白痴
KARAS
シアターX(東京都)
2016/12/14 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1985(16-275)
20:00の回(曇)
ややおしでロビー開場、初日、スタッフの方がいつもより多い気がします。
20:06開演~21:10終演。
6月に観たこの「白痴」、この世のものとは思えない雲状の存在、~「それ」に焦点を合わせようとしても常にぼやけてしまう~は、薄れてゆく「意識」そのもののようで息を潜めて眠ろうとしているのか、じっと何かを狙っているのか。
トリックアートのように、見えるとおりのままに実在する、と意識は受け止めているが、片隅ではなにが真実なのかをかろうじて疑っている。
不思議な生き物は何を探しているのか。
ムィシュキン...ねずみとありました。
星の瞬きのようにユラユラとした灯りが意識のon/offをイメージさせる。
もちろん原作は未読、ロシア文学にも縁がなく、むりやりあると言ってみてもストルガツキー兄弟の作品と「ロシア・ソビエトSF傑作集(創元))、映画では「妖婆・死棺の呪い」くらい。
白と黒、明と暗。すべては黒に溶け込む。
余談:スタッフのお一人に訊いてみると多摩美の学生さん。調べてみると勅使川原さん「教授」だったのですね。月曜日、多摩美の学生さんも出ているカフェ公演があって、ちょっとお話したばかり(1月の「大工」は予約済)でした。また、夏に上野毛のキャンパスで観た「赤鬼」は野田さん作でした。
2014/4から始まり、今年もたくさん観ることができました。
ワンダフルムーン
トツゲキ倶楽部
d-倉庫(東京都)
2016/12/07 (水) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1984(06-274)
19:30の回(晴)。
18:35会場着、受付、19:00開場。最前列にミニ椅子。シンプルな舞台、左右にマイクスタンド。
19:17/19:30前説(110分)。
19:35開演~21:26終演。敢えて観ようとは思わないジャンルの「ミュージカル」。昔は劇団四季の公演に通っていましたが、今はもう...。
とはいえいままで「トツゲキ倶楽部」で外したことはないのと横森良造氏の演奏はTVで観ていたので。
生声がはっきりと届く席だったので巧いなぁ~(もちろん、全員がプロ級である必要はないと思っています)と感心しました。
月、オオカミとくれば「バンパイヤ」、こちらも昭和。衣装は総天然色。
AND
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2016/12/03 (土) ~ 2016/12/10 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1983(16-273)
20:00の回(晴)。
19:50開場、20:07開演~21:07終演、~21:14トーク終了(佐東さん、鰐川さん)。
タイトな白と揺れる赤。
佐東さんの舞はどんなに激しく動いてもカラダを包む空気はそよともせず、鰐川さんの舞は闇夜に唸る轟音のごとく激しく攪乱し、またはすべてを吸い込む..ようにみえる。
Breadの「if」ですね。
遺言
遠吠え
ギャラリーしあん(東京都)
2016/12/07 (水) ~ 2016/12/12 (月)公演終了
満足度★★★★
無題1982(16-272)
20:00の回(晴)。
19:40受付、開場。靴を脱いで中へ入ると右側と庭を背に客席。間にテーブル(ペットボトルの水、コップ)、鉛筆。ソファには女、テーブルには男が座っていて何か書いている。女の後ろの壁に紙が貼ってあり「正」の文字、何かを数えているのか。
19:56、20:03前説(ぼそぼそっと、55分)、開演~20:59終演。
女版。
正の字の棒の数、繰り返す変わることのない毎日。
女は5人いるが、そうはみえない。ならばどこにいるのでしょう。
さらに、これは「起こっていること」なのか、「起こったこと」なのか、「起こったと思っている」ことなのだろうか。
くちびる。
進んでいるようで何も変わっていないような気がする。
眩暈を覚える不可思議な時間で、どうしても踏み込めない女性の感性が間にあるような気がしました。
終演後、台本を購入。
今年の木村さんは8月の「大型(@すみだ)」をきっかけに3公演。
