最新の観てきた!クチコミ一覧

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ギャラクティカ・めんどくさい。

ギャラクティカ・めんどくさい。

劇団鋼鉄村松

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

面白かった
いやー面白かった。笑いを随所に散りばめながらも、物語を締めるところはきっちり締めてるので、物語にメリハリがあり、また予想外にラスト近くは壮大な物語になっておりよかった。もう、時間があっという間だった。
また、タイトルとは裏腹に、SFの設定はわりとしっかりしてた(端折ってる部分はあるが)のはなかなかお見事。

この世の楽園

この世の楽園

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★

観ることが出来てよかった
最初から最後までピーンと張り詰めた空気感はもう凄かったといか言いようがない。一点、賛同というか賛成出来ない描写はあった。女性キャラ、わりと嫌いではないが、逆に男達のキャラは凄くやだったなあ。
公演終盤であったが観ることが出来てよかった。

いるわけないしっ!

いるわけないしっ!

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

王道ながらも
心霊モノの王道パターンから外れることなくきっちり笑いを取りながらも、ラストホロリとさせる、いやー面白かった。しかし、普通にみんなと会話してた1人がまさか霊だったとは完全にわからんかったし騙された。もう本と役者がお見事過ぎでた。

銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

バランスが絶妙
初めてのPMC野郎作品でしたが、聞きしに勝るバカバカしさと、まさかのシリアス展開、そして愛する人を守りぬく主人公の姿にうっかり涙して、だけどやっぱり徹底したしょうもなさに感動しました! 次回が楽しみです。

呼吸

呼吸

白米少女

小劇場 楽園(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

不思議の国のアリス
 をやりたくて、というので、ドッジソン流の数学を用いたナンセンスを期待していたのだが、そのような要素はネグレクトされて、ロリコンという名のレッテル貼りから転じてゲイが出てくるという流れで、何れの層も表層的で、観念的だったので、自分には、余り合わなかったようだ。従って、評価はほかの方々に任せる。

アタシのアンテナ終末論

アタシのアンテナ終末論

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新宿シアター・ミラクル(東京都)

2012/12/21 (金) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

〈自滅する帝国〉をアングラ感たっぷりに描く


明治の浅草周辺を訪れると、こんな無秩序な世界が拡がっていたのだろう。

白化粧を塗りたくった人々が、「バーチャルアイドルという群像」に惑わされ、追いかける物語である。死生観といい、極めて日本的ながら、〈奇抜〉を貫く。むしろ、そうした目を覆い隠す作品であることに誇りを持っているようにも感じる。
大音量のスピーカーを使い、音楽フェス会場のごとく観客の耳を痛めつける。マイクを握った“兄”は、「しらざあ、いって、きかせやしょう」を連呼するが、その台詞も日本なのだ。

そういえば、〈奇抜〉を主張すればするほど、エロチシズムとは無関係だから、若さを醸す。〈帝国〉の偶像性とバーチャルアイドルの偶像性をリンクさせたのは新しい。

この劇団、サークル色を脱し、より〈奇抜〉を強化すれば、観たい!観客は増えるのではないか。そこで大切なことは、もっと巧みかつ壮大でいて、共鳴できるストーリーだ。
この、「共鳴できた方がよい」とは 何のことを指すのかというと、近未来設定にリアリズムが足りなかった序盤である。将軍らしき人物が高らかな演説をするが、〈帝国〉の権威のみに基づき近未来を語るのも限界だろう。設定から観客を引き寄せれば、もっと終末論に集中できたはず。









水銀の花嫁 改訂版

水銀の花嫁 改訂版

カプセル兵団

ワーサルシアター(東京都)

2013/12/28 (土) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★

てんこ盛り
 一人で演ずるには、てんこ盛りに過ぎたか。パフォーマーの動きは中々洗練されていたし、コラボもかなり上手く行っていたが、宇宙船の規模や形までを視野に入れて一人で演ずるのは、やはり少ししんどいように思う。
 元来、一人芝居は、その内容に於いても一人でしかやれないような背景があった方が、より説得力が増すものだろう。例をあげれば、故あって人殺しをしたが、親族、倦族などのこともあって、迷宮入りになったのを幸い誰にも話さずにきたが、かつての自分と同じような青年に会い、彼も自分を殺そうとする、その彼に、罪というものを抱え込むことが何を意味するかを伝える為に、という設定にするなどだ。今作には、一人芝居でやらなければならない必然性は無いと思う。それなりに楽しめたのではあるが。

