Full Of Liars!
劇団ICHIGEKI☆必殺
シアターブラッツ(東京都)
2015/07/02 (木) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
観やすいサスペンスでした。
ストーリー全体はサスペンスの流れで、随所に笑いを取り入れた、肩に力が入らずに観れる、観やすい舞台でした。(そんなに笑うところか?というぐらい笑ってたお客さんがいましたが。)少し人間関係の相関図が分かりにくいところがあり、後で反芻しないと納得できないかな?と思うところもありました。とは言え、1時間50分の上演時間を感じさせない観やすい芝居だったと思います。
ネタバレBOX
悪魔役のイマダトムさんが芝居の口火を切って、最後に芝居の幕を引く。そんなイマダトムさんの舞台だったと思います。結局、登場した人物のそれぞれのストーリーも所詮は殺し合いをさせる悪魔の手のひらにあって、転がされていただけっていう印象の物語でした。
映日果-アンジール
XZM
遊空間がざびぃ(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
ネホリーハホリー☆
(^^)/3日(金)の夜、西荻窪で
[XZM(エグゼム)]の、
【映日果-アンジール】を観てきました☆
面白かったです。
13人の男だけで演じる、
ヒューマン・サスペンス・ハードボイルド♪
役者全員がカッコイイ!
ストーリーは見事、選曲もナイス!
終演後の中日打ち上げも最高でした♪
観劇にをブログに書きました。
デイドリーム
劇団アルターエゴ
OFF OFFシアター(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
家族への想い
☆チーム観劇。家族愛を感じる作品だが、複雑な想いと純粋な愛情に溢れ、見応えがありました。
以下、公演中なのでネタバレで。
ネタバレBOX
イギリスからのピアノ留学から戻った次女と家を守る長女、フリーターの末弟の家族を描いた作品。母親は既に亡くなっており、父も家を出て再婚している。最初、揃った姉妹と従妹の和やかな雰囲気と会話で静かに物語は進んでいく。だが、弟の詐欺被害事件と母親や父親の不倫等で急にドロドロした物語へと変貌した。だが、詰め込み過ぎた印象も少し感じてしまった。弟の詐欺被害事件なども登場してから急展開かつ即解決だったので(笑)
夢?で出てきた母親も直球で詐欺の事を話すので、少し含みを持たせて次女が気づく位の方がとも思ってしまった。DNA検査も飛躍したなと(笑)
だが、家族の形はそれぞれとも思うので、根底にある愛情を感じられたラストは感動的でした。
役者さんは、子供時代も見事に演じられた小野寺夏子役の堀口幸恵さん、強さと家族への思いに溢れた小野寺春花役の丸山彩智恵さん、明るく支える本田香役の小西有香さんが印象的でした。
恋 其之弐
吉野翼企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★
ネタばれなし
やっと岸田理生の後継者を見つけた!
Messiah Girls ‐First Gaze‐
Lunar Punk
萬劇場(東京都)
2015/07/02 (木) ~ 2015/07/06 (月)公演終了
満足度★★★★
嶋垣くららのヒロインオーラ
この作品が成功したのは、いや、シリーズのこれからの展開に期待を抱けたのは、嶋垣くららのヒロインオーラ。
そしてボータンツの重鎮羽鳥友子の圧倒的存在感。
このふたりの冒頭シーンは、ワクワク感満載で、そこからまさかの、ガールズロックバンド生演奏SFミュージカルとでも言うようなステージが展開する中、昔よく読んだ人類史の謎的トンデモ本のパーツが、パズルを埋めるように物語を形成していく。
出番はそれほどでもないが、要所要所を締めていく羽鳥友子。
とにかく表情が素晴らしい嶋垣くらら。
他の出演者もバンドのメンバーも、女性陣全てに、その気合いを感じた。
彼女たちを観るために、この五部作、付き合っていこうと思った。
ネタバレBOX
ナビゲーター登場後の第二部になって、謎解明よりも悪の支配者VSレジスタンスという、SFバトル物の王道ストーリーになっていくので、私の好みとしては少し大味な感じはしたし、前半やや啓蒙臭が強すぎるきらいはある。
が、終盤、シャーマンの独白あたりから悪の支配者側が細かく描かれてくると、また物語世界にぐいぐい引き戻される。
ゼレが声を発するようになる場面のやりとりは、少し散漫になった物語をぐっと引き締めてくれた。
そして怒濤の急展開から、もう一人のヒロインの、父登場!!