小島望さん「赤い竜と土の旅人(2016/3@すみだ)」「#14 平原演劇祭 2015・第3部(2015/8@新しい村)」「アダムの肋骨(2015/4@王子)」「壺を割った男(2013/2@恵比寿)」。
表情豊さん「至極滑稽亡者戯(2016/10@かもめ)」「ころころころ(2015/2@荻窪小)」。
佑木つぐみさん「トルツメの蜃気楼(2016/11@LIPP)」。
梢栄さん「大型」。
クロノス
東京農業大学 農友会演劇研究部
農大劇研アトリエ(東京都)
2016/12/08 (木) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1981(16-271)
18:00の回(晴、寒)。
17:25会場着、受付、階段で5Fへ上がり、待つ間スタッフの方にいろいろお訊きする。
千歳船橋というと「APOCシアター」、最近では「Blackbird ブラックバード(2016/3)」。キャンパスまで駅から15分位でしょうか「桜丘門」から入り建物をぐるっと回ると受付。
劇研アトリエ公演は年4回あるそうですがここは初めて、農大の公演も初めて。
予定していたのではなく、広一(女)さんのコメントがあったのでみてみると...お話は「クロノス・ジョウンター」。梶尾真治さんのSF小説は何冊か読んだことがあります。このシリーズや「美亜へ贈る真珠」他の中短編、エマノンシリーズ等々。
さらに好きなジャンルである「時間物」。でも脚本の成井豊さんは「キャラメルボックス」。一回だけ観た「夏への扉(ハインラインですね)」がまったく合わず以後「観ない劇団」のひとつになっています。
とはいえ、(こちらもちょっとな)野田さん、の作品を採りあげた「日本女子大学」「多摩美術大学」の公演は驚くほどよかったので、今回、大学公演だからと期待しながら観に来ました。
17:48開場、座椅子風の座席はふかふかで楽でした。18:03開演~19:53終演(前説のとおり120分)
正面、ジョージ・パルの「タイムマシン」のようなレトロな趣のクロノス・ジョウンター。色、造形。何よりも動いた時の感じがいかにも「B級テイスト(これは褒めています)」で、久しぶりのセンス・オブ・ワンダー感。「花屋」もそこまでやるか、という凝りよう(!)。
原作(戯曲のほう)を知らないのでピント外れかもしれませんが、主人公の行動がもうひとつぎこちなく感じられました。高度な科学知識がある一方初心で純真な心がぶっきらぼうな行動になってしまうくだりに共感するのがなかなか難しい。タイムトラベル物の肝はどうやって「歴史」を変えるのかという知恵と勇気にあるとすれば、ここは、ただ戻るのではなく(戻るのが目的ではないはず)もう一工夫あってほしいなぁ~と。
劇中、かすかに「Smoke on the Water」が聴こえる。
字が小さくて確認できませんでしたが「名札」もちゃんと作っているんだろうと思いました。
風が冷たく感じられる夜、みなさんたいへんアットホームな対応。
Dance Performance ~自由形式による創作~
日本大学藝術学部演劇学科
日本大学藝術学部 江古田キャンパス(東京都)
2016/12/09 (金) ~ 2016/12/10 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1980(16-270)
13:00の回(晴、寒)。
12:15受付、12:35開場、12:45/13:00前説(アナウンス)、13:06開演~14:03、14:15~15:16終演。
中ホールでのダンス公演は今年3回目。ダンサーの方々、他に小ホール、伝承ホール(渋谷)、セッションハウス(神楽坂)、さくらプラザギャラリー(戸塚)、きゅりあん(大井町)など、いろいろ観に行きました。
前後半、各5作品。いろいろな要素とパターン。演劇と比べるとかなり大きい舞台に照明が映え、カタチを変えた空間にダンサーの動き(創作)で流麗な対流がおこる。均衡から不均衡へ。お揃いの衣裳からカラフルな色のとりあわせまで。
年内:d-倉庫「サマーリフレイン」、年明け:セッションハウス「シアター21フェス」&5月。
AND
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2016/12/03 (土) ~ 2016/12/10 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1979(16-269)
20:00の回(晴)。
