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ほんとうのハウンド警部

ほんとうのハウンド警部

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/03/05 (金) ~ 2021/03/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ややこしい芝居ということで予習をして出かけた。YouTubeには英語版の"The real inspector Hound"がいくつもフルサイズでアップロードされている。英語字幕は出せるが日本語訳はなく雰囲気を感じながら早送りするだけであるがそれでも相当に変な劇であることは分かった。この時点では劇中劇に犯人をおびき出して罠にかけるというミステリーかなあと思っていた。

日本語の舞台を観るとさすがに凡そのことは理解することができた(と思いたい)。ややこしいとは言っても哲学的に難しいとか抽象的で意味不明とかいうことではない。エンディングは
 「実は…でした」
 「そんなアホな」
 チャンチャン
というノリである……のじゃないかと思う(滝汗)

無名の作家が無名の役者を集めて作った舞台なら「わけわからん」で済ますところだが、トム・ストッパードの作品をこれだけの陣容で演じるのだから凄いんだろうなあと思って観ていると、面白いような気がしてくるので、そう思うことにしようというところか。
…そして「あらすじ」を書くつもりで振り返ってみるとどんどん仕掛けが見えて来るのだが、分析して「面白い」ことが分かってもそれが「面白い」のかどうかは(いつものことではあるけれど)また別の話である。

ネタバレBOX

登場人物および不登場人物

ムーン = 演劇評論家 = 生田斗真
バードブート = 演劇評論家 = 吉原光夫
ヒッグズ = ムーンより上位の評論家 = ?
パッカーリッジ = ムーンより下位の評論家 = ?

アルバート・マルドゥーン卿 = 荘園の主、10年前から行方不明 = ?
シンシア = マルドゥーン夫人 = 峯村リエ
マグナス・マルドゥーン少佐 = アルバートの異母弟、車椅子生活 = 山崎一(二役)
フェリシティ・カニングハム = シンシアの友人 = 趣里
ドラッジ夫人 = 家政婦 = 池谷のぶえ

サイモン・ギャスコイン = 女たらしの訪問者 = 鈴木浩介
ハウンド警部 = 山崎一(二役)
ウィリアム・マッコイ = サイモンと昔トラブルがあったカナダ人 = ?
死体 = ? = 手塚祐介

設定はアガサ・クリスティの戯曲「ねずみとり」に倣っているという。「ねずみとり」は「ハムレット」の劇中劇の題名である。王と王妃が劇中劇の王と王妃にシンクロするということがこの舞台「ほんとうのハウンド警部」と共通する。

開演
劇中劇開演前の客席にムーンがいる。やがてバードブートもやって来る。ムーンはいつもヒッグズの代理であり、ヒッグズがいなければ良いのにと嘆いている。バードブートは出演する女優の一人と関係を持っており更に別の女優にも関心を持っている。

劇中劇第一幕
人里離れたところにある広大なマルドゥーン卿の荘園内の屋敷。
ラジオの放送があって狂人がこのあたりに出没していてハウンド警部が策略をもって捜索しているという。
そこに放送があった容貌にピッタリのサイモンがやってくる。サイモンはフェリシティとシンシアの知人である、というかどちらとも関係を持っている。
マグナスも合流して4人で微妙な会話のポーカーをする。
シンシアに思いを寄せるマグナスはサイモンとの関係に気付きサイモンを脅して去る。
シンシアもフェリシティとの関係を疑いサイモンを殺すと言って去る。
劇中劇第一幕終了

劇中劇第二幕
お茶の時間があってからハウンド警部が登場する。ここでようやく舞台上に最初から横たわっていた死体が発見される。誰も知らない人物である。
皆が退場したところにサイモンが登場するも何者かに撃たれて死んでしまう。犯人は誰だろうかが強調されて休憩になる。
劇中劇第二幕終了

