遊民の観てきた!クチコミ一覧

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妻らない極道たち

妻らない極道たち

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2014/06/05 (木) ~ 2014/06/10 (火)公演終了

満足度★★★★★

娯楽作品の王道を観た
長らく観たかったホチキスを初観劇。なるほど、客を楽しませるツボを心得ている。

なんといっても権藤良子を演じた小玉久仁子がいい。少々オーバーなセリフ回しや仕草がこの作品にピッタリはまっていて組長の貫録十分。最後まで彼女から目が離せない。

出だし、テンポが速かったせいか、スナックのマスター夫婦のセリフなどが聞き取り辛く、コンビのギャグが理解できなかったが慣れてくるとこれが芝居のテンポにあっていて心地良くなる。彼らのピンクを基調とした衣装も、極道たちの衣装の暗色を中和してくれる。

結婚相談所開設の件はちょっと唐突な感はあるが、その後の展開は、有無を言わせず観客をグイグイ引っ張っていく力量を感じさせた。
大団円に向かうラストは「おっ、これはミュージカルか!」と思わせるような説得力で思わずグッとくる。

観終わって「なんだか、劇画から抜け出た人物たちによる芝居を観た」様な不思議な感覚に襲われた。
ともあれ初観劇のホチキスワールドに大満足した。

最後の伝令 菊谷栄物語

最後の伝令 菊谷栄物語

劇団扉座

紀伊國屋ホール(東京都)

2019/11/27 (水) ~ 2019/12/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

シリアスなドラマと華麗なレビューが絶妙な配分で融合した極上のエンタメ作品。レビューがキラキラして楽しい分、ドラマがより切なく感じた。「やっぱ芝居って最高だな!」と素直に思わせてくれる一本。文句なしの星5つ。

へちゃむくれと台風

へちゃむくれと台風

テアトル・エコー

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2012/11/22 (木) ~ 2012/11/29 (木)公演終了

満足度★★★★★

相乗効果による秀作
作、演出の鈴木氏、照明、美術、音響等のスタッフ、キャストの役者陣の力が相乗効果となって、味わいのある作品に仕上がっていました。

ネタバレBOX

作家の鈴木氏が役者一人一人に当て書きしたとあって、登場人物のキャラクターが皆、魅力的で最後まで目が離せません。特に吉川亜紀子さん演じる旅館の女将が、母親の言葉に愛情を感じて浮かべた表情は絶品でした。
志ん輔のマイ・ド・セレクション

志ん輔のマイ・ド・セレクション

華のん企画

国立演芸場(東京都)

2013/06/13 (木) ~ 2013/06/13 (木)公演終了

満足度★★★★★

たっぷり堪能しました
休憩を挟んで2時間50分の高座。たっぷり楽しませていただきました。
一朝師匠の「芝居の喧嘩」。江戸っ子らしい威勢のいい演目で、最後サラッと終わるところがいいですね。
志ん輔師匠の「佃祭」。聴かせますね。ただ不勉強でサゲがわからなくて、後で調べてそういうことか、と。
ギター漫談のペペ桜井さん。ベテランの貫禄ですね。
ホール落語に行くことが多いので(最近はとんと寄席にも行ってない。)、国立演芸場の雰囲気を味わえて満足の一夜でした。

Doubt

Doubt

よろづや商店

d-倉庫(東京都)

2013/02/26 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

「演じる」ということ
息詰まる台詞の掛け合いにただただ圧倒され「演じること」の崇高さに触れた思いです。

ネタバレBOX

2005年のピューリッツァー賞、トニー賞を受賞した作品だけに最後まで観客を惹きつけて放さない力がある。それはタイトルでもある「Doubt(疑い)」の一点に物語の全てが収斂されることにより発生する張り詰めた緊張感であり、4人の登場人物が彼女が彼女として、彼が彼としてそこ在る確かな存在感である。また俳優たちが見事にそれを演じ切っている、というか、その登場人物としてそこに存在していたという表現がふさわしい。話が逸れるが、先日ラジオ番組で久米明さんが亡くなった劇作家、演出家の福田恆存さんから「役者は何を話すかではなく、なぜその人物がその言葉を発するのかを考えながら台詞を言わなければならない。」と常々言われていた、と仰っていた。それに照らし合わせるとこの物語の登場人物には必然的に発せられる台詞しかないと思われる。俳優たちはその必然さを背負って台詞を発し、登場人物のゆるぎない存在感を浮き上がらせて見せてくれた。それがこの素晴らしい戯曲を更なる高みに押し上げている。素敵な舞台を見た後の感動は何物にも替え難い。最後に当日パンフの、プロデューサー西村長子さんの「固定観念との闘い」なる文章に痛く感動し、大いに共感した次第です。
絢爛とか爛漫とか

絢爛とか爛漫とか

パショナリーアパショナーリア

シアター風姿花伝(東京都)

2017/10/18 (水) ~ 2017/10/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

初っ端からセリフの応酬で物凄いエネルギーが伝わってきて気が抜けない。女性の持つ自由奔放さとか力強さとかいろんなものが詰まっていて飽きさせない作品でした。それを見事に舞台に結実させた演出の山田さんはじめ四人の女優さんに心から拍手を送りたい。

後ろの正面だあれ!