19:45着、受付しB1へ、19:53開場、20:05開演~21:05終演、21:11トーク終了。
佐東さんのソロ(前半の3日)。
白と黒が入れ替わる、輪郭の内側と外側が入れ替わる、幾何学模様を画く照明、楽曲は無限に、重なり合いながら浮かび続け、ノイズが場を吹き飛ばす。
とても深い、宇宙の最果てで起きているような印象。そこで動くことが出来るのは機械のカラダ、白い、モノリスを思わせるような身体、均一な今にも凍りつくような世界に永遠に沸点は訪れず、独り舞うものだけが発する熱(熱意、感情)は緩やかに、やさしく漂っている世界。
And は同時性を示すのか、またひとつアップデイトするということなのか。
イヤでも五感と思考を刺激する作品、小さな世界と大きな世界が並行、イメージが膨らむ。
ここでもやはり「200年宇宙の旅」で感じたものがあるように思ってしまう。機械のカラダには人工知能(AI)...終演後、正面に映したもの(照明)は「AI」という意味(形)かと質問したら「ちがう」と却下される(?_?)、でも考えすぎもまた楽しい、「お願い誰か私を 止めて」とはなりそうにありません(笑)。
今年度最後のアップデイト、次はシアターX「白痴」。
うはうはコロンブス~わかりはじめたベタ演劇~
劇団YAX直線
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)
2016/11/29 (火) ~ 2016/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1978(16-268)
19:00の回(曇)。
18:35着、受付(当日券で)、中へ。ハの字型に長テーブルと椅子。壁にたくさんのチラシ、下手にあるのはd-倉庫のダンス公演かな、正面の時計は「故障中」。
18:55前説(アナウンス、ちょっと洒落ている。かかっている音楽が大きいので少し聴き取りにくい)。
19:07開演~21:18終演。
冒頭、ダンスと自己紹介。こちらは初めて、関原吏紗さんからご紹介いただいたので観に来ました。男性は原ゆうやさんのみ。
関原さん以外は初めての方ばかりですが、萩原深雪さんは白米少女「静電気と少女(2016/11@梟門)」の当日運営していらっしゃいました。
「わかりはじめた」は途中で明らかになるものの(ライヴに行ったことあり)なぜこのようなタイトルになったのか、観劇後も??
女子大が舞台ですが、なかなか尖がった人物設定、当パン2ページにわたって登場人物のキャラクター解説が親切。
基本、コメディ路線。途中に芝居に関するミニ知識(江戸の三大改革、世阿弥・・・これが結構面白い)が披露され、後半は劇中劇が挿入されるのですが、ここはどういうわけか、やや違和感。いかにもな学生演劇としてもう少し短くし、全体として2時間を超えないようにした方がよかったと思います。
かなりの運動量なのに役者さんたちは最後まで全速でした。
※図書館で「風姿花伝」を借りました。
昭和荘怪人傳-怪人は怪人-・白地に赤く
ZEROCOMPANY (ゼロ・カンパニー)
絵本塾ホール(東京都)
2016/12/02 (金) ~ 2016/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1977(16-267)
18:00の回(晴)。
ここは初めて、住宅街に教会や結婚式場、近くには迎賓館。坂道を上がる(宅急便の方が荷物を必死に押している)と会場。
17:30受付、開場。入って左にひな壇席、舞台には大きなテーブルと椅子。
正面に手回し縦型電話機、蓄音機、レコード、ラジオ、壁掛け時計。
「昭和荘怪人傳」18:00~19:13
休憩
「白地に赤く」19:21~20:50。
こちらは初めて、
木谷美絢さんからご案内をいただき観に来ました。
戦後間もない時期と戦中。同じセットを使いながら「これから」という時代の始まりと「ここまでか」という終焉の始まり。
喪われたものの大きさが丁寧に描かれていたように思います。ですのでみんな始めから終わりまで「いい人」で表現されていたらよかったかなぁと思いました。
息が苦しくなるほどに跳ぶ
オーストラ・マコンドー
NICA: Nihonbashi Institute of Contemporary Arts(東京都)
2016/11/30 (水) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1976(16-266)
