『回雪ノスタルジア』
ラチェットレンチF
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★
日本版「スクープ」
シナリオに斬新さはないものの、手際良く纏めている。また、現在、国会は秘密法案攻防の最終局面にある。世界の嘘を見抜いてやろうとの気概は、評価すべきである。
ニュース番組“報道チェイス”の明野は、トップ屋並みのスクープハンターだ。ジャーナリストに不可欠な好奇心、反権力思考、強い正義感を持つが故に、これまで多くのスクープをものにし、No.1 記者となった。
(ネタバレ追記2013.12.6)
ネタバレBOX
今回彼は、政治献金絡みの取材を続けるうちに保守政党、警察、ヤクザの癒着に気付きこれを暴く過程で、襲われたりして来た。それでも怯まぬ明野に対し、秘密を暴かれたくない勢力は、妹、菜々を誘拐、彼女を返す交換条件にガセネタを放映させる。
無論、ガセは直ぐバレ、局は大騒動になるが、明野は辞表を提出。1人、妹救出に向かうが。持病の心臓の発作に悩まされ乍ら、辿りついた先には、犯人達の乗った黒い車があった。が、実行犯2人の弟分、健司が菜々の目隠しを外してしまった為に、犯人達は顔を見られた。当然のことながら、素直に帰す訳もない。兄貴分の須藤が彼女を殺そうとした時、健司は何とかこれを思いとどまって貰った上、シャブ漬けにされそうな所も救出する。犯人グループは、菜々の履き物やマフラーなどを外させて、遺留品として適当な場所に捨てた上、犯人としてシャブ中の男を逮捕させた。シャブ中の男はあっさり自白。それで事件は幕を引いた。然し、菜々の遺体は発見されずじまいで3年が過ぎた。
明野は“報道チェイス”を引いた後、美雪という女性カメラマンと組んで、街探訪のライターをやっていたが、偶々渋谷で菜々の姿を見付け、事件を洗い直すことにした。早速、古巣の“報道チェイス”へ出向き、旧友らと再会、協力を要請する。
報道チェイスグループに、熱血刑事の増田、女性刑事だが、頗る優秀な頭脳を持ち、正義を貫こうとする三条らも協力。真犯人を挙げる所迄行くが、警察内部には、誘拐犯のみならず、上部組織とつるんでいる刑事が居た。現場叩き上げの岡島である。彼は、須藤にナイフを持たせ、軽く刺させる演技をさせる。その後、逃がす約束でである。だが、この芝居、増田が飛び込んでくるのを計算の上であった。丁度、須藤が岡島を襲った瞬間、増田が、取調室に入って来て拳銃を発射。須藤を撃った。その後、未だ、致命傷を負った訳でもない須藤を殺したのは、岡島である。そして、殺害を増田の銃撃のせいにした。警察は、押収した薬物を彼らに流し、捌かせて上納金を上部組織や、政治家に納めさせていたのだ。警察は無論、彼らに流す段階で利ザヤを稼いでいる。
この時点では、健司と菜々はつるんで逃げていた。だが、健司も捕まり、菜々は、兄の下に戻ることになった。
ところで明野は、現在、美雪と付き合っているが、美雪の前の彼氏は、報道チェイスの後輩、朝井であった。彼らは別れた訳ではない。朝井が、轢き逃げに遭って亡くなった為、彼を失っていたのである。そして、轢き逃げをしたのは、何と明野自身、その時は気が動転し、人を撥ねた意識も封じて妹救出に向かったのに、結局は犯人に巻かれた上、ガードレールに衝突して入院した落ちまでついたこともあって、記憶を封印していたのだった。まだある。自分の心臓移植手術用の心臓を提供してくれたのは、朝井だった。
明野は真に反省し、罪を償おうとする。彼が、罪を背負って生きて行く覚悟を固めると、場面転換があり、明野が明日を担う方向を見せて幕。
まるでデジャヴな眠り姫
BASEプロデュース
BAR BASE(東京都)
