満足度★★★★★
うりんこ「妥協点P」観ました
物語に飲み込まれていく現実、ループや上書きのメタ構造の中での、互いの精神の帰結点を賭けた真剣勝負。
建前と現実の矛盾の前に、もがく人間性と、それを冷酷に見つめる視点。
渦中の女子高生は、翻弄される教師たちに、もはや人間の領域を超えた位置から語りかける。台風の目、ブラックホールの特異点。
真剣を喉元に突きつけるような、学校という枠も超えた、私たち全ての問題。
物語が進むにつれ、独特の美術の中に置かれてイメージされる世界が、具象から抽象へシフトして見える。
展開と共に馴染んでいく美術の概念性、それをサポートする繊細な照明。
前衛的な手法は、あくまでもオーソドックスな舞台づくりに貢献。
コテコテの笑いと、安易な逃げを許さない問題意識の両立した、質の高い舞台でした。これから全国ツアーもあります!
ちなみに私は、美術を担当した杉原邦生さんがトークゲストの初日に行きました。客席には、木ノ下歌舞伎の木ノ下先生のお姿も。
何かの手違いで、おーじ×先生・トーク一時間コースになるのではと、内心ヒヤヒヤ…(笑)