14:00の回(晴)。
13:16(戸外で待ち→地階へ)受付、13:31開場。ここは初めてで少し迷う。
真っ白な壁(正面には模造紙が貼り付けてある)とコンクリート床、ベンチシートと椅子席。14:15開演~15:55終演。
「オーストラ・マコンドー」を初めて観たのは「東京の空に(2011/4@王子)」、直近は「カズオ/斜めから見ても~(2014/8@DECO)」但しこれは二人芝居、5作目。
加藤睦望さんが出るというので久しぶりに観に来ました。
お話は「説明」のとおり。どちらかといえば狭い会場でカラダもココロも激しくぶつかり合います。激場版おしくらまんじゅう。
絡み合わない繋がり、大集団でスタートを切った後、どんどん離れてゆく距離感、(運不運)前後であったり、(分岐点)左右であったり、(普通の生活)大人になるということ、書きなぐった想いのほとんどは薄れ、破れ、消えてゆき、記憶から落ち二度と思い出すことはない、そんな風に観ていました。
加藤睦望さんは「さよならシンデレラ/σ^2=1(2011/9@DECO)」「座敷父さんと未来少女(2015/10@市田邸)」「バケホーダイ/月(2016/1@パラータ)」「少しのあいだ眠ること(2016/6@かもめ)」「マルカジット、マーカサイト(2016/10@サニーサイド)」。
カトウシンスケさんは「劣る人(2011/3@サンモール)」「~演劇のススメ~「走れメロス!」@SENTIO)」「片腕(2012/12@森下)」「さくらの会-太宰 治『女生徒』より-(2013/11@やわらぎ)」や今年は「knob(2016/7@EDGE)」。
遠藤留奈さん「第2回ブス会*「淑女」(2011/4@リトルモア)」。
でく田ともみさん「音木商店街物語(2015/9@風姿花伝)」。
鈴村悠さん「荒川、神キラーチューン(2016/6@ウエスト)」。
亜矢乃さん「ナチュラル・ウーマン2010(映画)」「檻の中の懲りない女たち(2010/6@銀座小)」「ハバカリ・ザマin寝覚子SA2010夏(2010/9@スズナリ)」「日本全国奇形鍋(2011/9@雑遊)」「白夜 -BYAKUYA-(2011/10@原美術館)」「ストレンジャー彼女(2012/3@雑遊)」「HEAVEN ELEVEN OF THE DEAD(2012/9@スズナリ)」「その日/比類なき明日の君へ(2013/11@MONSTAR)」
みそじんで観た釣遥子さんが演出助手だった(!)。
現在地
キュイ
アトリエ春風舎(東京都)
2016/12/01 (木) ~ 2016/12/05 (月)公演終了
無題1975(16-265)
19:30の回(曇)。
19:00受付(整理番号付)、19:10開場(3番ずつ)、入口で靴の汚れを落とす。
横長の対面(2列)、床には白いリノリウムシートでしょうか、役者が「客席」に座って戯曲を読んでいる。つぶやき、ささやき、いきづかい...隣の方ですら集中しないとよく聞き取れない。カラダが弛緩しているような風情の男が彷徨している。
19:32前説(アナウンス)~20:55終演、~21:25トーク終了。
調べると「キメラガール アンセム/120日間将棋(2012/11@BASE」で綾門さんが演出助手、中田さん出演。
Cui?は「きれいごと、なきごと、ねごと、(2014/5@眼科画廊)」が初めてで、すでに、新田佑梨さんが出演。今回無隣館の役者さんが多く、イベントの「幕が上がるよ(2016/9@ここ)」は意外と面白かった。
受付に行くと、谷さんがいらして、つい先日(11/27&28)「シュガドノッカペラテ(@成城学園前)」でも制作だった杉浦一基さんも。こりっちで公演概要などをよく見ずに来たので「!」な感じ。
余談ついでに...ヌトミック「シュガドノッカペラテ」を観た帰り道、小田尚稔さんとご一緒だったので少しお話し。当パンを見ると小田さんの次回作、坂倉奈津子さん出演、杉浦一基さん制作...。
大竹さん、鶴田さん、新田さん、中田さんはよく観ていて、坂倉花奈さんは、DE PAY'S MAN 「100まで」(2016/3@アサヒ・アートスクエア)。西村由花さんは「コロラド(2015/3@眼科画廊)」「柿喰う客フェスティバル2016 『露出狂』(2016/6@王子)」を。
トルツメの蜃気楼
<火遊び>
GALLERY LIPP(東京都)
2016/11/03 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1974(16-264)
