アンソロジー 公演情報 ACRAFT「アンソロジー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    全然古びていない。無論、褒め言葉だぞ!!
    原作は13年前、前田 和紀氏によって書かれた。中心となる時代は7世紀末の柿本 人麻呂が活躍した時代、万葉集の時代と言った方が良いか。或いは壬申の乱の時代、即ち蘇我 入鹿らが、中大兄皇子、中臣鎌足らに討たれ大化の改新(645年)に至った後の話であるが、歴史を上手に持ち込んでいるのは、この展開の中に、ちゃんと唐・新羅と百済・大和の関係を持ち込んでいることである。而も、今回、脚本・演出を担当した久保田 唱氏が、稗田阿礼と柿本 人麻呂を配したことで、今作で内容が、歴史的物語として定位されているのである。(更なる追記、終演後に後送)

    ネタバレBOX

    物理学でいえば、時間、空間が移ろう為の場が定位された訳である。この作品の安定性はこの点にある。無論、今作は演劇作品であるから、様々な歴史解釈・説の中で必ずしも定説に従っている訳ではない。然し、それは当然のことである。芸術作品の役割は、人間を描くことであって歴史上の事実を発見することでもなければ、あるイデオロギーや支配体制にとって有利な歴史観を敷衍することでもないからである。
     今作では、言霊という表現に込められたもの、即ち言霊の意味する所を追求することによって人の心の在り様と、その痛切な念を描いているからである。
     その具体的な在り様が如何なるものであるかは、終演後に記すが、品、切実さ、哀れ、温かさと幸せ、政治と人心など、現代にもそのまま通じる鮮烈で純粋な表現に集約したこの作品の作(原作及び脚本)・演出・キャスティング、演技、殺陣、照明と音響の効果、舞台美術、裏回りスタッフの対応迄含めて良い作品に仕上がっているというべきだろう。

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    2015/07/05 00:31

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  • 登場人物達のメンタル等については終演後にアップします。
                                    ハンダラ

    2015/07/05 00:38

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