後ろの正面だあれ!

椿組

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/05 (火)公演終了

満足度★★★★★

うぅっ、たまらん!
椿組は長らく観たいと思っていたのに未見の劇団であった。何度もこみ上げてきてやばかった。

ネタバレBOX

時代は多分私が子供時代を過ごした昭和40年代だろうと思う。(山口百恵だったり加藤茶の「チョットだけよ」、「LUX」は高級舶来石鹸などの件から)そのせいか懐かしくもあり、作品全体を流れる空気がとても優しくて何度も泣きそうになった。まず何といってもアメノウズメ役の岡村多加江さんがいい。彼女の表情に表れる純粋さ、限りない優しさ。気丈な長女が一人、弱音を吐くシーンで後ろから彼女をそっと抱きしめるウズメ、なくなった母の写真を精一杯の愛しさを込めて抱きしめるウズメ、ラストで桜の花びらの舞い散る中、手を広げ満面の笑みを浮かべるウズメ、今でも目に浮かびます。そして座長の外波山文明さん、この二役は見事ですね。単純に別人に見えますもん。さすがですね。木場さんのトボけた感じが好きでした。(私などが失礼かとは存じますが。)初見ですが、なんだかここの役者さんがとても好きになりました。女優さん、皆キレイだし、男優さんも愛すべき野郎たち(また失礼)って感じなんですよ。いままであまり考えたことなかったけど役者と観客の相性ってあるのかな、なんて思ってしまいました。話が脱線してしまいましたが、私の中では今年のベスト5に入る作品になるでしょう。(ベスト1じゃないのか)とにかくこの作品に出会えて本当に幸せでした。

ヴェローナの二紳士

ヴェローナの二紳士

ハイリンド

吉祥寺シアター(東京都)

2013/07/08 (月) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★★

ハイリンド版、楽しい!
シェークスピアというと敬遠してしまいがちだったので(彼の作品は重厚な悲劇の方が印象が強いせいか)観る前は多少不安だった。しかしハイリンド版はその不安を吹き飛ばす楽しいものでした。
何よりストーリーが分かりやすく、恋愛における男女の心理を最も単純化した形で描くことにより、こちら側に情感がストレートに伝わってきた。(もちろん原作がそうなのだろうが、きっと松岡和子さんの新訳に因るところが大きいのではないだろうか。)
特に印象に残るシーンがフローディアス(井原農)を想うジュリア(はざまみゆき)が 少年の姿で一人佇み独白するシーン。“嗚呼、なんという乙女心の切なさよ”と、オジサンもジーンときてしまいました。またその時の彼女の表情も素敵だったし、なによりその発声の美しさに聞き惚れました。
長く独特なセリフ回しは(ある程度予測していたこともあって)それほど苦にならなかっし、ラーンス(高木稟)の関西弁も不思議と物語に溶け込んでいました。
そして何より感嘆したのはラストのパイ投げです。ハッピーエンドで終わる物語の登場人物たちの喜びをMAXで表現したシーンであり、古典劇の枠組みをいいかたちで崩すという「してやられたり」の表現でした。
素直にシェークスピアって面白い、演劇は面白いと感じた作品でした。

エキスポ

エキスポ

ハイリンド

d-倉庫(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

嗚呼、人情喜劇!
人情喜劇の名作に出会えて至福の2時間でした。台詞の一言一言が輝いていて、達者な役者さん達が、更に生き生きと輝きのある舞台にしてくれました。“人間とはかくも可笑しく哀しい生き物なり”との思いです。

スタンス

スタンス

梅棒

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/10/17 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

これぞエンタテイメント!
最後まで一瞬たりとも目が離せない。3つのストーリーを交錯させながら、私のような素人にもわかりやすく、選曲もJ-POPを使い親しみやすい。メンバーのダンスへの愛情が観ているこちらにビンビン伝わってきて身体表現の素晴らしさを改めて実感した。。老若男女すべての人が楽しめる、これぞまさに極上のエンタテイメントである。

テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)

テレビが一番つまらなくなる日(2013年版)