『BULLETS ASSORTED』

『BULLETS ASSORTED』

SHOTGUN produce

池袋GEKIBA(東京都)

2013/12/28 (土) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ボリューミーな短篇集
あの客席数で3回のみの公演というのがもったいないくらいひとつひとつの話がしっかりとしてボリュームのある短篇集だったように思います。逆に言えば、なんて贅沢な公演だったんだろう!
毛色の全然違う4つの物語と、合間に入る1つの物語がそれぞれしっかりとメリハリがついていたし、役者陣の熱演も素晴らしかったです。

ネタバレBOX

個人的に一番好きだったのは「犬振る夜」です。
ただのキチ◯イの妄言であろうにじわじわとくる気味の悪さ。
ぞっとするけれど目が話せない、そんな感じでした。

「七福神の物語」は時期的にもピッタリだし、神様達それぞれのキャラもよくて面白かったんですが、何だか少し長ったるかった気がします。
うんちく的なセリフが多めだったからかな…。

それと、「狼たちの午睡」はちょっと別枠な感じ。
十七戦地さんの2月公演「眠る羊」の前日譚ということだったのですが、
この続きからこそが本番なんだろうに!と思わされ、
まんまと「眠る羊」を観に行きたくてたまらなくなってしまいました。笑

みかん、ごちそうさまでした。
アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

満足度★★★★★

今年の観劇締めにリピート
登場人物のあの宙吊りな感覚、一回目ではあんまピンと来なかったんだけど、今回は自分でも驚いちゃうくらい近くに感じちゃって胸の中が無性にざっわざわと毛羽立った。
なんだろうあの、理解とも共感とも違った、「共鳴」みたいな。

アマヤドリ広田淳一による少年A、出てきた瞬間の存在感、アクアリウムを見つめる妙につるっとした目、そしてなによりあの「右手」、なんかもう怖かったわあ・・・。
役者やってる広田さんは横浜でのアマヤドリ『幸せは~』しか知らなかったけど、あんな末恐ろしい人だったとは・・・。

それなりにハッピー

それなりにハッピー

9-States

OFF OFFシアター(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★

それなりに、
悪くはないと思いますが、脚本に甘さがあったと感じました。
やりたいこと、伝えたいことはそれなりにわかったのですが、それなり止まりです。

脚本の会話レベルが上がれば、もっと面白く劇中での会話のテンポも良くなりそうだなとは思いました。

呼吸

呼吸

白米少女

小劇場 楽園(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

☆4.5
劇団初見。
劇中に時折入る、象徴的なシーンでの身体表現が惜しいですね。
高揚感も高まりここで落涙したかったと思しきシーンが幾つかあったが、至らず。
それでも、どこかぎこちなくて抑え目の表現にその演出意図が汲み取れ、暖かい気持ちに包まれた瞬間が在った・・・

ネタバレBOX

・・・アザミ役には、若くてかわいい女優サンを起用するという構想は、まったくなかったのでしょうか!?
勿論、やないサンの存在感は素晴らしかったのですが、制服姿には正直突っ込みどころが満載でした(⌒_⌒;
呼吸

呼吸

白米少女

小劇場 楽園(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

心のウジャイ呼吸
じわじわと温めてもらった。

旅の演劇

旅の演劇

大脳神秘

キチジョウジギャラリー(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

吉祥寺
大時代を感じるものでもなく、大きく深く感動するものでもなく、小ざっぱりしたギャラリーのためか、ほんのりと時代と感慨を感じる、不思議な感覚を味わった。

アクアリウム

アクアリウム

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/12/05 (木) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

無題952(13-391)
19:30の回(曇)。18:50会場着、受付、19:01開場。舞台には幕がかかっていてどんな様子なのかは開演後のお楽しみ。小さな椅子が1~3列目まで(小-中-大と3サイズ)。19:32前説(谷さん、これが結構面白かったです)、19:35開演~21:29終演。こちらは3作目、「人間失格(20112/11」、「俺とあがさと~(2012/12)」ですが、「人間失格」と同じくダメでした。

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #08:MISSION The Castle Job

人狼 ザ・ライブプレイングシアター #08:MISSION The Castle Job

セブンスキャッスル

上野ストアハウス(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/31 (火)公演終了

「多数決の空気を占有する力」がモノをいう




2013年最後の観劇…(13時〜回)


