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Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

泣けました。
初日の6日に観に行きました。
最初は番外編の「クロッシング•マナー」からだったので、時代設定と役名しかパンフレットからは分からなかったのでドキドキしましたが、ストーリーもしっかりしていたし。何よりキャストの皆さんが一体となってギャグを織り交ぜてラストへと繋げて行っていたのが良かったです!夜からは「C.C.C」本編を観させていただきました。先に番外編を観たので受け入れられるかと不安もありましたが、先に番外編だったからこそ本編のストーリーやキャラクターが生きて来て、ストーリーも切なくバンタムさんならではのガンアクションもあり、ラストは大泣きしました。心が暖まる内容だったと思います。初日故の間の取り方とかは、ん?となる場面もありましたが、次回公演も楽しみにしています。以下はネタバレへ。

ネタバレBOX

番外編の私のツボはやはりカルロでしょう!キャラクターに反しての笑いの取り方!涙が出ました。あとはヒューズをいじるレニーですかね、ここぞとばかりにいじめていたように思います(笑)本編ではオモチャのコーエン、リリエンタール、ジェシカ。3人の掛け合いが親子、そして兄弟の悲哀を引き立てているような気がしました。レニーを取り巻く環境が徐々に悪くなるのを感じながら、ラストはどうなるのかとハラハラしました。ニールとセシルの親子も、悲しかった。そこから記者さんとの繋がりへと発展しているのかと思うと鳥肌が立ちました。深い物語だと感じました。
Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★★

東京移転第一弾の意気込み
大阪本拠最終公演で見せた「新しいバンタム」とはまた異質の「新しいバンタム」を見せてくれたと思う。
細川さんの引き出しの多さに感嘆すると同時に、これまでのバンタムもまた見たい、そんな思いを抱いた。次回公演は再演なのでとても楽しみ。今は、息の詰まるバンタムクラスステージのらしさを早く味わいたいと欲している。(公演が終わったばかりなのに!)
今公演も息の詰まる瞬間が幾度もあった。舞台の上を走る緊張が客席のすみずみにまで届いていた。その緊張の和らげ方が様々で、時に笑わせられ、時に涙を誘い。クライマックス近くはあっという間。やりきれない思いで舞台を見つめることになる。
お話が良いだけでなく、実にこだわった見せ方を作り上げてくれるので、いつどこを切り取っても美しい舞台になるバンタムさん。今公演も同じくでした。素敵な公演でした。満足度を最初は4にしてましたが、やっぱり5です。アンサンブル無し・全員がなにかしら印象の残る役だったり、音楽によるテンションの変化や語気を変えることで起こる笑いなどなど、脚本演出の細川さん、本当におつかれさまでした!


内容が良いだけに、受付対応や列対応などもう少しやりようがあったかなという点は次回以降の宿題かなと思います。贔屓目で甘くなってしまうのですけれど。制作陣の皆様、がんばってください。。

ネタバレBOX

シアターKASSAIの舞台に浮かび上がったのは男ばかりの家族の物語。物言わぬ父親、年の離れた弟の無垢を守ろうとする長男、父と兄に育てられたためか二人との隔たりを感じはやく“二人に認められる大人になりたい”と願う次男。隔たりは確実に存在する、それを観客にゆっくりと丁寧に悟らせる手腕はさすがです。なんとなく予想のつくそれが明らかになるのは終盤で、そこからはあっという間。三者の思いは崩れる。しかし長男のもとには新しい家族があり、次男もまた気持ちの整理をつけてのラスト。美しい舞台でした。

本編は暗転せずに始まるので最初はびっくりしましたが、それもまた挑戦であり効果。死体が歩いてはけるのはどうか、というコメントを見ましたがわたしは好きです、良い効果だと思いました。一度目は主人公がどう受け止めたかというシーンかなと感じ、二度目は殺したほう殺されたほうどちらの感情もよくあらわしているような。ほんの10秒にも満たない視線の絡みが見ているほうにもたらす感情というのがあったと思います。

知っていたけれど、あらためて。場面を美しく作ってもらえるととってもひきこまれるなと感じました。
月に呼ぶ声、月が喚ぶ声 -つきによぶこえ、つきがよぶこえ-

月に呼ぶ声、月が喚ぶ声 -つきによぶこえ、つきがよぶこえ-

夢歩行虚構団

KARAKURIスタジオ(大阪府)

