満足度★★★
オリジナリティが溢れて
正直眠かった。仕事帰りの疲れた身体に、この作品は、正直眠かった。眠かったけど、スタイルの確立された舞台であること、演者の表情や照明の美しさなどは、わかった。
75分。
ネタバレBOX
ブロック片が敷き詰められている舞台。演者が、セリフをそのまましゃべるのではなく、○○は△△と言った、というような(小説のような)スタイルの演劇。こういう舞台を見慣れていないので、肌に合わなかったのか。ストーリーも劇的でなく、淡々とした感じ(要は何?)で詩的なテイストと感じた。
独特の手法で、完成度高いんだろうなとも思うけど、いかんせん眠かった。寝なかったけど。
オリジナリティが溢れていて受け止め切れなかった。
満足度★★★★
初ミナモザ
チラシ裏のリード文、「すべて実話」という言葉を信じて鑑賞。面白かった。
佐藤みゆきは素敵な女優と思った。涼しげな眼と顔つきがとくにいい。今回の舞台、彼女の功績が大きいと感じた。
ネタバレBOX
作演の心を舞台上で声高に叫ぶ「私」。女性として作家としての内なる声が舞台に響いていた。
表現者として、原発事故で想うところがあっての本作品。同業者の方が、より楽しめるのかもしれない。私は、サワちゃんが言っていた、平和が当たり前と思う(勘違いする)タイプの人間なので。
赤裸々な作品。もう一度観たいとは思わないけど、観劇してよかった。
満足度★★★★
20後半にして生まれ変わった兄妹
50分程度。1800円で気軽に観られる。満足した。
受付が表のベンチで机も無い状態だった。その雰囲気がまんま舞台の雰囲気だった。
パンフが何気に2色刷り。細かくて良い。
ネタバレBOX
兄(関村)と妹(浅野)の喫茶店での会話劇。
25歳の浅野は、関村に死んでほしいと切り出す。自分がアイドルになる際のハクになるからと‥。最初、アイドルなんてと言っていた関村も次第にノッていき、仕事を辞めマネージャーになるも、2年後、鳴かず飛ばずアイドルとして引退を迎える‥。
50分の中で、彼氏、動画、整形、歌唱、ライブ、ブログなどなど、いろんな話題がコロコロでてきて飽きなかった。ここらへん女性の話題がコロコロ変わる様を観ているようで楽しい。
クスっとする笑いが多い中で、「容姿が小劇場(の女優)レベル」のくだりは最高に笑えた。コーヒーがキライな兄妹が、2年後、コーヒーを気持ちよく注文するオチも良かった。
浅野千鶴のクセのありそうで魅力的な妹演技が良かった。どこかイモっぽくアイドル然としていないおかしさと、物事に動じないあっけらかんとした明るさが舞台の空気を作っていたような。
満足度★★★
だるめしあん×クロカワタナカ
けっこう楽しめた。クロカワタナカ&coに投票するも、僅差でだるめしあん企画に軍配があがる。
ネタバレBOX
だるめしあん企画「夏のひと夜のアバンチュール」
真夏の夜の夢のように、妖精と2組の男女とホレ薬の話。パックら妖精は、人の希望や感謝などの善良な気持ちを食べるが、逆に憎しみなどの負の気持ちを食べると魔物になる、という設定が盛ってある。
女性のうつろう気持ちに焦点がいってしまった。
クロカワタナカ&co.「ロミオ的な人とジュリエット」
ロミオとジュリエットの侍女の魂が入れ替わる話。
悲劇であるも、笑える箇所も多く楽しめた。ジュリエットの母役のLynne Hobdayには大いに笑った。若干間延びするところもあったけど、終盤の演出(3者の心の叫び)などは良い場面に仕上がっていたと思う。
ジュリエット役の清水久美子は、幼いようで美人な容貌でヒロインしていた。もう少し「悲劇の」ヒロインしてくれたらもっと良かった。
満足度★★★★
女性の演じるハムレット
90分。ハムレットの知識はあんまなくて鑑賞した。面白かった。女体シェイクスピアの第2弾に期待が高まる。
アフタートークで話にあったけど、衣装に力入ってんなって感じだった。皆、美しくかっこよくキマってた。