2013/12/02 (月) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★
Bar公演
Barでの公演ということもあり、軽めの色モノというチョイスで対応している。序盤、従業員のイシザカが、アーティストという言葉やアーティストを標榜する人々に難癖をつけるシーンがあるが、それは彼のコンプレックスの為せるワザとみて良かろう。閑話休題。
ネタバレBOX
生涯の伴侶が欲しい、女刑事、トドロキは、かつて感じの良い上司に良く連れて来て貰ったこのバーで、是非生涯の伴侶を決めたいと考えて店に顔を出しているのだが、連れて来る客悉くの見合いに失敗。着信拒否までされる有り様。業を煮やしたイシザカが、サジェスチョンをした。バツ一の店長も上手に彼女をフォローする。イシザカは、男をおだてる五カ条として“さしすせそ”を教え特訓する。さは、流石、しは、知らなかった、すは、凄い、せは、先輩だから、そは、そうなんだ。トドロキはイシザカを師と仰ぎ、特訓を重ねて刑事らしさを隠すこと、女らしさを演ずることに格段の進歩を示した。
腕を挙上げた彼女は、彼女に合いそうな見合い相手を探して紹介してくれる仲介者を立て、いつものバーに来ていたが、仕事疲れから寝てしまう。その間に、仲介者からの電話が彼女の携帯に入った。だが、起きない彼女の代わりに電話に出たのは、イシザカだった。仲介人の舌足らずな表現にむかっ腹を立てたイシズカは、相手を怒らせてしまい、2度と、お見合い相手の紹介はしないと言われてしまった。
イシズカが、こんなにトドロキの世話を焼くには無論、訳がある。「麗しのサブリナ」よろしく彼は、トドロキに心惹かれているのである。一方、以上の経緯で破談となった今回の見合いの直後、トドロキの携帯には電話が入る。以前、知り合った男性からデートの申し込みであった。捨てる神あれば拾う神あり。
芝居自体は悪くない。然し、客との距離の取り方は、自分には馴染みのないものであった。Bar公演ということを念頭に入れたことによって評価は星3つ。
Dear friends (東京)
劇団6番シード
劇場MOMO(東京都)
2013/11/29 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
けい
この話は何度観ても笑えるし感動する。
ある1シーンでは普通なら暗いシーンになるのに、
そこを逆手に取って笑いを作りこちらの感情を
揺さぶって来る。結果、より心に沁みて来る。
終始笑ってるんだけど、感動してしまう作品。
しみったれたおまえらには愛をやろう2013
演劇集団あしたかぜ
ウイングフィールド(大阪府)
2013/11/23 (土) ~ 2013/11/25 (月)公演終了
満足度★★★★
もともと自分本意な物だと思う。
面白かった。
観るまで 震災の話かと思っていた
災害が起こった町が舞台ですが、内容は父と娘の話
父は娘を溺愛する 世の中の間違い 自分の意に そぐわないものから遮断する 教育が全て人間は、遺伝など関係無い 同じ人間を作れる 実験、娘に身の回りの炊事洗濯をさせていた、監禁状態 洗脳 娘は、児童施設へ 月日が経ち 男は、1人の女と出会う 一晩過ごすが何もない 自分を大切にしろ 女は男の娘 男にお父さん娘ですと打ち明ける 娘は子供がおなかに居る ありがとうお父さん 礼を言う娘 父は娘とこれから生まれる孫と同じ名前で呼ぶ、
お父さんありがとう。じゃあね 元気でね ああ 幸せに成ってくれ
父の ゆがんだ愛だが、色んな形がある 何がまともなのか
もともと自分本意な物だと思う。
あなたに死刑宣告はできますか?