19:30の回。
19:00受付、開場。
ここは2回目(2015/8)。
入って左と奥にL字の客席、道路側に舞台、もうひとつLの角も舞台になってデスクが置かれている。役者さんはすでに座っている。
編集プロダクションで行われている「校閲」のお話し。
※文書や原稿などの誤りや不備な点を調べ、検討し、訂正したり校正したりすること(wiki)。
「Fire pRay ―秋津悠理のためのリサイタル―(2013/6@悠玄)」以来の2作目。
今駒ちひろさん(本年3作目)が出ているので観に来ました。
黒沢佳奈さん「サイキックバレンタイン(2011/2@ミラクル)」。
佑木つぐみさん「伯爵のおるすばん(2013/10@サンモール)」。
金子優子さん「タケルのミコト(2015/2@BOX)」他。
印刷(文字)物に囲まれたオフィス、登場人物に共通点はなさそうだし、仲がよいのでもない。事業のこと、夢のこと、過去のことなどが浮かんでは沈んでいるよう。
椅子を引きずる音が繰り返される。
嬉しいことはひつともなさそうな世界、それが蜃気楼なのだろうか。
シュガドノッカペラテ
ヌトミック
みんなのひろば(成城学園前)(東京都)
2016/11/20 (日) ~ 2016/11/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1973(16-263)
17:00の回(雨)。
16:30受付、開場(靴は脱いで)。
成城学園前は初めて。
会場は音楽教室、フローリング床、ベンチシート、パイプ椅子。
16:59前説(30分)、17:02開演~17:35終演、当パン配布。
「それからの街(2015/11@site」を観たときには全然わからなかったのに
なぜかカラダのそこかしこに引っかかったものを感じていました。2016/2の再演は都合がつかず。今回、30分ながら公演があるというので観に来ました。
ミニマルミュージック。演劇における「繰り返し」は「苦手」を通りして「嫌い」。と思ったのではあります...が、同時並行で会話が進むものもあるし、風の音や雨の音なども繰り返しですし。
「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」読んで「音作り」に面白さを感じた。たとえば「Revoluion 9」は面白くないが興味深い。ロックの「リフ」は繰り返しだ(但し、かっこよくなければ退屈)。
ゆるやかに対称的な二人のしぐさ(マニュキアの色)。
真っ黒な四角柱や壁に貼り付けた板はなんだろう。ミニ「モノリス」のように思ってしまう。
調べてみると、藤倉めぐみさんは「ドッグマンノーライフ(2016/6@ST)」「Saitama Frontage(2016/9@電車の中)」に出ていたのですね?
やはり、ちゃんと確認してから観に行かないとダメですね。
のぞまれずさずかれずあるもの
TOKYOハンバーグ
アトリエベルン(東京都)
2016/11/25 (金) ~ 2016/11/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1972(16-262)
13:30の回(晴~雨)。
12:50受付(光藤さん)、13:12開場。※予約完了メールには「当日精算のお客様の整理番号は当日受付順」とありましたが、今回はなしでした。
外観は普通の家、中も普通の家で、凸形の間取り、入って左に客席(桟敷、ミニ椅子、パイプ椅子の3列)。下手(壁面収納?)から、別室へ通じている扉、トイレ、奥行きがあるスペースには水槽とテープル(ぐるりと椅子)、窓には白いカーテン、上手には2階への階段ともともとは何に使っていたのか本棚があり、暗幕で隠れたところはキッチンでしょうか。
フローリング床で会場に外光は入ってきません。
13:32前説(3分待ち、95分)、開演~激しい雨、雷鳴~15:09終演。本年3公演目。
初演は2010/11@千本桜。TOKYOハンバーグはその次の「髪結う時(2011/5)」からなので観ていません。ちなみにこのとき出演されていた土屋士さん、「青(2016/9@OFF OFF)」を観に行きました。
宮城県石巻市、1973年赤ちゃんあっせん事件、1987年民法改正「特別養子縁組」、翌年施行。
アイデンティティ。
最近、続けて「LGBTってなんだろう?」「Xジェンダーって何?」「多様な「性」がわかる本 -性同一性障害・ゲイ・レズビアン-」を読みました。知らず知らずのうちに本公演を観ながらアイデンティティについて考えていました。