深谷由梨香は素敵な女優さんだと思った。
ネタバレBOX
父・前デンマーク王(兵頭祐香)が叔父であるクローディアス(コロ)に暗殺され、王の息子・ハムレット(深谷由梨香)が復讐をする。
原作と脚色がどこなのかしらないけども、大変わかりやすい舞台でよかった(ぐっとるくシーンで再構築してくれたおかげか)。んで、演出がそんな話にしっかりマッチしていた。特に、若者的で裏社会的な会話手法が舞台の潤滑油になっていたように思う。また、女性が男性を演じることで、女性へのメッセージ、逆に男性へのメッセージに一種のシニカルさが増しているような印象を受けた。
役者では、深谷とコロが特にかっこよかった(役柄的に当然か)。深谷は復讐という運命をもちつつどこか弱弱しさのある演技で非常に良かった。どーでもよいが、中腰でしゃべるとか、かかと若干あげてのポージングとか、ハードな演出で大変そうだと思った。
ちなみに、ガートルード(右手)とオフィーリア(新良)はびっくりするくらいナイスバディだった。
満足度★★★★
華やかな女優さんらが魅力
チケットプレゼントにて鑑賞。
エンターテイメントな舞台。小ネタ多し。作演の年齢が40くらいらしいので、ネタの内容もそんくらいの年代向き。
女優が90パーセント以上占めているのでとっても華やか。照明音響がふんだんに使用されなんか演劇というより「ショー」だった。
ネタバレBOX
ストーリーはチラシ裏のとおり。てか、ショートコントがつながってストーリーになっている印象。ストーリーよりもエンタメ重視って感じ。
昭和の魔法少女らが舞台上でドタバタの120分。サリ(吉川莉早)のクールエリートな感じが好き。アクビ(sun!!)の動きと表情がかわいらしかった。キキ(加順遥)も表情豊かで好印象(ちゃんとジジもいたしリボンもたつし)。皆魅力的な女優さんだった。
日替わりゲストのコーナー?でみせたプロレス技はなんか笑えた。舞台上で技をかけられる女優の姿はとてもシュールだ。
満足度★★★★
沼へようこそ
チケットプレゼントにて鑑賞。初浮世企画。
簡素な話ながら引き付けられる舞台だった。面白い。
岩田裕耳のダミ声のような発声と雰囲気、風貌、生き様の下手糞さが上手かった。あと、鈴木アメリと榊菜津美の女の子的なかわいさがやはり上手かった。
ネタバレBOX
チラシ裏とパンフ挨拶のとおり、ダメ人間かつ男気の話だった。
ムラノ(岩田裕耳)は、昔、友人を見殺しにし、別の友人の片目を失明させてしまう(詳細は不明だけど)。そんなことがあって、世捨て人的な生き方(人の寄り付かない沼地にて浮浪者生活)を選ぶも、なぜか最近はよく訪問客が多く、一緒にメシを食べたり麻雀したり‥。そんな中、地元の権力者「辻」が沼地を買収し、老人養護施設に着手、ムラノに退去を迫る。カツモト(浜崎仁史)はそんな辻に苛立ち辻の窓ガラスを割るささいな抵抗をみせるが、逆に辻(斉藤マッチュ)の差し金で半殺しにあう。そんな状況でも冷めた反応の、人と関わることを嫌うムラノ。が、内には反骨の心が燃えていて、辻に立ち向かうも‥。
結果、ムラノは失明させたヤジマ(関寛之)に殺される。陰鬱な話ではあるが、なんとなくこれでよかったような気さえする。ダメ人間とはやはりこういうものだからか。
ラスト、ムラノのところへよく遊びにきていたハナコ(宮本愛美)が、実は幽霊?みたいな存在で、イガラシ(今城文恵)とマリ(古市海見子)を沼に引きずり込むシーン、(沼に)なんかあるなとは思ってたけど、驚いた。けっこう自然に引きずり込まれたから。
満足度★★★
Blue Bird Baby
チケットプレゼントにて鑑賞。「青い鳥」のことはあまり知らない。
ファンタジー&ダークな感じ。前半、ややテンポの悪く退屈な印象を受けた。後半は盛り上がりがあったので良かった。
舞台前方にあった機械はプロジェクター?