テンション高い!!熱い!!暑苦しい!!(笑)
いや、素晴らしかったです。
リ:ライト
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/06 (月)公演終了
満足度★★★★★
今回もつながる
トツゲキ倶楽部さんは3回目の観劇となるが、今回も「人のつながり」を感じさせてくれる暖かい作品でした。今作では、化学反応と言った方が良いのかもしれませんが。
あの内容を、90分にまとめている脚本・演出は実にすごいと思います。
公演中なので以下、ネタバレで。
ネタバレBOX
アルツハイマーの治療薬を研究する大学の研究室が舞台であるが、恋人関係のもつれ、研究室を辞めようとしている者、皮肉にも自身が若年性のアルツハイマーになっている者等、当然だが様々な自身の問題を抱えている。
その中で、治療薬につながる実験が成功したのだが・・・。
この実験データを巡り騒動が起こる。回転数が安定しない遠心分離機、ゴミ箱に処分してしまった記録紙、データを消去してしまったPCファイル等々。
この辺りもそれぞれの人間関係が相互作用しており、これが面白い。
また、ある程度話が進んだところで、今まで起こった事が予知夢という形で巻き戻される。そして、タイトルの「リ:ライト」である書き換えが始まる。また、研究の言動力の一つに、研究員の治療も入っており、そこもまた、つながりを感じさせる。
いやぁ~、素晴らしい脚本です!
14人の登場人物がいるのですが、それぞれがキャラ立ちしており、また皆一様に良い人達なのでついつい応援したくなります。
複雑な心情が多く難役の星神沙織役の前田綾香さん、病気ながら明るく皆に愛される笠戸華役の佐竹リサさん、クールな優しさを魅せてくれた淡路玲子役の高橋優都子さん等の女優陣の活躍が印象的で、それを支える他の女優陣やコメディ要素が多かった男性陣、繋がりを感じるまさに化学反応でした。
次回公演も楽しみです。
映日果-アンジール
XZM
遊空間がざびぃ(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
男性キャスト陣がかっこいい!とりわけ...
それぞれ悪役っぽいのですが、役作りが深く、女性客がきゅんきゅんしていそう!日頃はやさしい役に徹している(?!)鈴木さんがハードな役で驚きました(別人を感じました)。そうそう、椎名亜音さんが手伝いに来られていた気がします(余談ながら...)。
マルナゲドン
FREE(S)
小劇場B1(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
独自の空気感あり!