親の離婚、再婚。ネグレクト。貧困。
受付にいらした光藤さんは「卒業」してしまいました。初めて観たのが私と同じ「髪結う時」だそうで、次作の「百光年の詩」に出演、その少し後、モスクワカヌさんの「The girls next door」も観に行きました。5年前です。
すでに新しい道へ踏み出しているそうで期待しています。
羽とままごと」
劇団晴天
SOOO dramatic!(東京都)
2016/11/23 (水) ~ 2016/11/28 (月)公演終了
満足度★★★★★
無題1971(16-261)
19:30の回(晴、寒波か)。
18:50受付(整理券あり)、19:00開場。
コンクリートに囲まれた倉庫のようところにこたつ、ベッド、ソファ、テーブルが離れ離れに。入って奥にひな壇席、たぶん満席。
19:26前説(90分)、19:33開演~20:57終演。
こちらは初めて、ここも初めて。
かなり歯ごたえあるお話でした。「これはこういうことか?」→「いやいや違うんじゃないか」と自問自答しながら少しずつ輪郭がはっきりしてくるのが後半に入ってから。「この倉庫」を会場としてどういう「家」として設定しているのかと勘違いな方向をみていました。見えているものが物語でどういう意味を持っているのかいろいろ考えてしまうのですが結局考える必要などありませんでした。まずは素直にみましょうということでしょうか。
言葉遊びは少々苦手、よくある話しではない話はとても面白く、なんといっても役者さんたち好演。
※暖房が入っているのかいないのかだいぶ寒さを感じました。
過去の作品では
浅場万矢さん「動物たちの冬(201 2/11@せんがわ」「男装音楽劇 くるみ割り人形(2016/3@ウエスト)」「それから(2016/4眼科画廊)」「ケムリ少年、挿し絵の怪人(2016/6@吉祥寺)」。
本山歩さん「三鷹の化け物(2011/9@星のホール」「男装音楽劇 くるみ割り人形」「㐂(よろこび)2012/5@BOX)」「ドブ、ギワギワの女たち(2013/3@AiiA」「木(2013/8@サンモール)」。
白石花子さん「劇王 天下統一大会2015 東京予選(2015/1@ミラクル)」」「楽屋(2015/3@眼科画廊)」「ゾーヤ・ペーリツのアパート(2016/7@ウエスト)」。
西島大輔、角田悠さん「ザ・シェルター(2016/5@絵空箱)」。
鈴木彩乃さん「男装音楽劇 くるみ割り人形」。
ザ・タイムマシーンズ【全日程終了しました。ご来場誠に有難う御座いました!!!!】
THE TRICKTOPS
劇場MOMO(東京都)
2016/11/23 (水) ~ 2016/11/29 (火)公演終了
満足度★★★★
無題1970(16-260)
初日、14:00の回(曇)
13:31受付(津金さん!)、13:33開場、椅子席、ひな壇。
グレーの無機質的な壁に囲まれた舞台。
カウントとしては「アルマ(9th)」2015/1@ポケット以来の公演。実際には間に2作「Loft(22015/12)」「シェアハウスへようこそ(2016/4)」がありました。
アインシュタインからデロリアンまで研究者の極小世界に蠢く策謀を巡るおはなし。個人的に宇宙の話や自然科学に関する本をよく借りているのと、かつてSFに浸りきっていたのでかなり前のめりで観ていました。
初日だからか少々ぎこちなさを感じましたがテンポの速い展開と謎解きはTHE TRICKTOPSらしい。
今回も名札に凝っていました。女性科学者、 Virtual Reality、改ざんなど「今の」エピソードから懐かしい映画まで「おっ」と思うストーリー。
でも、できれば「タイムトラベル」物ではもっとハッピーエンドになってほしい(切に希望)。
第55回神奈川県高等学校演劇発表会
全国高等学校演劇協議会
神奈川県立青少年センター(神奈川県)
2016/11/19 (土) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1969(16-259)
11/19(土)雨~曇、11/20(日)晴。
2日間で全13校、一人芝居、二人芝居から総勢30名くらいのチームまで。
全国高等学校演劇協議会規約によると「上演時間は、演技時間60分以内」「キャスト及びスタッフについては在校生のみ」。
神奈総を観に@神奈総での横浜地区大会Dブロック(10/9)、@テアトルフォンテでの横浜中央大会(10/22)と観てきました。
