最新の観てきた!クチコミ一覧

30241-30260件 / 189759件中
アレルギー2020

アレルギー2020

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/06/27 (土) ~ 2020/06/28 (日)公演終了

満足度★★★

Aバージョン。劇場再開1発目に。作品自体は他愛もないと言ったら身も蓋もないけど、観客10人強、30分の作品に5分の換気休憩と万全を期して、劇場に灯りがともったのが何より。

ミキシングレディオ2020

ミキシングレディオ2020

劇団6番シード

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/06/25 (木) ~ 2020/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

3ヶ月ぶりのソワレでした。面白かったです。
みんな待ち焦がれていたのか、ほぼ満席でした。それもソーシャルディスタンスを取った1席空けてではなく、座席に工夫を凝らした上での公演でした。終演後の挨拶の時に椎名さんがおっしゃっていたように「こんな光景を見る日が来るとは・・・」
早く普通に観劇できる日が来てほしいものです。

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2020/06/13 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

第14回シアターX国際舞台芸術祭2020 5日目 2020.6.25 19時
5日目は、出演2組。次回公演は27日(土)14時半開演、演者は3組、5日目とは演目、出演者共に異なる。

ネタバレBOX


 5日目出演順にⅠ:酒井エルさん、ダンスの演目は「フィールドノート」ご本人は自然の中に身を置いてそこから感じたり、体得したもの・ことを表現した、とおっしゃっていたが、序盤から中盤までは暗転した舞台の何処にどのような姿勢で現れるのかが全く見えない中、明転すると其処に彼女がおり、ある姿勢を取って各々異なったダンスを披露するという感じで、最初は海の波音の擬音を出す箱などの容器の中に小豆等を入れて緩やかに中の小豆を回したり傾けたりする動作が、地球上に海が現れ地球に影響する太陽エネルギーの0.2%が起こす波・風を彷彿とさせ、彼女の身体の他の部分では母なる海に生じた原始的なアミノ酸結合体から生命が生まれ進化してプランクトンになって波寄せる浅瀬で揺蕩うような動きが、小道具から生じる波音とスピーカーから流れる波音の音響の中で演じられ、暗転後は舞台縁迄移動した彼女は右側の体側を板につけ顔は舞台ホリゾントに向けて横たわったところから動き始めた。この間音響は、強い雨が地面を叩くような音、雷、強風等々と変化し続ける。これらの音響変化を自分は地球の歴史と捉え、その中でプランクトンから様々な生き物に進化してきた生命の歴史がダンスで示されているように感じた。(但し、ここでこのような解釈をしたことと、現在地球の歴史を繙く科学者の認識は無論、多少異なっている。唯、科学者ではない人に其処迄要求するのは酷であろう)3度目の明転では、組み上げた階段を上り当にホリゾントに張り付く蟹のように蠢く身体表現を見せて鮮烈な印象を与えた。ラストでは、再び最初に用いた擬音を出す小道具で波音を聞かせてくれたが、自分はPaul ValéryのLe cimetière marin(海辺の墓地)の一節、La mer,la mer,toujours recommencée!(海よ、海よ、無窮に繰り返す!)を思い出し母なる海から生まれた我ら生き物が、その個体発生に於いて海とそっくりな組成を持つ母の胎内の羊水の中で系統発生を繰り返して生まれてきたことをも考えた。不満はと言えば、若干、演技がおとなしすぎるという点か。華4つ☆  
Ⅱ:日野 利和さん、アベ レイさん、藤田 恭子さんの3名。演目タイトルは「パラレルワールド」だ。板上やや下手奥には3mほどの高さの脚立が立てられ、その足元に大きな薬缶、真下にはセメントを捏ねる桶のような物が置かれ、その中に女が1人体を丸めて俯いた状態で座っている。襤褸を纏いビートルズの曲にのって現れた現れた男が所せましと動き回るのを、セメント桶から出ずに何とか捕まえようとする女との鬩ぎ合いが幾度か続いた後、女は外に這い出して、飛び回る男の足元を捉え、着地させる。この辺り、女に捕らえられた総ての男には、体験感覚があろう。男は常に今あらぬ所・時へ飛び去ろうとし、女は自分の居場所に繋ぎとめようとする。この束縛を男は本能的に嫌うのだ! 何となれば男の本性はその非在性にあるからであり、女の本性はその存在性にあるからである。その双方の自由は従って真逆のベクトルを持つ。
 ところで、取り敢えず女に捕らえられてしまった男は女の下僕であるから(存在の前で捉えられてしまった非在など如何程の価値があろうか?)カップルの形態を採っているのだが、ここに第3者としてもう1人女が現れる。ところで新たに現れたこの女は、意味を伝える言語は用いない。言葉と音楽の間にある音声表現を用いつつ、最初の女から男を獲ってしまう。捨てられたというか、男を獲られてしまった女は、独り孤塁を保つが、やがて己の巣に戻り、独り何事かをし出す。新たなカップルは、互いに向き合って飛んだり跳ねたり、数メートルの距離を置いて対面する時に口を丸めて同時に大きな円を作って見せたりのコレスポンダンスに興じていたが、無意味だが示唆的な音声を出す女に対して、「は」だの「何」だの「熱い」だの意味のある言葉で、好き勝手を互いにしているようでいながら、パラレルな中にも接点を持った2人が、セメント桶に戻った女の所を覗きに来て、彼女が棲家から持ち出し、むしゃむしゃ口にしているもののおすそ分けを貰う。すると阻害されていたハズのセメント桶の女と第3者として現れた女、後者に奪われた男の間に一種の連帯、紐帯が生まれ、第3者としての女が薬缶を手に脚立の上に上がって第1の女、男の順に頭上に掛ける水は、即ち命として共生してゆくこと、或は農耕が開始されて以降の人類史を暗示しているという具合にも解釈できる。そんな物語を組み立てることのできる作品であった。実に楽しく拝見した。
終盤、男と半分軟体動物と化した最初の女が見せるダンスも実に示唆的で面白い。華5つ☆
タンスのゆくえ

