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眠る羊

眠る羊

十七戦地

LIFT(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

凡庸な悪
政治家(特に二世議員)や官僚の中にある「凡庸な悪」を描いた作品だと思った。
おそらくこの芝居で描かれているような構造で、為政者は国を動かしているのだろう。とてもリアルに感じた。
硬いテーマだが、随所にユーモアがあるのもよい。
風刺的でありながらも、一つの立場から主義主張を提示している作品ではないので、その感覚もとてもよかった。

ネタバレBOX

ハンナ・アーレントは、ナチスが行ったホロコーストの実行責任者アドルフ・アイヒマンを、命令に従っただけで何処にでもいる普通の役人でしかないとし、その本質を「凡庸な悪」とした。

私が『眠る羊』を観て思ったのはこのことだった。
二世議員で衆議院議員の次男:智志は、周りの人間が動いてくれることの上に胡坐をかき、自分の主張を述べているだけで、全く悪意はない。だが、母は彼を担ぎ上げるために多額の金を使っていた。その資金のために、企業から献金を受けていた。

防衛省装備施設本部の長男:宗介:は、自分の行為に無自覚で、自分の好きなオペラへの寄付金捻出のため、友人である軍需産業企業の社長から寄付を受けていた。その社長の助言を受け、自衛隊が購入する装備品(軍用艦のエンジンだったかな?)の発注をドイツの会社からアメリカの会社に変えさせた。実はそのアメリカの会社は、友人の社長の企業と提携しているところだった。

防衛省海上幕僚監部広報室の三男:衝太は、「匿名兵士の黙示録」というブログで、身元を隠しながらも政府見解と異なる(次男の考えとも異なる)憲法9条の改正や国防軍保持、徴兵制導入などの主張を声高に訴えていた。

これらはすべて、大きな悪意があって行われていることではない。自分の知らぬところで行われていたこと。なんとなく無自覚的にやっていたことなどである。それが大きな構造の中では、法律違反であり、倫理的にも悪となったと言えよう。

おそらく、この国で動いている力学の中心はこのようなものなのではないか。明確な悪意に基づいて行動している人もいるだろうが、それを構造的に支えているのはこのようなものなのではないか。
よく政治家や官僚への批判を耳にする。実際、本当に悪意を持った人間もいるだろが、その多くは、たいした悪意もなく、自分の信念を心から正義だと思い込んでいたり、既に以前からある権益をそのまま享受しているだけだったりするのではないか。

また、主人公が与党の衆議院議員であり、護憲の立場でありながら、武器輸出三原則を改訂しようとしていたり、同じく政治家であった彼の父が死ぬ前には憲法改正の立場に変わっていたなど、単純な権力批判をしている物語でもなく、多様な解釈ができるところもよかった。

ラストシーンで、清志郎(主人公の父)の秘書であり愛人であった常盤美咲は、国民を羊に例え、憲法改正に意見を変えた清志郎の意識こそ、自分が羊の群の一匹であるということを自覚していたということであり、次男智志(主人公)は国民に九条という柵を作ることで統率しようとしていると言う。つまり、次男智志は上から目線だと言っているのだ。
このラストシーンの面白さは、様々な形で、正義が引き裂かれているところにある。作者の主張が透けて見えるようなツマラナイ話にはなっていない。癒着には関わっていなかった主人公は、彼の信念に関してはとても清廉潔白であるかのように見える。だが、その正義を秘書がひっくり返す。それに、そもそも、主人公は武器輸出三原則を改訂しようとしている立場であり、完全な理想主義者でもない。「平和を実行する市民の会」というNGOに参加している一番下の妹の存在が彼の理想主義をも相対化している。では、秘書並びに、父の主張が正義なのかというと、そんなことはない。現実的にそれが正義だと父が主張していたに過ぎない。
観客は、では何が正義なのか、逡巡することになる。このバランスが素晴らしい。特に、末の妹を物語の中心に介入させなかったことで、このバランスが成り立っていると言える。

