わが星
ままごと
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2011/04/15 (金) ~ 2011/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
カタストロフィー
いい作品でした。
初演を見た人は、また違う手つきで作品を観ることになることでしょう。
はじめて観る人は、その世界の完成度を堪能してください。
完成度が高いのに現在(いま)の風が吹いている。
そんな作品でした。
『humming5』
ポかリン記憶舎
SANSAKIZAKA CAFE さんさき坂カフェ(東京都)
2011/04/22 (金) ~ 2011/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
人間が一番怖いし面白い。
私の中でも、特別な部分を占めている人たちの公演なので、毎回欠かさずに見たいところなのですが、実は今回「humming」シリーズは初めて観ました。
スリリングな関係性をどう構築して、展開していくのか。
人間の気持ちの機微の部分を描写するのに、このような元々にある場の雰囲気から立ち現われる、幻想的なイメージが重要な要素として設えられる。
こういう感性に触れられる機会を得られるということは、格別な気がします。
素晴らしい公演でした。観客収容人数が少ないので、周りの人たちにあまりお勧めできなかったのですが「知る人ぞ知る蕎麦屋」みたいな公演ですよね。無理をして観に行ったかいがありました。
冬眠する熊に添い寝してごらん
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2014/01/09 (木) ~ 2014/02/01 (土)公演終了
満足度★★★★★
蜷川さんの演出力、圧巻!
4時間30分の公演、全然眠くならなかったし、つまらなくならなかった。ひとえに、演出家蜷川幸雄が観客を飽きさせない工夫を凝らしたからだと思う。見せ場もいろいろあり、「ダレ場」も「ヌレ場」もしっかりと作り込み堪能できるようになっている。戯曲から演出家は何を工夫し料理するべきなのか?といういい教科書になっているような気がする。台本の台詞に忠実にやる事でも演出家は、個性をだし得るものだし、そこでキラリと光らなければ、演劇作家としての才能はあったとしても演出家の才能としては認められないと思う。(たとえば西尾佳織は、作家として優れていても、演出家としてまだまだであるといえる)
ボーナストーク
ホチキス
王子小劇場(東京都)
2010/12/24 (金) ~ 2010/12/31 (金)公演終了
ナカフラ演劇展
中野成樹+フランケンズ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/06/07 (木) ~ 2012/06/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
成熟した演劇
とっても大人な劇団だと思う。
くだらないこともやっているのだけれども、ちゃんと見通しが立ってヤリ過ぎない。酔わない。溺れない。山の手の都会的スマートさというべきか。
特にCプロの3本はそれぞれ持ち味が異なりながら、とてもクオリティが高く、笑えたし空寒い怖さを秘めたユーモアが絶妙に輝いていた。
俳優も個性的で魅力的。けれどもアクが強いとうよりも洗練されている持ち味という感じである。30分~1時間の短編物としての切れ味のよさは、長編物の時にはエグ味となったり、人工的な印象につながるのだが、短編は素晴らしい。
雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/01/23 (木) ~ 2014/02/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
ポップじゃなかったからと言ってどうだというのか?
当たり障りの無い言葉では紹介出来ないので、はっきりと書きます。
とても実験的な作品です。物語性を追求しつつ、演出上はのぞき見公演と通常演劇の融合を目指しており、とても志が高い。実際にその意味ではとても成功している作品だったし、この体験がガレキの太鼓ですといえる代表的な演出作品になったのではないかと思う。ただ、テーマの中心に薬物の問題があり、モラルの崩壊は本当に世の中の崩壊なのかというような根源的な問いを含んでいるため、観ている者の身につまされる経験を催させるし、トコトン面倒くさいという感想も出るだろう。
ビターな話が好きな人は取り組んで見るベキ作品。スイートが好きな人は、別の芝居を観に行けばいい。普遍性が高いが煮えたぎった熱湯に手を入れると火傷するよっていう作品。
アトミック☆ストーム
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2013/05/31 (金) ~ 2013/06/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
演出家!