タンスのゆくえ

浅草九劇

浅草九劇(東京都)

2020/06/24 (水) ~ 2020/06/26 (金)公演終了

満足度★★★

同じ脚本で、2つのバージョンを一度に見るのは初めてで、面白かった。山口さん、やっぱり好きだなぁ。

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2020/06/13 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

第14回シアターX国際舞台芸術祭2020 4日目 2020.6.23 19時
4日目も、出演は3組。

ネタバレBOX

 今日は3組総てがグランドピアノも用いる。最初の2組はほぼ舞台中央に置かれたピアノで演奏するが、3組目だけはピアノを上手奥に移動、演劇スペースを広く取る。
出演順にⅠ:SORAEという団体で活動する2人、ERIKO・HIMIKOさんのダンスにマルチメディア・インスタレーションの織田 理史氏がコラボ。作品タイトルは「2/1 Geist 1/2」。衣装・照明オブジェはERIKOさんが担当、パソコン、モニター、音響スピーカー、ピアノ演奏は織田氏が担当した。照明は常時昏め。板上には随所に照明オブジェが散らされている。
オープニング、ピアノのやや上手にあおむけに横たわったERIKOさんが、腕を上げるが、照明は、その様子がハッキリ見えるギリギリの暗さ。身体パフォーマンスが続く中、客席方向からズカズカと歩いてくる靴音、感心したのは、瞬間これも演出と判断させた靴音の高さと入場のタイミング、そして大き目のキャリアケースから取り出された、スピーカーやモニター、パソコンを手際よくあちこちに配備してゆく実務的な動作が、ダンスという芸術表現と対置されながらちっともどちらも邪魔し合わないという点であった。織田氏がピアノで弾いた曲は、電子機器が奏でる音響のどこか騒音じみたり、心臓の鼓動音のようであったりという流れを作るのとやや異なり、ピアノ曲は現代音楽風の抽象度の高いものであったが、各々の音の響き合いが絶妙であった。
ダンスは宇宙空間に浮かぶステーション内の無重力空間を揺蕩うようであったり、トルコのメヴレヴィー教団の回転する踊りのような動きであったり様々であるが。舞台上を動き回りながら押すと光る照明装置に触れ、昏い舞台空間にイソギンチャクの胴体のような光の装置が灯ると恰も魔法に掛けられたかのような幻想的な時空が現出した。一方、心臓の鼓動音を思わせる電子音が流れる中を2人が歩み寄ってタッチの動作をした時のシーン等は、宇宙空間の中で孤独な生命同士が触れ合ったような新鮮で斬新な感覚を呼び覚まされた。2人の互いに異なる個性を個性として表しつつ、時折交点を結ぶコラボレーションが素晴らしい。華5つ☆
Ⅱ:束祓 つかさ氏と松本 邦裕氏が演じたのは「蟲愛づる姫のテーマ 聲Version」作曲・ピアノ演奏は束祓氏、衣装は白、芝居・音声は松本氏、衣装は黒。ちょっと変わっているのは、ピアノのやや上手手前に真っ赤な傘が開いた状態で置かれていること。これは、平安時代、遊女(白拍子などと同じく歌などを歌った芸人、芸を披露する際には必ず傘を広げて芸を演じた)菅原道真の子孫にあたる「更科日記」作者・菅原 孝標の娘も足柄山で出会った遊女らのことを記している。出演者お2人の衣装の白と黒の表すものは、凡その見当がつこう。傘の赤は生命の象徴としての血である。演奏された曲を目を瞑って聴いていると、全身を耳にしたように聴いていた自分の耳だけが身体を離れて、てふてふのように飛んでいくというような幻想が生まれる素敵な曲であった。そこへ松本氏の頗る響きの良い歌唱、ほれぼれするような美声で時に力強く、時に密やかにメリハリの効いた音声が絡み、ほぐれる様には流石、普段からの研鑽が稔っていると感心することしきり。5つ☆
Ⅲ:「ダーティー・ドール~ダリオ・フォ&フランカ・ラーメの『良くある話』より」は、シアターX一人芝居研究会のメンバーの中から演技・石井 くに子さん、ピアノ演奏・志賀澤子さん、サックス・服部 吉次さん3名が出演した。ダリオ・フォはイタリアのノーベル文学賞受賞作家、フランカ・ラーメはその奥さんであるが、拉致され集団レイプされた経験を持つ。
 この予備知識を持っているといないでは、観方が相当違ってくるであろう作品だ。ダリオ・フォ自身が痛烈な社会批判をした作家であったから、アメリカからは入国を拒否されていたし、『良くある話』から採られている作で、このように突き放したタイトルの原本にも如何にもフォ夫妻らしい覚醒した意識が感じられる。またラーメの体験した凄惨な事実が、あらゆる女性にも襲い掛かる可能性のあることが多少の社会批判と、ちょっとコミカルな内容に、少女が大切にしていた襤褸人形との逸話を絡ませ、恐らくは人形のように男達に好き放題に弄ばれた許しがたい念をも重ねているのであろう。ラストは志賀さんの様々なアレンジに満ちたピアノ、服部さんのジャズの即興のような素晴らしいサックスを交え「猫踏んじゃった」が掛かる。この曲がこんなにも見事に箍を外してくれる名曲だということに感じ入った次第。5つ☆
タンスのゆくえ