シアターOM
シアターOM(大阪府)
2013/11/22 (金) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
加害者の家族 被害者の選択した道
最高に面白かった 殺陣も出来るし シリアスな社会派も出来る!! 裁判員制度の中 強盗殺人か依願殺人か 被告は、家族へかける迷惑から事実ではない強盗殺人を自供 状況から痴呆介護で迷惑をかける母が依願した殺人 裁判員たちは、それぞれの境遇、立場、地位、を犠牲にして 裁判員の範疇を超えた発言をしてまで、真実を求めるが、被告の家族へ迷惑をかけない為に、重罪で服役して家族に合わない方向を選択する被害者の息子
加害者の家族 被害者の選択した道
介護のつらさは、誰にでも起こる事
最高に面白かった。
♪~ご観劇ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。~♪ ミュージカル座ガラコンサート
ミュージカル座
六行会ホール(東京都)
2013/12/03 (火) ~ 2013/12/06 (金)公演終了
満足度★★★★★
楽しかった!
タイムフライズから観劇させていただいています。まだ観劇歴が浅い私でも十分に楽しめたことに感激です。どの楽曲も耳に馴染みがよく大変心地よい一時でした。これからも楽しみです。ありがとうございました。
ホチキス最新作「天才高校〜デスペラード〜」
ホチキス
サンモールスタジオ(東京都)
2013/11/23 (土) ~ 2013/12/04 (水)公演終了
満足度★★★★
わろたwwwww
楽しませてくれようとするサービス精神に徹したお姿に純粋に感服しましたぁ。。ここは、頭で考えて観ても仕方ないといち早く悟って、まっすぐに笑うのが正解!これで楽しめなかった人ってさ~~アレだよね~~。だって、ものすごいアレだったからさ、アレなわけよ。ほんとアレじゃん・・ってもう癖になりそうだぁ!!!
ネタバレBOX
笑われるのではなく、笑わせる技と熱量に引き込まれました。ナンセンスというセンスを感じました。
がらくたのスキマ
雀組ホエールズ
OFF OFFシアター(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★
おとぎ世界の活劇
決してブラック企業の話ではありません。
ネタバレBOX
ゲーム会社に勤める目立たない男が、仲間を得て、リーダーシップを取って、みんなでアイデアを出し合って面白いゲームを作ろうと積極的に考えることができるようになれた不思議なお伽話の世界の話。
ゾンビゲームのアイデアを出させるために、ゾンビの気持ちになってみろと社員たちを切り殺す社長の姿に究極のブラック企業を見ました。
もう一人の自分と対峙するまでの物語が長く少々疲れましたが、狭い空間での格闘は迫力がありました。気を失った者を思いっ切り叩くグレーテルが可愛かったです。
石のような水
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★
完成された世界観
完成された世界観だった。
興味深く拝見したが、私はそれほど面白いと感じなかった。
ただ、好きな人には強烈に響くものなのかもしれない。
ネタバレBOX
なにげない会話や人間関係の中にあるズレのようなものを意識した脚本・演出。
それらの断片が積み重なって物語が展開する。
大きい枠での物語はあるが、明確に意味付けされたものはない。
細部のズレは物語からはみ出し、そのはみ出したものを、
観客は想像力の中で繋ぎ合わせることで、観客一人一人の物語が起ちあがる。
私は、生者と死者の境界のことを、私自身が生きている生活の中での問題と重ねながら見た。
ただ、そのズラし方や切断の仕方が、あざといような気がしないでもなかった。演出にしても、脚本にしても。
演出では、有機的な会話にならないように、
敢えて関係性を切断しているような演出がなされていた。
勿論、普通の会話を異化するために行われているのだし、実際、その異様な感じが興味深くはあったが、それ以上の意義を感じることはできなかった。
私は松本雄吉氏の演出を観るのは初めてなので、この作品での演出の仕方やその位置づけなどはよくわからない。
脚本でも、わざと線をぼやかすことで、観客にゆだね、さまざまな解釈ができるようにしているというのが、戦略的な振る舞いに見えてしまった。
(作品内でも、映画監督:御厨が須藤の妻に、「きちんと色を塗らないで、作品をぼやかして、誰にも通じないような作品を作っていないで、誰にでもわかるような作品を作ったらどうなの」というような罵倒をされるシーンがある。作品内でこれを語らせるというのは、作者の自嘲なのか、それとも自分は矜持を持ってやっているということの表れなのか、、、わからない。)