中屋敷さんは同世代の演出家としては抜きん出た存在なのじゃないかと思う。この作品は素晴らしかった。世代の枠を超えて演出を任せられるという域まで達している演出家だと思いました。
ライクアプラスチック
あひるなんちゃら
ザ・スズナリ(東京都)
2013/07/19 (金) ~ 2013/07/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
型に嵌まって最高でした。
演劇に型を求めるとつまらなくなる芝居もある。しかしこの劇団は型に嵌まって強さを押し出す事が出来る劇団なのだという事が今回の公演を観てとてもよくわかった。頭に乗らずに素晴らしい作品を作り続けて欲しい。
国語の時間
風琴工房
座・高円寺1(東京都)
2013/02/22 (金) ~ 2013/02/28 (木)公演終了
「空のハモニカ-わたしがみすゞだった頃のこと-」
てがみ座
座・高円寺1(東京都)
2013/08/01 (木) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★
傷。
作品は良かったが、舞台美術に難があったのではないかという気がしてならない。狭い京都と広い座・高円寺と空間それぞれに対応したツクリではなかったのだろう。焦点がぶれた印象を持った。
演出が空間によって変えてないとするとそちらの問題かもしれない。いずれにしてもスタッフワークに不満の残る作品となってしまった。
対面式舞台を上手く使い切れていなかった。
小さなエール
643ノゲッツー
OFF OFFシアター(東京都)
2012/10/02 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了
満足度★★★★
小さなエール
人間関係がドロドロしたドメスティックなものが嫌いな人は、この芝居は向かないかもしれない。けれども、この芝居は人間関係のドメスティックなドロドロ部分を描く為に創られた作品ではない。ドロドロした部分を描くのは、その先の「小さなエール」がおくられる光景を描くためなのだ。
コンセプトの「俳優が舞台上で照明操作をすること」が、人間の野獣性を描いた部分への歯止めとなり抑制された枠として機能することによって、ストーリーのバランスを保っている。
まるでボクシングの野獣性がゴングという時間の制御によって興行のバランスを取っているように。
出来た作品なのだが、もっと先を観てみたくもなる。
★2011年★姫初め★あけおめ撲滅バナ晦バナ詣おはぎライブ【バナ☆キス!】
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2010/12/31 (金) ~ 2011/01/01 (土)公演終了
満足度★★★★
バナナで姫はじめ
恐るべしパワー。
まるで高校文化祭のダンスパーティ。
気合いの入り方が気に入った。
大晦日に公園で一生懸命練習する心意気が素晴らしい。
アンダー・ザ・ロウズ
虚構の劇団
座・高円寺1(東京都)
2011/04/08 (金) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★
なつかしい90年代
いいお芝居だったと思う。
話の間口も広いし、見てていろいろと楽しめた。
「エゴ・サーチ」の時と較べて、役者の力がアップして、
あてがきの面白さが空回りせず機能していたということだろう。
遊機械だったり、300だったり、つかこうへい、遊眠社だったり、第三舞台って、
そういえばこういう風に劇団の役者それぞれのキャラクターを
イメージを膨らませて、劇空間で愉しんでいたなあと、ふと思った。
歌舞伎の名題じゃないけれども、そういう感じでキャラクターを楽しめるお芝居を大きな空間で作っているのはある意味この劇団の強みだと思う。
WWW
001
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/07/27 (水) ~ 2011/07/30 (土)公演終了
満足度★★★★
現在のこととか、そうじゃないこととか
3.11以降、書き手は皆、この問題にぶつかるようだ。「現在のことを書きたい、しかし”そのもの”ではなく、演劇とか表現とか、そう呼べるような作を乗せたい」
本作も、そのような作家意識に格闘したひとりの劇作家の作品だ。
舞台上で起こっていることは全部、虚構だ。
そして、作意が確実に存在している。
これが演劇の紛れも無いことで、現実と彼岸との距離を明確に描き出したとき、作品は自立するのだと、前に誰かから聴いた。
この作品は、そういう意味でとても自立した作品である。
そして、聴こえ方によっては、ミイラの居る深い石室の中へ、そっと引きづり込まれそうになる。
演出家と俳優との企みによって、この試みはより深い心の闇へと誘う。
現在地
