに取り入れた劇作が、安定した会話劇としての構成を生み出している。観客はこの下地を理解して劇世界に入っていくわけだが、最初の段階で了解すべき事柄が予想以上に多く、物語の運びが最初の30分ほど停滞する。やや欲張りすぎた感はある。作者の予防線のような気がして、もう少しのびのびと自由に書いても、と感じてしまった。冒頭の場面の背景である、異常に多い改号の逸話と、終幕の没後の辞世の句を紹介する場面は刈り込んだ方が、中心となる物語により集中できる。

芸術家のスランプ、親子の愛情、すれ違う若者の恋・・・。そして見守る亡霊。物語の運びは「どこかで見た」ようなものが続き、真新しさはない。そう書くと批判に聞こえそうだが、観客は了解すべきことが多いので、それが安心して楽しめる要因ではある。ドラマを構成する様々な手段を次々に繰り出す手腕は優秀だ。独白は多用されず、おかれた状況と表情で心情の細やかな擦れ違いを描くのは、どことなく岸田國士を想起させる。

装置は一杯飾り。鉄蔵が居候している板の間が象徴的に造られた柱や壁で覆われており、全場面を通じて美しく機能的だ。奥行きのほとんどない劇場ではなかなか見られないしっかりした造りだ。欲を言えば劇場の狭さ小ささが残念。舞台空間全体を俯瞰してみることが困難な点だ。間近で観られるということは、舞台の細部まで劇空間を構成しているということだ。最前面の壁を表す太い欄干は裏打ちするなど現代の産物であるビスが堂々見えない工夫が欲しい。

また転換の都合もあるのだろうが、伝説的に「不潔」で有名だった奇人、北斎親子の部屋の異様がいまひとつ感じられなかったのは残念。飾りがこの親子の「奇人」ぶりと同時に「非凡さ」を表現し、俳優を援護射撃してほしい。

時代物を演じる時に問題になるのが、どこまで「時代劇」にするのか、という点である。衣裳は和装をふんだんに用いて、きちんと着こなしている。

ところが(というか当然ではあるが)頭髪に関しては男性は完全に現代のそれで、女性は後ろでまとめる、という一つのコードを形成している。北斎の剃髪というのは史実はどうであれ独自性があるのに佐七郎は、である。髷というのは省略されやすい部分ではあるが、ともすると身分や人物関係を表現するのに大切な「道具」である。江戸時代のコードにこだわった視覚効果にこだわるほど異化効果の役割を担うことになる。よく稽古されていても、歌舞伎俳優ではない出演者には仕草や身振りにも現代人の身のこなしが反映されてしまう。

装置、衣裳、江戸訛りにもこだわった秀作なので、頭髪を含め、衣裳や装置にもこの舞台空間限定のコードを取り入れるという逆転の発想で処理することも出来よう。

総じて優等生的にまとまった印象を受ける。それ故に世話物として安心して最後まで観られる良さはあるのだが、より際立った冒険と挑発、挑戦も見てみたい。

タンゴ・冬の終わりに

タンゴ・冬の終わりに

ULPS

ワーサルシアター(東京都)

2013/11/26 (火) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★

民死主義時代の幻想と愛に未来はあるか?
 雪組を拝見。矛盾語法に満ちた清水 邦夫の脚本を、活きた舞台にするのは大変難しい作業だが、単に芸術上のノウハウや、そのテーマとしての愛や幻想を捉えて観客の目の前に提示しても、清水の描くシナリオの半分しか捉えていないように思う。

ネタバレBOX

 言い換えれば、何故、清水の書く科白には、かくも矛盾に満ちた表現が多いのか? ということである。残念乍ら、今作ではその辺りは掬い取られていないように感じたのだ。ハッキリ言おう。清水は恐らく政治及び政治的なものに幻滅してしまった。それ故にこそ、愛だの、それに纏わる幻想だのに賭けてみようとしたのだ。然し、それには別次元の付帯要素があり、それ独自の「法則」によって極めて自然に語られるが故に、益々互いの原理の間に乖離を齎し、結果、矛盾語法で表すしかないようなアンヴィヴァレンツを生じたのだ。この、政治と愛、即ち政治と命の問題との間にある乖離をこそ、今作の底流を為すテーマとして捉え、そのメタ構造として今作で表現された風狂を重ね合わせると、より面白い舞台になる気がする。
 ところでタンゴを踊るシーンだが、群舞は兎も角、相対で踊る時には、キチンと男のリードとアドリブを表現し、女の息のあったコミットで表現して欲しかった。タンゴの特性が全然出ていない。和太鼓の使用は面白いが、インパクトのある分、使い方には注意が必要だろう。役者個々人に“狂”の定義を求めることも必要になってくるかも知れない。当然、演者自身の「言葉」でそれは定義されなければならない。それを要求するシナリオだからである。
DIVISION POINT -分岐点-

DIVISION POINT -分岐点-

いいむろなおきマイムカンパニー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑いっぱなし
美しいからいつまでも観てたい。さらりとやってのける所作一つ一つが鍛錬によってきちんと形成されてるんだよなぁ。感動の連続。最高のエンタメ。演者一人一人の個性が、動きに出る事が魅力的だなぁと思います。笑いに満ちた世界は幸せだなぁ。ただただスゴイ。

ネタバレBOX

どのシーンも好きですが。こんなオシャレなダチョウ倶楽部の団体芸はないな、ってシーンが好きでした。
東海道四谷怪談―通し上演―

東海道四谷怪談―通し上演―

木ノ下歌舞伎

あうるすぽっと(東京都)

2013/11/21 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

贅沢な時間
歌舞伎は面白いんだなぁ。その様式に抵抗があって積極的に観ないだけで、今回その喜びを発見させてもらいました。人間的というか、普遍的というか、当時のしきたりに縛られながらも、葛藤は現代と何ら変わらないんだなぁと、物語は共感と驚きでいっぱいでした。それは、アフタートーク含めて6時間半の通し上演という、すごい贅沢な時間で作品を観れたからだと思います。公演に関わる全ての方々の意気込みと上演された作品に心から敬服します。斬新で驚きと楽しさに満ち満ちた、歌舞伎愛溢れる演出と構成で、この作品に出会えて良かったなと思います。

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