高校生の演劇に初めて触れたのは、当時、神奈総現役生だった岩井美菜子さん主宰の「人間嫌い」2014/11、第一回公演でした。それ以前に神奈総出身の役者さん、ダンサーの方々の公演に行っていたので、最初はなんとなく。
今回、神奈川でフルに2日間観ることにした理由は、昨年度、11月(さいたま芸術劇場)に埼玉県の中央大会を観に行ったことが発端。
芸術総合高等学校がオノマさんの「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」を演る、とあったのでした。(Q体は行けるところであれば行くようにしていて、このときで4公演目)。時間の関係で3校しか観ることはできませんでしたが、いずれも好印象。このとき、総合高校の「Q体」は関東大会最優秀賞を受賞、全国大会でも優秀賞を受賞。
当日、開演前、学生服の集団の中で並んでいたとき受け取った公演案内が筑波大学附属坂戸高校演劇部のもので、その後こちらもなんとなく校内公演に行ってみたところ、とても面白かった。
本県大会、13校、やはり個人的にはお話や演出の好き嫌いはありますが、観ていて不思議な高揚感が湧き出してきます。高校生だな~これが高校生か、までさまざまなキャラクター、美術も衣装も照明も音響も手作り。前方に座っているので、会場の中ほどや後方ではどのように観えるか聴こえるかはわかりませんでしたが、大学生やその上の世代の小劇場公演に引けをとらないものばかりでした。
ロビーには手書き原稿からつくった「あかいくつ」というペーパーが並べられ、手にとってみると「Q&A」形式で作品を選んだ理由、見所、苦労したこと。部の雰囲気などが書き綴られています。とても高校生らしい純真さ。
芝居が終わるとすぐ緞帳が下り、15分で次の高校が準備をするため舞台上で揃っての挨拶はない。ここはなんとかできないものだろうか。
観客のほとんどが高校生+卒業生、残りが関係者(大学で芝居を観たことがある人たちも)...はたして一般の人ってどのくらいいるんだろう。ましてや電車で1時間半ちかくかけてやってくる者は、いないだろうな。
今回の地区大会で107校、たくさんの人たちで創っている演劇大会、来年は、埼玉と神奈川に行けたら。
男子校にはいじめが少ない?
趣向
横浜にぎわい座・のげシャーレ(神奈川県)
2016/11/11 (金) ~ 2016/11/12 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1968(16-258)
19:30の回(曇)。
ここ「のげシャーレ」は二回目、 岩渕貞太さん、北川結さん、小暮香帆さんのダンス公演「斑(ふ)」2016/2。
18:30受付(チケットはなく、当パンがチケット代わり)、19:05開場。王子の時にはチケットに番号を書いてくれたのにここではなかったので受付順の入場ではありませんでした(なぜ?)。
ひな壇の客席(ベンチシート、一部パイプ椅子)。
舞台には王子と同じく9つの椅子(箱)とそれを囲む白い枠、中空にも白枠。違うのは、左右に楽器、下手にキーボードとギター、上手にはドラムスとベース、周辺に機材。舞台手前に2つ、モニター(?)が客席に向けて置いてあります。アコースティックからエレクトリックな世界に代わったような印象。楽器群が照明に反射。
19:30、前説、奏者、チューニング、開演~21:00終演。
パンドとマイクによる音響効果は抜群でとてもクリアな印象を受けました。
9人いるのに8つの枠、大きさや高さはみな違う、「9-1」で8人、ひとりにひとつの枠にみえる。
エイリアンはどこにいるのだろう。
なぜエイリアンとチャリンコだけが違っているのだろう。
竹蜻蛉だけが白枠に手が届いたのはなぜだろう。
みな「定め」
床には大きな境界にもみえる枠、その白枠は超えるべき壁か。
椅子を吊り上げたのは、自らの足で立ち上がるためなのだろうか。
高校生には見えないのにみな不安を抱えながらも生き生きしている。
「自転車」の大川さん。「りんごりらっぱんつ(2010/11@サンモールS)」で初めて観たのですが全然「変わっていない」。
お名前でよーく調べてみると
飯塚ゆかりさん「地下鉄(2012/5@SENTIO)」「迷迷Q(2014/4@アゴラ)」。
伊藤昌子さん「チェインソング(2012/12@駅前)」。
中谷弥生さん「ゾーヤ・ペーリツのアパート(2016/7@ウエスト)」「寄り添い支える(2014/5@絵空箱)」「森の別の場所(2013/11@風姿花伝)」。