ムーンは自分の更に下にはパッカーリッジがいてパッカーリッジは上の2人がいなければ良いのにと思っているだろうなあと複雑な気持ちを語る。

劇中劇第三幕(=第二幕アゲイン)
バードブートが舞台をウロウロしていると小道具の電話が鳴る。ためらいながら出てみると妻からの浮気を疑う電話である。
ここから現実と舞台の境界が怪しくなる。
バードブートがまだ舞台にいるうちに劇中劇はなぜかまたサイモンの登場シーンから再開する。バードブートはそれに気づかないのかフェリシティ役の女優とシンシア役の女優にちょっかいを出す。一方で女優たちはバードブートをサイモンだとして台本通りの芝居をするのだがなぜかこれがピッタリと合ってしまう。サイモンと同様にバードブートも殺してやると言われる。
劇中劇第三幕終了

休憩になって、バードブートは舞台上の死体はヒッグズであることに気が付く。そしてバードブートは「すべてが分かった」と叫ぶと同時にサイモンと同様に誰かに撃ち殺される。

劇中劇第四幕(解決編)
ムーンが駆けつけるといつの間にか劇中劇の解決編が始まっている。
ムーンは客席に戻ろうとするがサイモンとハウンド(役の俳優というべきか?)に席はふさがれていて舞台に留まらざるを得ない。常々脚光を浴びることを願っていたムーンはついつい舞台上の配役からして期待されているハウンド警部の役をやってしまう。やる気満々のムーンはそこまでの伏線を挙げて推理し犯人を名指しするのだが死者(=ヒッグズとバードブート)は全く見知らぬ人であり殺すはずはないとすべて否定される。そしてマグナスに「唯一関係があるのはお前だ」と言われ、犯人にされてしまう。そしてマグナスは車椅子から降り変装を取り去って自分こそが本当のハウンド警部なのであり、罠を張ってこの日を待っていたのだと告げる。ここでムーンはマグナスがパッカーリッジであることを知り危険を察知して逃げようとするが撃たれてしまう。更にマグナスは実は自分は失踪していたマルドゥーン卿であって10年前に記憶喪失になってからはハウンドという名前で警察に勤め昇進して警部になっていたと語る。今回の作戦でここに戻って来て記憶を取り戻したのだと誇らしげに言いシンシアと抱き合う。マグナス=ハウンド警部=マルドゥーン卿=パッカーリッジを罵りながらムーンは息を引き取る。
劇中劇第四幕終了
終幕

このあらすじを読んでもメタとの融合の面白さは伝わらないだろう。それにストーリーと直接関係しないようなセリフは全部スルーしている。少しでも興味を持たれた方は配信があるのでそちらをご覧いただきたい。

原作では最初に現れるハウンド警部は偽物という設定だ。ハウンドの最初の登場シーンではハウンドとマグナスの会話があるし、初演の記録でもYouTubeにある[1]でもハウンドとマグナスは別の役者が演じている。この舞台では演出の小川絵梨子さんが最初から本物のハウンド警部が登場する設定に変えている。そのため山崎さんは非常に出入りが忙しくなって、より喜劇性が高まることになった。ただし改変の度合いが大きいので原作にも二つのパターンがあるのかもしれない。

*和訳本が見つからなかったので、まったくの翻訳ミスによる勘違いがあるかもしれない。また参考文献に挙げた石田氏の博士論文は非常にためになった。私の文の中に少しでも気の利いた考察があればそれはこの論文によるものである。

参考文献
[1] The Real Inspector Hound - Portland Community College - Spring 2014 Play, https://www.youtube.com/watch?v=2FONFHaYSVY
[2] 石田由希「エリザベス朝演劇と現代イギリス演劇にみるメタドラマ」第二部第6章「認識の解剖 ―『本物のハウンド警部』における劇場と劇評家―」、福岡女子大学博士論文2014
http://www.fwu.ac.jp/lib/uploads/ck/admin/files/hakuron_4.pdf
http://www.fwu.ac.jp/lib/uploads/ck/admin/files/hakuron_1.pdf も見よ。
ロミオとジュリエット【4月27日~5月10日公演中止】

ロミオとジュリエット【4月27日~5月10日公演中止】

宝塚歌劇団

宝塚大劇場(兵庫県)

2021/02/14 (日) ~ 2021/03/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「ロミオとジュリエット」、大好きな演目です。宝塚歌劇と梅芸で何度か観ました。
ロミオ役、トップの礼真琴さんはしゃべる声も歌声もとても好みですばらしかったです。でも他の方で歌で印象に残った方はおらず、気持ちが入っていかなかったです。残念でした。
レビューのデュエットダンスはすてきでした。
一番安いB席は小劇場の観劇代と同じくらいなので、皆さん一度観劇を!