松田正隆氏の作品を観るのは3作目。
松田氏が脚本を書き、平田オリザ氏が演出した、『月の岬』は本当に素晴らしい作品だと思った。
だが、去年のF/Tの演目だった『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』は、今まで私が観たあらゆる演劇と名の付く表現の中で、もっとも酷い作品だと思った。
私の中で、松田氏への認識はそのように引き裂かれている。
この作品を観て、さらにわからなくなった。
本質的に表現を探求している人なのか、それとも、奇を衒っているだけの人なのか。
批判的に書いてしまったが、興味深く観ることはできた。
ただ、それを支えていたのは、脚本や演出というより、
役者さんたちの強さだったように思う。
虹色の涙 鋼色の月
企画演劇集団ボクラ団義
SPACE107(東京都)
2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★
長い活劇
役者さんたちは楽しんでいました。
ネタバレBOX
周りを海で囲まれた小さな国に船に乗った男が流れ着いたことで、外にも別の世界があることをひた隠ししていたいわゆる島の長がもう政権が持たないと判断し、一族支配を放棄しようとしたことから起こった殺人事件を含む一連の騒動。そして、若者たちは新しい世界、具体的には彼らの祖先の国である日本を目指して新造船で出発するという話。
長一族は直近を予知する超能力と色彩が識別できないハンデを併せ持っていますが、きょうだいの中でもそれらの能力が消えることがあり、能力を最終的に保持した者が後継者になるというのが本来の掟のようでした。
ですから、後継者争いを防ぐためにといって生まれたばかりの次男を島民に預けたことが間違いの元でした。最後、長の娘と次男のどちらに能力が残っているのか、まだ決着は付いていないようにも見受けられましたが、その後が気になるところです。
長殺しの解明については、トリカブトを飲むように仕向け、飲ませて刺した長男が犯人であることには間違いなく、苦しんでいる長を最終的に死なせた長の弟を真犯人と言うのは言い過ぎだと思いました。
そろばんパチパチ、いつも確率をはじき出す計算娘が可愛かったです。
Eternal Malice ~英雄の作り方~
劇団C2
萬劇場(東京都)
2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題922(13-361)
19:30の回(晴)。18:45受付(整理券あり)、19:00開場、椅子席、前2列はフラット、3列目以降は備え付けの椅子。舞台は左右対称、石段(3段)、奥に通ずる門、手前の床面が広くとってあり、アクション(殺陣)が繰り広げられます。こちらは初めて、前田綾香さん(トツゲキ、ノーコンタクツ)のお名前があったのでみに来ました。
19:28前説(アナウンス、120分)、壮大な音楽が響き19:35開演〜21:37終演。ストーリーは「説明」の通り、冒険譚…英雄免許(永久資格)、魔界との協定、魔王の真実、異世界間の恋、最後の決戦…見せ場がいっぱい。
殺陣のシーンが多いのですが、効果音とピッタリあっていること、「みせる」剣さばきにキレがあり、もちろん男優さん/女優さんとも、それは最後まで続き、よくここまでできるものだと思い、確かに「剣と魔法(Sword and Sorcery)」でした。
性病はなによりの証拠
ブラジル
インディペンデントシアターOji(東京都)
2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白かった
登場人物のキャラが立っていて、たたみこむような会話で、かなり笑わせてもらいました。
ずっと笑って見ていましたが、観終わった後には「あたりまえの生活ができることって幸せなんだなあ」と思わせてくれる芝居でした。
ネタバレBOX
遭難したときのリアリティは、確かに無かったけれど、そのシチュエーションコメディだと思って見たらかなり面白かったです。
(私は、演劇的な笑いにこだわってなくって、漫才的な笑いも好きだから)
お約束の展開も、好みでした。
ビールや食べ物の話が続くところは、くどかったかな。
他人が口から吐いた汚げなものを、顔に受け止める役者魂に萌え。
幻聴が『渚のバルコニー』というのも、個人的にツボ。アラフォーが一番楽しかった時代の曲だと思う。
あなた、どこにいますか?