「人狼ゲーム中毒者」、日本を覆う。
この戦いは、単純化すれば、「人間チーム」対「狂人+人狼チーム」の争いである。しかし、どちらが「○○チームの者です」とは証明できないところが、紅白歌合戦に真似できない特徴だ。「多数決の論理」に全てを委ねるルールは、世論調査のような「空気」を形成する。その煙を吸った人間が「人狼ゲーム中毒者」となる。


今回の結末も先に明らかにしてしまおう。何と、「狂人+人狼チーム」の完全勝利であった。つまり、狂人1人と、元々いた人狼3匹が1名も処刑されることなく、無傷のまま賞金500億ドルを独占した。プレイ時間からいえば1時間40分なので、まあ平均より短いくらいであるが、毎回参加してるオーディエンスからすれば「秒速」の感だろう。


私は、人狼3匹を的中している。No.5 レクターとNo.6スタンリーとNo.9 クリスが その3匹だ。
オーディエンスは3日目夜の投票回収時、すなわち2日目の夜までの処刑者、または犠牲者の「正体」を把握する。驚いたのは、3日目昼、人狼スタンリーが霊媒師を名乗り、No.7 ガルシアは「人狼でした!」と誤った「正体」を告げてしまった展開だ。このガルシアは2日夜、オーディエンスにのみ、「人間」であったことが公表されている。そして、既に「私が予言者です」を公言していた人狼ノエルの側につく動きをみれば、2人は組んでいる可能性が極めて高い。必死に、2人の「予言者•霊媒師」(人狼)と2人の「予言者•霊媒師」(本物/No.3 ジャクソン、No.10 バード)を、「じゃあ、AチームとBチームに分けよう」と攻勢をかけたようにみえるクリスも、私は「人狼判定」をした。
狂人であるNo.1 レクターが早い段階に「予言者だ」を名乗ったが、彼は狂人だから、早いうちに仕掛けたい意思が働いた結果だと思った。
こうして、「狂人1人」「人狼3匹」は的中することができた。ただし、ガルシアが人間である「正体」を知らなかった場合、その的中はどうだったか。


「人狼チーム」の勝利は、「多数決の空気を占有」しなければ得ることは できない。今回、といっても いつもであるが、「ジャガイモ根っこ論」を振りかざしたクリスがキーマンだ。「Aチーム」と「Bチーム」を分けるよう必死だったのは彼である。
今回、「人間チーム」を含めた多数決で「予言者を名乗るジャクソン」(本物)を処刑してしまったため、あとは一蓮托生の「霊媒師を名乗るバード」を処刑する他なかった。「4対3」のパワーゲームだと、狂人1人+人狼3匹の勝ちは決定的だ。なお、人狼クリスが霊媒師ゲートに向かい、いきなり「君は 美味しそうだ…」などと化けの皮を剥がすまで、「人間チーム」は彼(ゲート)を処刑する考え が固まっていた。

ここで、もし、人間が「俺は人狼だったんだぜ?」を強調したら、狂人を混乱させる展開もあったかもしれない。それを封じたのは、やはり「多数決の空気を占有する力」だ。


次は、中身に目を向けよう。少し“グタグタ”だったのではないか。
緊張感が生じ、初めて盛り上がるのが人狼ゲームだろう。あの、鋭いノエル=永石 匠(美声)とクリス=林 修司がタッグを組めば、簡単に「人間チーム」を壊滅させる理由も分かる。
























エニシング・ゴーズ

エニシング・ゴーズ

東宝

帝国劇場(東京都)

2013/10/07 (月) ~ 2013/10/28 (月)公演終了

満足度★★★

見て来ました
全員のタップシーンは満足。
面白かったけど、もっとオモシロクなりそうなのに、なんか惜しい感じが残りました。

DREAM, A DREAM

DREAM, A DREAM

梅田芸術劇場

東急シアターオーブ(東京都)

2013/10/12 (土) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

どの方も素晴らしい
しかし、なんと言ったって鳳蘭の存在感がすばらしかった。

呼吸

呼吸

白米少女

小劇場 楽園(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

無題951(13-390)
14:00の回(快晴)。13:32受付、開場、すでにスモークが会場内に...いつものように入って右へ。柱の近くにミラーボール、舞台の2面はボードのようなものと木製の倒壊防止柵(?)、床に英字新聞が散乱。14:03前説~15:19終演。

白米少女は2011/9の「riverbed sleepless summer」から欠かさずみていて、今年は他に「くもりぞら(2013/9」...こりっちに登録なし、と「雨と四月に降る光(2013/6)」。やないさんの客演では「Mr.Fujino(2013/11)」「人魚の薬(2013/4)」「イキタイ(2013/2)」、計6作品でした。

本作はいままでで一番役者さんが多く、ほとんど壁に沿って出ずっぱり。赤いランドセルは「くもりぞら」と同じものかな...