2013/11/30 (土) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★

間合いを生かした大人のお芝居♪
凄く間合いを生かした会話中心のお芝居
間合いをとって話をする淡々とした展開に
生演奏と歌を盛り込んで居ます♪

役者さんも凄く丁寧に演じていて
言葉に集中しながら会話の感情が伝わる

裏切られた恋や思い焦がれた恋がそこに渦巻く大人の世界
ドロドロした人間模様を描いています

普段、お芝居を良く観ている私には
その間合いがちょっと長くも感じましたが
時代背景も感じつつ、お昼のメロドラマの様な
ちょっと艶っぽい雰囲気が漂う大人のお芝居♪

☆印象に残った役者さん
の岡田萌生さん

☆印象的なシーン
お芝居と歌のコラボレーション♪

夜に埋める

夜に埋める

突劇金魚

アトリエS-pace(大阪府)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/10 (火)公演終了

満足度★★★

不思議な世界
ストーリーはまだふわっと理解しきれていない部分もあるのですが、見るだけで何が起こるかわくわくするような舞台のセット、風景を綺麗に想像させてくれる照明、癖のあるキャラクターを素敵に演じる役者さんたち、とてもよかったです。
場面を移動するシーンの演出が好きです。

予約順に整理番号配布とこりっちで予約した際のメールには記載されていましたが、早期予約特典がない私の方が、早期予約特典をもらっている友人より整理番号が早かったので、当日受付順だったのかなと(どちらも受付は開場前)。予約時に案内していたシステムの導入が無理なら当日受付時にでも言ってもらえればいいのですが、それも特になく少しもやっとしたので☆ー1

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

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バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

観てきました
本編のバンタムらしさ、番外編の珍しくコミカルな感じ、どちらも面白かったです。
どちらも2回ずつ観たのですが、本編は登場人物の関係性が分かった2回目は1回目に聞き流していたようなシンプルな台詞にこめられた感情がより伝わってきました。
1回だけ観るのと、複数回観るのでは感想がだいぶ変わりそうなストーリー。

前列は小さな椅子という案内は聞いていたのでそれはいいのですが、初日夜はあまりに横との間隔がなく、最初は隣の方とがっつり触れ合ってしまう状態でした。
東京拠点初のお芝居をより多くの人に観てもらいたいという気持ちは分かるのですが、開演から終演まで気持ちよく観れてこそのいいお芝居だと思うので、もう少し収容人数に気を使って頂ければなと思いました。

裸のリア王

裸のリア王

MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)

アトリエS-pace(大阪府)

2013/11/29 (金) ~ 2013/11/30 (土)公演終了

満足度★★★

色んな意味ですごかった
予想通りのすさまじい勢いでした。
叫ぶような台詞が多いお芝居だったのですが、千秋楽だったからか台詞が聞き取りにくいところが多々あって残念。
体当たりの演技に魅せられる部分もありましたが、もう少し短く出来る部分はして欲しかったなぁ。
あのテンションのお芝居であの長さは正直少し疲れました。
アフタートークは面白かったです。

報われません、勝つまでは

報われません、勝つまでは

田上パル

アトリエ春風舎(東京都)

2013/11/28 (木) ~ 2013/12/05 (木)公演終了

満足度★★★★★

報われました!!
臨場感が半端なかったです。
自分も部活の一員になったようで、お芝居に引き込まれていました。
観終わったあとの、爽快感最高でした!!

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★

濃厚な物語
密度の高い物語を丁寧に描いていました。
いろいろと物足りない部分もありましたが、濃厚な時間であったことは確かかと。
演出等は好みでしたし、役者さんも素敵な方がたくさんいらっしゃいました。
椅子とテーブルくらいしかない舞台上に、その場面の情景を鮮明に思い浮かべさせてくれるような音響や照明も凄く良かったと思います。

ネタバレBOX

本編から見て番外を2度挟み本編、というように2回ずつ観ましたが、個人的にはこれが一番ベストな観方だったように思います。1960年台のボストンと言われて、当時の時代背景がすぐに理解できない程度の知識力なので、何度か観ないと難しいところがあり…。そういう意味では、あまり親切な物語ではないのかな、と。

本編のストーリーに関しては「こうだったらもっと好みだったのに」と思う部分がいくつかあったり、あとはやはり少々長めに感じました。超満員のKASSIだったので暑いし息苦しい…。
ハードボイルドかファンタジーかに絞った方が案外良かったのでは…?

