ヴェローナの二紳士 公演情報 ハイリンド「ヴェローナの二紳士」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ハイリンド版、楽しい!
    シェークスピアというと敬遠してしまいがちだったので(彼の作品は重厚な悲劇の方が印象が強いせいか)観る前は多少不安だった。しかしハイリンド版はその不安を吹き飛ばす楽しいものでした。
    何よりストーリーが分かりやすく、恋愛における男女の心理を最も単純化した形で描くことにより、こちら側に情感がストレートに伝わってきた。(もちろん原作がそうなのだろうが、きっと松岡和子さんの新訳に因るところが大きいのではないだろうか。)
    特に印象に残るシーンがフローディアス(井原農)を想うジュリア(はざまみゆき)が 少年の姿で一人佇み独白するシーン。“嗚呼、なんという乙女心の切なさよ”と、オジサンもジーンときてしまいました。またその時の彼女の表情も素敵だったし、なによりその発声の美しさに聞き惚れました。
    長く独特なセリフ回しは(ある程度予測していたこともあって)それほど苦にならなかっし、ラーンス(高木稟)の関西弁も不思議と物語に溶け込んでいました。
    そして何より感嘆したのはラストのパイ投げです。ハッピーエンドで終わる物語の登場人物たちの喜びをMAXで表現したシーンであり、古典劇の枠組みをいいかたちで崩すという「してやられたり」の表現でした。
    素直にシェークスピアって面白い、演劇は面白いと感じた作品でした。

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    2013/07/22 14:23

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