THEATRE ATMAN
東京アポロシアター(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★
捉え難いものを良いシナリオに落とした
精神科医が進行役を務めて物語が進展する。背景には、矢張りグローバリエーションの進展で影響を受け、呻吟する韓国庶民の姿が透けて見える。しょっぱな、医師の回想に出てくる同窓会の挿話は示唆的である。友人の一人が「株をやって儲けた」と話した時のこと。医師は、「それで、幸せ?」と問う。友人応えて曰く「またやって儲けようと思う」と応じたが、医師は再び「それで、幸せ?」と問い掛けた。友人は「喧嘩を売っているのか」と医師にアッパーカットを放った。
ネタバレBOX
自分は、この挿話に以下のような感想を持った。デイ・トレーダーなどが話題になったことからも察しがつくように、株の世界は浮き沈みが激しい。だから、皆、生活の総てを株価の上下に繋げて考えるようになる。1円、2円(韓国ならウォンだ)の上下で一喜一憂する生活を強いられるのだ。儲かれば、この緊張感の中ではち切れそうになったストレスを派手な遊びで発散しようとする。その辺りの生活が透けて見えるようなやり取りではないか?
一方、このような状況の中で、主人公は福祉の勉強をし、他人の為になりたいと生きてきた。然し、人生は中々思うようにならない。結局働いていた組織は解体し、2年間、失業の憂き目も見て、漸く就職したのが、現在の会社だったので、最初は仕事をすることができるだけでも楽しかった。が、仕事に慣れるにつれ、様々なことを考えるようになり、あまつさえ、自分のやりたかった仕事とは無関係な仕事に就いているのではないか、との思いは、彼を追い詰めていった。終に、彼は対人脅迫症に因る主体性喪失症に陥ってしまう。この病は、自分が、自分の根拠にしていた拠り所を失くし、自分が何者であるかを見失ってしまうことによって、他人との対応が必要とされる時に、自分の不如意を見透かされる恐怖から、口ごもったり、対話がスムースに行かなくなったり、酷い場合には、言葉を失ったりする症例である。思い余って、彼は、精神科の医師に相談したのであるが、医師は、彼に「自分の本当にしたいことは何なのかを考えてみて下さい」と告げると共に「妻に悩みを打ち明けるよう」に説くが、彼は、何れも実行できず、症状は悪化の一途を辿った。
若干、噛んだりした役者がいたので星は4つにしたが、いいシナリオで、全体に作りが良い。舞台美術などは、金を掛けられないので、豪華では無論ない。それに、ちょっと、雑な絵柄ではある。然し、本質とは関係ないので、これ以上は触れない。大切なことは、本質で何処まで勝負しているかだ。この点について、自分の評価は5点である。とても大切でデリケートであるが故に見え難い問題を良く形象化した。これからも精進を重ねて、更に、良い舞台を作って頂きたい。内容は、現在公演中なので、ここまでにしておくが、お薦めの舞台だ。
だが、若干、噛んだ場面があったことと、雑に感じられた舞台美術でマイナスを入れると総合評価は4.だが、心に残る作品である。
星降る闇にピノキオは、青い天幕(サーカス)の夢を見る
天幕旅団
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★
バイタルサイン
本歌取りファンタジー今回は「ピノキオ」と聞いて
“少年っぽさ”と“硬質”な台詞のイメージから
何となく加藤晃子さんのピノキオを想像していたが、見事に違ってた。
渡辺実希さんのピノキオは、繊細で壊れやすく孤独。
原作のピノキオなら加藤さんだが、これはやはり渡辺さんが相応しいと思った。
今回も4人の身体表現が美しいが、少し動きが多くて落ち着かなかった印象も残る。
ネタバレBOX
コオロギ(加藤晃子)が暖を取ろうと入り込んだ家には壊れたピノキオ(渡辺実希)がいた。
「僕の話を聞いてくれるかい?」と人間の子どもになれなかったピノキオは
自分のこれまでを語り始める。