ネタバレBOX
ブルーバードが逃げ出すところから話が始まる。探そうとするもその時代には「青」色が無いから探せない。100年戦争で青が失われ、皆「青」を知らないという。そんな中、青色の羽を持った鳥(糸山)とある女性(佐々木)が出会う。青色の鳥は記憶がなく、瑠璃という名の女性と行動を共にする‥・。
終盤まで、青色の鳥がブルーバードと思わせていて、ラスト、瑠璃が逃げ出したブルーバード本人で青色の鳥はその子という展開はシンプルでいて面白い。
ただ、幸福、争い、人間の苦悩、愚かしさ、愛情など、テーマがややガチャガチャした感じ。ブルーバードと瑠璃、幸福の国あたりでシンプルスマートな話だと観やすく嬉しい。また、ラズリ姫(鳴海)がラピス王子(中村)の目をくり抜くところまでがちょっとダラけてしまった。
このダークなテイストが序盤から終盤まで少し続いてくれると良かったかな。戦争の始まりを求める姫とかあったけど描き方があっさりしていると感じてしまった。もっと苦しんでよい。
言葉遊びが多すぎると感じた。「BBとベイビー」は見せ場の一つで良いと思ったのだけど、そもそもの狙いもどこにあるのかわからなかった。
満足度★★★★
「東京ではウケない」
‥と、主宰がしきりに(自虐なのか東京に見切りをつけているのか)言っていたけど、また来てほしいと思った。
どんな劇団か知らずに観劇。80分。
シュールテイストの舞台かななんて思ってたら、意外と面白かった。白塗りとホワイトの衣装、簡素な舞台、不思議な効果音(声)と動きと演出。いいバランスで独特の世界を表現して好印象だった。
ネタバレBOX
前説で主宰が「ボケとツッコミ」の話をしていた。要は、舞台上にボケがありますので、頭の中でツッコンでください、そこに笑いがあります、ということと理解したが、なるほど観劇の際の心構えとしてけっこう大切だなとなんとなく感心した。
向坂(主宰)がとある女性を演じる、愛がテーマの話と受け取った。6人の役者は全員顔面白塗りで、白系の衣装に身を包み、ダンスや表情、発声で、簡素な舞台を次々に彩っていく。
ストーリーを中心に据えるのではなく、あくまでそのほかの要因で舞台を作り上げている感覚を覚え、こんなところにオリジナリティを感じた。こうゆう舞台はあまり好きにならないのだけどこれは好きだった。
ちなみに、二人の女優さんがとても美人に見えた(顔面真っ白だったけど)。片思いする女性の感じとか上手いなと思った。衣装のセンスも非常に良い。たまに、下手袖から出てきてギター演奏する演出もあり。ラストの全員が客席に迫ってきて、客席を登る?演出も斬新だなと。意表をつかれて嬉しかった。
満足度★★★★
面白かった!
初笑の内閣。100分。かなり笑えた。
7本の社会風刺コント集。ラスト前に京都ロマンポップの小作品があった。
ネタが豊富で100分飽きなかった(ネタ元のわからないのもあったけど)。
比較するものじゃないけど、ニュースペーパーより親しみやすく観やすいんじゃないかなと思う。
次回?アゴラ劇場でやるらしいので、また足を運びたいと思った。
ネタバレBOX
「原子力少女ぷるとちゃん」‥あくまで安全と言い切る保安員(高間)が皮肉たっぷり。上手く組み合わせた下ネタを頑張るぷるとちゃん(伊集院聖羅)がなんとなくかわいかった。
「田母神俊雄アワー ウヨっていいとも」‥ゲストは石原慎太郎。なにげに、OPの「処分!処分!」が一番ウケた。
「もしマル」‥「もしドラ」は知らない。池田大作ネタもあんま知らなかった。「肥え太った豚」の山田を搾取する支配階級に見立てた風刺。「監督の一存で決めるな」というエセ平等主義にもウケた。
「科学特捜隊事業仕分けにあう」‥(笑の内閣自体が仕分けにあう)オチはベタだけど良い。ほかのネタが若干上の世代向けだった。
「日本一危険なホームコメディ」‥長男と次男のやりあいに大いに笑った。長男のキレ具合も○。それにしても長男ら(嫁と長女)は世間的にもネタにされすぎな気がする。
「和民殺人事件」‥熱海殺人事件のパロと、和民をはじめとしたブラック会社(現代の階級制度)の風刺。伝兵衛役の眞野ともきが良かった(ほぼキレてただけだけど)。
「コンドーム伯爵vs危ない大司教」‥ノースキン大司教が程よく飛んでた。コンドームのばら撒きあり。