窪田優さん「Q体(2011/5@KAAT)(2015/2@KAAT)」「星の結び目(2011/12@アゴラ)」。
関森絵美さん「奇跡の年 ANNUS MIRABILIS(2015/1@KAAT)」「プラスチックプール(2015/9@空洞)」「「わたしたちのからだは星でできている(2016/7@青少年センター)」。
清水那保さん「11のささやかな嘘(2011/7@みゆき館)」「VOICE(2014/11@ストロボカフェ)」。
三澤さきさん「ユメミルヘヤ 他3篇(2012/5@RAFT)」「遺作(2013/8@RAFT)」「ツヤマジケン(2014/7@王子)」「キスミー・イエローママ(2014/8@OFFOFF」他。
燦々
てがみ座
座・高円寺1(東京都)
2016/11/03 (木) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1967(16-257)
19:00の回(曇~雨)。
18:40会場着(全席指定)、座席はB列からで2列目でした。
18:57(前説、アナウンス、130分)、19:03開演~21:11終演。
王子小劇場で初めて「てがみ座」を観てから(2011/4)5年半。劇団員の方の客演作もできるだけ観に行き、今年は前作(3月)と本作で2本、会場、演出ともだいぶ違った作風。
絵を観に行くというと、国内のものでは特定の作家さん(ホキ美術館の写実画、マンガ原画展、また観たい池口史子さんは洋画だけど)は観ますが
「浮世絵」の原画をじっくり観たことはなく、常設展で展示されていてもほとんど素通り。
会場の広い空間にたなびく薄い白布、具体性を抑えた清楚な美術が私の乏しい想像力ですら刺激する。
北斎は名前しかしらず、最近のニュースで「シーボルトが持ち帰った絵」というのを聞いてフーンと思っていたらちゃんと本作の中にも出できました。観劇後、書店に北斎コーナーがあったので手にとって見るとナルホドーと感ずるものがありました。
11月22日、両国に「すみだ北斎美術館」がオープンするそうで、シアターXに行ったときにでも観に行こうと思う。
広い舞台、日芸の中ホール(江古田)、伝承ホール(渋谷)、スペース・ゼロ(新宿)なども広い空間で様式美と強く息づくものを感じる。
舞台上の役者さんの動きを観ていながら、コンテンポラリーダンスに近いものを感じる。
てがみ座の作品には、群集が駆け足に近い歩きで時の流れを作るシーンが出てきますが、今観に行っている神奈川県の高校演劇発表会(11/19-20が県大会)、神奈川総合高校「この国をさがして」にも同じようなシーンがでてきます。単に役者が右に左に移動するのではなく「この国」が大きく動いてきた軌跡を描いていました。
まさに「人に歴史あり」
次は1年先...初演から今に至る間に少しは賢治の世界に触れることができましたが、まだまだこれから。
本科(56期生)発表会『女の一生』
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2016/11/13 (日) ~ 2016/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1966(15-256)
13:00の回(快晴)。
12:10受付(予約順に整理番号あり)、12:32開場、赤(優先)、青と黒(5人ずつ)。最前列はベンチシート、2列目から椅子席。会場入口に「2時間45分 13:00-14:40、14:50-15:45」と貼り紙があったので2列目の椅子席に座ります。
演劇研究所に「本科」というのがあり近々公演があると教えていただいたので、予約初日に電話するもなかなかつながらず(昔のぴあみたいだ)、なんとかつながったときは30分くらい経っていたでしょうか「28番」でした。
本科の昼間部の回、劇団ピアチェーレ(昨日、代々木上原のIto・M・Studioで1年ぶりの公演を観ました)出身の山下智代さんを観に来ました。2年8ケ月振りになります。
帰宅し調べると相当な作品。それでも普通だったら観に行かないのですが、
山下さんが在籍しているから観ることができたのは「縁」でしょうか。
一幕ごとに役者さんが代わるのでちょっと混乱。にもかかわらず、お話の緊張感は途切れることなく、「一生」を描ききったようです。明治~大正~昭和、事件と戦争の時代。
本科総出のようでしたが実にいきいきとした若い世代の力作。