実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/03/20 (土) 13:00
東日本大震災を題材に、岩手の民話も含めたファンタジー的作品。面白いし見事。
柏葉幸子による同名の児童小説をベースにして、serial number の詩森ろばが上演台本・演出を担当した作品だが、小説は読んでいない。「マヨイガ」とは「迷い家」のこと。
物語は、震災の直後にある事情から「家族」として一緒に住むことになった山名キワ(竹下景子)・結(栗田桃子)・ひより(井上向日葵)と、彼女らを迎える村の人々、そして、なぜかキワが会話できる座敷童や河童などが展開する物語。ファンタジーで、歌や踊りなども入れエンターテインメントとしても素晴らしい作品だった。影絵を使ったプロジェクトマッピング、素速い転換でダイナミックに変化する舞台美術、生演奏と効果音を舞台上手脇で演奏し続ける鈴木光介も含め、総合的な舞台ができ上がっていた。メンタルな理由で口がきけない9歳の設定ながら、ストーリーテラーとしてほぼ出突っ張りの井上が見事。