
好きなのはあなたじゃない
劇団野良犬弾
スタジオコパン両国(東京都)
2020/01/18 (土) ~ 2020/01/26 (日)公演終了

刹那的な暮らしと丸腰の新選組
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/11/28 (土) 19:30
グワィニャオンさんの新選組ものは何作品か拝見してますがいつも変わった視点で描いてて面白い。今回も思いもよらぬ視点で新選組たちの日常や戦いが描かれている。新選組好きな歴女たちが一冊の本を開いていく中で新選組の短編が劇中劇として描かれていく構成がネバーエンディングストーリーのようで、読者視点で物語を見ていく面白さもあって良かった。各短編がテンポもよく、それぞれの登場人物が別の短編へと繋がってる構成が感情を揺さぶれました。
脚本と伏線がとてもうまいなと思います。配信公演も踏まえた演出のアイデアがよく考えられてました。もっと配信演出を入れてもオモシロかったと思います。

絶対青春合唱コメディ「SING!!!」【公演中止】
K.B.S.Project
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2020/04/29 (水) ~ 2020/05/03 (日)公演終了

刹那的な暮らしと丸腰の新選組
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2020/11/26 (木) ~ 2020/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/11/26 (木) 19:30
座席F列4番
価格5,000円
明治初期、老人に斬りかかる乞食のような男……という場面から始まる新選組関連の連作短編集。
しかもそれが出版社の歴女社員が出版を目論む書籍の内容であるという設定により各編を現代パートで繋ぐという構成の巧みさたるや。
そして短編集だけに笑い・殺陣・熱血(?)など各種要素を取り入れて各編に特色を持たせるのも上手い。(松花堂弁当のよう?(笑))
さらに配信カメラへのアピールや出演者自ら…(自粛)…など通常公演では見ることがない演出(?)も楽しい。
グワィニャオンの真骨頂と言えるのではないか?

エーリヒ・ケストナー〜消された名前〜
劇団印象-indian elephant-
駅前劇場(東京都)
2020/12/09 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
駅前劇場には行けず配信を鑑賞。芸術作品には作り手の力だけでない「降りて来るもの」(’芸術の神とでも)の力を得て生み出されたと思えるものがあるが、本作は戯曲+配役にそれを感じさせる秀作であった。
児童文学者エーリッヒ・ケストナーの人物像と、物語上の位置づけが良い。やがてナチスが台頭するドイツの闇の時代を彼らの目線を通して描写して行く。開幕を担うのがケストナーの寄宿舎時代の友人ハンス・オットー。同じカフェにいて彼をケストナーと勘違いしたジャーナリスト志望の女子中学生ロッテが彼に熱烈にアピールするシーンから物語は始まる。ハンスは自分が俳優である事を語り、従って私は君が思っている人ではない、と説明する(演劇への愛、俳優業への夢と情熱、俳優と物書きと俳優の違い、でも広く見れば同じ世界に住む人間である事、などのニュアンスが凝縮された簡潔なやり取り)。落胆したロッテにハンスは「君にケストナーを紹介する」、これからクラスメイト3人で同窓会をやるのだという。ここに映画志望だが普通の会社勤めのもう一人の友人が登場、あけすけな彼はケストナーに憧れてるらしいロッテの前であいつが如何に女にだらしない男かを話す。怒り心頭のロッテの前に、そのケストナーが登場。「今見た踊りが凄かった」と話す。新聞に劇評も書く彼の守備範囲での話だが、その話につられたあけすけな友人は(マンネリな日々に刺激を求めてる風)見に行って来る!と去り、やがて「俺は恋に落ちた」と言って戻って来るのだが、その踊り子というのが後の女流映画監督リーフェンシュタール(名画でありナチスドイツに協力した映画と評される「国民の祭典」の監督)で、クラスメイト二人に恋の俄か指南を受けて挑むも撃沈、彼女は「ケストナー」に会いに来たのだった。そして町でパンを売る俳優志望の少年の登場。以上で人物はほぼ出そろい、歳月を重ねてその変化が描かれて行く。(後一名はケストナーの「エミール」や「飛ぶ教室」に挿画を提供したユダヤ人画家。)
個々の人生の変節は省くが、私にとっての特筆は、最終場でのやり取りだ。ドイツの敗勢が決定的になった1945年5月、国家の庇護下で映画を撮っていた映画人らがベルリンから遠く離れたドイツ領オーストリアでのロケを認めさせ避難して来る。そのホテルに後を追ってリーフェンシュタールが駆けつけるのだが、彼女が登用し映画界入りをしたなんちゃって映画監督(あけすけ男)にも、同じく映画界入りしナチス党員にもなった元パン屋にも冷たく対応される。そこにケストナーが現われ、彼女は彼に助けを乞う。他の著名人や文化人芸術家が亡命する中、ケストナーはドイツに残る事を選んだ人としても知られる。だがその中で彼は(表向き、と言っておく)ナチスに協力もした。リーフェンシュタールはその事をもって相手も自分も同罪だと言う。これに対し、ケストナーは自分が如何に相手と違うか、それを説明しようと言葉を絞り出す瞬間が、この作品の肝である。(時間切れにつき、後刻に)