なんだこれは?と思いつつも進むと、どんどこ楽しくなってくる!遊びの精神満載。客層もとても良くて、居心地の良いステージとなる。京楽産業からの花が届いているのはそういうことだったんですか。次回も楽しみな感じです。頑張って下さい。
鑪―たたら (残席僅か)
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2015/03/20 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
ストレートプレイを堪能
サスペンデッズ主宰の早船聡さんの戯曲を青年団のベテラン俳優たちが演じる。
老舗劇団の実力を味わう。
ネタバレBOX
昔、キューポラの煙が火事のようにたなびいていた町が、今や、マンションの建ち並ぶところとなった。
かつて、親友だった鋳物職人は、ひとりは不動産プローカー(今西康平)に、もうひとり(水沼鉄三)はその町を離れ、別のところで息子と鋳物工場を続けていた。
「キューポラ」という喫茶店で彼らをめぐる物語。
訓練と経験を積んだ俳優が、時間をかけて準備し、演じるストレートプレイは、絶品である。
こういう言い方は、なんだけど、多くの若い小劇場系劇団では出せない味がある(どちらがいい、というわけではない)。
先月見た文学座でもそれを感じた。
早船作品は何回か観ているが、青年座のこの作品は、どっしりと腰が据わっている。
もともと戯曲が持っている資質なのだろうが、それが経験と訓練を積んだ俳優たちによって、十二分に活かされている。
不動産プローカー・今西康平役の山路和弘さんが、フル稼動。
本当に気持ちがいいほど、最初から最後までの、熱量が変わらない。
途中の昔のシーンが差し挟まれ、山路和弘さんが素早く切り替わり、おばさん役を演じるところがある。
おちゃらけているようでも、本編を乱さない強度がある。
こういう味、強度は若手の俳優ではなかなか出ないだろう。
単なるおふざけに見えてしまうから。
そして、山路和弘さんに対する腕のいい鋳物職人・水沼鉄三役の山本龍二さんの佇まいがいい。
黙って立っているだけで見える、対比が見事。
離婚により家族から離れて1人の男と、息子に期待をかけすぎて、宝であるその息子を失ってしまった男が、表面上ではぶつかっているようで、実は、わかっているということが、後半に見えてくるという戯曲がうまい。しかも、それを広げて見せないところに美学さえあると感じた。
互いに息子にどう接していいのかわからなかったのだ。
その息子役の2役には驚いた。
石母田史朗さんが、まったく違う2人の息子をくっきりと演じ分けていた。
同じ俳優が演じることで、一見違う息子と父親の関係が、根っこは同じではないのか、とも感じさせてくれるのだ。
彼ら2人や、彼らを取り巻く人々の仕事への誇りも感じさせる。
さらに、今日的な、ヘイトスピーチ、失業者、ニート、在日、ネット、そんな背景が裏に見え隠れするところもうまい。
やたらカッコ良すぎるシーンもあるが、状況説明の小芝居が面白すぎる。
面白すぎるのだけど、くだらないとか、ベタとか感じないのは、基本の確かさがあるからだろう。
工場と喫茶店を兼ねたようなセットもいい。
キューポラから流れでるように見える湯(溶けた鉄)の感じとか。
この作品を、7人の俳優で演じ切ったのは驚きだ。
邪教
劇団YAX直線
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2015/07/02 (木) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
目の付け所が好きなのです
相変わらず当日リーフレットの文字数が半端ないです。
各登場人物の
バックホーンも(作中では語られない情報すら)書いてあるので、
読んでから観ると彼らの思考が受け入れやすくなります。
受付は開演の1時間前、開場は15分前。
上演時間は90分強。
ネタバレBOX
脳内会議の話があらすじにあったので
「あっちもこっちもタイムリーだな」と思って観劇に臨みましたら
当日リーフレットでそこに触れていました(笑
この物語の登場人物のような不毛な脳内会議は自分もやりがちなので
あのあたりの感情移入度は半端なかったです。
「小劇場でよくあるシリーズ」は、
特定の団体を指してるわけじゃないのでしょうけど