タンスのゆくえ

浅草九劇

浅草九劇(東京都)

2020/06/24 (水) ~ 2020/06/26 (金)公演終了

満足度★★★★

観てきた☆ 久しぶりのお芝居、良かった☆
とくに山口、町田組が良かった☆

喜劇 ガン告知

喜劇 ガン告知

劇団ズーズーC

秋葉原ズーズーC劇場(東京都)

2015/02/07 (土) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

ちゃんと喜劇していました。

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2020/06/13 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★

第14回シアターX国際舞台芸術祭2020 3日目 2020.6.21 14時半 艘評価☆3つ

ネタバレBOX


 3日目も、出演は3組。出演順にⅠ:渡邊翼くん。タイトルは「導き」、誕生を迎えて26歳の青年である。洞窟のような空間に水の垂れる音を音響効果としてかなり長時間用いた。港 千尋 さんの洞窟に関するアルケオロジーがふと頭をかすめたが、渡邊くんのイマジネイションは、可成り素直なものであり、日本の男性の子供っぽさに驚かされつつ拝見していた。終盤、ダンスのみで表されるべき表現に台詞が露骨に入っていることから、ダンス等言語によらぬ表現をベースにする表現者を目指すのか、或は芝居の役者を目指すのか未だ決めかねているという感触を得た。日本の男子は、海外の同年輩と比べて極めて幼稚。もっと世界と向き合って己の頭で考え、行動を決定して欲しいものである。評価3

Ⅱ:今村よしこさん、タイトルは「cell」。cellは無論、細胞のcellであろう。無論、刑務所の独房や僧院・修道院などの独居室も表せば、党の細胞なども表すがメインテーマが生き物の物語だから、最初の解で間違いあるまい。ところで取り敢えず余程のハネッカエリでない限り、敗戦以降日本の男は戦争に関わって殺人を経験したり殺されそうになったことは殆ど無いから良いか悪いかは別にして余り突き詰めて生命を考えたことは無かろう。生命を真剣に考えなければならないのは、逆説的だが死と向き合った場合である。別に戦争でなくとも喧嘩坊主で命懸けの喧嘩を何度もやった奴ならこの辺りの事情は体得しており、無論それなりに大人である。これに対して女性は、赤ちゃん、幼女、少女、娘、女性と年齢を重ねる毎に身体自体が大きく変わるから、その中で体得してゆく精神の成長ものんべんだらりの男などより遥かに進んでいる。そんなこともあってか、本日3名の演者の中では、最も説得力のあるパフォーマンスであった。評価4

Ⅲ:ヤンバル小太郎氏、タイトルは「聖蛇ハブに聞く、命❕」この方、ソロダンスなのに自分の演じる身体パフォーマンスの武器は何処にあり、それが観客にとってどのような意味或は何らかの提起乃至はイマージュの喚起ができるのかを全く考えていないようである。即ち戦略・戦術が欠けているのである。金も演出家も無しでソロで踊るのであれば自ら演出をするのは当たり前。そも、このタイトルの“聞く”は、正しくは“訊く”ではないのか? アフタートークで見せた身体表現には、武術を学んだ者の持つ鋭い動きが見られたものの、自らが表現する者として立つ為に考えなければならないことが殆ど欠落しているように思われた。表現する者は、常に意識を欹てていなければならない。生き・目覚めている間、意識が常に目覚めていること、それこそ表現する者の第一の資格である。猛省されたい。評価2
第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2020/06/13 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

第14回シアターX国際舞台芸術祭2020 2日目
 2日目も、出演は3組。出演順にⅠ:加世田剛さん Ⅱ:藍木二朗さん Ⅲ:巻上公一&伊藤千枝子さん 3作品総合評価 華4つ☆