主人公を演じた北川義彦さんは、私が観た他の芝居では、線が細く繊細な役者さんという印象だったが(←そういうものとして素晴らしかった)、今作では政治家の図太い貫録を演じられていたと思う。素晴らしかった。

また、主人公の次男が辞職を覚悟し、議員バッチを置く場面での、公設第一秘書役真田雅隆さんの演技がとても良かった。自分が育ててきたお坊ちゃんの無念を我がこととして思っているというのがとてもよく伝わってきた。

総じて、とても面白く拝見したが、厳しく言えば、物語内で語られる人物は、ひねってあるとはいえ、想定できる政治家像、官僚像であって、驚きには欠けた部分がある。
また、政治的なテーマのため仕方がない部分もあるが、割と知的(観念的)な面白さが先行していて、演劇としてのダイナミズムは少なかったように思う。ただ、これは、以前観た十七戦地の芝居と比べてという意味なので、これが初見の劇団だったら、演劇としてのダイナミズムもあると感じただろう。

厳しいことも書いたが、とても面白かった。
世迷言

世迷言

柿喰う客

サンケイホールブリーゼ(大阪府)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/15 (土)公演終了

満足度★★★★

想像力が必要
東京で本痴気→乱痴気とマチソワで観て大阪3公演観ました。

まず1度目を観た時は少し物足りなく感じました。
テーマが前回の「無差別」と被る部分もあり、イメージも似ていることから新鮮さに欠けていると思いました。

今から思うと1度目はストーリーを追うことばかりで
頭がついていってなかったのかなと思います。

自分の感情が揺さぶられるというかそこまで達してなく
ポカンとしてたんだと思います。

大阪で改めて観て会場の雰囲気も本多とは違いブラックボックスで
よりあの世界に入り込めたしより集中出来た気がします。

そして漸くそれぞれの心の奥の思いも自分で感じたり、想像したりして
作品を楽しめたような思いです。

ネタバレBOX

篠井さんの存在は最初の一言から表れていて
歌舞伎や能の発声の仕方みたいな言葉の流れで一気に柿喰う客のお芝居の格が上がる気がしました。

橋本さんの猿の動きも良く乱痴気で大村さんがやられた猿とは全然違い少し色気を感じました。
それぞれの良さがありました。

七味さんと深谷さんが登場するとパワフルで
一気に柿色に染まります。
帝と妹はこのお話の中で好きな人物でしたし妹の生きざまはかっこ良かった。

柿喰う客のこの雰囲気に慣れてきたのか、
「無差別」の時みたいにガツンとこなかったけど何回も観て登場人物のそれぞれの感情に寄り添いしみじみと感じる作品だったなぁと思います。

相変わらず皆声が良く、舞台美術、衣装、照明、ステージング、諸々私の好みでした。





真田十勇士

真田十勇士

日本テレビ

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/19 (水)公演終了

満足度★★★

映像ふんだんに。
堤さん演出だし映像は使われるだろうと思ってましたが
ふんだんに使われてました。

場転はその分早いし展開が面白かったけど
これもらしいのですが無駄な笑いの演出(劇中でも言われてましたが)とワイヤーアクションがスピードを止めてしまい
せっかくの殺陣の凄さも打ち消されてしまうような思いでした。

全体的にはエンターテイメントとして創られていて
初めて舞台を観る方にはワクワクするような仕上がりだったと思います。

中島かずき脚本の真田十勇士も観て少し物足りなさを感じましたが
ストーリーの流れは中島かずき脚本の方が個人的には好きです。

勘九郎さんは歌舞伎の見得をきるようなところも有り
そこへ「中村屋」とおお向こうがかかって舞台に華を添えてました。
前半観に行った時にはこのおお向こうはなく中日あたりの時にありましたし、勘九郎さんのアドリブも増えていたので
より後半の方が楽しめました。


ネタバレBOX

加藤和樹さんの殺陣がとても良かった。
福士誠治さんの二役、特に根津甚八のキャラが生意気だけど憎めなくて似合ってました。

真田大助役の方は前半特に台詞がこちらに入ってこないような話し方で残念でした。


面白かったのですが…心に残らない…
薄っぺらさを少々感じパンフレットも珍しく購入しませんでした。
頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