思い当たるような景色をあちこちの劇団で観たなぁ…と、
脚本家さんの観察眼に思わず笑ってしまいました。
劇中劇のプロジュエクト〇ックスと、
某時代劇がツボにはまって大笑いしました。
作中に出てくる「ご当地グルメ」「お茶」「たこ焼き器」のたとえも
親しみやすく、かつ分かりやすくて着眼点と言葉選びが見事だなぁ、と。
演技としては特に
星子役の須賀さんの
写真が流れていくような表情の変え方(りんごの話)や
三垣役のれんださんの堕天使の妖艶さ、
飛来矢役のChiRiさんの
「ヒモ力(ひもりょく)」トークの説得力と安定の体幹、
丹波役の冨岡さんの色気(まさに「ヒモ力」では…と思うほど)、
心平役の二川くんのくそまじめな熱さが印象的でした。
スケッチブックの使い方もここならでは…で、
書いてある言葉(彼らの発言)に心を揺さぶられます。
二者の発言を交互に見せるところでは、
一瞬どっちを観ればいいのか悩むので、
スケッチブックを掲げたり一歩前に出るとかの
視線誘導が欲しいかなと思いました。
(音楽に合わせる関係上、難しいのかもしれないなぁと思いつつ)
実はタイトルの「邪教」とチラシの空模様に
脳内で宗教的な話になるんだろうか…とドキドキしていたのですが、
「とにかく進もう」と思える力に変えてくれる使い方だったので
安心しつつ、元気になれました。
熱唱する原さんがカッコよかったです。
小さくこぶしを握りました。
ふがいないや
劇団冷凍うさぎ
アトリエS-pace(大阪府)
2015/06/27 (土) ~ 2015/06/29 (月)公演終了
満足度★★★★
役者さんの熱演と…、常習性が…♪
いつも、役者さんの熱演…、凄いと思います…。
そして、いつも後味の悪い演劇…、それでいて、常習性が有りますね。
今回は客演さんも沢山居られ、良かったです。
たまには、明るい「冷凍うさぎ」も観てみたいきがします…。
アンソロジー
ACRAFT
笹塚ファクトリー(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
全然古びていない。無論、褒め言葉だぞ!!
原作は13年前、前田 和紀氏によって書かれた。中心となる時代は7世紀末の柿本 人麻呂が活躍した時代、万葉集の時代と言った方が良いか。或いは壬申の乱の時代、即ち蘇我 入鹿らが、中大兄皇子、中臣鎌足らに討たれ大化の改新(645年)に至った後の話であるが、歴史を上手に持ち込んでいるのは、この展開の中に、ちゃんと唐・新羅と百済・大和の関係を持ち込んでいることである。而も、今回、脚本・演出を担当した久保田 唱氏が、稗田阿礼と柿本 人麻呂を配したことで、今作で内容が、歴史的物語として定位されているのである。(更なる追記、終演後に後送)
ネタバレBOX
物理学でいえば、時間、空間が移ろう為の場が定位された訳である。この作品の安定性はこの点にある。無論、今作は演劇作品であるから、様々な歴史解釈・説の中で必ずしも定説に従っている訳ではない。然し、それは当然のことである。芸術作品の役割は、人間を描くことであって歴史上の事実を発見することでもなければ、あるイデオロギーや支配体制にとって有利な歴史観を敷衍することでもないからである。
今作では、言霊という表現に込められたもの、即ち言霊の意味する所を追求することによって人の心の在り様と、その痛切な念を描いているからである。
その具体的な在り様が如何なるものであるかは、終演後に記すが、品、切実さ、哀れ、温かさと幸せ、政治と人心など、現代にもそのまま通じる鮮烈で純粋な表現に集約したこの作品の作(原作及び脚本)・演出・キャスティング、演技、殺陣、照明と音響の効果、舞台美術、裏回りスタッフの対応迄含めて良い作品に仕上がっているというべきだろう。
恋 其之弐
吉野翼企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
演出と内容が好相性/約110分
妖しさを強調した演出によりこの世ならざる雰囲気をたたえた舞台に、アイデンティティを求めてさまよう亡霊のような男女の話が見事になじんで、実に見応えがありました。
ネタバレBOX
惜しまれるのはギターの弾き語りによる最後の歌。
内容が通俗的で岸田世界に合わず、私には蛇足に思えた。
掉尾を飾っていることもあり、劇全体があの歌へと収斂され、矮小化されてしまった印象。
ところで、あの歌の詞は岸田の作なのだろうか?