ネタバレBOX



I:加世田さんの演目は「Bio」、生命とは何か? 何の為に生きているか? を問い言語化し得ないもの・ことを身体パフォーマンスで表すことを目指した。武術的ダンス劇団“SPINNIN RONIN”を主宰する他、映像・舞台を融合させたパフォーマンスグループENRAのメンバーでもあり、全米武術大会で3度優勝の輝かしい経歴を持つ。
 身体能力の高さ故か、動きに軽みが感じられる。背景に流れる音響は、英語で語られた様々な演説などを分解再構成したものが主で、話者の声質の高低が身体パフォーマンスと可成りマッチし、現代のパフォーミングアーツや二次元芸術の流れともマッチして居る為、自分には情報の海に溺れ漂うépaveのように感じられた。音響に南部の黒人女性シンガーの歌うゴスペルのような憂いに満ち荘重でもある音響を入れ、武術の動きを対比するように剛の動きを入れ、今作の主たる動作であった柔とも対比させたら尚面白い作品に仕上がったように思う。殊に最近の表現は歌唱や絵画・写真・映像など2次元表現にしても、他の現代作品の引用や、コラージュなどが多いように思われるばかりでなく、余りにありきたりで陳腐な価値観に収斂する作品が多いように思われる。バンクシーも結構様々な作品やキャラをベースにするが、彼が根底に持っているアンチ消費社会性や、絶望に打ちのめされた人々の持つ昏い目の描き方の持つ衝撃力、彼自身の視座としての皮肉な眼差しなどが、彼の作品を独自なものにし、際立たせている点で凡庸な表現者の追随を許さないのだろう。日本人の特徴の一つとして体制順応、言い換えれば寄らば大樹の陰的な発想があると考えられるがアーティストにとっては矢張り独自性の方が大切だろう。己の表現の独自性を更に追及して欲しい。4つ☆
Ⅱ:藍木さんの演目は「変異体少女」当パンの説明には、“一人の少女が、世界に背を向け、サイバーデータ空間に、引きこもった。新たな種族になるために。”とある。が自分は、基本的に当パンを読まずに舞台を拝見し勝手な解釈をするのが楽しみの一つということもあってこの文章を書くまで当パンに目を通さなかったのはいつも通り。で、変異体という単語に接して一番最初に浮かんだのは、F1人災による突然変異である。が作品を拝見しつつ感じていたのは、音響が宇宙飛行士と地球の例えばNASAとの交信のように思えたことも含めて宇宙空間で殆ど絶対的な孤独という体験をしながら無重力空間を彷徨う少女のイメージであった。話は変わるが踊っているのは男性なのだが、セーラー服を着ての踊り方は実に女性的に見えた。ところで歌舞伎では現在女性も男が演じている訳だが、所謂女形の歌舞伎役者に言わせると、女を演じるのではなく、男の中にある男性性を殺すのだとのこと。実際に我々ヒトは、男性であっても女性性をも持ち、女性であっても男性性をも持っている。その身体的特徴を殺すことで己の身体の中にある逆の性を表出させる訳だ。当然、実に自然な演技になる。自然に見える演技こそ、最も難易度の高い演技ということと同義であるから、歌舞伎役者の表現力は極めて質が高い。そんなことも想起させる舞台であった。華4つ☆
Ⅲ:巻上公一&伊藤千枝子さん。演目タイトルは「チャクルパ5アルハラララーイに声の雨」巻上さんはヒカシューのリーダーとして著名な方だからご存じの方も多かろう。極めて個性的な表現力を持つ多芸多才のアーティストである。ダンサーは伊藤さん。“珍しいキノコ舞踊団”を主宰しダンスは無論のこと、振付・演出・構成まで手掛け国内外で活躍してきた方だからご存じの方も多かろう。基本的には、カムチャッカ半島に住む先住民の祭り・アルハラララーイに呼応した巻上さんの喉声・所謂口琴を用いた音響パフォーマンスなどに、伊藤さんが連動したダンスでコラボするという公演で、お二人の個性が見事に交感してユニークで高品質而も愉しい時空を提示した舞台は流石。華5つ☆
俺も頑張る

俺も頑張る

オーストラ・マコンドー

ザ・スズナリ(東京都)

2020/06/20 (土) ~ 2020/06/22 (月)公演終了

満足度★★★

オープニング、最高だった。何回でも観てみたい。本編は、ラストの解放感のある演技が良かった。

謁見

謁見

やみ・あがりシアター

スタジオ空洞(東京都)

2020/06/18 (木) ~ 2020/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

無事女王さまにお会いして来ました。
口布を外すことはない女王さまには何か秘密がありそうな。そしてまた緑の目という新しい秘密も生まれて・・・。マスク着用という現実を逆手に取ったような作りも面白かったです。マスクは口元を隠しているだけではないのかも。
スタジオの鏡に映るというのも面白い趣向でした。

演劇の街をつくった男

演劇の街をつくった男

ACALINO TOKYO

小劇場B1(東京都)

2020/06/19 (金) ~ 2020/06/21 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/06/21 (日)

価格3,000円

21日13時開演回を拝見。

NHK朝ドラのテイストで語られた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を観た気分の、わかりやすく・親しみやすい内容の53分だった。
それから…本多一夫氏ご自身が登場するエンディングには、静かなシーンながらも、自然と胸熱になった自分に気づかされた。

なお、ウィズコロナの時代において、これからは、今日のような60分前後の公演が増えていくんだろうなぁ…と、当日制作の皆さんのコロナ対策用重装備の姿を見ながら、改めて感じさせられたことも付記しておく。

ネタバレBOX

【配役】
小劇場の役者・萩原莉子…中薗菜々子さん
本多一夫(過去)…林雄大さん
スナックのママ(過去)…大部恵理子さん
不動産業者・和田(過去)…杉山圭一さん
劇団員(現在・過去)… 石川啓介さん
劇団員(現在・過去)… 笠井里美さん
劇団員(現在・過去)… 野川雄大さん

珉亭バイト、語り…とみやまあゆみさん
特別出演…本多一夫さん
謁見

謁見

やみ・あがりシアター

スタジオ空洞(東京都)

2020/06/18 (木) ~ 2020/06/21 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/06/20 (土) 20:00