ダンスでは日本女子体育大学モダンダンス部、ニチジョのダンス公演は「ぴちぴちちゃぷちゃぶ~(@アサヒアートスクウエア)」や「卒業公演(@府中)」をみに行ってます、の方のサポートを受けたとお聞きしましたが、これはなかなか難しいかな(特にソロ)と思いました。コンテンポラリー的な「型」はみえるのですがもう少し「勢い」のようなものがあれば、という点と、お話の中への組み込み方がやや唐突にみえたので少し工夫したほうが(個人的には)と思いました。

アルボ ヘルムのイラストは「riverbed~」に続いてで、サイトにいくとこちらの公演のものもあります。ぜひ、展覧会に行きたいと思っているのですが機会がなく...。

ネタバレBOX

壁に張りつけていた「板」をオープンにするという演出は、以前此処でみたことがあります。違っていたのは、本作では小物を置き、役者さんがその前で「家具」などに扮していること。

やないさんはとても個性的な役者さんで、そこがとても好きなのですが、本作では衣装を年代ごとに替えて、いい雰囲気をだしていました。

ゆっくりと、それは無情にも/無常にも近い感覚で誰にも訪れる、時。女の人生が少し駆け足でしたが描かれ、ひとりだけの人生、ひとりではない人生、がしんみりと伝わってきました。

今年一年、いろいろな作品をありがとうございました。終演後、いくつかお聞きしたいことがあったのですが、それはまた次回に。
プラトニック・ギャグ

プラトニック・ギャグ

INUTOKUSHI

駅前劇場(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★

ラストの展開に震えが走る
「コメディ」と銘打たれていたけど、実際はかなりビターな
物語かと思います。「プラトニック・ギャグ」の意味も辛い。
とりあえず、ラストの展開は衝撃的で、いきなり別の作品
観ているような気分に陥りました。

ネタバレBOX

明らかにファンタジーの世界の学校に通うノアとナギが
出会って、恋に落ちて、修学旅行などのイベントごとで
まわりの邪魔が入りつつもお互いの距離を縮め合うサイド、

子どもの頃からいつも一緒にいた4人組が、成長するに
したがって、ある人はいい仕事先に恵まれ、そして海外で
NPOに従事する意識の高い人物になり、

紅一点の人は、中学の頃から意識していたガキ大将的な
立場にいた子と付き合うようになり、やがて結婚を意識する
ようになる…と、よくありがちな流れが描かれるサイドの二通りが
暗転とともに、順番に説明されていくのが、今回の作品。

劇場で爆笑していた人には申し訳ないと思いますが、ギャグは
あまり刺さってこなかったです。ちょっとハイテンション過ぎて
おいてけぼりをくらった感じかな。

「コメディ作品」を期待して観ていた自分としては、ちょっと…と
思っていたんです。途中までは。

やがて、物語の2つのサイドのうち、ファンタジー世界の方は
もう片方の「現実」のパートで、いつもハイテンションでズレた
発言を繰り返す、他人とのコミュニケーションにかなり難のある
最後の一人、トウジの頭の中で繰り広げられる妄想だということが
分かります。

4人の中で、その人だけ、素っ頓狂な言動で道化役のような
立場になってしまっていて、他の3人がそれぞれの未来や
幸せをつかんでいくのを目の当たりにしながら、やるせない
気持ち、そして心の中の闇を深めていく…。

ファンタジー世界で、ノアとナギ、二人の距離が縮まらないように
いいタイミングで邪魔が入るのも、その世界の「神」であるトウジが
そう望んでいたから。でも、その制約を破って、ついに二人は
クリスマスの日、結ばれたカップルは永遠の幸せを叶えられる日に
お互いの気持ちを告白しようという流れになります。