番外に関してはおふざけなコメディということで、私はこちらの方が好きです。本編を観ることを前提にしていると思うのでこちらだけだとどうなのかという気にはなりますが、両方観ていればそのギャップを楽しむことが出来ます。特にイタリアンギャングのボス・カルロ。本編の通りカッコいいんだけれども…笑 他の出演者の方まで笑ってしまったのは少々頂けないけれども…。
本編の世界観を残したまま、そのギャップを楽しむものだと思うのでもっとおふざけでも良いかと思います。

あとは他の方も書かれているような、客入れや物販対応に少々疑問が合ったのも確かです。
作品自体は良かったのに…となってしまうのは悲しいです。

東京拠点第一弾ということでしたが、今後の東京での活動も楽しみにしています。
Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

メリークリスマス!
7日に本編と番外編を観劇しました。
家族を愛する者たちの、切なくも暖かい物語です。
兄弟がいる人は、自分の兄や弟の事を思い出すのではないでしょうか
瞬きする間も惜しく、最初から最後まで目が離せない作品です。



SPACE一休

SPACE一休

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了

満足度★★★★

入り乱れ
何もない舞台に、キャストよりも登場人物がはるかに多いステージ。 状況・人物説明、ト書きなどを台詞に交えての演出、敵がいきなり味方になったり、なんでもアリなところ等、結構好きです! 最後まで飽きない展開も良かったのですが、ちょっとだけ長かった印象も持ちました!?

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

Crossing,Christmas,Clearance.クロッシング クリスマス クリアランス

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/09 (月)公演終了

満足度★★★★

薬莢…「C.C.C.」本編
大切な家族を守ろうとして男がとった行動は、思いがけない真実に辿り着く。
1960年代、移民が生き抜くための知恵とはいえ
イタリアンギャングとアイリッシュギャングの抗争が続くボストンを舞台に
あるユダヤ人一家の歴史を紐解いていく緻密な脚本が見事。
バンタムらしい豪快な銃声が響く一方、家族への情愛や仲間への信頼が
細やかに描かれて切ないストーリーになっている。
銃声の後、薬莢が転がる乾いた音がたまらない。
“やっちまった”感と何とも言えない“撃つ者の痛み”が残る音だ。

ネタバレBOX

玩具屋から身を起してビデオゲームメーカーCEOになったアルフレッドが
廃墟となった倉庫で自分の半生をルポライターに語るところから始まる。
虐げられたユダヤ移民の一家を守るために自分の父がやったこと
それを許せなくて兄がとった行動、それを見ていた子どもだった自分。
全ては、一家を取り巻く容赦ない“歴史の日陰”で起こった出来事だった・・・。

サスペンスだから詳細は語らないが
登場人物がとても上手く整理されていて洋物特有の(名前とか)わかりにくさがない。
客席には人物相関図が配られているから良く分かるが、
それが無くても充分把握できる。
暗転せずに整然と行われる場転(と言ってもパイプ椅子と折りたたみテーブル)
のおかげで複数の場所・過去と未来が自在に切り替わる。
このスピーディーさも“映画のよう”と評される所以だろうか。

登場人物がとても魅力的。
ある決意を持ってギャングの世界に足を踏み入れて行く
兄レナード(福地教光)の、明るい屈託のなさと悲壮な決意が同居する人物像が立体的。
レナードのキャラが、事の明暗とリンクして結末の救いにもなっている。
この人が泣く場面は説得力があって、追いつめられた人間の苦悩が浮かび上がる。

弟のアルフレッド役の栞菜さん、兄に憧れ誇りに思う少年らしさが素晴らしい。
小柄なせいかいっそうリアルで可愛らしい。
イタリアンギャングのボス、スタイリッシュで冷静なカルロを演じた
松木賢三さん、一瞬見せた狂気が弾けていて素晴らしかった。
その手下の殺し屋カレンダー役斉藤厚さんのたたずまい、立ち姿、帽子の被り方、
舞台上いつどこにいてもきれいな姿勢にはほれぼれした。
アイリッシュギャングの酒場を仕切るヒューズのキャラも素晴らしい。
演じるドヰタイジさんの声と、度胸の良いキャラがぴったり。
殺陣師でもあるというドヰタイジさんの別の顔も観てみたくなった。