劇団 東京フェスティバル

駅前劇場(東京都)

2013/06/19 (水) ~ 2013/06/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

日本版エンタテインメントここに極まれり
とでも言いたくなるような出来だった。
「選挙特番」直前のテレビ局を舞台に、登場人物それぞれの思惑が絡み合って紡ぎ出された極上の人間ドラマを見せてもらった。
生放送直前に起こった事件を暗転なしのワンシチュエーションで見せるスピード感溢れる展開でどんどん物語に引き込まれていった。生本番が刻々と迫るなかでどう事件を解決に導くのか、一瞬足りとも見逃せない展開はサスペンス要素満載で最後までハラハラさせる。
さらに個性豊かなキャラクターたちが見事に配され、役所陣の力量と相俟って、この物語を一級品のコメディに仕上げていた。無名の新人候補渡辺を演じた菊池均也さん、いい味出してたなー。

こんこんと、

こんこんと、

green flowers

シアター711(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

余白のある芝居
この言い方が適当かどうかわからないが、要するに観客のイマジネーションを喚起する良質な芝居だった。

ネタバレBOX

前半は、結婚式場のスタッフの妙にリアルな会話に始まり、新婦側の実家、新郎側の実家、居酒屋とスピーディーに場面が変わっていく。この中で登場人物各人のキャラクターや関係性、心情などがごく自然な流れの中で語られていく。

後半、結婚披露宴当日、彼らが一堂に会する。ここで起こるてんやわんやの中で前半の内容が結実する。それぞれのキャラクターが生かされているのだ。例えば式場のスタッフである木村はあっけらかんとしていて、客人である新婦の親族たちと結束し、亡くなったはずの新婦の父笹塚をかくまおうとする。他にもしっかり者の先輩社員沼田や笹塚の実直さなど、挙げればきりがない。

タイトルに書いた「余白のある」は新郎新婦が最後まで登場しないということだ。私はいつ出てくるのかとドキドキして観ていた。しかしそれによって、逆に二人の輪郭が見えてくるような気がするから不思議だ。もう一つはラスト、笹塚が不安そうに佇む場面。もう少し続きが観たいというところでふっと幕になってしまった。余韻を残すところが実に憎い。

今回最も驚いたのが、イトキチの正体を知ったこと。劇中の彼女は、数十年ぶりに、それも死んだと思っていた父に会った娘の芯の強さを見事に演じていた。普通に考えれば兄の圭同様、うろたえて父を非難してもおかしくない場面。晴れの日ということもあったのだろうが、実に落ち着いてやさしさに満ちており、その説得力にはただただ感嘆した。

「かっぽれ!」シリーズを観て内藤作品を全部観たいと思った。そして、今作で イトキチ」作品を全部観たいと思った。グリフラ、恐るべし!、である。
泳ぐ機関車

泳ぐ機関車

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2012/12/13 (木) ~ 2012/12/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

劇的なるもの
私は「桟敷童子」初心者(昨年の「改訂版軍鶏307」から)なのだが、今回も感じたのは、現実と虚構の狭間で揺られながら夢を見ているような気分になる舞台だということ。我々観客は「より劇的なるもの」、「演劇でしか成し得ない何か」を求めて劇場に向かう。「桟敷童子」の舞台はまさにそれを眼前に浮かび上がらせ示してくれる。それがこの劇団の大きな魅力になっているのではないか。(初心者なのに大層なことを言いました。)脚本、演出、美術、音響、照明、その他諸々のスタッフワーク、そしてもちろん役者の演技、すべてが揃ってこの至極の舞台「泳ぐ機関車」を観る事ができたと思わずにいられない。この時代に生きて、この劇団の舞台を観る事ができる幸せをしみじみ感じる次第である。

Melody

Melody

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/02/08 (水) ~ 2017/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

東京セレソンDXの芝居には何度も泣かされたのできっと素敵な作品だろうという予感は的中した。これでもかと笑わせた後、ふと気づくと目頭が熱くなっている。笑いと泣きの振幅が大きいほど泣けるもんだなあとつくづく思う。

ネタバレBOX

物語のテンポもホームコメディタッチの早いものから、池脇明音(阿南敦子)の病気発覚後はゆったりしたテンポへ変わっていく。こういう物語の緩急も見事だ。明日音が瀬戸草太(平田貴之)を辞めさせるシーンの後ろ姿、彼の残したタバコを吸うシーンは思いが溢れていて堪らなくなる。
かっぽれ!〜春〜