チェルフィッチュ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/11/28 (木) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
満足度★★★★
完成形。しかし、押し詰まった感
とても魅力的に洗練されている作品だった。すべてが狙い通りに配置されて実行されているのがよくわかる作品だった。しかし、完成度が高いので、余計な夾雑物が無く純度が増しているように見える反面、行き詰まりの絶望感も露わになっている印象を受けた。絶望の先には別のものを作るという未来の創作の意欲というものがある訳だが、そういうものも垣間見えた気がする。
みんなヒリヒリするって言うけれど、普段90点取っている人が100点とったという素晴らしさがある反面、驚きは無いなあと。
驚きを求めて演劇を観ているわけじゃないけれど、魂を自由にする驚きって何だろうと考えてしまう。
紙風船文様 Vol.2
カトリ企画UR
atelier SENTIO(東京都)
2013/07/22 (月) ~ 2013/07/28 (日)公演終了
満足度★★★★
良い演出家
戯曲に書いてある事をどのように表現するのかというのが、演出家の求められている事だと考えるならば、山本さんはその任を充分応えている満足の出来る作品となっておりました。
Aftershock
PLANT M
ギャラリーLIFT(東京都)
2013/12/09 (月) ~ 2013/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★
せりふの素晴らしさ
演劇において、セリフの先に風景が見えるというのは素晴らしい事だ。樋口ミユがそういう、風景が見える作家であるということがこの作品を観るとよくわかる。本人が書きたいものを、作品として書ききれているかは、本人しか分からない所だが、とても覗いてみたい闇というものが其処にある。だから観客として観る分にはとても申し分無い作家だ。
あとは、役者の技量と演出が何処まで追いつき、追い越すことが出来るのかだが、今回長期に渡り公演を行ったのもそこを勝負する気概があっての事だったろう。
私は残念ながら初日しか観る事が出来なかったが、初日と千秋楽では世界が天と地ほど入れ替わって体現されている事は容易に想像出来た。
見世物革命ゴウマちゃん
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シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2013/08/23 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了
満足度★★★
祝祭があった。
とても勢いがあり、狂躁のうちに公演が終わったという印象です。ダンス・衣裳・化粧・歌詞・歌・テクニカル・客対応、どれをとっても満足のいくエンターテイメントでした。
このテンションを維持して大きな所に羽ばたいていって下さい。
わが町
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2011/01/13 (木) ~ 2011/01/29 (土)公演終了
満足度★★★
裏切られた展開
新国立劇場の中劇場を存分に使った、3時間10分の長編作。
1,2幕はどうってことない様に進んでいくのだが、3幕が美しかった。
むしろ、3幕のために1・2幕があるといってもいい。
新国立劇場芸術監督宮田慶子さんの意図が明確な作品だった。
バックで歌われる賛美歌とピアノの演奏がとても繊細で綺麗だった。
全体的に言うと、とても洗練されて都会的で、田舎町という風情は微塵も無い舞台だった。
God save the Queen
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/09/12 (木) ~ 2013/09/16 (月)公演終了
満足度★★★
心が騒いだ
うさぎストライプ
よくある感じ。たいへん上手くまとめてました。だから何?という感じ。
役者の声・BGMの音の量が雑。というか効果的じゃなかった。
タカハ劇団
空間と時間尺を上手く生かした作品。安心と安全の設計。
鳥公園
奇天烈だった。五本の作品の中で一番作家性があると思った。
高低も上手く使って大きな空間がちゃんと使えていた。
ワワフラミンゴ
シンプルで演劇的、会話と身体で演劇を見せるということが一番出来ていた。どこででも出来る普遍性のあるクオリティーの高い作品。
Q
鳥公園も獣姦を扱っていたけれど、こちらの方がグロかった。凄まじかったけれども、下品。
5本の作品を観て、なにが「クイーン」なのか「セイヴ」なのか、「ゴッド」なのかよくわからなかったけれども、観て良かった.