劇の劇
壱劇屋
ナンジャーレ(愛知県)
2020/01/18 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/01/18 (土)
うん、さすが大熊さんが率いるパフォーマンスは見事。流れてきた写真からの期待を裏切らない。動きには三人三様の感じもありましたが、今まで演技だと癒し感のある表情を見せてくれていた高安さんがキレっキレの動きを見せてくれたのが印象的でした。
そしてお話がまた 白昼夢感漂う趣きで…笑いあり 不条理感あり… パフォーマンスを見にきた心構えの隙をついて面白味が沢山あった、ラッキー。

人ノ形
オレンヂスタ、演劇ユニットnoyR
穂の国とよはし芸術劇場 創造活動室A(愛知県)
2020/12/26 (土) ~ 2020/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/12/27 (日)
オレンヂスタ 『光の園』は上演中止になってしまいましたが、noyR『アイデアル』がとても面白かったのでかなり満足。
夫の母の死後、若き夫婦の元に吹いた一陣の風。夫のカミングアウトはセクシャリティに留まらず、彼に纏わりつき…摺り込まれ… 歪められた価値観を露わにしていく。しかし…拒絶された妻もまた"普通"じゃなかった。描かれる人ノ形、愛ノ形、数多の理想。
戯曲自体かなり面白いが、演出としてコンテンポラリーダンスも交えて描写される出来事は… 抽象と具象が入り混じった感覚を与え… 言葉以上に演技で訴え掛ける情報も多くて、想像が膨らむのが素晴らしい。

「東の海の彼方」
コンブリ団 with 三毛猫倶楽部
G/Pit(愛知県)
2020/12/18 (金) ~ 2020/12/20 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/12/19 (土)
何かしらの激甚災害の跡(?)… 行政は機能しなくなり、富裕層は海外へ移住… 中間層はサイトと呼ばれる組織が管理するシェルターへ… 更にそこからあぶれた者が寂れた市中を彷徨っている… そんな感じの近未来が舞台らしい。
放射能汚染?といった趣きだが仔細は語られず…そこには意味は無いのだろう。謎が明かされていくことが面白みになるミステリーとは趣きが異なる。
非常事態にあって…何もかもが「しょうがない」と… 差別と非寛容が肯定されて…切り捨てられていく人達がいる悲しき世界が…ただそこにある。
悲しいかな確実に… この現代日本の延長線上に在ると思わせる空気に… もの凄いリアリティとシニカルな視点がありました。
一方で、冒頭から幾度も語られる伝承(?)には… 原始的な宗教感… というか死生観?があって、近未来の現実感に不似合いな印象もありました。残された人たちにとっては…もはやそういうところにしか 縋る寄る辺がない… ということなのだろうか。
全体としては すっぱりカタのつく物語構造ではなく… 登場人物のモヤモヤが吐き出されて、不透明なしがらみと決別して前に進んでいく趣きで終わった印象。
観る者によく分からない何かを背負わせる後味もあって、感想も歯切れが悪くなっちゃう。ただ…それこそが人生だって気もするね。

『グッド・バイ』
愛知県芸術劇場
愛知県芸術劇場 小ホール(愛知県)
2020/12/18 (金) ~ 2020/12/19 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/12/19 (土)
痺れるほど格好良い空間でした。その場に居てこそ伝わる雰囲気、個々に濃密な視野を更に見廻して味わえる贅沢な視界。
バーカウンターに居並ぶ役者達は如何にも太宰ワールドを象徴する人々の佇まい。古風な出立ちなのに… 照明効果も相まって都会的でもある。発せられる言葉は巧みに切り刻まれて…所謂 地点語の態を成して音楽的な拡がりをみせる。断片的な筈のそれらは…何故だか次第に纏まって何らかの概念的なモノを伝えてくる感触がある。それら演劇的なモノを… 作品を通底する空間現代の音楽が後押しし… まるで麻薬の様に脳内に浸透してくる。
本作は太宰治 未完の遺作「グッド・バイ」をタイトルに冠してはいるが、実際には氏の50作近い作品から言葉を切り出して構成したコラージュ作品。太宰治作品というよりも…太宰治その人を表現した趣きが強いですね。複数の作品から太宰治を描くという点では、一種のモンタージュ技法なのかも。
結果として物語を追っていくような楽しみ方にはならず、ひたすら感覚的に「太宰治を浴びてる」様な時間を過ごしました。頭をからっぽにして… 視覚を… 聴覚を刺激され続けているだけでも満足感あったなぁ。
太宰治フリークなら、更にもっと濃い楽しみ方ができたのだろなぁ… とは思います。