「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜

「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2021/03/17 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

初めて観劇する劇団さん。独特の世界観と演出。好みなのだと思うけれど、僕はちょっと合わなかったかな。大声で熱量メインで見せる芝居が苦手で、引いてしまった。群読のように声を合わせてセリフを言う演出は好きだったけれど、声が響き過ぎて何を言っているのか聞き取れなくなってしまっていたのが残念。

岬のマヨイガ

岬のマヨイガ

特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

神様の人形たちと舞いが、めちゃくちゃ綺麗で魅了された。ずっと観ていたいと思うくらいに。
生で奏でられる音楽も良かった。
セットは何もなく、いくつかのパネルとテーブルなどで場面が作られる。物語が終わった最後、何もないガランとした舞台だけになった時、まるでそれまでの時間が山だったかのような感じがした。

サイレントBOMB!

サイレントBOMB!

なにわニコルソンズ

神戸三宮シアター・エートー(兵庫県)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本作はコロナをテーマとしたコロナならではの演出。脚本演出である木下半太監督は劇団活動以外にも有名小説家であり、多数映画化されている。サスペンス作品も多いが本作は木下監督のコメディのレベルの高さを感じることができる。脚本の素晴らしさはさることながら、誰でも入団できる劇団を謳っているが芝居の要となる演者は皆プロで活躍する役者達なのでジェスチャーやセリフによる間のとり方、確実に笑いをとってくるのでこちらも安心して笑える心地良さだ。
本作は短編7編で構成されている。オムニバスでありながら一見なんの繋がりもないストーリーに感じるのはジャンルの多様さにある。まるでアイザックアシモフを彷彿するSFの一編やシチュエーションコメディをオマージュした一編、そうかと思えば日常2人芝居にメタ発言をぶっ込んだ一編。ここでも木下監督の底知れない才能を垣間見れる。
コロナにより人々が接触を避けなればならない状況にさらされ、満足なコミニュケーションがとれない中、心の繋がりがより重要視される。本作全ての作品に繋がることは心の繋がりである。
観劇後は笑いによる爽快感、そして心の充実感で満ち溢れた。
コロナは終息を迎えようとしている。コロナは私達の生活に災いしかもたらさなかったが、本作を観て人との絆の大切さを思い知ることができ、心の成長の糧になったのではないかと考えさせられた。