満足度★★★
メロスを待って
開演まで数時間の中のバックステージ物。前半はやや退屈に感じられたものの、後半の盛り返しがあって良かったと思う。
atlier SENTIOは初めて行った。白塗りの壁とオシャレなデザインの出入り口(上手)があって、程よいスペースだった。
ネタバレBOX
ストーリーはチラシ(ハガキ)のとおり。
関山(関谷)が合流するまでが間延びしているような気がした(というかとりたてて惹かれなかった)。合流後、話が動いたのでそこからは良かった。バックステージ物は、ドタバタとかハラハラみたいなのがないと面白みがわからなくなるので。
桜(一花)の宝塚演技はなかなか良かった(キャラがたっていたせいかな)。あと、プロジェクターを使った思考の表示は面白かった。
「走れメロス」は人を信じることをテーマにした作品だと思っている(色々解釈はあるけど)けど、このことと本作品がどこまでリンクしていたのか、はっきりとわからなかった。
メロスを待つことと、メロス役の三塚(塚々)を待つことを重ねていたのだろうけど、そこまで三塚を信じていたのか、その描写ってそんなあったかなと(逆に三塚は皆のことをちょっと疑ったりしたのかな)。あと、関山がいなくなってから数年も待っていたのか、信じていたのか。ここらへん、いろいろと唐突な印象を受けた。
満足度★★★★
二人の憎しみ
チケットプレゼントにて鑑賞。100分。
熱気のある充実の舞台だった。
ネタバレBOX
日本での原爆研究者2名の想いと憎しみと倫理観からくる生き様が主軸。
彦坂忠義(浜谷)は、広島の惨事を目の当たりにし、原爆の存在(人間が原子を操ること)に疑問を投げかけ、原爆を作らないと決意する。その助手の漆原士道(時津)は、愛する人を亡くした憎しみから、ニューヨークを原爆で焼き尽くすと決意する。
二人とも見せ場のシーンがあり、特に浜谷のラスト演技は、照明効果も手伝って、物理学者の苦悩と反骨心、個人的憎悪など複雑な気持ちの入り混じった名シーンになっていた。
時津の演技もかなりキテいた。一種の高揚感を含んだというか。
憎しみに憎しみを返すのか、原子を操ることは罪なのか、人の命は本当に大切なものなのか、戦争とは誰が始めているのか。戦争という非常時にこそ色濃く浮き上がるテーマだと思う。(というかこうならないと人間は考えないのか)
前回公演に引き続き、「人は死んだら終わり」というセリフもあり、前向きなメッセージ性も含んだ良い公演であった。
満足度★★★
驚
チケットプレゼントで鑑賞。初多少婦人。90分。
ストーリーがはっきりしていて、理解しやすい。もう少しコメディに走っても良かったかな。
役者は、山本しずかが一番良かった。
ネタバレBOX
ある会社の同僚のサプライズ昇任祝いと見せかけての、別の同僚のサプライズ婚約祝い、で実はさらに‥。
自己満足と相手へのサービス(思いやり)の境界線はどこなのって要素も含めてあったように感じた。また、思い出に残るためのサプライズという考えは、人生のいろんなとこで必要になりそう。人生も演劇と同じで演出が求められるんだろうなと。
退屈はしなかったけど、もう少し浮き沈み(紆余曲折というか)がはっきりしていると楽しさが倍増したと思う。
満足度★★★★
傑作再び
チケットプレゼントにて鑑賞。
改めて鑑賞し、やはりできた話と再認識した。笑いと涙、前向きなテイストと、ツボを押えた良作品。次回作品への期待が高まる。
ネタバレBOX
脱出劇の中で語られる7名の人生が、最終盤で1点に収束するストーリー。タイトルの「人生大車輪」から連想できるような、歯車がガッチリ組み合った話に内容知ってても唸ってしまう。
ヤクザと俳優の話が好き。宇宙連邦のくだりは、前回より今回の湯浅演じる刑事のほうがコミカルさがあがっていた。
ラストの宇宙連邦ネタで〆るのも、重くならず、(ヤクザの話の)暖かな気持ちを保ったまま会場をあとにできるので好き。
・刑事(湯浅)‥宇宙連邦からの加盟申し出を断ってしまう。
・営業部長(川添)‥ハマチを本マグロと粉飾している会社を内部告発し、職と友人を失う。
・別れさせ屋(田所)‥別れさせ対象者に本気で恋するも、相手も別れさせ屋で失恋。