 興味深い芝居だった。
 とある国の女王が、戦争をしている相手の国の王子と結婚することで戦争を終わらせたのを祝って、平民と会うことにして、その「謁見」の様子を、短編集として上演する。高貴な人は平民には顔を見せず、平民も高貴な人と会う時には顔を隠す、という設定で、この時期に合わせた作品として巧妙な仕掛けが興味深い。加えて、短編集ということで、頻繁に休憩を入れているのだが、それにも笠浦らしい仕掛けがあるし、休憩時のアナウンスでMステをディスるという展開も巧い。それにしても、お座敷小唄が今の若い世代に分かるのかなぁ(^_^;)。

演劇の街をつくった男

演劇の街をつくった男

ACALINO TOKYO

小劇場B1(東京都)

2020/06/19 (金) ~ 2020/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

もう今年は下手すると劇場に行けないのでは…と不安になっていたけど、下北は不滅でした。 「演劇の街を作った男」は、この時期・この街・この劇場(小劇場B1)で公演されるべき作品だっただろう。
なんで舞台を演るのか?なんで舞台を観るのか?を考えてしまった。

ここ数ヶ月、オンライン演劇も新たなエンタメになってきたけど、劇場の空間・演者さんの圧、そして他のお客さんの反応は、やっぱりリアルがいいね👍

生で本多一夫さんを、演技を拝見出来たのも貴重な体験だったなぁ〜

俺も頑張る

俺も頑張る

オーストラ・マコンドー

ザ・スズナリ(東京都)

2020/06/20 (土) ~ 2020/06/22 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2020/06/20 (土)

初日の6月20日19時半開演回(100分弱)を拝見。

ネタバレBOX

自由な演劇を禁じられた?架空の国を舞台に、収容所に収監された3人の演劇人が、舌を切られ(このため、以降は「無言劇」として進行)、劣悪な生活環境の下で苦役を強いられる。
ただ、そんな苦境の中でも、3人は「演劇」を忘れられず…という、コロナ禍で自粛を強いられた演劇人の溜まりに溜まったマグマの沸るような思いを真っ向からぶつけられた(特に「ことば」が蘇ったエンディング!)100分弱の「マスク演劇」。

まず、上述の設定で無言劇の世界観に説得力を持たせたこと、更には、主に2種類の映像(「後藤剛範さん扮する収容所の所長の独白シーン」「収容所のミニチュアで描写する俯瞰シーン」)の使い分け等の細かな工夫に感心させられた。

次に、主演の3名が常にソーシャル・ディスタンスを保っているのに途中で気づき、驚いた…といった具合に、全体的に、ウィズコロナの世界における、一種の実験作としての色合いを強く感じた。

なお、延々と続く苦役のシーンに、途中、単調に感じたことも、敢えて付記しておく。

【出演者】
収監された3人のうちの主人公…カトウシンスケさん
収監された3人のうちの女性、他…清水みさとさん
収監された3人のうちの一人…豪起さん
収容所の所長…後藤剛範さん(映像出演)
収容所の監視員、手話をする女の子…小林風花さん
パノラマ制作・撮影…殖田育夢(ふえた・いくむ)さん
追放選挙

追放選挙

SANETTY Produce

新宿村LIVE(東京都)

2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★

橋本瑠果さん出演。
ゲームが元の2.5次元もの。公式サイトでは、「妹を見捨てられた復讐の物語」とあるのに、全然そんな話が見えず、あれ?と思ってました。舞台に見入って忘れた頃、最後に意味が分かりました。なるほど!と。
実は、僕が公式サイトと思っていたのは、ゲームのそれでした。舞台のストーリーは、その前段にあたるもののようです。
橋本瑠果さんはメインキャラの「アリス」役。ものすごいセリフ量を、淀みなく見事にこなしていました。

ネタバレBOX

時々赤い光が見えるのは、嘘をついた時のようです。まったく説明無いですが、そのうちに分かりました。舞台としてはあまり意味がないです。ゲームを知ってれば分かるのだとは思いますが。主人公は嘘が分かるという設定なのですね。
今出舞さん演じる苺恋。大きな鎖がなんなのか疑問でしたが、気にしても意味なかったです。
最後の投票で妹が参加するのが何故なのか分からず。終演後に、追放選挙をよく知ってる方にお話をうかがい。やっぱりよく分からず。wikipediaを見て、なんとなく理解したような、、、やっぱりよく分からず。
でも、ゲームやってみたくなりました。ps持ってないので、switchで出て欲しいです。
第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

第14回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2020

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2020/06/13 (土) ~ 2020/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

 シアターX主催公演なので各回たった1000円で観ることができる。次回は20日14時半開演。詳しくはシアターXホームページで。
 尚、初日は3作品を上演したので☆はトータル評価。各作品の評価は作品ごとにつけてある。

