悲しみよ、消えないでくれ 公演情報 モダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    見終わってすぐに頭に浮かんだのは、マリー・ローランサンの詩
    正確には高田渡さんが歌った『鎮静剤』の歌詞。

    失った者の悲しさ、露わになる人間関係。
    上手い!

    ネタバレBOX

    山小屋の主人を演じる、でんでんさんが、普通に台詞を言っているだけで何かが起こりそうだ。
    なんかヒリヒリした緊張感がある。恐い。
    しかも、彼が演じる山小屋の主人は娘を亡くしていて、この日がその命日だという。
    これで何も起こらないはずはないだろうと思った。

    登場人物たちのそれぞれの状況と、本音らしきものが見えていく展開は、上手いと思うし、やっぱり面白い。
    山小屋の主人は、何かじっと耐えているように感じてしまう。

    その場をなんとかうまくしようと、無理をしているような感覚だ。

    ラストの彼の一言が効いている。
    そして、タイトルのうまさに舌を巻いた。

    高田渡が歌っていた、『鎮静剤』(マリー・ローランサンの詩)の歌詞はこんな風である。

    退屈な女より もっと哀れなのは かなしい女です
    かなしい女より もっと哀れなのは 不幸な女です
    不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です
    病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です
    捨てられた女よりもっと哀れなのは よるべない女です
    よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です
    追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です
    死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です

    最後の一行がこの作品を語っていると思ったのだ。

    高田渡『鎮静剤』
    https://www.youtube.com/watch?v=E_12lISYgSA

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    2015/07/04 23:10

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