直感的に他人の作だと私は感じましたが、もし間違っていたらごめんなさい。
悲しみよ、消えないでくれ
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/01/23 (金) ~ 2015/02/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
見終わってすぐに頭に浮かんだのは、マリー・ローランサンの詩
正確には高田渡さんが歌った『鎮静剤』の歌詞。
失った者の悲しさ、露わになる人間関係。
上手い!
ネタバレBOX
山小屋の主人を演じる、でんでんさんが、普通に台詞を言っているだけで何かが起こりそうだ。
なんかヒリヒリした緊張感がある。恐い。
しかも、彼が演じる山小屋の主人は娘を亡くしていて、この日がその命日だという。
これで何も起こらないはずはないだろうと思った。
登場人物たちのそれぞれの状況と、本音らしきものが見えていく展開は、上手いと思うし、やっぱり面白い。
山小屋の主人は、何かじっと耐えているように感じてしまう。
その場をなんとかうまくしようと、無理をしているような感覚だ。
ラストの彼の一言が効いている。
そして、タイトルのうまさに舌を巻いた。
高田渡が歌っていた、『鎮静剤』(マリー・ローランサンの詩)の歌詞はこんな風である。
退屈な女より もっと哀れなのは かなしい女です
かなしい女より もっと哀れなのは 不幸な女です
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です
捨てられた女よりもっと哀れなのは よるべない女です
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です
最後の一行がこの作品を語っていると思ったのだ。
高田渡『鎮静剤』
https://www.youtube.com/watch?v=E_12lISYgSA
田茂神家の一族
劇団東京ヴォードヴィルショー
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/03/13 (金) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
東京ヴォードヴィルショー、やっぱり面白いね
東京ヴォードヴィルショーの良さが溢れた楽しい作品。
多作だけど、このところややアレな感じだった、三谷幸喜さんの作品の中では、出色の出来、面白さであった。
ある年齢層を対象とせず、あらゆる年代が笑うことのできる作品で、こういうコメディを提供してくれる劇団って、ありそうでそれほど数はない。
ネタバレBOX
どこかにある「えぶり村」という過疎の村で、前村長が怪我をしたことから、村長を辞めると言い出したことで、村長選が行われることになった。
今まで、前村長が圧倒的に強く、無選挙で何期も村長を務めてきたが、その村長が辞めることで、村にとって初と言っていい選挙が行われることになったのだ。
舞台の上は、立ち会い演説会のようなセット。
セットと言っても、候補者の折りたたみイスと候補者名を書いた垂れ幕がそれぞれ下がり、中央には候補者が話すためのスタンドマイク、下手には司会者の壇があるだけの、シンプルなものである。
つまり、劇場の観客がえぶり村の有権者のような設定なのだ。
そして、立ち会い演説会だけの1幕モノ。時間も舞台の上と客席が同じに進む。
この設定は面白い。
シンプルなだけに、戯曲と役者の魅力で見せるしかない舞台だ。
そして、それは達成されたと思う。
このところ多作な三谷幸喜さんの作品の中では、出色の出来、面白さであった。
正直、三谷さんご本人が演出しなくてよかった、と思ったが……(失礼・笑)。
ゲストを含め、東京ヴォードヴィルショーの役者さんたちの、いい感じに前に出る出方、アクの強いキャラの立て方など、見事に発揮されていた。もちろん、笑いのツボもしっかりと押さえていて。
シーンの転換ごとに歌が入る。
そして、選挙の問題やエネルギー問題など、少しだけ風刺も効いている。
それはなんとなく、井上作品を、ほんの少しだけ彷彿させる。意識したかな。
立候補者は、全員「田茂神」家の関係者である。司会者も田茂神。
妻や、弟、息子、娘婿など、前村長の関係者が立候補しているからだ。
なのでタイトルが「田茂神家の一族」。なるほど(笑)。
選挙コンサルタントなる人が、ある候補者の参謀として登場して、票読みをしていく。