このような重いテーマにもかかわらず、さらりとやってのける木下監督はすごいとしかいいようがない。

このテーマに気付けない人間はこの先観劇をしても時間と金の無駄遣いである。金をドブに捨てる前にコロナで窮困している医療機関に募金することをオススメする


聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

前知識として。元々オーストラリアはイギリスの流刑植民地であった。囚人達が次々と送り込まれてくる流刑地。原住民であるアボリジニは類人猿と見做されていて、1967年まで人権は与えられなかった。
休憩10分含む二幕2時間40分。舞台美術、小道具、衣装、メイクと全て本気度を感じさせる。不穏なBGMも良かった。蝋人形のように袖で突っ立っている役者が出番と共に動き出す張り詰めた緊張感。
19世紀、オーストラリアの荒野にぽつんと佇む安宿。その地では開拓民と原住民アボリジニとの間に頻繁に事件が多発。そこに流れ着く三人の訳有な放浪者。安宿には女主人とアボリジニの義理の娘とが暮らしている。
何かセルジオ・レオーネの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』を観ているような感覚になった。マカロニ・ウエスタンのあの肌触り。この空気感だけでずっと観ていられる。
勝手な偏見だが、女主人ノーラ役月船さららさんはこれが一番本人に近い役なのではと思ってしまった。悪魔みたいに美しい。
余りにも邪悪な男、いわいのふ健氏扮するガウンドリーのその果てしのない醜悪さが不快感を超越して、文学の域にまで達している。そこには直視するべき人間がいる。いわいのふ健氏の狂気の当たり役、必見。
アボリジニと白人の混血の少女、オビーディエンス役の小池のぞみさんも秀逸。メイクなしの別の役柄も観てみたい。
西本さおりさん演じるリンダの獣のような咆哮のインパクトが耳奥に木霊する。
出演する全ての役者が素晴らしい。
名台詞が多く、決まりに決まる。
「涙を見せない女は危険だよ!それは私だからさ!」
「ランプを点けとくれ、夜が近寄らないように。世界にあたし等がここにいるってことを伝えなければ。世界の方は誰も見てやしないけれども。」
エンニオ・モリコーネに曲を書いて貰いたかった。
まさにこれぞ観たかった作品。

ネタバレBOX

アボリジニ(原住民)のことを黒人と訳しているのが気になった。差別的な表現だが、土人の方が良かったのでは。アボリジニ以外に奴隷として連れて行かれた黒人が別にいるのか混同してしまう。
繰り返される台詞、「貸しと借り」、「どれだけの地獄を見て来たか」、心の傷を癒やす為に他の誰かを滅茶苦茶に傷付けなくてはいけない人間の性。梶原一騎の名言、「人間の性、その実悪なり!」みたいな気分。
「あいつは俺の毛布だ。俺にはあいつがいなくちゃ。」舌を切り落とされ顔を潰され両親を殺した男に尚性的玩具として帯同させられる少年。
『ラストムービー』のように酩酊し、『地獄の黙示録』のように混沌とする寓話。
残虐な昔の事件のあらましではなく、オーストラリアと云う国の成り立ちをその末裔として語っている作品である。邪悪な心を病んだ父親と歪んだ愛に飢えた母親との間に、血の繋がらない舌を切られた子供達がいるラストの構図が神話的。
BJCの『悪いひとたち』が流れてくるようだ。『悪いひとたちがやって来てみんなを殺した 理由なんか簡単さ そこに弱いひとたちがいたから』。
聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 タイトルの聖なる日は、誰にとっての聖別の日なのだろうか? オープニング・エンディング共にアボリジニの民族楽器・ディジュリドゥの唸る大地のような不思議な音をベースに別種の太い木管楽器2本を用いた演奏が流れる。この壮大な劇を、今演じる俳小の見識の高さ、取り組みの真剣な姿を先ずは高く評価したい。因みに今作は、日本初演である。(華5つ☆追記2021.4.4)

ネタバレBOX

 ファーストシーン、ラストシーンは共鳴するかの如き創りになっているが、ラストシーンのそれは思わず背筋が凍るような衝撃を与える。原作者・アンドリュー・ボヴェルは、現代オーストラリアを代表する劇作家とのことであるが、白人である。然し彼は書いた。植民期に白人達が先住者・アボリジニに対し何をしたかを。
 無論、作中に描かれる具体的な非人間的行為は流罪に処された犯罪者達のものだけだが、宣教師やキリスト教教会による犯罪者を利用しつつの植民と相俟っての教化、アンダーディベロップ論というイデオロギーによる植民政策正当化による差別という人類そのものに対する犯罪を炙り出すと同時に宣教師とその妻エリザベス、曖昧宿を兼ねた簡易宿を経営するノーラ、ノーラの娘として育てられているオビーディエンス。何故オビーディエンスをノーラが育てるに至ったかについての事情。エリザベスに代表されるヨーロッパ流普遍主義のドグマ化と傲慢が、ノーラの人間的で根本的な感性に裏打ちされた生き方とが対峙するサブストーリーも実に深く考えさせる主題だ。ラストの光景はオビーディエンスに関わるものだが、実際背筋が凍るような結末である。
ほんとうのハウンド警部