現実では友人たちに取り残され、自身が王であるはずの
ファンタジーの世界でも思うようにならないことに精神の
均衡を崩し始めたトウジ。さて、クリスマスの日に何をしたでしょうか。

ファンタジーの世界に入り込んで、最初の一声を上げようとした
ノアを刺殺します。そして、ナギを抱きしめて、こう言うんです、
こう繰り返し続けるんです。「行かないで。ここにいて」。

最初と終幕の温度差があまりに違うので、本当に別の作品かと
思うほどでした。でも、ここまで、人間の心の闇を描いた作品、
しかもコメディ仕立てで、となると、本当に久しぶりな気がします。

多分、自身の分身であるノアとナギがくっつきそうになるのって
心のどこかでトウジ自身が望んでいたと思うんですよ。誰か
自分の理解者が現れて、自分を救ってくれる、愛してくれる。

自分の心の中のある部分を手にかけたことで、トウジの心の
闇は完成してしまって、それって本当に恐ろしいことだな、と
思いましたね。

この劇団には、シリアス風味の、非コメディ作品を望みたい
ところですね。なんか、その方がいい気もします。
ツレがウヨになりまして

ツレがウヨになりまして

笑の内閣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★

きわめて切れ味のいい作品
ここ数年、話題に上るようになった「ネット右翼」について 真正面から
笑い抜くという、ありそうで実はなかった作品。 パロディも無理なく
散りばめられ、とにかく笑いました。タイトルにまずセンスを感じます(笑

ネタバレBOX

大学生あおいの同棲相手、蒼甫(この辺の凝り具合がある意味
すごい)は仕事先を一年持たずに辞めたばかりのいわゆるニート。
中学の先輩の内藤に影響され、「日本は洗脳されている」と信じて
疑わない、すごく単純な人。韓流スターとの握手会ばかり企画する
スーパーや日本に批判的な大学教授に抗議活動を行う日々を
過ごしている。

その様が、警察の生活課係長であるあおいの父親にすっかり
マークされており、迫る検挙の危機。あおいは何とか抗議活動を
止めさせようと、蒼甫に迫るのだが…

「そうですね!」でお馴染みの某番組を、「タモさんのウヨっていいとも」と
パロったところに、まず大爆笑。確かにタモさんではありますけど(笑
でも、実際のネット番組って、こんなノリなんだろうな…。

難癖に近い講義を受けて面くらうスーパーの店主と内藤とのやり取り、
「何がKARAだ。状況劇場でも呼んでおけ!」「唐十郎なんて呼んで
どうするんですか!」とのやり取りも、本気で笑うよね。すみません、
完全に演劇ネタです。

終盤、あおいと別れ、恋人ができてすっかり抗議活動に力が
入らなくなった内藤(「俺がモテないのは、日本が洗脳されている
からだ」「俺は恋人が出来ないんじゃない。作らないだけだ!」とか
言っちゃうイタい人)に見切りをつけて、一人で切腹しようとする蒼甫。

三島由紀夫の格好している蒼甫もアレだけど、某陛下になりすました
スーパーの店長に、感激して遺言を読み上げようとするところに、
店長が「ああ、私に手紙はいいから~」とたしなめるところ。あそこが
客席の笑いのハイライトだったと思います。客席が沸いたのなんの。
はい、これは、某山本さんの園遊会でのアレをパロったものですね。

笑いだけではなく、なかなか考えさせられるところもあり。

私は、スーパーのバイト店員で、あおいの友人の子が、
「あなた、なんでも韓国に結びつけようとするけど、本当は嫌い
じゃなくて好きなんじゃないの!? だって、普通の人はそんなに
韓国のことばっか考えて生活してないもん」

いや、本当にそうだと思います。

あと、係長が、「俺は国家権力の中枢にいる男だ。 …お前らが
国を愛しているほどに、国はお前らを愛してなんかいないぞ」、

係長の部下で、もと在日の警察官が、自分は在日だが国を愛するが
ゆえに帰化して警察官になった、逆にお前は何をしているんだ、と
蒼甫を喝破した上で、

「恋愛も国への愛も同じ。自分の一人よがりの愛を相手にぶつけて
いるだけ。それはストーカーの愛だろう」

というところも良かったな。

現代社会の風刺劇としては、バランスも取れていて、非常に良いと
思います。ラストの爽やかさもいいです。

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