ネタバレBOX

 今回で14回目を迎えるシアターX国際舞台芸術祭(IDTF)2020。初日の6月13日14時半開演の公演を拝見してきた。3カ月近くも生の舞台を拝見していなかった我ら観客にとって、虚ろが世界を吸い込むように強烈な感覚と共に入り込んでくる生身の人間の持つぬくもりや3次元空間の広がりを、ダンス・パフォーマンス・音響・光・衣装の色彩等々に触発された我々の想像力が補完して舞台芸術を完成させるという、普段多くの演劇や舞台作品を拝見してきた者にとっては、当たり前の理屈になっていたものが、魂の渇きを癒す石清水のように流れ込んでくる感覚は、当に桃源郷もかくあらん、と感ずるほどのものであった。
初日の演目は3作品。今回のメインテーマは、 “『蟲愛づる姫』(「堤中納言語」に所収)とBiohistory=生きものの物語”と題されている。これは、第13回(2018年開催国際舞台芸術祭)のテーマが“かぐや姫avecアインシュタイン”だったことに呼応している。因みにかぐや姫の登場する「竹取物語」には紫式部も言及しており、日本の物語文学の祖として極めて高い評価を与えているが、それも当然のことと言わねばなるまい。何となればこの物語には、日本の物語の総てのパターンが祖型として組み込まれているばかりでなく、極めて効果的に組み合わされることで物語としても超一級の名作となっているからである。無論、「竹取物語」同様現在まで古典として残っている「堤中納言物語」も名作であるが、これほどの傑作が何故か二作品共に作者不詳であるという所が奥ゆかしいではないか。
さて、そろそろ上演作品各々の解説・評と参ろうか。
Ⅰ:「装蛾舞戯Moth Gathering」 ジェフ・モーエン&奥山 由紀枝さんのユニット、毛円ダンスの公演でシアターXのIDTF出演は2018年に次いで2度目だ。振付をモーエンさんが、衣装を奥山さんが担当した。この2人のダンスは、ゆっくりした動きの中にこそ活きる鍛え上げた身体の齎す見事な身体の力学的緊張をベースに、考え抜かれ極めて理性的な所作の展開と、用いられている十二単の色味を基礎にした赤・青・黄・紫などを繋ぎ合わせた大きな方形の布を用いつつ、蛾が命の盛りに炎の中央に吸い込まれてゆく習性をも織り交ぜ、この地球に生きるありとあらゆる生命の象徴として、誕生から死までを、そして再生をも表現したような作品であった。無論、身体表現以外の色彩、照明、用いられている音楽とのコレスポンダンス迄見事に融和し調和した傑作。評価は華5つ☆
Ⅱ:フランスのニナ・ディプラさんが2013年から毎年、来日してシアターXで行ってきたワークショップ参加者の中から4人の役者が集って演じた。ユニット名はニナ・メイツ。作品タイトルは「ニナ愛づる者たちのBIOhistory」全員ダンサーでは無いから作品コンセプトをどのように纏めるか? について迷いもあったのかもしれないし、コロナ騒ぎで大変な点もあったとは思うが、国も殆どの自治体も非科学的で非合理的即ち頓珍漢な対応しか取れなかった(和歌山県と鳥取県を除き)状況の根源にあるものをこそ、表現する者の持つイマジネイションや哲学で解き明かし舞台化してほしかった。4名のうち、男性が1名、他は3名の女優さんたちで、若いということもあるだろうが、表層レベルの表現に終わった点は、熟考の余地があろう。そういえば亡くなった小田 実さんが生前面白いことを仰っていた。民主主義というものを考える時、例えば多民族国家であるアメリカやフランスのような国を人種の坩堝と考えるより、サラダを考える。即ちメルティングポットのように各々の個別性を綯い交ぜにしてグチャグチャにしてしまうのでなく、個別性はキチンと活かしたままで全体として上手く機能するような社会、それが真に目指すべき民主制ではないのか? というような発想である、三密を避けるなど自分自身に向き合ってゆっくり考える時間はあったハズである。国も自治体も有効な策を採れないならば自分たちの頭でじっくり考えて新たな案を提案すること。これもアーティストの役割だろう。基本は、現在最も危機に陥っているファクト自体を探り当て、見極め、コロナ問題であれば、医学・科学・社会学・心理学・情報リテラシー・情報共有方法・プライバシー保護方法・対処療法収集及び分析・生活保障方法などの対策を具体的事実を集積すると同時に分析しその結果を活かしつつ新たな情報、情報共有手段ネットワークを構築、事実のみから演繹された結果を合理的・科学的に統合しつつ、基礎になる感染症の基本対策即ち罹患者と非罹患者との隔離を徹底する為の罹患者集団の社会階層や職種、罹患条件の明確化を図ることによって次のステップへの合理的絞り込みの確立を上げる等々。即ちファクトを基に合理的検査手法の喫緊な実施と治験に繋がるような研究も為されなければならなかったが、それを実際にやったのは、本当に事態を憂い自分たちの頭を用いて考え実践した研究者、企業を含むサポーターたちであったのは如何にも日本らしい。文科省や厚労省がやったようにラボや大学研究機関を活用させない方法とは逆の徹底活用とスタッフケア等々及びジャンル横断的知の結集等じっくり考えて頂きたい。こんなに細かいコロナ対処を書いたのは、無論死と生の間で生きている間に自分と世界(自分を取り巻く状況や環境と言っても良い)との間に生きて働く思考を打ち立ててもらいたいからである。小田 実さんの「サラダ民主主義」の場合でも個々の自由を極力阻害せぬが他者に何でもしていいということにはならないような社会的器は当然創らなければならない。でなければ表現の普遍性に必然的に収斂するような作品作りにしなければ、少なくともアートとは呼べまい。サラダ的でありつつ、傑作とされるような芸術作品として自分はカンディンスキーの初期コンポジッションを挙げたい。このような作品をものする為にカンディンスキーは点・線・面という絵画表現上の根本的問題をキチンと考えていた。今作評価は☆3つ。
Ⅲ:仲野 恵子 「生命潮流未知=ライフタイドX-300才(歳)のおどる虫の女の子」仲野さんのソロ。300年を生きる虫の生々流転と見紛うような生命誌。年齢によらず、精神は童女。(女の童と表記したい所だ)用いられている曲も当に子供のような歌い方で歌われた童謡で、虫なのにメスではなく女の子とされている点や、ご本人のはにかみなどの全体が、舞台奥で踊ったこと等にも表れていて、キュートである。どちらかといえば感覚に頼る部分が多い表現者とお見受けしたがダンサーとして身体全体を躍動的に用いるのが常態であるのに、一瞬、左腕だけ脱力させたようなシーンがあって、これを方法化したら天才的な躍りになり得るのではないか? ということを考えさせてくれたダンサー。評価は☆4つ。
オーディエンス【機材トラブルのため生配信中止】