ほんとうのハウンド警部

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/03/05 (金) ~ 2021/03/31 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/03/20 (土) 18:00

2度目の観劇。2日目に観たときには会場の笑いが少なかったが、この日は客席からの笑いも多く、演劇評論家が演劇の物語に取り込まれるという不条理コメディとして面白いものになっていた。

岬のマヨイガ

岬のマヨイガ

特定非営利活動法人 いわてアートサポートセンター

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/03/20 (土) 13:00

東日本大震災を題材に、岩手の民話も含めたファンタジー的作品。面白いし見事。
 柏葉幸子による同名の児童小説をベースにして、serial number の詩森ろばが上演台本・演出を担当した作品だが、小説は読んでいない。「マヨイガ」とは「迷い家」のこと。
 物語は、震災の直後にある事情から「家族」として一緒に住むことになった山名キワ(竹下景子)・結(栗田桃子)・ひより(井上向日葵)と、彼女らを迎える村の人々、そして、なぜかキワが会話できる座敷童や河童などが展開する物語。ファンタジーで、歌や踊りなども入れエンターテインメントとしても素晴らしい作品だった。影絵を使ったプロジェクトマッピング、素速い転換でダイナミックに変化する舞台美術、生演奏と効果音を舞台上手脇で演奏し続ける鈴木光介も含め、総合的な舞台ができ上がっていた。メンタルな理由で口がきけない9歳の設定ながら、ストーリーテラーとしてほぼ出突っ張りの井上が見事。

聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本団体は3回目の観劇でしたが、演者のみなさんのお芝居、演技力はとても素晴らしいです。今回作品も少し難しいとも思いましたが、とても分かりやすく、よかったです。内容は悲しいお話しでしたが、このような事実をきちんと伝えることは大切なことだと感じました。アフタートークも勉強になりました。

共生

共生

さんらん

アトリエ第Q藝術(東京都)

2021/03/17 (水) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

第Q藝術は二度目。以前は客席少数でフラットな印象だったが、今回は割と競り上がった階段客席の、中央通路にも座席が追加され満席、見下ろすように眺めた。(75分という小品だから組めた客席だろうか。繰り言になるがコロナ以降の感覚、以前に戻る事はあるのだろうか・・。)
このスペースは狭いのだと開演後に気づく。中程度のホールでは標準だろう声の張りが序盤耳につき、ある場面で高温の張り上げ声が耳を刺したのはきつかった。殊更な「元気」は芝居の薄さを埋める手段(と言ってしまうには声量は演劇の常套、否演劇の機能ですらあるが)かと雑念が頭を巡った。
が、作劇家尾崎氏の豊かさ(を思わせるうまさ)を賞味する時間、俳優の演技と声量のモンダイを超えて訴えるものがあった。

象に魅せられた現代の女性活動家が、同様に象と所縁ある人生を送った父親(70年代)と祖父(40年代=戦争の時代)の逸話を紹介し、回想式に再現されるという芝居。象は一人の女性が舞いで表現し、ファンタジックな作り。しんみりしがちな話だからか溌剌と元気よく、が基調。悲劇性の強い戦時の動物園の動物たちの帰芻、現代の女性(語り手)の領分であるアフリカでの動物保護活動(死と隣り合わせの密猟者との戦い)を描きながら、中心は父親が取り組んだ百貨店屋上の子象の処置を巡る、一世と三世とを繋ぐハートフルなお話。
この二世の逸話にも依るが三世代に亘るこの物語をいつか前作並に書き込んだフルバージョンが観たい。(いやこれが全てですと言われるかも、だが。)

聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

重厚な雰囲気で、目を背けたくなるような残虐な場面やサスペンス要素もあり、観応えのある舞台でした。差別や迫害、支配、色々考えさせられる事がありました。役者さん達の演技力がすごいので、現実にあった事だと思うと本当に怖かったです。ウィルスも天災も怖いけど、本当に怖いのは人間かもしれないと思いました。心に刺さる舞台でした。