演劇企画室ベクトル

広島市東区民文化センター・ホール(広島県)

2014/02/08 (土) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★

山口氏の演出は安心して観れる。
戯曲が良くて、演出が山口氏なら、安心して舞台が観れます。  
今回は、そこへB-LUCKS♪さんたち他、若いスタッフ(多分‥)が加わり、ひじょうにバランスの良いチームになってたと思います。  
これが井上ひさしの世界なのでしょうね。
展開も面白かったし、ほんと良かったです。  

役者さんは、6人すべて良かったですが、
今回は、花蛍を演じてた川井さんのなめらかな台詞としなやかな動き、  
八重役山川さんのからだを張った熱演  
に好感が持てました。

果てしなく5に近い満足度4.

ネタバレBOX

終わったのち、出演者の正座による挨拶は、
泣きそうで、まともに観れなかったです。

派手ではないけど、井上さんの芝居、役は今回の舞台には不可欠。  
ラストで、なんでこの役が立花さんなのか、分かったような気がする。
最初は緊張気味だったようにも思うが、ラストが近づくにつれてひじょうに良くなっていった森木さん。  
もう嫌になるくらい、むかしの母親ってこういう感じだよな‥‥って思いながら観てた志賀さん。

6人の組み合わせが、ほんとよかったぁ。
新説・とりかへばや物語

新説・とりかへばや物語

カムヰヤッセン

ウイングフィールド(大阪府)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★

☆★巧みに構成されたお芝居★☆
なかなか巧みに構成されたお芝居!
福岡公演を控えているので詳しくは書きませんが
現代と過去の話を繕っていくような
重なる話しが組み込まれていてる展開が面白い♪

役者さんも丁寧に演じて展開されるので見応えあります
自然な演技が本当の噺家のようにも見えました!
中でも北川竜二さん、笠井里美(アマヤドリ).工藤さやさんの
ベテラン?の役者さんのガッツリとした演技が目を引きます♪

男女が入れ替わってから得意な部分が強調されたらもっと説得力が感じたかも⁈

舞台のセットからキャスティングまで魅せ方や構成はなかなか計算されたお芝居!


☆印象に残った役者さん
貫禄の演技の笠井里美(アマヤドリ)

☆印象的なシーン
男女が入れ替わる場面


PS:残念だったのは劇場の座席が狭くて
後半、隣の人がこちらに寄ってきて気になり集中切れてしまった(ーー;)

こりす池のともぞう

こりす池のともぞう

コトリ会議

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/09 (日)公演終了

満足度★★★★

コトリ会議「こりす池のともぞう」観ました
 名古屋でもミソゲキ等でおなじみのコトリ会議、やっと本公演を観れました。会場で、名古屋・オレンヂスタ主宰とバッタリw
 (仙台の知り合いは、大雪で飛行機が欠航、こちらに来られず…)



 ナレーションや兼役など、舞台の約束事を逆手に取って、軽快に切れ味よく展開を運ぶ楽しい演出。

 大規模かつシンプルな舞台上を運動会のように駆け回る役者が、その勢いを体内に持ちながら会話劇へ即移行。そしてまたドタバタと動き回り、絵本のような様々な絵を作る。

 激しい運動量で、バカバカしい事を真剣に。ぶれないあり方、演技。


 いちおう時代劇だけど、ちょっとSF的設定が難しい?敵方の目的がよく分からなかった…
 ただ、この世界で何を描きたいのかはっきりしているので、それほど気にはならず。


 優しさと笑いと悲しみと愛。
 人によって異なるいのちの重み、死生観。

 ともぞうさんがつばめさんと二人で選んだあのラストを、大人にも子供にも、大切に受け止めてほしい。



 終演後お話した出演者の室屋さんは、「ふだんのコトリ会議とは違う舞台でした」と言ってたけれど、これまでに接した脚本・山本さんの作品(仙台・若伊達プロジェクト、大阪・インディペンデント)と共通した、柔らかい肌触りを感じました。