お父さんのゼペット(渡辺望)に作ってもらったこと、学校へ行ったこと、
ペテン師(佐々木豊)に騙されてサーカスに売られたこと、
大鯨に遭って海に沈んだこと、やっとこの家に戻ってお父さんと暮らしたこと、
そのお父さんが死んでしまって、長い間ひとりでこうしていること。
そしてピノキオはコオロギにひとつの頼みごとをする…。
原作ではピノキオに説教して殺されてしまうコオロギだが、ここでは
ピノキオの話を聞いて、それを観客に伝えるという狂言回しの役割を果たす。
原作の“言うことをきかないピノキオ”なら加藤晃子さんが適役かもしれない。
しかしコオロギが出会った、もう首も動かせないピノキオは、
嘘と気付きながら運命に抗った”絶望のピノキオ“だ。
死の直前、ゼペットお父さんがその手で包み込んだのはピノキオの硬い木の頬だった。
でも彼は「温かいね」と言った、そんなはずないのに。
「ピノキオが人間の子どもになる」というのは孤独なゼペットの願いだったのだ。
それがそのままピノキオ自身の願いになった。
壊れて少しずつ傾いていくピノキオの身体の動きが美しく哀しい。
冒頭いきなり“ピノキオのなれの果て”を見せ、
コオロギに語り、コオロギに終わらせてもらうという構成が上手い。
静謐でなめらかな動きのうちに行われる場面転換や
ピノキオが絶望して胸を叩く時の、コーンという音も澄んで美しい。
若干物足りない感じがするのは、ダークな部分がさらりと描かれたせいだろうか。
「白雪姫」のあっと驚く多重人格のコビトや、
「クリスマスキャロル」の衣服を使った演出と、スクルージの二面性
「ピーターパン」でシルバーが見せる表裏のある人物像など
“人の多面性”特に黒い部分にスポットライトを当てる視点が冴えた舞台を思うと
えぐり方が優しい印象を受けた。
流れるような動きは美しいが、誰かが視界を横切る事が多くて
もうちょっと中央のピノキオに集中したいと思う時があった。
動きのメリハリがあったらもっと良いと思う。
衣装が素敵で、ファンタジーらしい楽しさがある。
シンプルなピノキオの衣装が本当にかわいい。
ピノキオの鼓動はゼペットが作ったたくさんの時計と共にようやく止まった。
渡辺ピノキオ、人生も天幕(サーカス)のように跡形もなく消えるんだね。
さよならを教えて
サスペンデッズ
ザ・スズナリ(東京都)
2013/12/04 (水) ~ 2013/12/09 (月)公演終了
テーマに繊細に触れるような感覚
現実世界と仮想世界の居心地の快適さといったようなことにも言及しながら、現代人の心のもろさや人間関係のコミュニケーションをテーマに扱った作品といえます。ただ、核心部分にストレートにずばっと鋭く迫り観るものの心を鷲掴みにするといった作風(例えば、つかさんのような)ではなく、さりげなく話の核心に触れてはすぐ離れ、またそれを繰り返すというような作風で、描写の鋭さが物足りないと感じる方がおられるかもしれませんが、私には、このような描写に徹した舞台作品もあってもよいのではと感じました。
ネタバレBOX
お芝居自体とはあまり関係がありませんが、客席の椅子に敷かれていた座布団というかクッションの大きさと厚さが椅子の大きさと程よく合っていて座り心地がなかなかよかったです(長時間の作品ではありませんが)。
最近、特にパブリックシアター系では比較的上演時間が長い作品の場合椅子に座布団をおいているところが結構あるのです(観客への心配りとして大変ありがたいことと感謝しております)が、たいてい座布団の大きさと椅子の大きさが合っておらずそれに座って長時間観劇しているとかえって腰が痛くなる場合が多くなんのための座布団かと考えてしまうことがあります(特に、初台の劇場で)。
Dear friends (東京)
劇団6番シード
劇場MOMO(東京都)
2013/11/29 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
心ぽかぽかです
みにいってよかったです!