方丈の海

方丈の海

方丈の海2021プロジェクト

座・高円寺1(東京都)

2021/03/12 (金) ~ 2021/03/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

不思議なお話でした。最後までこれは現実(あくまでお話としての)なのか、もしかしたら本当はみんな霊とか意識としてしか存在していないのではないかと思えてしまいました。
あれから10年。今の日本を見たら石川さんはどんなお話を書くでしょうか。

サンサーラ式葬送入門-自在篇-

サンサーラ式葬送入門-自在篇-

feather stage

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2021/03/11 (木) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

観てきた!を書くときに鑑賞方法を選択するようになっていますが、いつからこうなったのでしょうか。今日まで気づきませんでした。
初演も観たはずなのに不思議な物語だったということ以外ほとんど覚えていませんでしたので、新鮮な気持ちで楽しめました。ただ、甲斐を演じた竹石悟朗さんの存在が切なかったことだけはなぜか鮮明な記憶として残っています。
あんなにその世界観に染めておきながらの最後の「えっ?」
それはこちらのセリフです。

写し霞

写し霞

不定深度3200

SCOOL(東京都)

2021/03/18 (木) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 いつも通りオシャレな空間処理。まだまだ伸びしろがあるので、今回は華4つ☆。

ネタバレBOX

 作・演が工学部の修士課程を終了したばかりの若者とあって空間処理は実に合理定且つ美的である。無論色彩も、その組み合わせ、舞台美術各々の配置、色彩コントラストの妙、見やすさ等にも合理的で整合性の取れた安定感があり見事である。例えば、上手奥のキッチンスペースから下手へ順に居間を表すテーブル・カーペットやパソコン机とパソコンのある作業スペース、屋外を表す2人掛け用のベンチが的確な角度を保って置かれているが、居間のテーブルは黒、下に敷かれたカーペットは黒とグレイの市松模様、而もテ-ブルの天板とカーペットは縦横比で相似形になっている等数学的な美が現在している。これら総ての空間の奥に広がるホリゾントの色は白色。このホリゾントの上方部分がパソコンに映るZoom画面の拡大スクリーンになっているのも合理的でオシャレだ。
 若い世代らしくパソコン・周辺機器を実に自然に使いこなし全く違和感が無いことも我々・ロートルから見ると納得感が強い。一方そのようにIT機器を使いこなし一体感すら感じさせる彼らにとっても、これらの機器を通じて齎されるコミュニケーションの虚ろな感覚はごまかしようもなく彼ら若者の心・魂を蝕んでゆく。総てが空虚の淵で展開することの味気無さを補完し得るエートスやパトスを生み出す状況も、そこに至る方法も取り敢えず持ってはいない彼らの物質的な豊かさの中の見え難い飢えと渇きを遠い木霊のように聴きながら足掻いている、そのような不幸がここにはある。
 このような状況に楔が打ち込めるか否か定かではないが、若者たちの状況が上述のようなものに近いとすれば一つ表現者として指針になるかも知れない原点に「聞き書き」換言すればフィールドワークによる異質な体験との出会いがあるだろう。その到達点の一つに石牟礼道子さんの「苦界浄土」を挙げておきたい。
「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜

「シャケと軍手」〜秋田児童連続殺害事件〜

椿組

ザ・スズナリ(東京都)

2021/03/17 (水) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

余りこの事件に文学性は感じなかったのだが、山崎哲がどう解釈したのか気になって観劇。やはり、何かパーツが足りない印象。加害者も被害者も実名で登場。当の畠山鈴香がハルシオンの常用で日常的に酩酊しているので語り手として物足りず。殺された彩花ちゃんの視点が一番詩情豊か。鈴香の弟との絵本のエピソードが作品の軸に。
鈴香の父親役の木下藤次郎氏が中風で凄いインパクト。
謎の男、佐久間淳也氏のエピソードもこの地の業を背負った様子で素晴らしかった。
作品の良心的存在、鈴香の弟役の趙徳安氏の視点から語っても良かったのでは。
田渕正博氏演ずる鈴香の恋人的な存在、トンボ。ダンボールに囲まれたような暮らしの中、仄かに肩を寄せ合う。もしかして、どこからかそこを抜け出す方法はあったのではないかと錯覚させるひととき。

