アガリスクエンターテイメントコーヒーカップオーケストラ
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2013/06/29 (土) ~ 2013/07/06 (土)公演終了
満足度★★★
まっ、ウィークエンドシャッフルですから
二つのコメディ劇団のコラボ公演というよりコラボ祭り的雰囲気だったかな。シアターミラクルという劇場もライブ感を盛り上げるキャパシティだったし。
どちらかというと「シチュエーションコメディレクイエム」のほうが好みかな。人格が入れ替わるというのは「転校生」以来、お馴染みのパターンだけど、これだけスピーディーに(徐々にスピードを増した感じ)次々と入れ替わると観ている方は楽しい。しかも白いキャップに大きく名前が書かれているのでわかりやすい。
「ナイトステーション」はいまいちストーリーが掴みづらかった。時々小ネタでクスリと笑えるのだが、いつもの笑いの爆発力は感じられなかったようだ。時に悪ふざけに傾く傾向があり残念。だけどそんなところも「コヒオケ」なら許せてしまうのだ。逆のことを言うようだが後藤さんのはじけ具合は痛快でもあった。
「トリッパー」は結構楽しめました。
最後のグリーンマン(?)はちょっと中途半端でしたね。一緒に出てきた宮本さんが(時間を気にしていたのか)ちょっと素に戻っちゃってました。後藤さんのように最後までバカやってほしかったなあ。
シャッター
バッカスカッパ
劇場HOPE(東京都)
2013/07/03 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
鮮やかに切り取られた日常風景
とにかくホッとするようなあったかい空気感が抜群だった。私の最も好む作風かもしれない。
田舎町の食堂兼居酒屋で展開する物語は登場人物がそれぞれ同級生同士だったり、先輩後輩の仲だったりしてアットホームな雰囲気に溢れていた。(役者がそれを感じさせるだけの演技をしていたということだろう。)
彼らはそれぞれ悩みや問題を抱えているのだが、それがうまく物語に組み込まれていて観ていて飽きさせない。またいいタイミングで随所にコミカルなシーンがあり、その笑いのセンスも好みだった。
ラストはなんとなくフェードアウト、というか「つづく・・・」のような感じで終わったがこれはこれで納得できた。(できればパート2を上演してほしい位だ。)
いやっー、楽しかった。
ことほぎ
文月堂
「劇」小劇場(東京都)
2013/07/03 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
小劇場的エンタテインメントだなー
小さななアパートを舞台に巻き起こる出来事を描く群像劇というのはありがちな設定だが、小規模の小屋で行われる芝居には一番シックリくるじゃないだろうか。
群像劇でたまに見られるのは、登場人物の紹介的な内容が長く、各人のキャラクターが不明瞭なまま進行していくという展開。この作品はそんな危惧をはね飛ばし、各人のキャラクターの輪郭が明瞭かつ個性豊かで観る者を存分に楽しませてくれる。
物語の方もドラマとコメディの要素がうまく融合していエンタテインメントの要素も十分だ。
印象的なシーンはアパートの管理人、渡橋美奈子が折り合いが悪かった兄嫁の差し入れである砂糖のかかったトマトをむさぼるよう食べるシーン。彼女の本音が吐露され、そこに兄嫁の思いが重なり、こちらの胸に沁みこんでくるような美しいシーンだった。
もうひとつ、役者で注目したのが双数姉妹の辻沢綾香さん。彼女はいくつかの舞台の客演で拝見していたが、今回も個性的なキャラを演じ切って大いに笑わせてくれた。今後も期待の女優さんです。
Call me Call you
劇団6番シード
吉祥寺シアター(東京都)
2013/06/27 (木) ~ 2013/07/04 (木)公演終了
満足度★★★
雰囲気だけでは・・・
皆さん絶賛されているところ恐縮だが私は少々退屈だった。のっけから大型トレーラーに映し出されたタイトルに期待は高まったのだが始まってしばらくはただバタバタしているだけの印象。緊迫した雰囲気を出そうという必死さが伝わってくる。
老婦人の交渉人は登場の抜けた感じ、そしていざ交渉が始まると相手の心理をうまくつき真相を暴いていく・・・、というのは正直ありがちなパターンで新鮮味がない。宇田川美樹はうまく変装し年齢相応の雰囲気は出していたと思うが私はどうしてもあの口調、声音が好きになれなかった。
またトレーラー内の警察、特殊班捜査係などの面々は、交渉人と犯人とのやり取りのたびに各々が各々なりの一様な表情、動作をしているように思えてならなかった。(不安そうな表情で交渉人を見つめる。腕を組みイライラ感を募らせる等。)緊迫感を出そうと言う雰囲気は伝わるがそれがストレートにこちらに響いてこないのだ。
正直、この内容は舞台で表現するには非常に難しいと言わざるを得ない。どうしても映像表現と比較してしまうのだ。映像であれば交渉時には交渉人がアップになりスピード感、緊張感が損なわれることはないだろう。舞台でこれだけの人数が出ていて同等の表現をするのは至難の業だ。
脚本はよくできていて役者の表現力もあるのだが、(役者それぞれの個性が生かしきれていなかった感もあり)そんなところから私の中ではスリリングな展開とはいかなかった。
唯一いいと思ったのはラストまで声だけの出演だった犯人役の藤堂瞬。彼の絶望感や孤独感がひしひしと伝わったリアルな演技だった。
班女/弱法師
shelf
d-倉庫(東京都)