おもちゃが喋るという設定は、クリスマスファンタジーらしい展開で
暗くハードな世界とセットになって一層切なさが増すのかもしれないが、
私の好みからすると少し緩くなって物足りなさも感じる。
あの、もっと死ねばいいとかバンバン撃てとかそういうことじゃなくて…。
例えば「ルルドの森」の(これしか観てないので比較対象はこれのみ)
犯罪心理に迫る分析とか、わかっていながら傾いていく人間の弱さとか
そういう展開に息詰る“暗い緊迫感”があった。
あれが他に無い新鮮さだった。
基本あの感じを突き詰めて欲しいというのが個人的な好み。

レナードが持つ少し細身のあの銃は
コルト○○とかワルサー○○とか名前があるんだろうか?
ガンマニアじゃないのでよく分からないが、そんな情報も
史実に沿って教えてもらえたら面白いと思う。

個性的で完成度の高い劇団が東京に来てくれて、楽しみが増えた。
次に暗闇で薬莢の音が響くのは来年3月、待遠しいなぁ。

くろいの×しろいの

くろいの×しろいの

COMBO×COMBO

アトリエ・カノン(東京都)

2013/12/06 (金) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

無題924(13-363)
19:00の回(晴)。住宅街の中、正面に来ないとわからないかも…18:20会場着、受付け、1階のカフエで待ち、18:30開場、地下のフロアへ、スタッフの応対はとてもよい、客席は対面式、桟敷(大きなザブトン)と椅子の2列、入り口側にアップライトピアノ、譜面があります。床はフローリング、壁はコンクリート、天井は低く、ひんやりした雰囲気。ダンサーのお二人が桜美林ということでみに来ました。お客さんも桜美林の方が多いのでしょうか顔なじみのようす。

19:02前説(60分)、19:05開演~20:04終演。前半、判治さん(コミカル、リズミカルな動き、小道具)、後半、井草さん(この大きな動きは、セッションハウス公演「SQUAREは待っていた(2013/9)」でみていました)。

作風が異なるお二人、判治さんはもう少し照明を明るくしても良かったかなと思いました(サングラスが似あうくらいに)。

ソロなのでシーンごとに「間」があり、どうしても流れが途切れたように感じてしまうので、何か工夫があってもよかったかなと思いました。

余談:桜美林関係では、「ピュア魂2(2013/7)」、木村愛子さん(6〜7公演)、芝居では「劇団はへっ」…「白米少女」のやないさんもそうだったか…。

ショッキングなほど煮えたぎれ美しく×アイロニーの夜

ショッキングなほど煮えたぎれ美しく×アイロニーの夜

KAKUTA

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2013/12/02 (月) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

初KAKUTA/アイロニーの夜
 KAKUTA初体験は『アイロニーの夜』から。
 フライヤーに記載のあった4つの短編小説を、朗読とそれに同期した演技によって表現する試み。
 各話の読み手のチョイス、配役、演出…あらゆる点で申し分なかった。
 4話とも、セリフやエピソードの付け足しもなければ割愛もなく、過剰なショーアップも控えられ、ほぼ、というか、完全に原作通り。
 にもかかわらず、原作の世界が朗読と演技によってとても豊かに表現されていた。
 原作を全て読んでから観た私が、展開が分かるにもかかわらず楽しめたのは、演出家、さらには読み手と演者の技量の賜物と言っていいだろう。
 とりわけ感心させられたのは演出の桑原裕子によるキャラクター造形。
『神様 2011』のクマは一体どう表現されるのか? 
 これが観劇前からの一番の懸念事項だったが、人間界に暮らし、人と会話もできる擬人化されたこのクマは人間にもクマにも見えるよう見事にスタイリングされていたし、『テンガロンハット』のキーパーソンと言うべき青年・山田はその掴み所のなさが配役の妙も手伝って巧みに表現されていたし、『炎上する君』のブ女子コンビはメイクさんと衣裳さんが演出家の注文に応え原作で示されている通りのルックスを完璧に具現化している上、演じ手の桑原裕子と異儀田夏葉がブ女子コンビの無愛想さ、ぶっきらぼうさを適切な役作りで上手く醸し出し原作通りの滑稽味を漂わせていて、キャラ造形については文句のつけようがなかった。
 各作品の持ち味を顧慮して選ばれた役者たちによる朗読も素晴らしい。
 不気味なところもあるものの、どこか微笑ましく温かい『テンガロンハット』は柔和な雰囲気を持つ四條久美子が笑顔を絶やさず優しい声音でやわらかく読み上げ、容姿に恵まれない女子2人が自分たちだけを信じて力強く生きるお話『炎上する君』はよく通るハスキーな低音ヴォイスが魅力的な高山奈央子が「男なんて!」と突っ張って生きる女子2人の物語を作品に相応しい落ち着いた語り口で迫力を伴って読み聞かせる。他2作品も読み手のチョイス、読み方ともに適切だと感じたが、私は特に上記2作品の朗読に心惹かれた。
 そして忘れてならないのが、“アイロニー=皮肉”というテーマと4作品の相性。『神様 2011』だけが人間と国家の間に生まれる皮肉を描き、人間と運命の間に生じる皮肉を描いた他の3編と趣を異にしていて、その点だけが少し惜しまれるが、どれも皮肉の利いた話であることに間違いはなく、お陰で、個々の作品だけでなく、全体としてもとても楽しめる一作に仕上がっていた。
 各作品の合間合間に断片的に演じられるオリジナルストーリーもテーマに即しているうえ上々の出来。
『神様 2011』を除く3編とこのオリジナルストーリーは間合いに重きを置く桑原演出によりクスクスと笑える仕上がりになっていて、その辺も見所。