のにさくはな

のにさくはな

桃園会

AI・HALL(兵庫県)

2014/02/06 (木) ~ 2014/02/10 (月)公演終了

満足度★★★★

桃園会「のにさくはな」観ました
 集合住宅という日常の舞台と重なり侵食する古典物語の世界に、ニットキャップシアターを連想。不確かな手触り、薄皮一枚で隔てられた異界。

 歌のシーンで、(特に流山児事務所での)天野天街さん演出の舞台を思い出した。元が野外劇と聞いて納得。

 シンプルで可変的な美術も好き。ちょっと第七劇場を連想。アイホールの広いブラックボックスならではの、深い闇の中井を往来する人々。


 話はよく呑み込めなかったけれど(汗)、創り手の確固たる意志が感じられる、自信を感じる舞台でした。


 出演されていた知り合いの朝日山裕子さん(雲の劇団雨蛙)とは、この二日後の大阪・芸創CONNECTや、六日後の横浜・TPAMでニアミスの連続(笑) この後東京方面で新しいチャレンジをされる模様、がんばってください!

許して欲しいの

許して欲しいの

劇団競泳水着

高田馬場ラビネスト(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/24 (月)公演終了

満足度★★★★

【俳優バージョン】観劇
雰囲気は好きでしたが、内容的には作家さんってそうですかー、そうなんですねーって思えた程度でした。

ネタバレBOX

性欲が頭に充満しているときは作品のアイデアは出て来ない。性欲は創作意欲の敵だ。創作に悩んでいるとき、別にアイデアを得ようと言うわけでもないが、誰かと話をして、相手に話を聞いてもらうと気持ちが落ち着く。他人から作品のネタになる話を聞いた場合、参考にはするが内容は変えてしまう等々、そうですかーっ、そうなんですねー。

アイデアがなく、締切期限をすっぽかした漫画家が、父親違いの妹から母親の思い出話を聞いて触発され、不倫漫画を連載し、連載終了後も次の作品に向けて意欲的に取り組もうとする話でしたが、出版社が良く連載を認めてくれたなという思いと、作家だった母親の生き様を聞いたせいかもしれませんが、心構えや生活態度が立派になった理由が今一つ分かりませんでした。

妹の変貌振りは想定内ではありますが、素敵でした。

アイデアが思い浮かばず、モヤモヤした気持ちを編集者とのセックスで解消していたという衝撃的なスタートの割には、押し掛けアシスタントがゲイだったというのは、これ以上余計な男女間のゴタゴタを描くのを避けようとする逃げだったように思えました。

三人の女性が登場、三人娘だったら誰がどの役だったかなと考えました。
あの世界

あの世界

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★

ガチだった
有川さんのレスリング出身という設定にほのかなリアリティを感じた(笑)
飛鳥ちゃん、次のMCRにも出るそうだ。
どうなってるんだ!つきあってんのか?
お兄ちゃんは許さないぞ!

妥協点P

妥協点P

劇団うりんこ

うりんこ劇場(愛知県)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

うりんこ「妥協点P」観ました
 物語に飲み込まれていく現実、ループや上書きのメタ構造の中での、互いの精神の帰結点を賭けた真剣勝負。

 建前と現実の矛盾の前に、もがく人間性と、それを冷酷に見つめる視点。
 渦中の女子高生は、翻弄される教師たちに、もはや人間の領域を超えた位置から語りかける。台風の目、ブラックホールの特異点。
 真剣を喉元に突きつけるような、学校という枠も超えた、私たち全ての問題。


 物語が進むにつれ、独特の美術の中に置かれてイメージされる世界が、具象から抽象へシフトして見える。
 展開と共に馴染んでいく美術の概念性、それをサポートする繊細な照明。



 前衛的な手法は、あくまでもオーソドックスな舞台づくりに貢献。
 コテコテの笑いと、安易な逃げを許さない問題意識の両立した、質の高い舞台でした。これから全国ツアーもあります!