2013/06/28 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
刺激的、ではあった
我々はお互いに向き合って相手に言葉を投げかけるのが「対話」であると考えているわけだが、この登場人物たちは正面を向き言葉を発する。ただそれがこの三島作品の舞台においては逆により「対話」の成立度が高く各々の感情(情念とでも言おうか。)がダイレクトに伝わってくる。
どうやら舞台上の仕掛けがあったのか、役者の声がいつになく響いて聞こえたのも手伝っていたが、多分に演出家及び俳優たちがこの美しく、人工的で、装飾的な三島作品を深く理解し観客に伝えるだけの力を備えていたと言うべきだろう。
私は芸術的な作品は苦手な方であり、本来なら「チェッ、芸術気取りやがって。」と苦々しく思うところだが、この二作品については身体表現も含めて結構すんなりと受け止めることができた。いい刺激をもらった。
『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
『うそつき』を観劇
最初から最後まで「うそ」にまつわる物語で、いくつかのうその配分もちょうどよかった。登場人物4人がそれぞれ、うそをつくし。(板垣のは本当だったのかな?)
今回、改めて会話劇というのは登場人物の距離感だったり位置関係というのが重要なんだな、と思った。(それは左右に離れて言い合うナイルと板垣だったり、ラストの奥の椅子でつぶやくスランプだったり、後ろ向きで寄り添う板垣とギーコだったり。)
その点、この「スタジオ空洞」という新たな空間は奥行きがありガランとしていてこの芝居にピッタリだったなと思う。
それにしても国が戦闘状態に入ろうかというのに(ナイルは新聞を読んでしきりに気にしてはいたが。)、結局日常的な会話のやり取りに終始するっていうのもなんだか面白い。人間って、いざとなってもこんなものかもね。
ファミリーナ
雀組ホエールズ
OFF OFFシアター(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
満足度★★★
物語とテーマ
タイトルからもわかるようにこの物語のテーマは「家族」、そして下宿人たちの抱える「夢」だったりする。(当日パンフに作者も書いているとおり)
その点から考えると、前半はキャストが多い芝居にありがちな役柄紹介的なシーンが目立った。それぞれの夢の話も出てくるのだが描き方が浅く、ただ並べただけの印象で終わっている。
また「家族」の方は家主の山田一徹、亡き妻の春奈、娘の美奈子である。
私が鈍感なのだろうが、初っ端から登場する春奈が、一徹と二人きりになるシーンまで幽霊(幻影?)だと気付かなかった。それ以後は夫婦間の愛情が感じられる展開だったが、前半にもう少し若かりし頃の二人のエピソードなどを入れてもらえると、壊れたゴリラの時計の話ももっと生きてきたように思う。
一徹と美奈子の関係も同様である。頑固親父の一徹が彼女の結婚を許すシーン。本来最も感動的なシーンだろうが私にはそれほど響かなかった。父娘の情愛シーンが前半にもう少し欲しかった気がする。
ということで、ファミリードラマとしてはそれなりに楽しめるが、物語が拡散しテーマが希薄になってしまった分、インパクトに欠けた印象である。
テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)
劇団 東京フェスティバル
駅前劇場(東京都)
2013/06/19 (水) ~ 2013/06/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
日本版エンタテインメントここに極まれり
とでも言いたくなるような出来だった。
「選挙特番」直前のテレビ局を舞台に、登場人物それぞれの思惑が絡み合って紡ぎ出された極上の人間ドラマを見せてもらった。
生放送直前に起こった事件を暗転なしのワンシチュエーションで見せるスピード感溢れる展開でどんどん物語に引き込まれていった。生本番が刻々と迫るなかでどう事件を解決に導くのか、一瞬足りとも見逃せない展開はサスペンス要素満載で最後までハラハラさせる。
さらに個性豊かなキャラクターたちが見事に配され、役所陣の力量と相俟って、この物語を一級品のコメディに仕上げていた。無名の新人候補渡辺を演じた菊池均也さん、いい味出してたなー。
不思議の国のアリスより
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2013/06/20 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
志ん輔のマイ・ド・セレクション
華のん企画
国立演芸場(東京都)
2013/06/13 (木) ~ 2013/06/13 (木)公演終了
満足度★★★★★
たっぷり堪能しました
休憩を挟んで2時間50分の高座。たっぷり楽しませていただきました。
一朝師匠の「芝居の喧嘩」。江戸っ子らしい威勢のいい演目で、最後サラッと終わるところがいいですね。
志ん輔師匠の「佃祭」。聴かせますね。ただ不勉強でサゲがわからなくて、後で調べてそういうことか、と。
ギター漫談のペペ桜井さん。ベテランの貫禄ですね。
ホール落語に行くことが多いので(最近はとんと寄席にも行ってない。)、国立演芸場の雰囲気を味わえて満足の一夜でした。
飛ぶ金魚
ジ~パンズ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2013/06/13 (木) ~ 2013/06/19 (水)公演終了
満足度★★★
ベルボトムVer.