・俳優(郷本)‥恩師の子を励ますため映画の主演をはるも、その子は餓死していた。
・ホステス(稲野)‥貧乏くじを引き続けるアル中。腹違いの弟と再会するも事故で死別。
・占い師(物部)‥歯車占い師。木内と知り合う。ヤクザの娘に似ている。
・ヤクザ(木内)‥組長の娘と恋するも、娘は不治の病で死別。今回の監禁は、彼のみんなに対する恩返し。
満足度★★★★
ぐったりした
初ポツドール。140分くらい。観劇後の疲労感がはんぱなかった。こんな疲れたのは初めてだった。
ネタバレBOX
子供を水事故で亡くした夫婦(橋本家)と、同じマンションに住む隣人夫婦(今井)、クーラー整備業作業員と、その身ごもった彼女。
橋本妻(篠原友希子)のナレーションがところどころに入る。第一部「不幸」第二部「復活」ということで、彼女の「再生」の物語にもみえるが、タイトルのとおり「おわりのとき」でもある。むしろどこからが「おわりのとき」だったのかすらわからないくらい。でも、ラストのご飯モリモリ食べるとこで「再生」のような気もしてきた。
ほかの人物たちも、どこからが「おわりのとき」だったのか。すでに終わっていたのか。
前方客席で整備員(菅原)に部屋(舞台2階)が若干見えにくかったが、その彼女(新田めぐみ)の、髪からつま先までの表現(メイクや衣装、体型、発言、演技すべて)が、上手いなと感じた。
満足度★★★★
ゆるく疾走して
初ヨーロッパ企画。面白かった。
ロベルトの造りが見事。かっこいい。
ネタバレBOX
舞台には大型兵器であるロベルトが1台。ロベルトをキレイにしている男と、キャッチボールにふける男2人。
砂漠に点在する軍事拠点みたいなところで待機命令を出される軍の人間とナースらが、砂漠の中の自販機にコーラを買い求めるためロベルトを疾走させる物語。ロベルトに途中途中で関係者が乗り込み、ラスト総勢12名で、水の星?に向けて飛び立つ壮大な展開。
会話のテンションとかが不思議とニヤニヤと、時に爆笑してしまう。ストーリーもコーラを買うだ、海へ行くだ、軍をいっせいにやめるだと非現実。でもなんだか、人間味あふれるゆるさと、悪いことしている時の若干の高揚感のようなハイテンションが同居していた舞台。
じゃんけんに負け、コーラの買出しに失敗し、海へもいけず、軍にも戻れず‥と負けっぱなしの彼らが、気持ちいいBGMと輝く星空の彼方に「勝ち」を掴んだのか気になる。
なにげに、負け続ける中で(根拠もなく)「次は勝つ」という、ギャンブルにおける負け犬マインドに陥っていたのが、滑稽なようでリアルだなと思った。
満足度★★★
日本が原爆を持ったら‥
南大塚ホール(キャパ300)というやや大きめな劇場で、セットもしっかり創られた力作という感じ。ただ、戦争(原爆)というテーマをシリアスに扱うにはもう一皮化けてほしいかも。内容はけっして悪くはないと思うけど。
役者は、大学教授役の田仲晶が一番良かった。主役の丹羽も力演していた。
今後、快作になることを期待して☆3で。
ネタバレBOX
広島の大学内で原子爆弾の研究をしているチームがあって、名越(丹羽)はその一員。姉・深雪(辻)は、地元劇団(村崎座)の一員。そこに、軍関係者も加わり、それぞれの想いをからめて、原爆投下までを描く(時間的には、特攻前日の兄弟の語りから特攻の日まで?)。
劇中劇(元寇)と実際のカミカゼアタックを並行して表現する構成は、演劇的で面白い。わかりやすいし(パンフにここらへんの説明があったのは○)。蒙古襲来=アメリカの爆撃、炎童子(金子)=原爆とかおもしろい発想だと思う。
ちなみに、その炎童子がキャラがわかりにくかったというか定まっていないような感じがした。衣装が平坦(普通)な気もしたし。神秘性とか要素を一つ盛ってほしかった。
クライマックスからラストまでが一番の見せ場と思うけど、ここらへんに、戦争中の「死」(もしくは生)といった要素を色濃く描いてよいような気がした(戦争とは悲惨なんですよーという話にしたくないのかもしれないけど少なからず客はそう観てしまうところがあるのではないか)。アメリカの原爆投下の恐ろしさの描写ももっと怖くてよいかな。グッとくる何かが足りていない気がしたのが残念。
時間をおいて再改訂してさらに素晴らしい作品にできると感じた。
