冬眠する熊に添い寝してごらん 公演情報 Bunkamura「冬眠する熊に添い寝してごらん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    蜷川さんの演出力、圧巻!
    4時間30分の公演、全然眠くならなかったし、つまらなくならなかった。ひとえに、演出家蜷川幸雄が観客を飽きさせない工夫を凝らしたからだと思う。見せ場もいろいろあり、「ダレ場」も「ヌレ場」もしっかりと作り込み堪能できるようになっている。戯曲から演出家は何を工夫し料理するべきなのか?といういい教科書になっているような気がする。台本の台詞に忠実にやる事でも演出家は、個性をだし得るものだし、そこでキラリと光らなければ、演劇作家としての才能はあったとしても演出家の才能としては認められないと思う。(たとえば西尾佳織は、作家として優れていても、演出家としてまだまだであるといえる)

    ネタバレBOX

    回転寿司は圧巻でした。舞台面から左右の客席通路、真ん中の通路と四角形の回転寿司のベルトコンベアーが設営され、寿司を食べるシーン。それまで1時間30分経過した芝居に新たなる衝撃を齎した。前半の芝居の一番キーとなるシーンを、俳優の演技性だけでなくセットのスケール感で、観客を圧倒させて重要なシーンである事を認識させる流れは、蜷川さんの演出のうまさだと思います。
    冒頭の劇場の向こう側の搬入口を開いて向こう側から犬がやって来る演出は、テント公演の手法ですし、大仏の首が回転すると大きな犬の顔になるところは、とても歌舞伎的な演出でもありました。
    つまり、「なんでもあり」「やりたい放題」の演出だった訳ですが、それぞれにちゃんとした意味付けがなされて意図通りに作用しているのは流石だと思いました。
    主人公の二人のラブホテルのシーンも、ベッドが恐ろしく八百屋になっていましたが、これは転落する寸前の二人という象徴であったと思うし、埠頭と練習場を電話以外の部分で繋がっているということを殴るという形象で表現するなど、伝えるためのあらゆる手管が敷き詰められていたと思います。老獪という言葉で言っていいのか。
    もちろん、休憩時間にはお寿司を買って食べました。

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    2014/01/28 01:12

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