 ちなみに私は、美術を担当した杉原邦生さんがトークゲストの初日に行きました。客席には、木ノ下歌舞伎の木ノ下先生のお姿も。
 何かの手違いで、おーじ×先生・トーク一時間コースになるのではと、内心ヒヤヒヤ…(笑)

眠る羊

眠る羊

十七戦地

LIFT(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題1006(14-045)
19:30の回(晴)。ドアのガラスに「受付開始、開場までもう少しお待ちください」、ポストイット。19:00受付、会場は地階。「花と魚(2011/7@バビロン」からで5回目になります。此処は3回目(「獣のための倫理学:2013/2」、「AFTER shock:2013/12」)。

客席は入口側、奥(前列は椅子、後列は木製ベンチ)の対面式、奥側にはエアコンがあるので奥へ、入口側は上演中の出入りあり。左右の壁沿いにテーブル、椅子、錆びた鳥かご…調度品、みな茶系統で此処の備品なのでしょうか、座席後方にも。

19:26前説(柳井さん)、19:32開演〜ひとり入ってくる〜20:52終演。

決して広くはない空間に濃密な空気が満ちてくるようでした。

ネタバレBOX

お話は「説明」にあるとおり。但し、チラシにあるような「いかにも」な世界などどこにもなく、あるのは腐臭を放つ底なし沼。少しずつ剥げ落ちてゆく面の皮、家/一族、政治家としての矜持、裏の裏、表と思っていたその先にあったもの、役者さん10名、それを観客が挟み込む配置、いつの間にか自分も「そこ」にいるように感じていました。これは「獣」の時にも感じました。

もしかして、今回、台本あったのでしょうか…すぐ出てきたので未確認。
新説・とりかへばや物語

新説・とりかへばや物語

カムヰヤッセン

ウイングフィールド(大阪府)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

とりかえばや
観てきました!

もととなる、とりかえばや物語をイメージしてたら、まったく予想がつかない展開と、面白い演出で二時間があっという間でした。
今回観に行けて良かったです。
福岡公演もあるそうなんでぜひ劇場に足を運んでみてください(*^^*)

はまち

ドン・カルロ

ドン・カルロ

東京二期会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★

平板な演出
16世紀スペインの王室を舞台にしたオペラをストレートなコスチュームプレイとして演出していて、このプロダクションならではという特徴が感じられず、音楽的には楽しめたものの、演劇としては物足りなかったです。した。

息子の婚約者を王である父親が奪うことから起こる悲劇で、ビジュアル的に美しく印象的な場面があったものの、物語としてはあまり惹かれる要素がなく、物語を通して訴えたいものも伝わって来ませんでした。

出演者は歌唱は悪くなかったのですが、取って付けた様な動きの演技で、ドラマ的魅力があまり感じられませんでした。特に第5幕は動きがあまり無く、ただ歌っているだけという状態が長く続き、視覚的に退屈感を覚えました。

柱・壁・床が白っぽいタイルで埋め尽された、大掛りな舞台機構を用いたセットでしたが、登場人物の心情とのリンクを感じさせることもなく、あるいは可動部に歌手が乗って歌うといったダイナミックな表現もなく、ただ異なる場所であることを示す為だけに形状を変化させている様に見えて、勿体なく感じました。

オーケストラは充実した演奏で、安心して聴けました。しかし、もう少しあおる様な勢いが欲しかったです。

うわつら

うわつら

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

見て得だった!
自分も余命を宣告されたらあんな風になるのだろうか。周りの人もあんな風になるのだろうか。色々考えさせられる舞台でした。殿様ランチの舞台、また見に行きたいです。

眠る羊

眠る羊

十七戦地

LIFT(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

必見!
 必見の舞台である。初日に拝見し、このあとが長いので、あらすじなどは書かないが、相変わらず、見事なダイアローグで成立した舞台である。(追記2014.2.20)