ネタバレBOX

 原作では容姿についての記述がない『テンガロンハット』の地味で内気な女主人公を大枝佳織という清楚で美しい女優さんが演じていたのはめっけもの! 原作を読みながら十人並みの女性を想像していただけに、とっても得した気分に。
Be My Baby いとしのベイビー

Be My Baby いとしのベイビー

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2013/11/27 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ほんわか楽しいけれども、
それだけではない、裏に、人間の業や性も垣間見れる、ちょっとシビアな部分もあるのが、なかなか洒落た戯曲でした。

加藤義宗さんは、10代の初舞台の時から、拝見していますが、このところ、舞台経験を積まれて、安定した演技のできる俳優さんに成長されたなあと、嬉しく思いました。それに、声がとても素敵!

NLTでのご出演が最近滅多にない阿知波さんは、やはりこういう役は、安心して拝見できます。東宝ミュージカルでは、度々拝見していますが、こういうコメディのストレートプレイでのご活躍も、もっと観たいと思いました。

お父様の加藤さんも、伸び伸び楽しげに演じていらして、その楽しさが、客席にまで伝染するような雰囲気でした。

世の中、暗いニュースだらけで、将来への不安も増大している折、こういう心がほっこりとなれる芝居は、気持ちが救われます。

ネタバレBOX

阿知波さんの花嫁姿が、とても可愛くて、印象的でした。

若い二人が、安易に里子を希望して、親代わりの、ジョンとモードに、その子を迎えに行かせる間、最初、気が合わなかったジョンとモードは、赤ちゃんへの愛情を介して、心が急接近するのに、反対に、新婚夫婦のクリスティとグロリアには、隙間風が吹き始める。

その二組のカップルの心の移ろいが、好対照に描かれて、なかなか味わい深い戯曲でした。

自分達の都合で、子供の行く末を、まるで、物のように気軽に考える若夫婦の言動には、最近の日本の幼児虐待や、子育て放棄などを連想し、ちょっと背筋が寒くなる瞬間もありました。

単なるハートフルコメディではない、シニカルな視点もあってのライトコメディなんだと理解しました。

最初、反りが合わなかった、ジョンとグロリアが、プレゼントをお互いにする度に、距離が近づいて行く様子は、本当に、心が温まる素敵なシーンでした。
トリコロールバッドエンド