どこの地区は誰が強いか、女性票どうかは、年齢層どうなっているのか、と。
駆け引きをしながら、候補者同士が連携したり、いがみ合ったりしながら演説会は続く。
候補者の子どもたちも絡んだりしながら、見えたり見えなかったりしていた、田茂神家の関係が見えてくる。
その都度、票読みの数も変化していく趣向。それに一喜一憂する登場人物たち。
また、引退するはずの前村長も登場することで、さらにストーリーに面白みが増していく。
東京ヴォードヴィルショーの、キャラの濃い役者さんたちなので、濃くてギトギト感はある。それでもそれを力押ししてくるのだが、やっぱり笑ってしまう。
ラストは、「結局誰が村長になるのか?」という点で、ほとんどの観客が徐々にわかっていたと思うが(ストーリーに集中していたら、見落としていた人もいるかもしれないが、うまく気配を消していたと思う)、こういったコメディにはあるパターンの結果となる。
佐藤B作さんはフル回転。エネルギッシュ。
一見一番まともに見える、角野卓造さんが中盤から、「バイオマスエネルギー」のトンデモさなど、定石の展開ながら、馬脚を現してくるのがなかなかいい。
元町長の伊東四朗さんの押さえも効いている。
ある年齢層を対象とせず、あらゆる年代が笑うことのできる作品で、こういうコメディを提供してくれる劇団って、ありそうでそれほど数はない。
まだまだ、東京ヴォードヴィルショーの作品にはこれからも期待できる。
シンプルで面白いから、『アパッチ砦の攻防』のように、再演、再演ってなるんだろうなあ。
そのときには、また観たいと思わせる。
しかし、今回、創立40周年記念興行第5弾、一体何段までやるつもりなんだろう(笑)。
reborn
セッションハウス
神楽坂セッションハウス(東京都)
2015/07/04 (土) ~ 2015/07/04 (土)公演終了
満足度★★★★
-
70分。バレエの表現がとても自然に作品に溶け込んでいた。
藤原歌劇団公演 『ランスへの旅』
財団法人日本オペラ振興会 藤原歌劇団/日本オペラ協会
日生劇場(東京都)
2015/07/03 (金) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
-
第1部1時間45分、休憩25分、第2部45分。初めて観る作品。出演者の多くが主役級というとんでもないオペラ。現代の感覚からすると第1部は繰り返しが多い、第2部は話がほとんど進まない、というじれったさがあるものの、国王のための祝賀曲ということで、ロッシーニらしい楽しく華やいだ作品だった。
アンソロジー
ACRAFT
笹塚ファクトリー(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
言葉!!
言葉で思いを伝える事は大切。時には残酷な時もあるが、嘘や偽りのない言葉は心に響き生きる。この舞台は飛鳥時代ではあるが想いは現代へと繋がっている。
悲しいことばかりだけど生きてほしいと思いました!人を思いやる気持ち、優しさが伝わった物語でした!
音楽が更に切なく、心に残っています。
後2公演、笹塚にはどれぐらいの涙が流れるのでしょうか…
『太平洋食堂』
メメントC+『太平洋食堂』を上演する会
座・高円寺1(東京都)
2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
今後も再演を希望
大逆事件に取材した力作。きちんとした丁寧な作りで、エンターテインメントとしても素晴らしい、見事な社会啓蒙的作品です。この国家による弾圧事件を風化させないためにも、今後も再演を繰り返して欲しいものです。
KM
7度
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2015/07/03 (金) ~ 2015/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
ありがとうございました
チケットプレゼント頂きましてありがとうございました!
私、舞台には縁がないと思っていたんですが、今年の4月にべつの劇団ですが初観劇して以来、舞台を観に行く機会を増やそうと思っていたので、また観劇できて嬉しかったです^ ^
舞台もいろいろあるんですね〜
今回の舞台内容が私には難しく、私はストーリーがある方が向いていると感じましたが、次に活かしたいと思います
男優の方が知人と瓜二つで、こちらもかなり気になってました(笑)
本日も舞台、お疲れさまでした!