ネタバレBOX

 演劇のシナリオなのに、小劇場で書いている劇作家の作品には、ダイアローグが、キチンと成立している作品が少ない。余りにメンタリティーに拘っていたり、情に流されることが、美学だとでも思っているかのようなのだ。
 だが、十七戦地の柳井 祥緒君の書く物には、ダイアローグの典型的作品の流れがある。今迄の所、自分の拝見した作品には、大きな流れとしては二通りあるように思うが、その一つが、論理の応酬が中心になるタイプの劇で、今作と、自分が拝見している作品では、もう一作「艶やかな骨」がこの系譜だ。設定が見事である。今作でも、物語の中核部分は、スキャンダルを起こした国防族一家の、国会での証人喚問を模した、擬似証人喚問が中核を為す。内容が国防に絡み、憲法や表現(者)の位置、人間関係や利害、生き様やプライド、善悪の判断やその根拠、誰の為の、どのような施策なのか、という根本的な問題にも、また、政治的立場の有利・不利、今後、のパースペクティブ等々、多岐にわたり内容的にもジャーナリストが見て唸るであろう、高度なものでありながら、極めて適確で誰にでもわかるような仕掛けが設けられていて、それが、極めて自然で理にかなったものなので、違和感が一切なく、観客は、本当に、自分がその状況に関係者として参加しているような錯覚に浸りながら観ることができる。最高度の演劇体験の一つを味わうことができる。これも、柳井君の作品の特徴の一つである、古層を重層低音のように、作品に取り込んで行く独自なシナリオ作法の表れだ。今回、この古層には、平家物語が使われているが、どの部分が、平家物語を現代風にアレンジしているかを見極める楽しみも出てこよう。
 優れた芸術作品は、時に時代の本質を映しだすものであるが、今作は、その典型でもあろう。当にどんぴしゃり! この国の為政者の閨閥による民衆支配の構図や責任転嫁の方法、嘘と真・建前と本音の使い分けによるダブルスタンダード、密室性等々、政治を注意深く観ている人なら気付いている事実を、役者達の身体を用いて現前化させることで、見事に、そのメンタリティーを腑に落ちるものにして見せると同時に、批判に値する対象として現存させている。脚本の素晴らしさのみならず、演出の良さ、役者陣のキャスティングの良さや優れた役作りと共に、会場の選び方の的確さもあって迫真の舞台を愉しむことができる。
騒音と闇

騒音と闇

革命アイドル暴走ちゃん

相鉄本多劇場(神奈川県)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

ふたたび
初日14日は雪、翌日15日は積雪の影響甚大でしたが2日間連続で横浜まで行ってきました。

2回見ても追いきれない部分があるが、全体が見られて新たに気づくところがたくさんあった。

男女問わずパフォーマンス中、ひとりひとりのフォルムに美しさがある。

ネタバレBOX

午前の回は開演までに50人も間に合わなかったそうですが、私も午前なら完全にアウトでしたので20:00でよかった。



騒音と闇

騒音と闇

革命アイドル暴走ちゃん

相鉄本多劇場(神奈川県)

2014/02/14 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

待ちわびたぜ
変わらぬ戦闘能力、飛び散るモノの数々。

そして演者、客との相互愛情の結実がこの公演だ。

新しい人材登用で新鮮味もあり楽しかった。

あと終演後バレンタインイベントでチョコも頂いた。

狐雨の花嫁

狐雨の花嫁

株式会社Legs&Loins

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

Bチームの舞台を観劇
ここの劇団さんはいつも親切で丁寧ですよね。
今回も、出演しないAチームの劇団員さんや代表のグリムさんまでが、積極的に客席への案内をしてくれていました。

お話の内容は、ぽんぽこりんのたぬきさんなんてかわいい印象を持っていたらとてもとても(笑)
狸族首領が迫力があって怖いのなんのって。
悪役顔でハマり役←

客席からはステージが近く、思わず首をすくめる程の大迫力で殺陣回し。
そうかと思えば可愛い子役に精霊の舞。
お約束のお笑いコーナーもちょいちょいあって、ここの劇団らしい安定のノリに客席も引き込まれて大爆笑(?)