てにあまる
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2020/12/19 (土) ~ 2021/01/09 (土)公演終了

Gulliver-不安の島-
体現帝国
名古屋市内某所(愛知県)
2020/12/07 (月) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
6つの川を渡り、その度に何かを失って…残るのは名前のみになった不安の徒 Gulliver… いや、ガRiverなんじゃねぇか(笑)… っていう妙な言葉遊びの風味もあるコミカルでシニカルでアグレッシブな… 曰く 野外移動式摩訶不思議演劇アドベンチャー。
世の不安を題材に… 時に「不思議の国のアリス」にみたいな不条理空間に幾度も突き落とされましたが…不安に対する評はむしろ真っ当な分析の様に思えて…本来のガリヴァー旅行記の原点が元々「風刺」であることを踏まえれば、これも現代日本を見立てた風刺/翻案なんじゃないかと夢想もする。
ネタバレBOXに続く

彼女は海を見ている
名城大学劇団「獅子」
G/Pit(愛知県)
2020/12/11 (金) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/12/13 (日)
ウミガメの赤ちゃんではなく…その前の動けぬ「卵」を擬人化して主役に据える切り口は斬新。その卵が殻を破るまでの…コミカルでアグレッシブで… そしてリアルな苦悩を擦り込んだ… 社会に踏み出す卒業生らしさ溢れる物語でした。

リボンの騎士2020~県立鷲尾高校演劇部奮闘記~ ベテラン版 with コロナ トライアル
劇団扉座
すみだパークシアター倉(東京都)
2020/10/10 (土) ~ 2020/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
ひさしぶりに演劇を観ることが出来て嬉しかったです。
新型コロナウイルスに対する、様々な対策はあちこちで取られていると思いますが、演劇の中にも折り込んでいるのも面白かった。

パーゴラの碑の下で
劇団ラッキーキャッツ
みんなの森ぎふメディアコスモス みんなのホール(岐阜県)
2020/12/12 (土) ~ 2020/12/13 (日)公演終了

10knocks~その扉を叩き続けろ~
劇団扉座
紀伊國屋ホール(東京都)
2020/12/05 (土) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
リーディングという形式の舞台でした。毎日違う演目をやるというのは、大変な挑戦だったと思います。
(『朗読劇』と全く同じなのかは、素人の私にはわかりませんが、わかりやすく、一度観たことがある話は少し物足りなく感じて不思議な感覚でした。
セットは色々、毎日使われるものが積んであるようで、足場が組んであるような感じで、役者さん方が転んで落ちたりしないかハラハラしましたが)
再演のきかいがあったら
また観たいと思います。

アンドロイド演劇 『さようなら』 &平田オリザと石黒浩の対談
公益財団法人豊田市文化振興財団
豊田市民文化会館(愛知県)
2020/12/06 (日) ~ 2020/12/06 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/12/06 (日)
死期が迫る女と… 彼女に詩を贈るのが使命のアンドロイド。その最後の仕事とその果ての最期。
アンドロイドはかなりリアルな仕草を見せてくれるが… やはり口調には若干の異質さは見え隠れするなぁ等と思っていたら、主人の問いに逡巡する"間"に…絶妙に人間そのものに感じて唸った。

投げられやすい石
ハイバイ
三重県文化会館(三重県)
2020/12/05 (土) ~ 2020/12/06 (日)公演終了

燈籠
perky pat presents
円頓寺Les Piliers(レピリエ)(愛知県)
2020/11/29 (日) ~ 2020/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2020/11/29 (日)
実に味わい甲斐のある芝居をされていました。TLでは不幸が似合いすぎると評判でしたが(笑)、そこからの反動たる凛とした空気、狂ったかと見紛う主張の強さ…そしてそれらが…さき子が受け続けた抑鬱や理不尽ゆえと窺わせてくれる深みが… ある種の社会風刺まで感じさせてくれて、何重にも美味しい芝居でした。
続きはネタバレBOX

散乱マリン
下鴨車窓
三重県文化会館(三重県)
2020/11/28 (土) ~ 2020/11/29 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/11/28 (土)
見事に寓意に溢れる… 現代の寓話というべき舞台でした。
詳細はネタバレBOXに書きました。

『via Ethiopia』
演り人知らズ
AHAアトリエ・ギャラリー(愛知県)
2020/11/24 (火) ~ 2020/11/28 (土)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/11/27 (金)
再演続くレパートリー…キャストを変えながら かれこれ4回目を観る。甘酸っぱさと苦味…理想像と生々しさ…そして薄っすら背景に浮かぶきな臭さ。多くのレイヤーを携え…作品に臨むちょっとさた目線の違いで映る像は大きく変わる。今回のキャスティング、ばっちりハマってますよ。繰り返しが多い演目だから、役者の振る舞いの味わいもいや増す。