コメディ部分はベタな笑いだけど、こういうのが一番安心して観られて素直に笑える。(お笑いコントに近いかな。)
でもドラマ部分は、深刻な問題であるDVを(それもダブルで)ドラマをドラマたらしめようととして安易に取り上げているようにしかみえない。この手法は頂けない。
また、登場しない一家の父親の言葉を、彼の再婚相手になる内堂聡子が説明口調で三女、杏子に伝えるシーンがあるが、これではこちらの気持ちが盛り上がらない。シリアスドラマは正面切って見せるのでなく「何気なく」、「さりげなく」見せる部分があった方が効果的と思うのだが如何だろうか。
うさぎストライプも演劇展『おやすみなさい』
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/06/07 (金) ~ 2013/06/09 (日)公演終了
満足度★★★
これもひとつの表現
青年団演出部所属の若手演出家の作品は、一般的な「演劇」の枠組みからちょっと外れた作品が観られるのでなるべく観たいと思っている。「うさぎストライプ」は初見。
ポップなサウンドも含め表現としては面白く感じた。ただ(夢の話なので仕方ないのだが)、女の子の分身たちが脈絡のないストーリーを語り続けるのは少し退屈。うさぎのダンスは可愛かったですよ。彼女が夢の中では自由に動いている感じがして。
姐さん女房の裏切り
千葉雅子×土田英生 舞台製作事業
サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)
2013/06/05 (水) ~ 2013/06/12 (水)公演終了
満足度★★★★
濃密な二人芝居
組長の妻だった女と鉄砲玉だった男。初っ端から二人の軽妙洒脱なやり取りに引き込まれて観るうちに、この会話劇は何事もなく進行していく。
しかし、途中でふと思い出す。「あれ、タイトル、『姐さん女房の裏切り』だったよな。」すると、二人の会話の全てがこのタイトルに収束されていくことに気付くのだ。二人で暮らしたこの二十年がわずか70分の間にギュッと凝縮されていることに圧倒されるのだ。これは緻密に構成された脚本の力であり、何気ない会話の中に男女間の機微を感じさせる二人のベテラン演劇人の力だ。リ・クリエイション後の作品もぜひ拝見したいと思う。
月の岬
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2013/05/29 (水) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
芝居の醍醐味
九州の片田舎で暮らす姉弟の平穏な日常が、凪いだ海が少しずつ波立っていくように変化していく。その過程が静かに、(内実、激しく燃えるように)描かれている。
前作同様、この団体は言葉で多くを語らず、役者の表情や台詞の行間で我々に訴えかけ感じさせてくれる。観客の想像力を喚起させる芝居ーここにこそ芝居の大きな醍醐味があると思い起こさせてくれる。
昔付き合っていた男、清川悟にしつこく迫られても頑として受け付けなかった平岡佐和子が一瞬だけ表情を変えたように私には見えた。計測器の針が大きく振幅し、すぐに戻るように。そして、ラストでは(明らかにされないので定かではないが)佐和子は清川とあの岬へ・・・。大きく丸い月に照らされ岬に立つ二人の姿が見えるようだった。また強い絆で結ばれていたはずの弟の信夫は茶の間に一人座り込み何を思ったのか。彼は微かに笑っているようだった。大げさかもしれないがある種の「無常感」というものさえ感じさせる趣のある舞台だった。
ソウルドリームズ
ぱるエンタープライズ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2013/05/28 (火) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★
ちょっと、どうかな
皆さん仰るようにこの作品は「サスペンス」でもなければ「ミュージカル」でもない。“殺人未遂事件”という内容だけでサスペンスなどと言ってほしくない。歌うシーンも確か3回だけで声量もなく何も訴えかけてこない。内容もお粗末で登場人物の描かれ方が浅いので何も共感できない。若い役者だらけなんだからもっとエネルギーを感じさせてほしかった。
恐怖が始まる
ワンツーワークス
劇場HOPE(東京都)
2013/05/24 (金) ~ 2013/06/04 (火)公演終了
満足度★★★★
演劇的表現力の高さ