ヒロインの柴小聖さんは、思わず前のめりになって見てしまった程の可憐なお姫様。
衣装も髪型もとても似合っていて綺麗でしたね(*^^*)
特に、複雑な思いを心にギュッとしまいこんで、全身で何かを訴えかけるように一歩一歩客席に向かって歩みを進めるシーンでは、なんて綺麗なんだろーと何度も一人呟いてた。
男どもにも怯まず食ってかかるキレる演技。
悲壮な決意の元、一人敵地に乗り込む時の思いつめた表情。
綺麗な歌声。泣き顔。
そして、一生懸命しゃべる時に見せる若干のあひる口w
色んな表情を楽しませてもらいました。
舞台上でとっても存在感のある素敵な女優さんでしたね。
あの衣装でのブロマイドが1枚500円で売っていたので、即行で2枚購入←

物語のラストをどうするか。
これは脚本家にとってとても難しい判断だと思うが、Bチームヒロインの柴さんはこれを、オシャレなラストだよねと評していました。
種族間の争い、友情、愛情、兄弟愛に親子愛。
色んな感情を考えさせる終わり方で、演者それぞれの立場での思いを込めたラストシーンには思わず涙。
つい1列目の主役に目が行ってしまったが、2列目以降の演者さんの必死の表情に気づいた時には、さらにぐっと気持ちが伝わって来てしまって大号泣でした(涙)

終演後には子役の女の子も含め、出演者全員でのお見送り。
こんなところからもこの劇団の暖かい気持ちが伝わってくる。
多くの人に見て頂いて、ぜひこの気持ちを共感して欲しい素敵な素敵な作品でした。

鬼切姫外伝 - 承前 -

鬼切姫外伝 - 承前 -

ダブルフォックス

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2014/02/19 (水) ~ 2014/02/21 (金)公演終了

満足度★★★

歌や踊りなどは評価できる
物語は荒削りで細やかさが不足気味でした
(理詰めの説得力には欠けていた)
でも楽しそうに踊り歌う鬼さんは面白かった
(マジに人喰うんですがね・・・・)

1時間50分に休憩無しでアフタートーク付けて約2時間でした

(下北沢は長く芝居観に来てるけど今回のハコは初めてでチョット嬉しい(^^)

ネタバレBOX

街中で人さらって山中に食べ残しを熊の仕業のようにして放置。
だったら鉈で切り刻んだらダメでしょうに。
運搬方法は~?瞬動法でも使えるとか説明欲しかった。
喰い散らかされた死体の様子がおかしいとか台詞での話のコントロールして欲しかったなぁ→骨まで齧られてるとか=金属での切断面カバーする為とか
鬼の好む歌には催眠誘導の作用とかあってさらわれた現場にいた人間は記憶が曖昧になるとか設定付けれは納得しやすい。鬼の伝承調べてる女性がいろいろと説明すればいいのに使いどころが悪いなぁと思った。
過去の鬼伝承での再現シーンは笑えて楽しめた(^^)
でもなぁオチのシーンは何とかした方がよいかねぇ・・・・
死に掛けの鬼を殴り続けて幕というのはちょっとなぁ
村の全人口何人、犠牲者は何人、鬼の死体に言及し。
事件の発表などの有無とかナレーション入れた方がけじめとしては良いのではと考えました。

結局ゴウザンは田舎町に駆けつけて神社に集まっていた人間を襲っていた鬼どもを全て倒して去っていきました。 んだけども・・・田中女史は沢渡の目の前で喰われてしまって、ラストは死に掛けてる鬼のリーダーを沢渡が殴り続けてENDです。ちと後味悪くないかなぁ・・と思いました。 ちなみにゴウザンさんは劇中では語られなかったですにゃ。(腕の筋肉がムッキムキで見事でした)
HOME SWEETS HOME 【ご来場ありがとうございました】

HOME SWEETS HOME 【ご来場ありがとうございました】

青春事情

ザ・ポケット(東京都)

2014/02/05 (水) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★

いいのに
青春事情らしいホームコメディで楽しい時間ではありましたが、話がうまくゆきすぎてひどく物足りない。

ひとつひとつのエピソードがとても良いのですが、まとまり過ぎたエンディングが余韻につながらない。

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