かっぽれ!〜春〜

green flowers

テアトルBONBON(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

あっぱれ、かっぽれ
大変遅くなりました。「観たい」でシンプルなフライヤーについて触れましたが、作品自体も雑味がなくエッセンスだけを散りばめたようなお芝居でした。東吉師匠はじめ皆さんが本物の噺家さん以上に噺家さんらしくて、ポンポンと飛び交う会話のテンポなど聞き惚れていました。当日は名人の噺を聴いた後のようないい気分がいつまでも残っていたのでした。最後に「かっぽれ」を踊ったのも粋な感じで泣かせました。100点満点の芝居でした。そうなると前作の「かっぽれ」を観ていないのが心残りです。何とか再演していただけないでしょうか。いや、前作のみならず内藤さんのすべての作品を観たくなりました。

ちょぼくれ花咲男

ちょぼくれ花咲男

文月堂

座・高円寺1(東京都)

2015/06/10 (水) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

これぞ、エンターテイメント!
老若男女が楽しめそうな舞台に出会えるたのは久しぶりだ。登場人物が多いのに各人のキャラクターと劇中での役割が明確なのでお話がとても分かりやすい。場面転換が多いのにストーリーが整然としているので物語がスムーズに流れていく。真の娯楽作品とはこういうものだというお手本を見た気がした。

ネタバレBOX

すったもんだあって最後はハッピーエンドというのはお定まりではあるがそれだから落ち着くというのもある。上下の重層的な舞台セットや「花咲男の歌」をはじめとする音楽の使い方も舞台を盛り上げていた。

また今回は中野英樹さん(汗だくで熱演でした。)、山口誠義さん、四條久美子さんなど贔屓の役者さんの芝居が観られたのも収穫でした。
マペットのクリスマスキャロル

マペットのクリスマスキャロル

巴プロデュース

小劇場てあとるらぽう(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

予想外に楽しかった!
乗っけから失礼しました。マペットが登場する舞台とのことで「どんなものかなー」という好奇心で伺ったのですが、クリスマスのこの時期にふさわしい心温まる舞台でした。何よりマペットたちが愛らしい。(表情はないはずなのに)表情豊かで生き生きしていて、仕草にも表情が出ていて。彼らを操るマペティアさん達のここに至るまでの苦労たるや、大変なものだったろうと想像できます。そして、主演の倉石功さんのどっしりした存在感が、マペット達のファンタジックな世界とちょうどバランスが取れていて観ていて心地よかったです。勝手な推測ですが、倉石さんご自身がとっても楽しんで演じられていたようにお見受けしました。観終わった後、とってもいい気分でした。

シャッター

シャッター

バッカスカッパ

劇場HOPE(東京都)

2013/07/03 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

鮮やかに切り取られた日常風景
とにかくホッとするようなあったかい空気感が抜群だった。私の最も好む作風かもしれない。
田舎町の食堂兼居酒屋で展開する物語は登場人物がそれぞれ同級生同士だったり、先輩後輩の仲だったりしてアットホームな雰囲気に溢れていた。(役者がそれを感じさせるだけの演技をしていたということだろう。)
彼らはそれぞれ悩みや問題を抱えているのだが、それがうまく物語に組み込まれていて観ていて飽きさせない。またいいタイミングで随所にコミカルなシーンがあり、その笑いのセンスも好みだった。
ラストはなんとなくフェードアウト、というか「つづく・・・」のような感じで終わったがこれはこれで納得できた。(できればパート2を上演してほしい位だ。)
いやっー、楽しかった。

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

劇団チョコレートケーキ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

「熱狂」はまさに熱狂的
一人の独裁者がいかにしてナチスドイツを築き上げていったのか、理路整然と観客に示してくれた。役者たちの存在感が圧倒的で、特にヒトラー役の役者は演説の後にドイツ国民の熱狂する声々が聞こえてくるようだった。ピンスポットの使い方も印象的であり、ル・デコの空間も雰囲気を盛り上げていた。
脱帽の一言に尽きる。

365度人生

365度人生

張ち切れパンダ

小劇場B1(東京都)

2019/12/07 (土) ~ 2019/12/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

まだ3かいめだが、観ていてこれだけ心地いい劇団は久しぶりです。一番の理由は主人公が良くも悪くも魅力的なのです。今回の七子もそう。後半そこまでするか、という展開も彼女の人物像を作り上げるためには必要だったのかと思う。また毎回謎めいたタイトルの解答を明快に(劇中の伏線の張り方が実に巧い)示してくれること。これは物語を味わう観客の醍醐味になっていると思う。今回は場面転換の速さも光っていたし、日常のクスッと笑える場面をうまくとらえたシーンが随所にちりばめられていて楽しめる、など理由は挙げればキリがない。これからも末永く楽しませてください。

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