まず冒頭のスローモーションとストップモーションの身体表現にハッとさせられた。「徐々に恐怖が迫ってくる」という表現にピッタリだったから。また同じ茶の間なのに、二つの家族が瞬時に入れ替わり場面が転換していく手法も面白い。演劇ならではの表現力の高さを感じた。また、役者陣の安定した演技力も相まって見応えのある舞台となった。
この物語で語られるのは「見えないもの」(放射能汚染)を、時の経過とともに「ないもの」「なかったもの」にしてしまう「人の心」の恐ろしさ。これは我々に突きつけられた大きな問題である。
それどころか、渦中にいる原発作業員でさえ、組織のため、義理や面子のため、「見えないもの」に蓋をして「ないもの」にしてしまうことの愚かさ。ラスト近く、仕事を続けようか、やめようかと迷う若い作業員に白血病で亡くなった年嵩の作業員の妻が「自分の真ん中にあるものをまっすぐに見つめて答えを出す」よう話すシーンがある。そう、「命より大切なものなんてないんだよ」というシンプルかつストレートなメッセージが痛いほど突き刺さってくる。ラストの、登場人物たちが1からカウントしていくシーン。一つ一つに祈るような思いが込められていたと感じたのは私だけだろうか。
チェンジ・ザ・ワールド
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2013/05/23 (木) ~ 2013/05/27 (月)公演終了
満足度★★★
期待しすぎたかな
前回公演、「ズーキーパーズ」に続き2回目の観劇。前回が自分好みで最高に面白かったので期待しすぎたからか、今回はクスッと笑える程度で前回ほどのパンチは感じなかった。確かにワンシチュエーションコメディというのは特徴のあるキャラクターが次々に出てきて、次々にトラブルが起こらないと話は進まないのだが、一つ一つの笑いのレベルが想定内に収まっているからなのか。客観的に見れば、絶妙の味付けで調理された一品なのかもしれない。何度も言って恐縮だが、私にはパンチが足りない、としか言いようがない。ひとつ感心したのはキラー鈴木役の笠野哲平の熱演。あれだけ大声出し続ければそりゃ声嗄れますよ。スゴイです。
『問わず語り』
劇団ドガドガプラス
明石スタジオ(東京都)
2013/05/23 (木) ~ 2013/05/26 (日)公演終了
満足度★★★
物語としてはどうかな
女優陣の美しく、妖しい魅力に支えられた舞台だった。エロティックな表現は秀逸だったと思う。(照明が彼女たちの妖艶さをより引き立たせていた。)ただ物語としては深みがなく、何より主人公「太田」の内面が描かれていないのでどうもピンとこない。(原作がそうなのかな)戦局が硬直し、徐々に張り詰めていく時代の空気と「たるみにたるんだ軟派の極み」である太田の対比、シーンでいうと太田と息子の嫁、雪江の情交と戦地で散っていく息子、和也を二重写しにしたシーンは興味深く観た。(対極にある、生と死が象徴的に描かれていた。)また「別れ」を強調したかったのか、ショパンの「別れの曲」が何回も流れていたが、これは頂けない。情感が最も盛り上がるシーンで一度使えばいいと思うのだが、どうだろうか。
六丁目金山ビル・おみまめ
劇団芝居屋
テアトルBONBON(東京都)
2013/05/22 (水) ~ 2013/05/26 (日)公演終了
満足度★★★
確かに人生は覗けたけど・・・
前半は喫茶店に集う人々の人物紹介的な印象が強い。後半は姉弟と、彼らが幼い時期に別れた父の話が大半を占める。増田氏の語る「人情芝居」的色合いを後半で強めようと思ったのか、“おみまめ”まで行き着くのが少し性急すぎた感があり、私には入り込めなかった。ラストの姉弟をスポットで照らす場面もベタすぎて好きになれない。(「わかりやすさ」を追求した結果なのかな?)この物語を支えているのは喫茶店「マーガレット」のママを演じた永井利枝の演技だ。彼女の自然で皆を包み込むような演技がこの「人情芝居」をまるごと体現しているように思えてならない。
熊の親切
カムカムミニキーナ
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2013/05/15 (水) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
「サラウンド」というだけあって
カムカムは以前一度だけ観たな、と思って調べたところ2002年2月に中野ザ・ポケットで観ていた。どんな作風だったかなと思って、久しぶりに観劇。一言で言うと、この芝居は「見せる(魅せる)芝居だな。」ということ。