ネタバレBOX

これは架空の絵本なのか判らないが、フナになった少女の話を鈴香の弟から読み聞かされる彩花。その話に夢中になって自分も魚になりたいと願う。弟は彩花の死に、魚になる為に自ら川に飛び込んだのではと思う。大蛇になった八郎太郎伝説も絡めて秋田のその風土を読み込んでいく。
聖なる日

聖なる日

劇団俳小

d-倉庫(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久し振りに内容の濃い本格的な芝居を観た。素晴らしい!満足!

豚の砦 -Pig Fort-

豚の砦 -Pig Fort-

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2021/02/07 (日) ~ 2021/02/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

とっても久しぶりの下北沢。受付にステージに客席に知った顔を見るだけ。基本的に会話なし号泣
FURUTAMARU.も3作品め。これまでの2作品とは異なり、場所も空間もキャラも架空…なんだけど哀愁や兄弟愛が溢れていた。
こんな時期だからこそ、家族とは?と問われた気もする。

ネタバレBOX

フルタさんの娘さんのカメオ出演も驚きでしたが、血筋が爆発することを期待(笑)
Unrequited Love

Unrequited Love

Team AZURA 大阪

世界館(大阪府)

2021/03/20 (土) ~ 2021/03/21 (日)公演終了

満足度★★★★

殺陣は完璧。この劇団ではないが、前回観た殺陣とは雲泥の差。インバウンドの外国人が日本に来て体験したいものが殺陣は理解できる演技。内容も単純ではあったが、殺陣とのバランスがとれていて良かった‼️殺陣=時代劇感を無くして、現代版には出来ないかな?でも今回観劇で、殺陣のイメージは良くなった‼️

子午線の祀り

子午線の祀り

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/03/19 (金) ~ 2021/03/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/03/21 (日)

価格5,880円

21日14時開演回を拝見。

コロナ禍での上演を考慮した「濃縮版」とはいえ、第一・第二幕で各85分(途中休憩20分挟む)計170分の長丁場だったが、力量ある演技陣に、武満徹の劇伴、中央に置かれた円形舞台、天上に輝く星々の照明…大いに感銘を受けた。

ネタバレBOX

【配役】
平知盛…野村萬斎さん
源義経…成河(ソンハ)さん(エキセントリックな義経を熱演)
現代の女/影身の内侍…若村麻由美さん(映像の世界でもお馴染みの方)
平宗盛/舞姫…河原崎國太郎(かわらさき・くにたろう)さん(緊迫した舞台に「宗盛」が一瞬のやわらぎを!)
梶原景時/水主…吉見一豊(よしみ・かずとよ)さん
阿波民部重能…村田雄浩(むらた・たけひろ)さん(映像の世界でもお馴染みの方)
武蔵坊弁慶…星智也さん
平時忠/後白河法皇/舞姫/水主/郎党…月崎晴夫(つきざき・はるお)さん
二位の尼(時子)/舞姫/水主…金子あいさん
平重国/梶原景高/山鹿兵頭次秀遠/舞姫…時田光洋(ときた・みつひろ)さん
能登守教経(のりつね)/いま一人の武士…松浦海之介さん
悪七兵衛景清/梶原源太景季(かげすえ)/安藝太郎/監物太郎
…岩崎正寛(いわさき・まさのり)さん
伊勢三郎義盛…浦野真介さん
越中次郎兵衛盛嗣/梶原三郎景家/安藝次郎…神保良介さん
船所五郎正利/水主…武田桂さん
武蔵守知章/右衛門督清宗/三郎左衛門景経/舞姫/一人の武士
…遠山悠介さん、
佐藤四郎兵衛忠信…森永友基さん

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