オーディエンス【機材トラブルのため生配信中止】

本多劇場グループ

「劇」小劇場(東京都)

2020/06/14 (日) ~ 2020/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

観たい!演じたい!という演者側・観客の想いが込められた作品です。

「劇・小劇場」の客席で繰り広げられる群像劇…ホントの客席で行われてる。
普段であれば舞台上に客席もどきを作るのだろうが、こういう事情だからこそ
実現できたというのが皮肉だよな。。。

これ、舞台側から生で観たい。


配信トラブル。。。致し方ない部分が多い。
知っている劇団ということもあり、それほど心配もしていなかったし、怒りは全くないです。

ただ、これが初見の劇団やLIVE配信であったならば、いまどうなっているのか、がなかなか発信されず、
またこの後どうなるのか(どうすればよいのか)の周知が後手に回ってしまった感はある。
これをよき経験にして欲しい!

ネタバレBOX

マツナカさん・・・10周年記念公演「うつくしい革命」の彼女と同じ名前だった。EDの写真も、その公演のモノ。
なにか繋がりがあるのか!?
初演版 -阿呆船-

初演版 -阿呆船-

吉野翼企画

バルスタジオ(東京都)

2020/06/10 (水) ~ 2020/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/06/11 (木)

価格3,800円

「野外劇 新譚 糸地獄」(2018)、「疫病流行記」(2019)に続き、今年も、岸田理生アバンギャルドフェスティバル「リオフェス」の演目・「初演版 -阿呆船-」(130分弱、途中休憩込み)を幸いにも観劇することができた。

私には初見の作品。事前に「予習」していこうかとも一瞬考えたが、過去2年の「リオフェス」体験を踏まえて、敢えて白紙の状態で拝見。結果、相変わらず理解は及ばぬものの(観劇後、「復習」したんで、概要はつかめました)、今回もまた…いや、今まででイチバン、舞台から湧き起こる熱量に圧倒され、只ならぬ高揚感を覚えた130分弱だった。

あと、本公演におけるコロナウイルス対策について触れておく。
会場内の消毒は、開演前及び換気も兼ねた3回の途中休憩の間じゅう、出演者の数名がモップやダスターで床を消毒。さらには、客席を回って観客の手を消毒液をかけたりと、かなりこまめに行っていた。
ただ、開演前も途中休憩時もだが、あくまでも劇中の人物然とした振る舞いに、違和感は微塵も感じなかった。
それから、出演者全員、マスク着用での演技だったが、ペイントや造作を施されたマスクは完全に衣装の一部と化し、これまた、違和感ゼロ!…消毒・マスク着用演技共々、演出等の皆さんの創意工夫に頭が下がる思いがした。

眩惑のマゼンタ※当公演は無観客公演となりました

眩惑のマゼンタ※当公演は無観客公演となりました

劇団ゴールデンタイム!

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2020/04/06 (月) ~ 2020/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

DVD版を観劇。。
まず、このコロナ流行の中このような形でも作品を制作した公演参加者の皆さんに感謝

観たあと心がとてもしんどくなり、感情を掻き回された。。
是非、再演で舞台上でこの作品に出会いたいと強く思った、、

ネタバレBOX

北方→最初は少し嫌味もあるが頭の固い真面目な人って印象だったが、ダンスホールでメリーに会ってから、一気に社会的には落ちていく様子が怖かった。。。また、ダンスホールに向かう以前は、学校内というある意味狭い世界にいた事で、自分の作品が世間的にどう思われているかを知らなかったのだと思った。それが、人が多くいる所に通うようになり、どんどん自分の作品が世間的には好奇の目で見られてる事に気づき感情的にも荒れたのだろう。。
中盤のシズを殺してから、どんどん壊れていき、最後の屍食鬼のシーンは恐ろしくも美しかった。。

粕壁→前作のギヤストを知っていたのではこの変わり様に驚いた。。こんなに真面目で国民の為に行動していた人が、・自ら友人を殺し、・昔からの親友がどんどん壊れていき最後の屍食鬼の場を見る、・最後は友や上官からやってもいない罪をなすり付けられる
これは壊れても仕方ないと思ってしまった。。
前作を観た人は、よりこのギャップで粕壁を好きになると思った。。

メリー→最初の登場でとても美しく、この女性と出会った事で、北方の運命は変わった。。
どんどん壊れていく北方がどんな風になるのか見てみたいという、ある意味最もタチの悪い行動が結果的に最悪の方向へ向かわせたのだろう。。
北方がどんな行動をしても決して責めずに、味方でいる事でより取り返しがつかなくなったのだろう。。最期の場面は恐ろしく美しかった、、あれは、是非舞台上で観たいと強く感じた。。