トリコロールバッドエンド

劇団MAHOROBA+α

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★

日本的
 幽けきもの・ことの息吹を感じたが、そのことが、どれほどの意味を持ち得るかについては、社会性をもっと持たせて描いて欲しい。Bキャストを拝見。

ネタバレBOX

 赤 レスラーの墓と名付けられた作品だが、赤は無論、血の赤で、真っ暗な中、一戦を終えた後の男と女の痴話噺から始まる。真っ暗な中で、二戦目に挑もうとする男、一度着替えてシャワーを浴びたい女。でもその前に下着をつけたいのだが、真っ暗な中で中々見付からない。男は灯りを点けて探せばいい、と言うが、女は恥ずかしい、と暗い中で探しているが、男は女を求める。そうこうしているうちに、女は、痛いと言いだす。自分の腹に刃物を突き立てたのだ。真っ赤な血が流れ、シーツも床も血で覆われてゆく。女が自殺する原因として考えられるのは、男が、この女以外にも、過去関係を持っていた、ことを男の言葉の端に見付けたからだが、今時、その程度のことで死に急ぐ女など居る訳が無い。ましてや、其処迄他人を信じ、惚れる女も居まい。
 男はその後、改めて自分は殺人を犯していないと言う。但し、遺体遺棄は認めている。真っ赤なキャリーバックに遺体を詰め、ダムに捨てた、と言うのである。地獄からの審問官か、警察は、彼の罪或いは証言を立証しようとするが。
 いつの間にか、彼は、血の池地獄に落ちる。そこには、女が居て、男は女の遺体以外に男の死体も発見されたと告げられるが、その話が脈絡を持って完結するわけではない。総てがこのように曖昧模糊とした状態で、脈絡なく繋がれてゆく。これも闇のせいだとでも言うかのように。まあ、その後、邯鄲の話に通じる蜘蛛の糸の話に似せた話が出てきて、女は、男に自分の指を選ばせるが、それは、誘導されていて、結局は小指と決まっているのだ。例の赤い糸である。男が小指を掴むと、それは捥げて、女は小指を追い掛けて血の池の底深く潜ってゆき、いつの間にか二人は胎児になっている。それも双子で、どうやら良い所の子という設定である。双子のうち1人は死ななければならない、ということになっている。意識のよりはっきりした方が、先に世に出ることを選ぶが、逆にこの子が殺されることになる。
 白 見知らぬ、花が第2話だ。蜘蛛と病人のダイアローグだが、病人は蜘蛛を花に見立てて、美しいとおだて恋愛感情の如きものを芽生えさせた上で花弁占いを始める。八枚の花弁を好きから始めれば、最後は嫌いになるのは理の当然。然も実際に抜かれるのは、花弁ではなく、蜘蛛の足である。が、蜘蛛は、おだてられ、恋愛感情に似たものまで背負わされてすっかり病人の虜である。そうしておいて、蜘蛛の感情がマックスに達した所で、病人は、保養所を去るが、捨て台詞を残してゆく。曰く、蜘蛛は嫌い、と。厭らしいサディズムだ。
青 クドリャフカ 第3話は宇宙飛行に出掛ける実験動物の話だ。様々なシチュウエイションが設えられている。火災発生、酸素途絶、Gの変動による不可測の事態等々、また無重力状態で食事を摂る実験なども。ヒトが実際に宇宙へ出て行く前に多くの動物たちの命で試されてきたのである。人々はこの事実について考えたことがあっただろうか? このようにとれば無論、レクイエムと読めないことはない。然し、作家の傾向から言えば、サディスム、マゾヒズムの傾向と見た方がより実像に近いかも知れない。だが、こんなことを書いたらサドに失礼だろうか? 少なくともマルキ・ド・サドには、アンチクリストとして自らを措定し、悪を以て神と対峙しようとした一種の爽快感さえ漂うが、今作に現れるサディスティックな傾向は、苛めの陰湿さと矮小さだけではある。その点が、如何にも日本的と言えようが。
『ギア-GEAR-』Ver.3.70

『ギア-GEAR-』Ver.3.70

ギア公演事務局

ギア専用劇場(京都府)

2013/11/01 (金) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

感動しました。
初めて観に行ったのですが、期待以上に素敵な舞台でした!

マッピングがすごく綺麗で、それぞれのパフォーマンスもすごく際立っていて、どんどんギアの世界に惹き込まれていきました!
そして何より、ドールとロボロイドたちの楽しく、可愛い、心通わせていく姿を見ていて、心が暖かくなりました。
気が付くと泣いてしまっていたのですが、すごく優しい気持ちになれる世界。
とても楽しませて頂きました^^

誕生月のマッピングもすごく可愛かったです。
実は今日が誕生日だった私(笑)とても心に残る誕生日になりました!
ありがとうございました!!