満足度★★★★
初MCR
面白、真剣な舞台だった。人物像やしゃべり、会話の調子など、演出・演技の功績が大きかったように感じた。
キタジマのキャラもいいし、演技が上手い。
終演後の二人芝居「この世界」(瀧川英次)もかなり面白かった。
ネタバレBOX
30くらいのヨウヘイ(奥田)と付き合っているあずきちゃん(小椋)はアラフォー。ヨウヘイは、「組織」に属しなにやら血なまぐさいことを生業にしているもはっきりと言わない。そんな折、あずきちゃんが胃ガンで余命半年と宣告される。彼を想うあずきちゃんは、弟とその彼女(母)を連れて組織の入る建物の前でニッポンコールをする‥。
色々見せ場があったけども、キタジマの「好きだ!」には盛大に笑った。これでもかって感じにイヤな上司キャラが実はあずきちゃんをストーキングしてて、さらにストレートな告白ってテンポが最高だった。
弟(櫻井)の彼女(ゆうこ・高橋)も実は母ってとこも意外性あってよい発想。ニッポンコールも馬鹿らしくもあり、あずきちゃんの健気で率直な気持ちの表れともとれる良いシーンなのでは。
全体的にクセのあるキャラが多く(医者の近藤美月やヨウヘイの上司である福井喜朗とか)、笑いも多くて退屈しない90分だった。チラシ裏のリード文のとおり、40の女が泣いたり笑ったりする話だった。
満足度★★★
チラシの表情はとても魅力的だけど
チケットプレゼントにて鑑賞。120分。d-倉庫初めてだったけど、勾配のついた座席で見やすかった。
舞台美術はなかなかに仕上がっていて、雰囲気は出ていた。各キャラの雰囲気ともマッチしていたと思う。舞台の空気感はしっかりしていた。
全体的にくどいというかアクが強いというか。趣味が合わなかったのだろうか、世界にはいっていけなかった。例えば言霊の演出がどうも臭く感じられてしまったように。
また、暗転が多いのが気になった。
ネタバレBOX
カレンとツクモの殺陣は見ごたえあって良かった。序盤の各キャラの決めシーンもかっこよかったし。
ストーリー自体悪くない。ただ、チヅルとミチル、ツブラとトウコ、トウコとツクモ、など色々な関係に見所があったわけだけども、それぞれをもっと丁寧にじっくりと描写してほしかった。ここらへん、ちょっと散漫な印象を持ってしまった。トウコのようなポジションを持ったキャラは好きだけども。
ユリアのゴスロリ的メイドファッション?&キャラはちょっと狙いすぎな気もした。
満足度★★★★
面白いラブレター
チケットプレゼントで鑑賞。85分。
リード文から感じたとおり、イキオイのある活発な舞台だった。んで、クライマックスのしっとりとしたシーンも丁寧に描けていて満足のいく仕上がり。演者紹介も含め、映像がうざったくない程度に使われていた点も好印象。ただ、一部演者の顔が見えにくい(陰になるような)照明だったのが気になった。
役者は、横田純と有村優太が良かった。
ネタバレBOX
高木(横田)と山口(金魚)を主軸としたラブコメ。占いを生活の軸に置く高木が、さまざまな苦難を乗り越え、山口にプロポーズしてハッピーエンド。
大半は、高木のドタバタで話が進行する(ここの場面場面がテンポ良く進められ、すっきりとした舞台になっている)。出てくるキャラも特徴的な人物像でわかりやすく、かつ面白い。狭い舞台でイキイキと動き回り熱気がひしひしと伝わってくる。ただ、整体師役の絶叫はややウルサイかもしれない(それも味だけど)。
それで、最終盤の高木と山口のシーンに行き着く。山口は過去に行ける(過去を見せる?)超能力があると言って、中学時代の告白シーンを見せる。今度は高木が未来を見せる超能力?をみせるといい、指輪をそっと山口の手に‥。
程よい臭さがラブコメの魅力で、本公演はこの魅力を上手に表現できていた。ラストの映像も青春の一コマを映し出し、爽やかな印象を与える良い演出だった(どのシーンだったか、山口が後ろ向きで歩いている映像も好き)。山口役の金魚のはにかんだ演技が素敵だった。なんか、クラスのひかえめな美少女って感じで。
舞台には中央奥に、その日の占いのめくりが置かれているだけ。役者が何役も演じるためモノトーンの衣装。話と演技、演出がしっかりしていたため、そんなシンプルな舞台でも充実の内容だった。