与謝野→個人的にこの役者さんのこういった役は初めて観るので、どんな感じか予想つかなかった。。
序盤の、大杉・伊藤・宗一たちとの会話のシーンでとても元気なおばちゃん感がありとても好みだった。。。それでいて、意志の強さがカッコよく、関東大震災の後でも決して気落ちせず前を向いている姿勢は、強い女性の象徴だと思った。
また、北方はこの方には手を出さなかったことが、恩義を感じ心から尊敬していたからこそなんだと思った。。

清→とても穏やかな男性で現代でもとてもモテると思った。。終盤の北方との互いの自分語りのシーンは、自分と北方が境遇は似ているが、光と影の対比をさせたいという演出の狙いがあったのかと思った。。この方と幸子は本当に幸せになって欲しかった。。。

幸子→服装から見た目から、ザ・モダンガールという感じで、服装の色もあり明るく華やかで若さ溢れるという感じだった。。
清への惚気を言ったり、この2人のカップルはとても見ていて幸せになって貰いたいと強く思った。。。
最後まで、強く生きようとしていて、頑張りが辛くなった。。。

三好→途中観ていて、物凄くこちらの予想を裏切られたという印象。。。最初は良い人だと思っていたら、自分の私利私欲の為に行動するというのが衝撃だった。。改めて始めから観直すと、幸子が誰とは言っていないのに北方と断定したり、ダンスホールで何度も通う北方が三好がと誤魔化した時にポロっと本音を言ったりと、要所で北方への心の底の思いが見えた。。

吉永→ 頑張る女の子という感じだった。。中盤の北方の噂話しをするところは、今いる噂好きの女子という感じがした。。
終盤の最後のシーンは、衝撃的で恩義ある北方からあんな風にあうとは予想していなかった。。
この最後がある事で、ラストの怒涛の絶盤が始まるのが印象的だった。。

大杉→アナキストとして、色々な事を経験しており、元気で力溢れる御仁という印象だった。。この方が北方を飲みに誘わなければ、悲劇は起きなかったのだと思ってしまった。。。自分の探究心に素直で真っ直ぐに生きるのは、カリスマ性を感じた。。
また、宗一が殺された後も北方の事を信じたいという優しさが伝わってきた。しかし、目の前で伊藤を傷つけた事で情を捨てて立ち向かう姿がかっこよかった。
定点映像で観た時の最期のシーンの裏の動きが、より屍食鬼の状況の悍ましさを客観的に写していたのだと感じた。。。

伊藤→ 活発さのある印象。。伊藤を演じている役者さんはよく見るので、こういった力強く元気ある役のイメージが強い。。また、今回は力だけでなく大杉と北方の喧嘩にもノリノリだったり机を乗り越えたりとよりお天端・アグレッシブさが強かった。。。
最期のセリフは、身体の奥底から叫び出している様子で憎しみ・悲しみ・怒り・あらゆるマイナスの感情をぶつけられた様であった。。
それだけ、大杉・宗一の事を大切に思っていたのが痛いほど伝わってきて苦しかった。。。

宗一→6歳とは思えないしっかり者で、大杉や伊藤、母親の事をとても大切に思っていることが感じられた。。。また、恩義ある人にはとても大切に思っている子で、震災後も自分よりも吉永さんや母親の事を思いやる素晴らしい子どもであった。。将来素晴らしく立派な男性に成長するだろうなというのが感じられたから、最後が辛かった。。。
   
森山 →若き軍人。ちょっといき過ぎた部分もあるが、当時の時代背景を省みるとこういった憲兵軍人は多いのだと感じた。。。国家安定の為という思想を強く思った行動をする当時の大日本軍人なのだろう。。市民への粛正をするのも、ある意味だと国家安定の為の意志だと思った、、

小泉 →個人的に、1番悪い人という印象だった。。自分では手を出さず、部下に指示をし粛正をさせ、いき過ぎた行為は部下に罪をなすりつける、、1番ズルい立ち位置だと感じた。。正に「智将」という言葉が最も似合う印象だった。

鶴蝶→正に、あねさんという人で、かっこよく頼もしい方。この人自身も辛い出来事があったからこそ、自分と同じ境遇の人を守る場所を作りたいという思いで作ったのだろう。。中盤の北方へのメリーに対してのセリフは、本人としては発破をかけているつもりなのではと感じたが、結果的にはこれも北方の心を壊すきっかけになったのだと思った。。また、文学に対してある程度の知識があった為に、おかしさに気づいてしまったのだろう。。。

藍→美しく可憐な人という印象。。粕壁が酔ったあとも、ダンスホールまでわざわざ運ぶのは面倒みのある優しい人なんだと感じた。。。関東大震災が無ければ、あんな事にはならずに粕壁とも良き友人でいられたのに、辛くなった。。。
最後のシーンは、前作のギヤストを知っている者として、皮肉に感じてしまった。。。

シヅ→この人が個人的に不憫で仕方なかった。。
現代なら、北方の方が圧倒的に悪者になるだろうし、納得できないだろうというのが強く感じた。。
この役を行った役者さんは、こういった役のイメージがなかったので、とても怖く、悪女という感じ
「不憫な悪女」というのもなんか不思議な感想だが、この役の印象はこれに尽きる気がする。。

稲葉 →前作のギヤストからの登場人物で、この方が北方の所へ訪問する事でこの物語が始まった。
この人の元気さで、事件後の北方の心も少しでも癒されたのではないかと思った。。。
また、この役者さんは急遽代役で入ったのに、本当に凄かった。。お疲れ様でした。。。

このページのQRコードです。

拡大