マクベス Macbeth

マクベス Macbeth

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/12/08 (日) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★

演出の力技。
マクベスを舞台化したもの自体初見でしたが、これは全体的にほんと作演の力技かと。

ネタバレBOX

このキャストとチケ代であれば舞台芸術にこだわれるだけの余裕は十分あるだろうに、それにあえて頼らず、中央ステージを観客席で取り囲む形で、演者の演技と台詞だけに重点を置いたお芝居。
よって、観客の想像力に委ねる部分も多く、原作を知らないと想像しにくい部分も少なからずあった。
しかし、逆に、まさしくシェイクスピアがいただろうその時代では、凝った舞台美術などなく、それこそ板一枚で演者達が演じる舞台だったのだろうなぁ、と感じながら、観客参加型の舞台を楽しみました。
あと、初日だからなのか、役者陣の台詞噛みの多さには集中力を欠けさせられましたが、、初日なのでご愛嬌ですかね。

星の数は、対コスパも加味してなので厳しめにはなっていますが、観る価値ありの舞台です!
石のような水

石のような水

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★

多面な筋を追いかけ描いた話、と思った
日本というより地球の何処か=ゾーン?で、展開している一人称の私と別人のような私達。話を聞いているうちにそれが生身の人間なのか、死人なのかわからなくなってくる。
乾いた土地に水一滴垂らし、枝葉の様に拡る景色を見ているような不条理とはまた違う非日常的な話だったが、ここに挙げられる「水」はどうしても昨今の原発の汚染水とかも想像してしまう。

役者さん良かった、石切場のような舞台と暗闇を際立たせる照明が綺麗。
約2時間。

ネタバレBOX

基になる映画の存在を知らない。
チラシから未来都市風景とか空想していたが、そうでもなかった。
冒頭から抑揚なく台詞を喋りまくる、漫画だったら1ページに登場人物全員が描かれた中、各自吹き出しの中に大量の台詞が入り込み、こちらはそれを一心不乱に読み込んでいるかのような始まり。
支離滅裂な事を喋っているわけではなく、話が進むにつれ、それが後に繋がるが、時折繰り返しの場面が見られたり、舞台上でいろんな場面が同時進行で描かれた構成に、喋り方も含め、役者さんの切り替えの巧みさが見入ってしまった。

隕石落下して立ち入り禁止区域になった場所をゾーンと言うになった。
ゾーンの水を飲んだ事により、死者と出会えた者、その別れ方に切なくなった。不倫と我が子への愛情、姉妹の緊張関係とそれぞれの愛情の示し方、とか。今思い返せば凄く単純な事なのに、時折見られた霧に宗教聖域の出来事のように見られ、舞台マジックにかかっていたのかも。
嫌悪感はない。考えないで、感じる舞台という世界だった。大変興味深い舞台だった。
トリコロールバッドエンド

トリコロールバッドエンド

劇団MAHOROBA+α

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★

想像力という究極のスパイス
90%ぐらい、完全暗転の中進む三部作。
声とその声の奥行きしか感じ取れず、あとは観客の耳と想像にゆだねられた舞台。むしろ、その最後のスパイスが最大のスパイスになる舞台。
ラジオドラマのようで、それ以上で、妄想力をフル回転させられてゾクゾクしました。

ただ、内容はわりとアート寄りだったので、もう少し現実味があるほうが好みではありましが。暗闇→妄想させる演出、は好きでした。

ナイス・コントロール

ナイス・コントロール

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろすぎて地団駄ふんじゃう。
最初から最後まで、肩の力を抜いて観られて、何度笑わされたことか。
この面白さ、なんと表現すればいいんだろう。
ほんと面白すぎて地団駄ふんじゃう感じかも。通じるだろうか?

脚本も演者も音響も舞台美術もほんと全てが素晴らしく、これで前売り2,800円っていいんですか?っていう。

いやーもっかい観たいです。
また絶対来年も東京来てほしいです!

ネタバレBOX

最後って、全員やり直したいっていう気持ちでBボタン(あの世にいく)を選んだ結果、この世でのやり直し、リスタートへの道に導かれたという解釈であってますか??
それともみんな現世に戻りたいと思ってAボタンを選んだの??
最後の解釈の答え合わせがしたいです。

あと、インストとエンディングに流れてた曲めっちゃよかったです!
あれはどなたのなんていう曲なんでしょうか?
教えていただけると嬉しいです。よろしくお願い致します。

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