とても面白くてすっかり舞台の世界に入りこんでしまいました
アフターイベントも面白くて久々の怖い話...寒かったです
最初から最後まで笑ってばかりでした!
ありがとうございます!またみにいきます!
サンゴクシ
ショーGEKI
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2013/11/16 (土) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
制作の5評価見苦しい
良い事書くな、と思った投稿が消えてたので自分も投稿。
制作が星5つの評価で投稿するのは見苦しいです。
観客の評価はここまでで7人で星20。平均で2.8です。制作が星の数を1.5倍にしてます。これはこりっち的にはアリなの?アリならこんなサイト信用できないし、何の役にも立たないんだけど。
お芝居自体は台詞は聞こえないし、話の意味は分かんないし、二つの意味で分かりづらかったです。
盛り上がりにも欠けたし、オチもいまいちでした。
夢魔
物の怪エンターテイメント企画 『妖-AYAKASHI-』
萬劇場(東京都)
2012/05/12 (土) ~ 2012/05/12 (土)公演終了
満足度★★★★★
ドリーム様との出逢い
ドリーム役の槻城耀羅さんに招待していただき、
彼女のお芝居を初めて見て、普段とのギャップに驚き、更に見惚れました。
弟子にして下さい!的な感じで現在も有り難い事に仲間として活動させていただいています。
やわらかいパン
プロペラ犬
赤坂RED/THEATER(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/06 (水)公演終了
満足度★★★★
笑えるけれど、実は…泣ける。
演劇ユニット・プロペラ犬は、
なぜか、今回は水野美紀一人のみのクレジット。
(なにかあった?)
2回目の水野脚本作品で、演出は前回キャストの一人オクイシュージ。
前作は、ありがちな内容で今一つ乗れませんでしたが、
今回は意外!
全体は笑いが多い中にも最後は泣ける内容でした。
中でも笑えたのは、東京ダイナマイトのコンビニのシーン。
でも後でこれはコントの持ちネタと知って納得。
ハチミツ二郎のクールな突っ込みそのままの
ハニカミぼそぼそっと言う演技もイイ感じ。
ネタバレBOX
視点を変える、考え方を変えれば明るく希望が持てる
というあったかいエンディングが感動的で良かったです。
時間を行き来して進められる物語は、なかなか良かったのですが、
ストーリーは「ワンマンショー」+「奇ッ怪2」(ガス事故の話)
+熱海五郎一座「天使はなぜ村に行ったのか」(老人の村)
のような話と言えなくもない…。
ショッキングなほど煮えたぎれ美しく×アイロニーの夜
KAKUTA
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2013/12/02 (月) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
とっても良かった☆
期待以上でした! 最高です☆
五つのお話がありましたが、 みんな良かったです!
ネタバレBOX
すみだパークスタジオ倉 は、 桟敷童子を観たとき とても狭く感じたのですが、今回は ずいぶん広いな~と感じました。 舞台が すっきりと作られていたからでしょうか。。 最前列でした!
五つのお話 それぞれ良かったのですが、 特に「炎上する君」 最高におもしろかったです☆ 異儀田さんと桑原さんの 掛け合い 笑えました!
初 KAKUTAでしたが、 次回も見に行きたいと思います。